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yasuokaの日記: 『pronto pronto?』Vol.8のガセネタ

日記 by yasuoka
『pronto pronto?』Vol.8 (2007年6月)を読んでいたところ、「トリビア名誉教授 唐沢俊一のビジネス課外授業。」(p.17)に、「speed dating」の由来に関するガセネタが載っていた。

現在の形の合コンは日本で生まれた独自の文化だが、フランスでも合コンに似た風習がある。“7分間ランデブー”と呼ばれているもので、パーティーで参加者の男性全員が参加者の女性全員と、ひとり7分間の制限時間で会話をし、気にいった相手にだけ連絡先を教えるというルール。これが現在はアメリカに伝わり“スピードデーティング”としてブームになっているのだ。ただし、時間はひとり8分間。

アメリカにおいて「speed dating」が話題になったのは、2000年4月22日のAP電が大きなキッカケの一つだが、このニュースを読めばわかる通り、もともとはアメリカのユダヤ教徒の集団見合いである。職業も住所も電話番号も明かさずに次から次へと7分間ずつ、というのが、当時としてもかなりショッキングなニュースで、あっという間にユダヤ教徒以外にも広まっていった(Yaacov Deyo『Speed Dating』(Harpercollins, 2002年)参照)。

これに対しフランスでは、このやり方を一般に「speed-dating」と呼ぶ。「rendez-vous 7 minutes」なんていう呼び名は非常にまれだ。最近公開のフランス映画『La Fabrique des Sentiments』でも、はっきり「speed-dating」としている。つまり呼び名の上では、アメリカの「speed dating」がフランスに渡ってきたのであって、その逆ではない。いったい『pronto pronto?』は、どんな根拠があって、「speed dating」がフランスからアメリカに伝わった、などと主張しているのだろう?

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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell

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