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245093 journal

aitoの日記: 8/10 応用音響・電気音響・聴覚研究会 午前まとめ

日記 by aito
○耳介形状と正中面上の音像定位の個人差に関する研究
東京電機大の浜田研。110人の耳たぶを石膏で型取って、耳の形と正面上下方向の音の定位の関連を調べた(関係を調べたのは10人)。定位の正確さと耳の大きさに有意な関係があった(耳が大きいほど定位精度がよい傾向がある)。また、耳が小さい人はHRTFの零点の角度による変化が乏しい。全体データを主成分分析してから、主成分と定位精度の関係を見ている。定位精度を測った人が耳介形状データのサブセットなのでしょうがないが、目的からいって、主成分分析ではなくて定位精度を目的変数として重回帰分析とかを使った方がよい気がした。

○音像定位実験における被験者数が正当率に与える影響
苫小牧高専。音像定位実験をたくさんやりたくないので、何人被験者を用意すればよいのかを考えた。必要な人数を調べる方法として、まず十分多くの被験者について実験をして、被験者を1人から増やしていったときの正答率の平均値が、全員の結果に対する95%信頼区間に入る時が「十分な人数」であろうという方法。正答率が高い被験者から選んでいった場合と、低い被験者から選んでいった場合の両方を調べる。結論として、正答率平均が50%程度の時、35人程度の被験者を用意すれば十分そう。信頼区間の幅は最初に選んだ被験者数に依存するので、最終的に何人被験者が必要かをこれだけから決めるのは無理がありそう。

○聴覚刺激とともに提示した視覚刺激の差異がラウドネス知覚に与える影響に関する一考察
秋田県立大。様々な大きさの音を聞かせると同時に、棒グラフの棒が伸び縮みするような映像を見せて、それにより音の大きさの知覚がどう影響されるかを見る。主観評価方法は基準音を100としたときの比較音の大きさを答えさせる方法。より長く延びる棒を見せると、小さい音でも大きく知覚される。音の知覚が視覚に引っ張られるというのはありがちだけど、この実験条件で大丈夫なのかというのはちょっと心配なところ。

○複合カフェにおける火災警報音の聞こえについて
東京都市大学+産総研。ネットカフェ等でヘッドホンをしていると火災警報が聞こえなくなるのではないかというのが問題意識。ネットカフェ内での警報ベルや非常放送がどのような大きさで鳴っているのか、それがヘッドホンで音楽を聴いている人にどの程度聞こえているのかを調べた。非常放送は比較的大きい音で鳴っているが、非常ベルは個室ブースなどではほとんど聞こえない。また、ヘッドホンによる遮音効果はヘッドホンの種類によって大きく違い、挿入型イヤホンが最も遮音効果が高い。ヘッドホン装着時に確実に聞こえる音にするためには、80dB以上の音が鳴っている必要がある。「日本複合カフェ協会」というのがあるのを初めて知った。
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