骨髄幹細胞を肝細胞に分化させることに成功 12
ストーリー by yourCat
自前でまかなう臓器移植へ 部門より
自前でまかなう臓器移植へ 部門より
m(__)m曰く、"米ミネソタ大にて、成人骨髄幹細胞を、肝細胞へと分化させることに成功したそうだ。将来的には、移植用臓器を作り出したり、バイオリアクターでの有価物生産のために使われることになるのかもしれない。自分の骨髄細胞から実験室的に移植用臓器を作り出すのなら、免疫的だけでなく、倫理的な問題も少なかろうと期待される。「臓器工場」への道は、もう、さほど遠くないのかもしれない。
病人の皆様、もう少しだけお待ちくだされ。学者は頑張っております。"
日経BPの記事はそっけないので、詳しくは記事の元になった論文をあたろう。
細胞レベルでは (スコア:1)
Re:細胞レベルでは (スコア:1)
「臓器」は今苦しんでいる病気の方が期待できるほどの見込みはありません。
たとえば心臓のような精緻な器官を考えれば分かるように細胞にサイトカイン
(信号伝達物質)をふりかけただけでは何種類もの細胞からなる形態の制御ま
ではできないからです。
ただ、およそ一種類の細胞からなる「組織」は必ずしも望みのないわけではな
く、肝臓、皮膚、網膜、軟骨といった組織は可能性の高い領域だと言われてい
ます。これらは形状としては単純であり、また均一な細胞によってつくられて
いるので試験管内で培養することが比較的易しく、また培養した組織が試験管
内で動作を確認できるという利点があるからです。
kaho
Re:細胞レベルでは (スコア:1)
されたそうですが(リンク先2002/04/23の記事),ES細胞 [mainichi.co.jp]であれば
「臓器」の再生も可能なのでしょうか?
骨髄の細胞を使う方法はES細胞に比べて心理的・倫理的な抵抗が少ない
と思われますが,それぞれの方法で何がどこまで可能なのかによって,
乗り越えなければならない心理的抵抗にも差が出るんだと思います。
骨髄細胞で再生できる「臓器」なり「器官」なり,それが病気からの
回復につながるのであれば,心理的抵抗が少ない分,その方法が世間
にすんなりと受け入れられ,その結果として今病気で苦しんでいる人
が病気から救われるかもしれない。たとえ方式に限界があるとしても,
それで救われる人がいるのであれば,早く実用化されると良いなあと
思います。
研究者の人たちに期待したいと思います。
Re:細胞レベルでは (スコア:2, 参考になる)
骨髄以外からもいくつかの成人由来の体性幹細胞は得られてますが、その由来によって間葉系のみとか内胚葉系にのみしか分化できないなど(今の段階では)限界があります.ただしESに対して、患者本人から取れるメリットが大きい、と.
#倫理面だけでなく、組織適合性の問題からも.
Re:細胞レベルでは (スコア:1)
再生は難しいのですね。失礼しました。
# 誤解してたらご指摘下さい。すいません。
Re:細胞レベルでは (スコア:1)
臓器そのものを生体外で作ろうという試みは、それはそれで重要なのですが、今のレベルではまだ難しいのではないかと.
細胞が各々の役割に合った形に分化するためには、それの存在している周囲の細胞の状態など、その環境(ニッチと呼ばれる)まで含めたいろんな要素が必要になりますが、これらはいま研究が進みつつある分野なので.
それよりも、とりあえず使えそうな技術としては、幹細胞そのものを組織に移植してしまうというものがあります.いろんな細胞に分化できる能力を持った幹細胞を生体組織に移植してしまえば、そこの環境に応じて不足している分を補うように(ニッチに応じて)分化する、という考えです.
#ただ、これもごく最近になって、実は分化ではなく細胞融合(4倍体が出来てる)によって起きているんじゃないかという指摘が出てきて、安全性を再確認すべきという流れになってるようですが.
ランゲルハンス島ならどうかな? (スコア:1)
臓器一式の生成は難しいと思いますけど, 例えばランゲルハンス島が生成できれば糖尿病で苦しんでいる人には朗報でしょうね.
Re:ランゲルハンス島ならどうかな? (スコア:0)
学者が頑張っている (スコア:1, 興味深い)
> 病人の皆様、もう少しだけお待ちくだされ
何を根拠に「もう少し」とゆーているのかは興味深いところである。病人は何十年も待ってはいられないのだからそれよりは短いレンジの話をしているのだとは思うけど。
Re:学者が頑張っている (スコア:1)
浅い根拠で惑わすような文章になったことを謝罪します。併せて、この文章を以って釈明とさせていただき、議論を通じてよい意図を引き出せればと思います。
Re:学者が頑張っている (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:学者が頑張っている (スコア:0)