LSIを鋳物製造 28
ストーリー by yourCat
「ムーアの法則」またも延命 部門より
「ムーアの法則」またも延命 部門より
t-nissie 曰く、 "プリンストン大学の S. Y. Chou, C. Keimel, J. Gu がシリコンの新しい微細加工技術を開発し、6月20日号のNature誌にその論文が掲載された (ネイチャー和文アブストラクト (要無料ユーザー登録)、ZDNNにも記事あり)。その技術はなんと鋳物。シリコン基板上に水晶 (酸化シリコン: SiO2) でできた鋳型を押し付ける。その上から波長308nmのエキシマレーザーをパルス照射、レーザービームは水晶を透過するがシリコンには吸収されるのでシリコンが加熱融解し、250ナノ秒後 (!) には鋳型どおりに固まって完成。線幅140nmの加工に成功している。この高速微細加工の成功の要因は融解シリコンが水の3倍サラサラしているからとのこと。
ステッパ (光投影による微細パターン露光装置) 関係者ピンチかーっ、ってぼくも?"
傾斜,曲面加工も可能 (スコア:2, 興味深い)
#型はどうやって作るんだ!?
#型はどうやって作るんだ!? (スコア:1)
モノは同じSiO2だから作れない事はない。
# 鋳型が壊れていると不良品を量産する事になる…
「この位置のは必ず不良品になるから後工程とばす」なんてことしたりして[笑]
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:#型はどうやって作るんだ!? (スコア:1)
ところで、なまじ同じモノなだけに、
型とターゲットの化学的親和性が高すぎて
焼きつきみたいな状態になりやすかったりは
しないんだろうか?と思ってしまいました。
温度が高いと、一方が他方を溶融しちゃうわけで、
しかも同じモノなら全率固溶どころのさわぎじゃないわけで…
同じSiO2とはいえ両者の相は違うんだろうけど、
溶けるほど高温ならば、どうせ相の区別なんて意味無いし。
(文字どおり「とけてしまえば皆同じ」で、同じ相になっちゃうんだったよね、たしか)
一発で駄目とまでは言わないまでも、型の寿命が短かったりは、しないのだろうか?と心配してみたり。
Re:#型はどうやって作るんだ!? (スコア:1)
えーと、SiO2ってガラスの主成分で、シリコンは入ってますが
酸化物ですので、今回加工してるシリコン基板(Si結晶)とは
違うものだと思うです。
#そりゃ、微小なレベルでの原子交換はあるかもしれないけど。
#ちなみに、加熱してもSiO2になって一緒に混じらないのは、
#加熱時に周囲に酸素原子が充分にないからではないかなぁ。
焦点を絞るための光学系(顕微鏡とか)の部品も
SiO2中心(石英が主成分のガラス)だと思いますので、SiO2が
エキシマレーザーで加熱されるというのは、原理的におきない
ように思います。
>ところで、なまじ同じモノなだけに、
>型とターゲットの化学的親和性が高すぎて
>焼きつきみたいな状態になりやすかったりは
>しないんだろうか?と思ってしまいました。
リリース文では、「固着しない」って事になってるようですね。
#わたしの想像では、加熱を繰り返すと、だんだん表面が
#高温の溶融物にアタックされて、原子交換が起きて、
#平坦度が薄れて荒れてくる気がするけど。
---- redbrick
縮小は? (スコア:0)
この原理だと縮小できないですよね?
Re:縮小は? (スコア:0)
Re:#型はどうやって作るんだ!? (スコア:0)
そりゃレティクルやマスクがおかしくても同じことでしょう。
Re:#型はどうやって作るんだ!? (スコア:2, すばらしい洞察)
鋳型のサイズは、
・チップの一部
・チップ1個
・チップ数個
・ウェハ全体
が、考えられます。
光学式の場合、チップの一部を対象であっても処理時間はあまり増えませんが、
鋳型の場合、処理後に『ひっぺがす』操作が加わりますので数個~ウェハ全体でないと効率が悪いかと。
で、鋳型の一部に損傷が発生すると、特定位置のチップが駄目になる…(一部~1個なら全滅。)
# それでもエッチング工程全体と比較したらチップの一部が対象でも速いのかな?
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:#型はどうやって作るんだ!? (スコア:1)
んー・・・サイズの捉え方の違いと言うか・・・根本的に
マスクもレティクルも、所詮は加工するものの「型」でしかない
(非接触と接触という違いはあれど)って事ではないかと。
#わたしは、規模や型(面付け)の構成によるだろうけど、
#一部が破損したりゴミが乗ったりしたら、接触式な型と
#露光マスクでも、状況は変わらないと思うけどなぁ。
マスクと言っても、1chipのサイズのものをウェハ上でくまなく
移動させて露光する場合もあるし。
#デカいマスクは作るの高いし、マスク製造時にあるchipの一部に
#欠損があると、おっしゃる通り、かならずそのchipダメになるし。
あんまり言いたかないけど、クリーンルームだって飛散物や異物とは
一切縁が切れるわけではなく、ずっと問題が起きる確率を下げてるだけなので。
#マスクにゴミ乗ると、かなり致命的なんで、検査と清掃はしっかり
#されてますけど、人間のやることに絶対の保証はないしねぇ。
あ、実は加工する側に異物が乗るって方が発生確率高いです。
#なにせ合金素材やガラスやポリイミドやシリコンを、湿式とは言え
#CMP(化学研磨)でガリガリ表面削りますからねぇ(汗)。
># それでもエッチング工程全体と比較したらチップの一部が対象でも速いのかな?
今回の手法は、光吸収がすくないSiO2では使いにくいので、結局LSIだと
特定の行程の置き換えにしかならないかも。
#層間膜は・・・最近はSiO2は少ないかな?
#有機系の誘電率の高いものや空気なんかになってるかも。
#・・・もしかしてゲート酸化膜だけ(汗)?
---- redbrick
Re:傾斜,曲面加工も可能 (スコア:1)
ぶち抜き,といったのはあくまでレジストのことで,ウェハをぶち抜くわけではないです(^^;。
もちろんぶち抜かないことも可能なんですけどね。。。これから先はちょっと,ごにょごにょごにょ。
この場合鋳型の水晶は..... (スコア:1)
普通鋳物だと、鋳型は鋳物を取り出すときに壊してしまいますが、微細加工された水晶を毎回壊していたのでは採算面で厳しいような....(素人考えですが)。
鋳型から鋳物が簡単に分離できるというのがたぶん今回の研究の一つのミソではないかとも思うのですが、実際のところどうなんでしょう?
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:2, 参考になる)
溝やくぼみを掘り込んだ平面版ではないかと思います。
#レーザーの焦点を決めたり、スキャンさせるには、基板も光透過性の型も
#平面以外では難しいとおもうので。
#エキシマレーザーとはいえ、焦点でないと単純に跳ね返されて
#終わる気もしますし、全体に薄く均一に照射するのでは融解するほどの
#エネルギーは与えられないでしょうし・・・。
押し付けてレーザー照射、融解したシリコンは固まる際に石英に固着せず、
ということなので、そのまま剥がして再度使えるような気がします。
#ただし、非常に局所的な現象とはいえ、それだけの高温を作り出して、
#接触している型自体にダメージがないとは思わないし、リリース文にも
#「型にダメージがない」とは明確に書いてませんね・・・。
#型の加工の方が時間かかってて高いってのは微細加工分野では
#結構よくあることだしなぁ(苦笑)。
あと、トランジスタの基板を作るには、結晶をそろえて切り出した
ものでないとだめで、溶融させて冷却したものが非晶質なのか、
そうでないのかがわからないと使いどころも決めにくいですね。
#配線のアルミか、不純物ドープの前にシリコン基板表面の形状を
#加工するのなら、非常に使い出があるように思います。
#非晶質になるとすれば、シリコン基板には使えないでしょう。
まったくの夢想ですが、配線のための素材を薄く絶縁層上に形成して、
全体を過熱して融解させた後で型を押し付けると、全体に均一だった
配線素材を型のくぼみにだけ集めることができたりはしないかな、
なんてことを考えてしまいます。
#多少は絶縁層上に残っても、ケミカルエッチを続けて行えば、
#溝の部分より薄くなっているはずの残余分を除去するだけでいいので、
#エッチング時間と薬剤使用量を飛躍的に減らせたりしないかな、
#とか考えました。
わたし自身、かなり近い分野を学生時代にかじったので関心が強いのでしょうけど、
使いどころによっては、非常に面白い技術ですね。
ただ、半導体産業では、スキャンするものは加工に時間がかかる
(マスクを作らず電子ビームでICを作る技術はすでに一般的、
ただし時間の問題でコスト高い)ということがよく把握されているので、
今はあまり注目されないのではないかと思います。
フォトマスクが数百、数千回の使用に耐えるのは、露光という非接触かつ
露光一回でマスクのパターンをすべて転写できる方式を使っているため
なんですよね。
物理的接触と、おそらく相当に高精度な機器、および型と加工物の
位置制御が必要なこの手法では、何千回くらいの耐久性があって、
位置決めにどのくらいの時間がかかるんでしょうかね?
[princeton.edu]
---- redbrick
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:1)
#投稿前のプレビューでは、きちんと意図した部分にだけ
#リンクが貼れてたのに・・・(泣)。
---- redbrick
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:0)
どうせ EUC 混じりの処理で起きてるのだろーといういいかげんな推測ですが、気のせいかもしれません。
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:1)
written by こうふう
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:1)
以前に言われていた事例だと、「テキスト形式(HTML OK!)」だったと
思うのですが、わたしはそれは使ってないのですよね。
ちなみに、ライトモードでコメントIDが見えるようになりましたね。
#非常にありがたいです。
---- redbrick
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:0)
投稿ボタンでまたコメント送信するのがイタイよね。
モデレータの人えらいっすね。
とても読む気にならなかったです。。。
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:0)
Re:この場合鋳型の水晶は..... (スコア:1)
....という理解でよろしいのでしょうか.
ああ.そうではないのか.冷たい型を押し付けて熱するんだもんな.
パニーニの焼き型に近いのかなぁ.どうも図がないと解らんな.
実際の (スコア:1)
Re:実際の (スコア:2, 参考になる)
設備投資のほうも、工場が出来上がらないと…。
素人目からすると、レーザ制御装置の関係に費用が集中しそうですが、
高速化されるということですから、そこいらへんから考えても、
投資効果は大きくなるから、「安くなる」って乱暴な考え方で問題ない
のでは、ないかと思います。
適用できるシリコンサイズの方も、多分に "実装依存" でしょう。
が、イメージとして、従来の手法よりも大きなウェハーでも、
がんがんいけそうですね
Re:実際の (スコア:1)
あと鋳型がどの位大口径化できるのかが気になりますね。(と言うか、どうやって作るのかな?)
他の工程は? (スコア:1)
記事を読んでもよく分からなかったのですが, これってエッチング工程部分の話ですよね? 他の絶縁層形成や拡散工程との関係はどうなるのでしょう?
鋳物鋳造っても (スコア:1)
なんせ、銅合金用のラインなんで。
枠サイズ800*600のブロー形成ラインが2本と600*600の金型鋳造ライン1本
隅っこの方には枠サイズ400*400のクラッシクブロー形成機をベテラン工員が動かしています。
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viva!博多手弁党
サラサラ (スコア:0)
本当は、融解シリコンだから、水素結合のように強力な分子間結合がないからサラサラ、ということですよね?