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aitoの日記: 5月13日SIGMUS@京産大まとめ

日記 by aito
(1) 実ドラムと仮想ドラムを統合するための叩打動作識別機能をもつドラムスティックの設計と実装(神戸大)
塚本研。ドラムスの演奏で,実際のドラムを叩くと普通の音がして,何もない空間を叩くと仮想の打楽器の音がするようなドラムスティック。仮想ドラムはスペースが不要で配置も自由だが演奏がしにくいので,よく使うドラムは実物を使って,それ以外は仮想ドラムを使うというアイデア。実物を叩いたときに仮想ドラムの音を鳴らさないようにするのがポイント。実物と仮想の識別はスティックの加速度と角速度パターンだけを使う。

(2) Bathcratch:浴槽こすり音を利用した日常生活環境組み込み型楽器(京都産業大)
平#先生。浴槽をこすったり触ったりすることで演奏するインタフェース。ネタっぽいがデモムービーはやけにかっこいい。こすり音を振動ピックアップで拾い,Max/MSPで処理。こすり音の検出には,ピックアップ入力がF0を持つかどうかだけで検出。左手では静電センサでタッチを検出。調整によって水にぬれても大丈夫だそうだ。こすり音を直接演奏に使っているのではなくて,あくまでスイッチとして使っているようなので,その辺を演奏に使うのが今後の課題だそうだ。きちんと作ってNIMEに持っていけば絶対受けるという長嶋先生のコメント。楽器インタフェースの基準とは何かについての平田先生のコメントが面白かった。

(3) 金城による工工四データベースのXMLへの変換(九州大)
工工四(くんくんし)は沖縄の三線の楽譜。それを記述するXMLを定義したという話だが,楽譜自体がシステム化されていなくて解釈も多様であるところが問題らしい。金城によるデータベースでは表計算ソフトを使っていたが,機械可読性と可視性を両立させるところに無理があった。そこでXMLで全部記述できるよう記法を拡張し,表計算からの変換スクリプトを開発した。また,工工四の編集用GUIを開発した。

(4) オーディオ指紋検索に適した高速なハミング空間検索(徳島大学)
北先生。Audio fingerprintを使った高速な楽曲検索。きちんと説明されていなかったが,信号として同一の楽曲を検索するタスクのようだ。サブ指紋のマッチングには二分探索を行う。基本的には,短い単位(3フレーム)を単位として探索を行い,たくさん当たったところに対して詳細なマッチングを行う。サブワード単位でのspoken term detectionと似た考え方。

(5) DNCOFベクトルとクロマベクトルを用いた和音認識(早稲田大)
植村さん。クロマベクトルを使う和音認識だとメジャーとマイナーの誤りが多い(3音中1音しか違わない)ので,音楽知識としてDoubly Nested Circle of Fifth (DNCOF)を利用して性能を上げる。DNCOFベクトルはコードベクトルの主方向成分だけを極座標表示したみたいなもの。クロマベクトルから各コードの事後確率みたいなもの(コードベクトル)を作り,それを次元ごとに極座標に直した上で全部加算してDNCOFベクトルを得る。DNCOFベクトル単体でHMMを作るとクロマベクトルには及ばない性能。クロマベクトルと併用するとちょっと性能が向上。クロマベクトルによるHMMとの統合方法がダサい。

(6) 第1回サブRencon開催報告:運用プラットフォームの準備と,約1か月の投票期間を設けたインターネット投票の実施
野池さん。前回発表するはずだったけど間に合わなかったサブRenconの報告。Renconはここ数年続いているが,本家Renconを補完する意味での小規模RenconとしてサブRenconを開催した。インターネット投票を行ったのが特徴。評価の中に,本物の人間と表情付けのない自動演奏が混じっている。人間らしさとは別に「好み」の評価で,本物の人間の次に「単なる自動演奏」が好まれていたのが面白かった。

(7) 初期のピアノ学習における学習項目(信州大)
幼児用ピアノ教育の話。初期ピアノ教育では,どういう学習段階でどのような曲に取り組むかがある程度決まっているので,学習段階を決めると楽曲のパターンが決まる。そこで,学習段階にあわせて練習に適切な曲を自動生成できないかという試み。初級では,使える音と可能な和声進行に強い制約があるので,作れる和声進行は極めて限られる。リズムについても同様。初級で習得すべき項目を整理し,モデル化した。実際の自動生成までは行っていないが,面白い試みだと思った。

(8) エンタテインメント・コンポージング教育に向けて(静岡文化芸術大)
長嶋先生。SUACでのメディア教育と作品の紹介。作品制作にむけて自分で音楽制作をするときの過程について。ビジュアル要素と連携した数理造形としての音楽生成。学生のレポート制作がたくさん紹介される。Maxで無理やり手書きアニメーションをやる学生の作品が面白かった。しかし2年生からMaxを始めてすぐに作品作れるようになるってすごいな。
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

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