パスワードを忘れた? アカウント作成
3439 story

遺伝子操作でマウスの脳が巨大化 110

ストーリー by Oliver
人工進化 部門より

take0m曰く、"asahi.comによると、米ハーバード大学などのグループが、マウスの遺伝子を操作することで、脳を巨大化させることに成功したらしい。なんでも、神経細胞の増殖を制御するβカテニンという遺伝子の数を人為的に増やしてやることで、大脳皮質が増大し、そのため脳のシワの数も増えたとのことです。
実際写真が載っていますが、結構ショッキング。しかも、知能が高いかどうかという以前に、無事生まれたかどうかの記述も論文には書いてないらしいです・・・"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by y_tambe (8218) on 2002年07月19日 17時30分 (#128730) ホームページ 日記
    β−カテニンについてはこのへん [kyoto-u.ac.jp]が参考になるかと.
    実際のarticleをまだ読んでない(雑誌が手近に届いてない)んで、詳しいことはいえないが、とりあえず研究の背景を.

    #ネタにマジレスとも

    これまでβカテニンは
    1. 細胞膜の「裏打ちタンパク質」としてカドヘリンなどの細胞接着分子と結合し「細胞接着」を制御する.
    2. 核内に移行するシグナル伝達分子として働く
    という2つの異なった(少なくともそう見える‥‥‥実際は密接な制御を受けて関連してるんだろうけど)働きを持つものとして多くの研究者が注目し研究されてました.

    だから、この遺伝子を潰したり、遺伝子改変マウスで高発現させたりというのは、当然既にやられているものだと思ってたんで、ちょっとばかり「まだだったのか」と驚いたりも.
    #ノックアウトはlethalだったかな? どっかでそういう話聞いた記憶も‥‥‥

    まぁ高発現させることで胎性致死になっても、その現象自体は起こりうることなので「珍しい」ということではなく、むしろその分子が個体発生する過程で何らかの働きをしているということが分かったことになるわけで.
    しかも今回は脳の異常な肥大という現象まで見られているわけですから、神経系の発達にこの分子が重要な働きを担っていると言う、カテニンの新しい機能の発見に繋がる報告という形で、発生系のみならず、細胞生化学とか、がん領域の基礎の研究者の間でも割と大きく捉えられる内容かと.

    研究者以外にもインパクト大きそうですけどね ;-)
    • by mineko (9897) on 2002年07月19日 21時13分 (#128892)
      元記事で遺伝子となっていますが、カテニンってタンパク質じゃありませんでしたっけ?

      なので、元記事よんでも 胎児の脳内にカテニンをちゅるる、といれたか カテニンが多く作られるように遺伝子に細工したか さっぱりわからないです。
      親コメント
      • by y_tambe (8218) on 2002年07月19日 23時42分 (#129002) ホームページ 日記
        >元記事で遺伝子となっていますが、カテニンってタンパク質じゃありませんでしたっけ?
        >なので、元記事よんでも 胎児の脳内にカテニンをちゅるる、といれたか カテニンが多く作られるように遺伝子に細工したか さっぱりわからないです。

        カテニンは確かにタンパク質ですが、実際に入れているのはその遺伝子、それをマウスのゲノムに組み込んでるはずです.それがいわゆる遺伝子組み換えマウス作成の技術でして.
        ゲノムにDNAを適切な形で(mRNAへの翻訳が起こるよう遺伝子発現を調節する配列=プロモーター、を付けた形で)組み込んでやれば、そこからmRNAへの転写、そしてタンパク質の発現が起こりますから.大体はこういう遺伝子導入でタンパク質を発現しつづけるようにして実験を行います.

        タンパク質自体を細胞の中に入れる方法というのも、実は最近になって効率のいい実験法(特定のアミノ酸配列を付けたり、特別な試薬を使うなど)が開発されてますけど、この方法だとタンパク質は一過性に細胞内に存在しているにとどまり、分解されたり、あるいは細胞分裂で薄まったりしますので、今回言われているようなタイプの実験には使えないですね.
        親コメント
  • by fut (9276) on 2002年07月19日 20時13分 (#128864) ホームページ 日記
    ホモサピエンスとそれ以外の類人猿との比較を見ていて、いつも
    不思議に思うんですがね。

    生まれたての赤ん坊を、どんなに未開の地であろうと、どんなに
    現代文明から離れた奥地であろうと、連れてきて、教育を与えれ
    ば、場合によっては天才的科学者にだってなれるんだよね。

    ところが、チンパンジーやゴリラの赤ん坊を、どんなに一生懸命
    教育しても、絶対に6才児から10才児以上の知能は持てないは
    ず。

    何故、人類は場合によっては無駄とも思える、これだけの理解力
    や記憶力を持って生まれてくるのかなと不思議ですね。何か、脳
    の重さとか容量のもんだいでなく、決定的な質的相違があるよう
    に思えてならないですが。

    人類だけが偉大だ、と思いあがってますかね? (動物さんたち
    から反論が来たりして)
    • by Pooh (4850) on 2002年07月19日 22時28分 (#128936)
      まあ8086からi386でも、数字に直すと8bit>>32bitでたかが4倍ですから。
      命令のごちゃごちゃしているところとか、質的に飛躍したとも思いがたいですし。
      いちおう、人間では脳の領野がちびっとふえているので、GPUとかをつぎつぎ増設していったようなモノだと思えばいいかと。
      シリコン面積で2倍になったきっとその陰には68060みたいなのもいたでしょうし。
      親コメント
      • by Pooh (4850) on 2002年07月19日 22時33分 (#128938)
        へんなところが切れて送ってしまいました。

        まあ8086からi386でも、数字に直すと8bit>>32bitでたかが4倍ですから。
        命令のごちゃごちゃしているところとか、質的に飛躍したとも思いがたいですし。
        いちおう、人間では脳の領野がちびっとふえているので、
        GPUとかをつぎつぎ増設していったようなモノだと思えばいいかと。
        3Dアクセラレーターが入るとシリコン面積で2倍になっただけでも
        リアルタイムに処理できる内容は質的にちがいますし。
        きっとその陰には68060みたいなのもいたでしょうけれど。
        親コメント
    • by ksada (4435) on 2002年07月20日 3時03分 (#129138)
      >> 何か、脳の重さとか容量のもんだいでなく、決定的な質的相違があるよう
      >> に思えてならないですが。

      人類の脳は狩をすることで発達したという説があります。
      集団での狩を成功させるために、戦略を考えたり、コミュニケーションを
      高度化させる上で、必要な機能が進化したということです。

      言い替えると、ヒトは唯一の狩をするサルということになります。

      # 他に狩をするサルがいたらご指摘ください
      親コメント
      • 他にコメントついてるけど、チンパンジーは狩りをしますよ。豚とかを捕まえて食べます。

        やっぱり答えは「戦争」じゃないかな。チンパンジーも集団的な闘争はするけど、武器を持たないから戦争にはならない。ヒトは唯一の戦争をするサルです。戦争ほど知能を必要とするものもあまりないし。

        親コメント
        • by gam (10300) on 2002年07月20日 9時50分 (#129275) 日記
          チンパンジーに銃を持たせて、殺し合いをさせてみりゃいいじゃん。
          案外、人間より上手に戦争ができるかも。
          あっ、猿の惑星で実験済みか?
          親コメント
  • お約束 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2002年07月19日 16時55分 (#128705)
    どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください
  • 脳が大きいという事のメリットが今ひとつ理解できない><
    大きいと必ず知能が高くなるのだろうか?
    そのように考えると脳ってただの電気回路?
    うーん 大きい事はいい事だ by 米国 ;-p
    • by Anonymous Coward on 2002年07月19日 17時18分 (#128724)
      脳が大きいことが、知能が高いことの
      必要条件かどうかは分かりませんが
      人間の場合は脳の容量の増加が
      知能の向上に結びついているようです。

      実際人間の赤ん坊が、生物学的には「胎児」の状態で
      生まれてくるのは、それ以上発育して出産を迎えると
      脳の容量が極めて制限されるからだとか。
      つまり完全に脳が発育する前に出産することにより、
      出生後に大きな脳の発育が可能になり、
      高い知能が確立できるということらしいです。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2002年07月19日 23時02分 (#128954)
        でかけりゃいいってわけではなくて、

         ・クリティカルマスを越えていて
         ・後は脳細胞同士のネットワークの発達次第

        ということだったかと。とにかくサイズだっていうのは19世紀頃にあった説。一時は女性差別のために「相対的に小さい女性は脳も足りないから家庭で保護しなくてはならない」というのもあったそうです。噴飯ものですね。

        このネズミに付いてはでっかくはなったようですが、ちゃんと鍛えられるかが問題…
        親コメント
        • by Sato_at_lilo (3250) on 2002年07月20日 1時12分 (#129076) ホームページ 日記
          手塚治虫の「ブラックジャック」に、生物の大脳を
          後天的に再育成して知能を向上させる物語がありましたっけ。

          で、知能を持ったシカは、飼主以外の全人類を敵視するように
          なり、結局飼主に撃ち殺されてお終い。

          マウスはどんなことをするんだろうか。

          # M$ アプリでないウィンドウの「×」を勝手に
          # 押しまくる(違
          親コメント
      • by sk (478) on 2002年07月20日 0時12分 (#129027)

        後で脳を大きくするためか、狭い産道を通り未完成で生まれてくる人の子は、生れたばかりの状態では十分な保護なしには生きていけない。赤ん坊の生存には家が絶対に必要だし、そのため、人間は家の保護を失うことに本能的に強い不安を持っている。だが一方、人間が真に自由を得て自立するには家を捨てなければならない。この葛藤があらゆる人間ドラマの基本形だ。

        親コメント
      • 頭骸容積拡大のため、現在に至っても出産はヒトの母子に相当な危険を及ぼすわけですが、それにもかかわらずこの形態への進化を果たしたということは、脳容積を増大する方向に大きな淘汰圧がかかったことを表しています。(幼形成熟への移行にもコストはかかったはず)

        それをもたらしたものが知能的優位であることには、疑いの余地がないでしょう。
        親コメント
    • by harako (114) on 2002年07月19日 17時21分 (#128727)
      関連性は無いという見方の方が強いようですが、一部には こちら [iij4u.or.jp] のような見解もあります。
      私はまったくのシロートですが、個人的にはなんとなく大きいほうがいいような気はするけど。
      親コメント
    • by j3259 (7093) on 2002年07月19日 20時00分 (#128857) ホームページ 日記
      1) 猿 -> ヒトになった時に、神経系の細胞が増えた。
      2) 抹消細胞、(目とか耳とか筋とか)の数が爆発的に増えたわけではない。
      3) 末梢を十分支配しない神経細胞は死ぬ
      4) どこにもつながってない神経細胞同士で入力を与え合えば良いではないか。=意識

      以下、『唯脳論』より抜粋
       筋の例で述べたように、入力が維持され、収縮活動が維持されていれば、人間が実験的に与える電気刺激によっても、筋は維持される。このような刺激は、生物にとってなんの意味もない。自分の意志あるいは必要性で動かせない筋は、その生物にとって無意味だからである。では、神経細胞どうしの刺激し合いはどうか。同じように、ほとんど無意味だとも言えるし、人間社会にとってはきわめて意義深いとも言える。脳内の神経細胞が増加し、外部からの入力、あるいは直接の出力の「量」だけに依存するのではなく、脳の自前の、あるいは自慰的な活動に、神経細胞の維持が依存するようになった時、意識が発生したと考えてはいけないだろうか。  意識がそういうものだとすれば、その単純な生物学的意義とは、神経細胞の維持である。ゆえに、思考なり意識なり自我なり、そういうものが、ほとんどの場合、自慰的であってそれ以外のものではないことは、きわめて論理的と言えるであろう。要するに、脳にとってみれば、自分自身が成立していくために必要なことを自分がやっているだけのことだからである。肝臓も腎臓も心臓も、同じようにその機能によって自分を維持しているはずだが、脳はその維持機能を「意識」と称して「意識している」だけのことである。
      親コメント
    • >大きいと必ず知能が高くなるのだろうか?
      そういえばシロナガスクジラは、脳の大きさが新生児並だしー。
      で、これではイカン、人間の「脳のぱわーNo1神話が崩れてしまう」という事で、「脳/体重の比が大きい生物が脳のちからがNo1」だと。

      しかしそうなるとトガリネズミがNo1になってしまう。

      そこで生物学者は「トガリネズミは尖っているから駄目だ」という縛りを入れた、という。
      何故尖っていると駄目なのか分からないが「とにかく尖っていると駄目」なのである。

      以上、別役実の「けものづくし」から要約いたしました。
      --
      -----------------
      #そんなワタシはOS/2ユーザー:-)
      親コメント
      • 鯨や象さんの脳が大きいのは、まず体表の面積や筋肉が大きくって、それに対応する神経細胞がたくさんあるから脳が大きくなるって考え方が一般的だと思いますがどうでしょう。
        なんぼ脳が大きくても、大脳新皮質が薄っぺらならさほど知能が高そうに思えませんよね。
        トガリネズミさんは食虫目に分類するからほんとはネズミじゃなくて、ネズミよりサルに近いです。でも体長10センチくらいしかないので、脳の大きさの比率は上がりますね。
        ヒメトガリネズミは成体で5センチくらいだっけ。虫みたいにちっちゃい。
        --
        〜◍
        親コメント
  • by kamuy (1690) on 2002年07月19日 17時08分 (#128715) ホームページ 日記
    マモー

    さておき、ヒトとかの大脳にしわが寄ってるのって、無理無理ねじ込んでいる所為でよったしわだったのか? 初めて知りましたわ。
    コレでまた脳のしわが増えたな(笑)
    --
    -+- 想像力を超え「創造力」をも凌駕する、それが『妄想力』!! -+-
  • by mattun (6561) on 2002年07月19日 18時14分 (#128776)
    亀の脳を巨大化させてピザ好きの忍者にして下さい
typodupeerror

日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

読み込み中...