okkyの日記: 「馬鹿で何が悪い」「お前のその、人のいいところだよ」
「選挙の経済学」のオチ。
利己的投票者仮説の嘘 で書いたように、投票者の多くは利己的な方向に投票しない。
「老人なんかしるけぇっ!!」という考えに同調する若者はいないし、
「若い奴らが苦労しても、俺が楽しい目を見るのは当然!!」と考える老人もいない。つまり、投票者の多くは 善意の人である。
で、一方。あちこちで書いたように、投票者の多くのものの見方にはバイアスがかかっている。ちょっと難しくなるとすぐ、間違ったほうを選んでしまう。円高だから人の首を切るのは間違いだ、とかね。
実際は、今、リクルート業界は大忙しだ。外資系企業においては、日本でものをちょっと売れば大儲けだ。だから輸出企業は悲鳴を上げていても、同じぐらい輸入企業は人材不足で悲鳴を上げている。そして丁度、モノが安くなっている今は、工場からIT部隊から何から何まで、より高性能なものにリプレースする好機になっている。当然これに伴って人材に対するニーズが大幅に変更になっているので、人の首が飛ぶ一方でその人材を欲しがっている別の企業が結構ある。唯一注意するべきは 引越しを伴うぞ という事ぐらいだ (マクロ経済学では、労働力はノマドである、という前提があるからね)。
「地元に仕事がない」「なら引っ越せ。君よりも能力のない奴が、ニーズのあるところに住んでいるというだけで仕事を持っていく前に」
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結果として、このような「善意の人」で「全体を見通せない馬鹿」が大量に投票に行くと何が起こるか。
悪意に満ちた賢者よりも、善意に満ちた愚者を恐れよ。
前者が何を しでかす かは予測できるが、後者は予測できぬ。
まさにこれが起こる。そしてこれこそが、民主主義において政策がナンセンスなものに落ちていく、最大の理由である。
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という事になるだろうなぁ、と思ったら。本当にそういうオチだった。しかも 解決策は、民主主義の中にはなし というおまけつきだ。
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というわけで。私のお勧めする、明日の投票の仕方。
投票に行くのはいいが、本当に誰がいいのかわからない場合は、集計の奇跡が発生するように振舞いましょう。
つまり、
1) まず、「これだけは絶対に駄目」というものを選んで排除する。
2) 残った中から必要な数だけ、文字通りサイコロを振って選ぶ。
そうすればあなたの選んだ票は「比較的バイアスのかかっていない票」になります。そうすればバイアスのかかっている票の効果を「薄める」事になる。
投票を棄権するとか、白紙投票するのはやめましょう。それら、あなたの票が無効票になれば、つまらないバイアスのかかった票が勝ってしまいます。そんなことになるぐらいならば、ランダム票を入れたほうがまだましなのです。
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