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yasuokaの日記: 治療器具としてのバイブレーター

日記 by yasuoka
バイブレーターネタが、かなりうけたので、唐沢俊一の『史上最強のムダ知識』(廣済堂出版, 2007年4月)のバイブレーターネタ(p.225)も、マナイタに上げてみよう。

ちなみに、「大人のオモチャ」のバイブレーターは、もともと女性のヒステリー患者の治療器具として開発されたものである。バイブレーターの発明以前は、患者がヒステリーの発作を起こすと、専門医が患者の性器を愛撫する、という治療が行われていた。手での治療は、専門的な技量と時間が必要なため、誰でも使える器具として、1930年代に、イギリスで開発されたそうだ。

治療器具としてのバイブレーターってことだから、これの元ネタはRachel P. Mainesの『The Technology of Orgasm』(Johns Hopkins University Press, 1999)あたりだと考えられるが、だとすると唐沢俊一は元ネタをちゃんと読めてない。Mainesを読む限り、1910年代のアメリカにおいて、すでに電動バイブレーターは実用化されてたはずだ。というか、唐沢俊一自身、ホーグ・レビンスの『快楽特許許可局』(唐沢俊一/監訳, イースト・プレス, 1999年5月)では

ロサンジェルスのジョン・キオーは1911年にアメリカ初の電動膣用バイブレーターの特許を申請した。取得したのは翌年の1912年。

と書いており、U. S. Patent No.1032840の図版まで引用している(p.250)。1910年代のアメリカで実用化されてたのがハッキリしてるのに、なぜ今さら「1930年代に、イギリスで開発」などと言い出すんだろう?

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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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