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3338 story

さらに耐性を増したMRSA 88

ストーリー by yourCat
ここでもイタチごっこ 部門より

hinata曰く、"asahi.comによると、MRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) の特効薬ともいえる抗菌薬 (バンコマイシン) が効かない、新たなVRSA (バンコマイシン高度耐性MRSA) が米国で発見されたそうです (米疾病対策センターの詳細)。このVRSAは、バンコマイシン耐性腸球菌が持つ抵抗遺伝子VanAを何らかの形で獲得したもののようです。
どんどんと耐性を増していくウィルス…抗生物質療法では駄目だということでしょうか。いずれにしても、ウィルスと人類の戦いは、まだ当分続きそうなのです。"

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  • 細菌≠ウィルス (スコア:4, 参考になる)

    by ryoryoryo (5621) on 2002年07月05日 12時27分 (#119274) ホームページ 日記
    細菌はウィルスとは違います。当然 MRSA も VRSA も VRE (バンコマイシン耐性腸球菌) もウィルスではありません。
    さらにウィルスにはもともと抗生物質は効きません (とされています)。

    VRE の出現以来 MRSA へのバンコマイシン耐性の伝達は危惧されていましたが現実になったんですね。対 VRE の最終兵器とされていたリネゾリドにも耐性を持った菌がすでに出現していますし、少しでも耐性菌の増加を防ぐべく抗生物質の濫用は慎んでいただきたいところですが、現場ではそうも言っていられない状況があるんでしょうし、難しいところです。

    新薬を使えば使うほど病院が儲かるシステムにも問題があるんですけれど。
    • by Anonymous Coward on 2002年07月05日 18時08分 (#119462)
      > 新薬を使えば使うほど病院が儲かるシステムにも問題があるんですけれど。

      やっぱりいるんですねー、↑こう思ってる人が。というか、反論が出ないって事は、こう思ってる人の方が多いのかな?
      「勤務医」で、そんな事を考えながら新薬を使ってる人なんて少ないと思いますよ。それよりも、目の前の患者さんに「どうにかせねば」という一心で、使ってみる事が多かったです。でも、新薬って当然高価だし審査のチェックが厳しく、減点の対象になる可能性が高いので、「経営者」や事務側にとっては安易に手を出してほしくないと思ってるのが本音じゃないでしょうか。(そっか、そうすると大学病院は「経営者」ってのはいないので、それで甘いのか)
      それに、昔は薬価差益が大きかったので処方するほど得だった時期もあったようですが。今は新しい薬ほど薬価差が少なく、消費税をちゃんと考えないと逆ざやになる可能性だってあります。それに、新薬だからといってリベートをくれるところも今はありません。接待も少ない・・・というか、今はない。それどころか、最近は粗品のボールペンももらえないぞ!!

      今度、大学病院からの要請でインターフェロンをする事になったんですけど、仕入れ値ばっかり高くって、病院の利益としては注射の手技料と再診料程度しか出ない。そのわりにインターフェロンが高価なためにうちのレセプト全体が高くなってしまって、審査が厳しくなる可能性がある・・・。
      新薬で儲かるのは、製薬会社ばっかりです。
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      • 保険 (スコア:3, 参考になる)

        by Pooh (4850) on 2002年07月05日 19時42分 (#119500)
        あと、今は病院と薬局が分離するように厚生省が誘導しているので、外来の投薬は薬局の儲けになっても、病院の稼ぎにあまりなりません。
        (入院中は病院に行きます)
        でも「新薬の方が効く」と説明されると使ってみる、というミーハーな流行はあるとは思います。
        大学病院での研修医は、過去の経験がない分、新しい薬を使いやすいかと。
        (年輩の医者は普通は保守的で、そうそう使用薬を新薬にしません。加減も副作用も未知ですから。ライブラリの新Ver、カーネルの新Verが出たからと言ってすぐにupdateするのは勇気がいるでしょう?初期のバグが怖いのは薬も同じです)
        ただ保守的といっても血圧の薬は変動の少ないアムロジピンとかにしてもバチはあたらんと思うのですが、、

        大学病院の赤字は、研修医が保険病名を書かないのが原因の一つかと。
        (保険病名というのは保険を請求するのに必要な病名で、必ずしも体内にその病気があるとは限りません。つけまくったからといって病院は儲かりませんが、ついていないと保険機構から病院はお金を回収できません。)

        C型肝炎は、厚生省が本気ならインターフェロンの保険適応がこんなに厳しいわけはないので、「国家財政のためには現行の患者が死に絶えるのを待つ」のが基本戦略ではないかと邪推します。
        (半年とかいう単位でうち続けるので、自腹だと100万円は飛びます。このうち8割を国が負担するとひとり80万、で、日本にいる患者は少なく見積もっても300万人。総計、、、)
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        • Re:保険 (スコア:1, 参考になる)

          by Anonymous Coward on 2002年07月05日 22時35分 (#119573)
          医薬分業は、先の(4月の)保険制度の改悪で優遇制度はなくなり、厚生省からも「もはや誘導する時期は終了した」と云う主旨のコメントが出ています。あの一時期の優遇策で医薬分業に方向転換した病院と薬局は、はっきりいって厚生省に「踊らされた」と云うのが正しい。
          ちなみに、うちはずーっと院内処方。だってその方が、患者さんは便利なんだもの。(そんなの、最初から分かりきってる)それに、手元にある薬の方が、副作用などの薬の情報が得やすいしね。
          インターフェロンに対する審査は、甘くはないが、キチンとしていれば切られる事は無いとか。逆に言うと、1本2万もする注射、切られたらシャレにならないっす・・・。
          一応、検診でもウイルス検査を出来るようになりましたし、(本気ではないとしても)HCVに対する厚生省の方針は、好意的に受け取って良いと思います。

          少し本題に戻して・・・
          耐性菌の発生の原因が抗生物質の濫用にあるのは確か。それに、「新しいから効く(それは抗生物質の場合当たり前)」という理由だけで新しい薬を使っていては、どんどん耐性菌を作るだけ。だから、古くからある薬を必要量だけ使うようにしなくちゃいけない。
          にもかかわらず・・・MRは新しい抗生物質を持って来るんだよね・・・。製薬会社がそんな姿勢では、あかんやろう。
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    • by ncshizu (6233) on 2002年07月05日 18時21分 (#119468) 日記
      でもウイルスも細菌も突然変異で薬剤耐性を獲得できるし、大量に増殖できる(=突然変異のチャンスがたくさんある)ので、抗生剤(抗細菌剤)にしても抗ウイルス剤にしても、耐性が出現しやすいです。
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  • ダウト (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2002年07月05日 12時04分 (#119258)
    ×ウィルス
    ○細菌
    • Re:ダウト (スコア:2, 参考になる)

      by tarosuke (2403) <webmaster@tarosuke.net> on 2002年07月05日 12時19分 (#119262) 日記
      そうそう。黄色ブドウ球ですし。
      それにウイルスは代謝しないので抗生物質は効きませんぜ、だんな。
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    • by oku (4610) on 2002年07月05日 12時50分 (#119288) 日記
      病原体じゃ駄目ですかね?
      私の中では
      病原体 = {ウィルス, 細菌, ...}
      なので、元タレコミの文意にも沿えると思うのですが。

      # 識者のコメント求む

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      • 病原体って英語で言うところのpathogenですけれども、
        これだとウイルスや細菌以外にも化学物質も含みますから
        今回の話題には範囲が大きすぎるかと。
        化学物質は進化しませんし。
        --
        kaho
        親コメント
        • 病原生物... って、ウィルスは生物なんでしょうか?

          (ウィルスが生物かどうかは、ウィルスの本性がなにか、ということよりも、「生物」という言葉をどう定義するか、というところに主要な論点がありそうな気がしますが)。

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          • >病原生物... って、ウィルスは生物なんでしょうか?

            違います。
            ・・・というのは生物学者(高等生物扱う)の言い方。
            情報系の人は生物に入れたがりますね。

            おおざっぱに言って
            物理学者(実験系)・・・散逸系ではないのでただの物質
            物理学者(情報系)・・・情報を遺伝して進化するから確実に生物
            生化学者・・・・・・・・観察上違うから違うんじゃない?
            生物学者(理論系)・・・現在分類上違うけどどこかでつながってるはず
            生物学者(動物系)・・・違うことになってるけど似てるところもあるし・・
            医者・・・・・・・・・・違うんだけど、説明が面倒だから・・

            という感じでしょうか?(かなり予断入ってます)
            ウイルスって、実はそれをテーマにして研究している人って非常に
            少ないんですね。(pathogenとして治療しよう、という人ではなく)
            日本だと獣医学系の研究室にいくつかあるくらいじゃなかったでしょうか。
            それもあって外交的には「違う」ということになっていますが、あまり
            見解が統一されていないようでして。
            --
            kaho
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            • by Anonymous Coward on 2002年07月05日 16時36分 (#119410)
              >ウイルスって、実はそれをテーマにして研究している人って非常に 少ないんですね。(pathogenとして治療しよう、という人ではなく)
              日本だと獣医学系の研究室にいくつかあるくらいじゃなかったでしょうか。

              留保がついているとはいえ、それでは京大ウィルス研の立場がねぇです。

              http://www.virus.kyoto-u.ac.jp/
              親コメント
            • >ウイルスって、実はそれをテーマにして研究している人って非常に
              >少ないんですね。(pathogenとして治療しよう、という人ではなく)

              ウイルス屋さんは微生物学関係の中では割と多い方ですよ.
              ウイルスの場合は細菌に比べるとゲノムが小さいことと機構が単純なことから、分子生物学的な方面の研究がしやすいことと、ヒトのウイルスが医学と結びつきやすい分、研究を進めやすい(予算面からもね)こともあって、今はいちばん多いんじゃないかな?
              #次が細菌か真菌(ただし生物系もモデルとして使う酵母類。糸状菌はごくマイナーだろうな)、それから原虫(マラリアは世界的には多そうだが)

              ただしウイルスの生態が宿主への異変を伴うものですから、ウイルスの機構解明はまず病態との関わりと結び付けて考えられます.宿主を考えずにウイルス「だけ」をテーマにするってのはscienceとして視野が狭いと言われるかも.
              親コメント
          • 辞書的には (スコア:2, 参考になる)

            by Joga (8113) on 2002年07月05日 16時25分 (#119408)
            > 病原生物... って、ウィルスは生物なんでしょうか?

            ライコスの辞書で引いてみると [lycos.co.jp]、
            ウイルス()
            《毒の意》光学顕微鏡では見ることができず、細菌濾過(ろか)器を通過してしまう病原体。生物と無生物の中間形とされ、大きさは二〇~三〇〇ナノメートル。(中略)単独では生命活動を営めず、生きた細胞に寄生して生活・増殖する。

            てことで、生物ではないらしい。

            #「ウイルス」で引かないと出てこないのね・・

            > (ウィルスが生物かどうかは、ウィルスの本性がなにか、ということよりも、
            >「生物」という言葉をどう定義するか、というところに主要な論点がありそうな気がしますが)。

            というよりも、一般の人は「単独では生命活動を営めず」ということを知らんと思うので、
            なんとなく「生物」だと思ってしまうのでは?
            #私も「生物ではない」とは知らなかったし。
            親コメント
    • by y_tambe (8218) on 2002年07月05日 22時03分 (#119559) ホームページ 日記
      「ウィルス」という表記は誤りで 「ウイルス」が正しい [srad.jp]ので、元ネタは二重に間違ってます.
      親コメント
  • by mabu (7968) <mabu@kobej.zzn.com> on 2002年07月05日 12時33分 (#119277) ホームページ 日記
    VRSAって、"Vancomycin Resistant Staphylococcus Aureus"なので、 asahi.comの「バンコマイシン高度耐性MRSA」って訳は変ですよね。
    「バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌」でしょうか。

    # 細かいですけど。
    --

    -----
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    • Re:VRSAの日本語名 (スコア:2, 参考になる)

      by SteppingWind (2654) on 2002年07月05日 13時21分 (#119312)

      いや, VRSAやMRSA単体なら既存だったんだけど, 今回は両刀遣いなので問題が大きいということでしょう. だから元の訳は正しいわけで, 略称にするならVMRSAということになるんでしょう.

      個人的には最近出てきた市中型激症MRSAの方が怖いですね.

      親コメント
    • MRSAは「メチシリンが効かない」から恐いというより、「=ペニシリン系の抗生物質が軒並み効かない』という、多剤耐性菌としての性質が恐いので、専門家の一部には「Multi-drug resistant Staphylococcus aureus」と読み替える人もいます.

      つってもいくらそれが正しかろうと、混乱の元なのでやはりMRSAは「methicillin resistant」であるべきだと思いますけどね.

      つってもまぁ、今は検査用途でも不安定なメチシリンではなくてオキサシリンを使いますから、すでに「オキサシリン耐性黄色ブドウ球菌」が実体だったりするんですが (^^;
      親コメント
  • by myr (4629) on 2002年07月05日 12時24分 (#119270) ホームページ
    素朴な疑問なんですけど、なんでここってたまに生物系のネタが
    たれ込まれるんすか?

    nerdsは生物が好き??
    ちなみに俺は好きですが
    • by 3danbara (8421) on 2002年07月05日 12時38分 (#119279) 日記
      情報科学・情報工学系だけじゃなくて、
      一般科学・一般工学系ってことやね。
      # ・・って一般科学・一般工学なんてコトバがあるかは知らんけど。
      親コメント
      • by oku (4610) on 2002年07月05日 12時45分 (#119284) 日記
        単純に理・工という日本語でいいのではないでしょうか? (「自然科学」≒「一般科学」でしょうが、「一般工学」を言いかえできる語彙が私にはちょっと...)
        親コメント
  • by nackey (3237) on 2002年07月05日 14時09分 (#119350)
    思いっきりオフトピですが、最初タイトルの"M"と"RSA"を分離して読んでしまいました。
    差分攻撃に耐性を増したModified RSAとか(笑)。
  • by krackmania (7864) on 2002年07月05日 17時41分 (#119448) 日記
    オイラの聞いた話だと耐性菌って奴は、
    昔得た耐性を永遠に持ってるかというとそうでもないらしい
    と言う話が聞いたことがある。
    昔の使われてた薬が又再び聞き始めたとか、
    インフルエンザが周期的に違うのが流行るのはこのせいとか、
    どっかの医者の爺さんに聞いた事あるなあ。
    やっぱり使わない機能は退化したり、
    遺伝子の記録容量にも限界があるんだろう。多分。
    今の薬を使いまくって総当たり効く薬を探すよりも、
    効く薬を探す手だてが出来ればこんな事も無くなって
    薬A->薬B->薬C->薬Aみたくなって
    美味く耐性が循環するようになるんでないか?
    なんかプロテクトとか情報保護にも通じる道があるんだかな。<爆
    早く人間の遺伝子を完全に解析してほしい所。
    • Re:けど (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2002年07月05日 21時05分 (#119531)
      世の中が順番に抗生物質を代替わりさせてるならね。
      現実にはそういう環境はあり得ないので、 細菌は多重に耐性を獲得してしまいます。

      あと、
      インフルエンザはウイルスです。
      同列に話は出来ません。

      周期的にはやるのは、ヒトの免疫が記憶していないタイプが 出現する為。
      ヒトの免疫は一度会った抗原は覚えているので どこぞの聖闘士よろしく、一度あったウイルスさんは効かないですよ。(笑)
      けど、ヒトは代替わりするしね。
      親コメント
  • by Ojiro (10170) on 2002年07月05日 18時45分 (#119482)
     「アメリカでは初めてVRSAが単離されたこと」

     「このVRSAは(前から懸念されていたように)VREの耐性遺伝子を
      獲得して、バンコマイシンにとても強い耐性を示していること。
      数字上は、6年前に見つかった日本産の4倍以上。」

     ですよね?「世界初の発見」ではないと思うんですけど。

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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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