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3455 story

杉並区が住基ネットの賛否をwebアンケート 43

ストーリー by yourCat
手探り……すぎ 部門より

84p曰く、 "INTERNET atchの記事によると、東京都杉並区がインターネット上で住基ネット稼動について住民の意見を募集している。同区は早くから住基ネットに対して異議をとなえており、住基ネットに対応する条例や独自の調査の実施などプライバシー保護のための施策を進めている。
ネット稼動への賛否を問う一問調査箱 (Netscapeでは正しく表示されなかったが…) は杉並区民のみ一人一回投票可能となっているが、居住地のチェックは郵便番号の入力のみ、重複チェックもメールアドレスで判断しているようなので、この投票結果をもって住民の意思とみなすのは早計だと思うのだが…"

試みは面白いが手法はまずいな。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by jbeef (1278) on 2002年07月22日 4時26分 (#130383) 日記
    このシステムは、投票すると、郵便番号とメールアドレス、アクセス元IPアドレス、そして投票の内容が、杉並区役所ではなく、vote.co.jpに送信されるようになっている。しかし、その事実が一問質問箱 [tokyo.jp] およびそこに至るまでのページに説明されていない。

    vote.co.jpは投票システムの提供を専門にしているのだから、信用第一であるはずで、得られた個人情報が第三者に提供されることはないに違いないし、データの漏洩対策も杉並区役所よりは厳重なのだろうと個人的には感じる。だが、それを判断するのは杉並区役所ではなく、利用者なのだということを忘れてはならない。VOTEジャパン [vote.co.jp] によるサービスだということが明示されていれば、そのプライバシーポリシー [vote.co.jp] とセキュリティーステートメント [vote.co.jp] のページを見ることができるのだが、そもそも送信先がvote.co.jpとなっていることが、ある程度の専門知識のある利用者にしか判別できない。

    このシステムは、このページの右側 [tokyo.jp] 部分が、JavaScriptで<IFRAME>を生成することよってvote.co.jpのドメインに差し替えられるように作られている。画面にはそのURLは表示されないので、利用者は事前にそれがvote.co.jpの画面だということに気付けない。投票を実行した後でも気付けない。「集計結果を見る」のリンクをクリックした場合も、現れるウィンドウはアドレスバーが隠されており、URLを確認できない(タイトルに「Vote.co.jp」と表示されるが)。右クリックでプロパティを見るような用心深い人だけが気付くことができる。

    VOTEジャパンにしても、プライバシーポリシーとセキュリティステートメントは、直接の顧客だけに向けたものではなく、利用者にも向けたものだと意識しているならば、投票画面にもプライバシーポリシーとセキュリティステートメントのページへのリンクを設けて然るべきではないか。

    また、杉並区役所自身、この件についてのプライバシーポリシーを提示していない。「そんなもの示すまでもなく第三者に提供することはないし個人を特定できるような情報を集計しないのは当然」ということかもしれないが、その約束を明示して利用者に判断させるというインフォームドコンセントことこそが、近年のプライバシーに対する考え方なのだが。

  • この程度の (スコア:4, すばらしい洞察)

    by manba256 (10135) on 2002年07月22日 3時15分 (#130364) 日記
    セキュリティやインターネットでの確実性にこの程度の認識しか持っていないということは、なおさら住基ネットへの心配をあおっているとしか思えない。
    この結果を真に受けた政府幹部に、「これを真に受ける程度の認識しかないから心配なんだ」といってみる罠
    --
    ------------------------- Excess and Obsolete
    • 私も最初にこの記事を見たとき, 杉並区版のジョークサイトか, あるいはどうせ法的な有効性が無いことを逆手に取った実験かと思いました.

      集計結果にはおそらく意味が無いでしょうが, これに伴って問題点が明確になれば, 説得力のある例として実施したことの意味は有ると思います. まあ, それも問題点を公表してくれればの話ですが.

      親コメント
    • by housnail (8695) on 2002年07月22日 13時56分 (#130598)
      もちろん、しくみに問題点はあると思います。
      ですが杉並区のページを見るに、この「一問調査箱」の結果を直接、
      統計データとして何かに使おうとしているわけではないように思います。
      住民投票をしているわけではありませんし。
      スラッシュ国民投票と近いような気がするなあ、というのは言い過ぎでしょうか。

      じゃあ何のための投票?
      ・住民の、住基ネットに対する(危機)意識を喚起
      ・「ちゃんと住民の声をきいていますよ」ていうパフォーマンス

      なんて思ってみたり。
      親コメント
  • by gam (10300) on 2002年07月22日 9時27分 (#130429) 日記
    早くこの種の国民投票、市民投票のシステムを導入するために、
    住基ネットIDによる認証システムを導入しナイト。
  • by tix (7637) on 2002年07月22日 9時54分 (#130447) ホームページ
    他のかたも書いているように、目的はけっこうなのですが。

    本質的に「インターネットで投票を受け付ける」というのと「杉並区民のみを対象とする」というのが両立しない(両立させる方法はあるが、事前に鍵を配るなどの手間がかかる)と思います。どうしてこれが両立すると思ってしまうのか、理解に苦しみます。「まだまだ virtual という考えかたが定着していないんだな」とつくづく感じます。

    どうせ意見を募集するだけなら、区民に限定するのをやめて、誰でも意見を述べられるようにすればよかったと思うのですが、それを区の政策の一環として実現するのは難しいのかもしれません。
    --
    鵜呑みにしてみる?
    • 逆に (スコア:3, 参考になる)

      by kota128 (6016) on 2002年07月23日 0時31分 (#131043)
      本質的に「インターネットで投票を受け付ける」というのと「杉並区民のみを対象とする」というのが両立しない(両立させる方法はあるが、事前に鍵を配るなどの手間がかかる)と思います。
      住基ネットで国民総背番号制が実現すれば簡単に行えるようになるのではないかと(w
      #住基ネットの番号・氏名・郵便番号とかで投票を受け付ければ、ネット上でもかなり確実に個人が特定できそう。住基ネットから情報が漏れない限り・・・。
      親コメント
    • by Ryo.F (3896) on 2002年07月22日 10時40分 (#130464) 日記
      > 「まだまだ virtual という考えかたが定着していないんだな」
      > とつくづく感じます。

      この場合の「virtual(仮想的?)という考え方」ってどういう意味ですか?

      「インターネットというものが理解されていないんだな」とか「セキュリティというものが理解されていないんだな」と言うことなら感じなくもありませんが。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        > この場合の「virtual(仮想的?)という考え方」ってどういう意味ですか?

        要は悪である [kantei.go.jp]ということ。
      • この場合の「virtual(仮想的?)という考え方」ってどういう意味ですか?

        よくぞ聞いてくれました。 :)

        ……すみません、言葉足らずでした。ぼくも理解不足であるということの表れでしょう。

        「インターネットというものが理解されていないんだな」とか「セキュリティというものが理解されていないんだな」

        と同じことかもしれませんが、ぼくが「virtual という考えかた」という言葉で表現したかったことは、「インターネットを使った投票だと、本質的な内容だけが問題になる」ということです。

        ぼくは virtual という言葉を「本質だけを取り出した」という意味で使っています。例えば、 virtual なアンケートというのは、アンケートの仕組みから本質

        --
        鵜呑みにしてみる?
        • Re:virtual? (スコア:1, 参考になる)

          by Anonymous Coward on 2002年07月22日 12時58分 (#130561)
          英語の使いかたとしてはこれで合っていると思います
          間違ってますよ。「実質上の」という訳語はおそらく
          being such in essence or effect though not formally recognized or admitted (britannica [britannica.com])
          に対応すると思えますが、意味としては「実際の何々と本質的にほぼ同じ」ってことです(in essense という副詞句で使われてることに注意してください)。virtual 自身が essential という意味で使われているのは見たことがありません。だから a virtual questionnaire って言ったら、本当のアンケートと実質的にほぼ同等のアンケートっていう意味です。決して「本質を突いた(だけを切り出してきた)アンケート」ってことにはなりません。
          親コメント
        • by Ryo.F (3896) on 2002年07月22日 13時44分 (#130589) 日記
          > と同じことかもしれませんが、ぼくが「virtual という考えか
          > た」という言葉で表現したかったことは、「インターネットを
          > 使った投票だと、本質的な内容だけが問題になる」ということ
          > です。

          なおさら意味が解らんです。私の頭が悪いせいでしょうか(笑)。

          簡単な事を難しく説明してるだけになってませんか?

          今回のアンケートシステムでは、アンケート参加者は杉並区民に限定されることになっているけど、これはあくまで自己申告であって、その真偽は怪しい。だから、そういうものだとして結果を取り扱わなければならない。それだけでしょ。

          区役所に投票箱を置くアンケートシステムだって同じですよね。ただ、物理的な制約があるから、あまりに杉並区から離れた人が回答する可能性はそれほど高くないと考えられる。でも、選挙と同程度の確実さは求めるべくもないわけです。だから、そういうものだとして結果を取り扱わなければならない。それだけでしょ。

          > ぼくは virtual という言葉を「本質だけを取り出した」という
          > 意味で使っています。

          そうなんですか。では、

          > インターネットを使ってどこからでも参加できる virtual な
          > システムでは、本質的に安全でなければいつでも不正を働かれ
          > る危険があります。

          は、

          訳> インターネットを使ってどこからでも参加できる「本質だけ
          訳> を取り出した」システムでは、本質的に安全でなければいつ
          訳> でも不正を働かれる危険があります。

          と言う感じですか?ここで言うvirtual=「本質だけを取り出した」と言う場合の「本質」とは、何の本質ですか?普通に考えると、ここで言う「virtualなシステム」とはアンケートシステムのことですから、アンケートの本質と言うとですか?

          では、アンケートの本質とは何ですか?成りすましが可能と言うことですか?それともどこからでも参加可能と言うことですか?それらをアンケートの本質と表現するのには違和感を覚えますが。

          また、杉並区民であることの本質って何ですか?本質的な安全とは何ですか?
          親コメント
          • by tix (7637) on 2002年07月22日 21時10分 (#130882) ホームページ
            以下、こんな途切れ途切れの説明でわかってもらえるかどうか不安ですが、まとまった説明を書く場でもなければ書く時間もないということで、以下の文章を読むなら「わかったらラッキー」くらいに思っていてください。
            今回のアンケートシステムでは、アンケート参加者は杉並区民に限定されることになっているけど、これはあくまで自己申告であって、その真偽は怪しい。だから、そういうものだとして結果を取り扱わなければならない。それだけでしょ。
            今回気をつけるべき点はそうです。しかし、どうしてインターネットを使うと従来と違ってそういうことに気をつける必要が生じるのかというのを、 virtual という言葉をキーワードにして説明したつもりでした。
            アンケートの本質とは何ですか?成りすましが可能と言うことですか?それともどこからでも参加可能と言うことですか?それらをアンケートの本質と表現するのには違和感を覚えますが。
            いいえ。アンケートの本質は、回答者が質問に回答すること、その回答が集計されること、などです。

            投票箱によるアンケートでは、区役所に行かないといけないなどの「本質以外の部分」で安全性が緩やかに守られていますが、 Web アンケートにはそのような「本質以外の部分」が存在しないのだから、投票箱がうまくいったからというだけの理由で同じ仕組みを Web に持ち込むと痛い目に遭います。

            (これだと、 Web アンケートに杉並区民でなければ投票できなくする仕組みをくっつけたら、その仕組みも「アンケートの本質ではない」ことになってしまうような気がして、少し言いたいことと違うのですが、まとめる能力がありません。)
            杉並区民であることの本質って何ですか?
            これは「杉並区民であること」以外の答えを探すのが難しいですね。だから、ぼくは「杉並区民であることの本質とアンケートの本質の間に一切関係がない」と書いたのです。
            本質的な安全とは何ですか?
            とりあえずここでは「杉並区民のみが回答できる」などのルールが守られている状態を安全と呼んでいました。もちろん、本当は「一人あたり1回しか回答しない」とかいろいろ他のルールがあると思いますが、杉並区民であるというルールだけでも守らせるのが難しいので、他のルールは考えていません。

            安全であることの基準が、本質的にアンケートに関係がないから、こんなルールはやめておいたほうがよかったのではないかと思ったのです。

            (インターネットの安全性について、普段ぼんやり考えていることを初めて言葉にしたので、わかりにくいのは許してください。考えを理解していただいた上で「簡単なこと」と言っていただければ、とても幸いです。)
            --
            鵜呑みにしてみる?
            親コメント
            • by Ryo.F (3896) on 2002年07月23日 11時09分 (#131302) 日記
              > しかし、どうしてインターネットを使うと従来と違ってそうい
              > うことに気をつける必要が生じるのかというのを

              インターネットを使用しているから「そういうことに気をつける必要がある」わけではありませんね。「そういうことに気をつける必要がある」のは、どういう場合でも同じことです。

              ただ、従来手法はどの程度の信頼性があるのか、ということが普通の人にも判り易いけれど、インターネットを利用手法の場合は、普通の人にはそれが判りにくい、とは言えると思います。従来手法は、そういう評価が容易ですし、運用されてきた実績も長いので「そういうことに気をつける必要がある」ことが見落とされ易いだけです。

              > とりあえずここでは「杉並区民のみが回答できる」などのルー
              > ルが守られている状態を安全と呼んでいました。もちろん、本
              > 当は「一人あたり1回しか回答しない」とかいろいろ他のルール
              > があると思いますが、

              しかしご存知のとおり、「一人あたり1回しか回答しない」なんてルールは、従来手法だってぜんぜん安全じゃありませんよね。

              全体的に思うのですが、用語が不適切って言うか、必要以上に難しい言葉を使おうとしているように見えます。「本質」とか「本質以外」とか「virtual」とか。もっと簡単な言い回しで伝わるはずだし、そのほうが他の読者にもtixさんの意見の本質が伝わるのでは?言っていることはなんとなく解るんだけど。

              難しいことを簡単・簡潔に表現することが最良であって、難しくないことを必要以上に難しく表現するのは下策です。簡単に表現できることは簡単に。
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              • by tix (7637) on 2002年07月23日 12時33分 (#131369) ホームページ
                全体的に思うのですが、用語が不適切って言うか、必要以上に難しい言葉を使おうとしているように見えます。「本質」とか「本質以外」とか「virtual」とか。もっと簡単な言い回しで伝わるはずだし、そのほうが他の読者にもtixさんの意見の本質が伝わるのでは?
                ご指摘感謝します。自分の中でもよく整理できていないらしくて、簡潔に表現するのが難しいのです。それで、わかりにくい文章だと思っても、ついついそのまま書き込んでしまいました。

                ただ、ぼくは「virtual」も「本質」も必要だから使っているつもりです。 Ryo.F さんの書きかたのほうがわかりやすいのですが、それでは言いたいことが変わってしまっているように感じます。言いたいことがうまく伝わっていないということで、ぼくに文章力が足りないのでしょう。

                インターネットを使ったシステムに危険なものが多い理由について、 Ryo.F さんは
                • 従来手法: 慣れているから安全なものを作れる
                • インターネットを用いた手法: 慣れていないから安全なものを作れない
                と考えていらっしゃるようですが、ぼくの考えは違います。
                • 従来手法: 安全性について考えずにシステムを作っても、何となくいろいろな要因の影響で不正が働きにくいものができる(よって、本質的な安全性はほとんど問われないし、安全性についてとくに気をつけなくてもよい)
                • インターネットを用いた手法: 安全性について考えずにシステムを作ると、不正を阻止するものがない(よって、本質的な安全性が問われるし、安全性に気をつける必要がある)
                だと思うのです。
                「一人あたり1回しか回答しない」なんてルールは、従来手法だってぜんぜん安全じゃありませんよね。
                「本質的に安全」ではありませんが、従来手法で本当に一人で2回も3回も回答する人は少ないのでは(何度も回答用紙に回答を書くのは面倒だからなどの理由で)。これも「従来手法では本質的には安全でなくても不正が働きにくい」という例です。
                従来手法はどの程度の信頼性があるのか、ということが普通の人にも判り易いけれど
                ぼくはこの点について意見が違います。ほとんどの人は従来手法を安全だと信じているけれど、それはわかりやすいからではなく、よく考えずに単に信じているだけではないでしょうか。

                インターネットを使ったアンケートが安全に行われているなら、それは「本質的に安全」だからであって、投票箱をつかったアンケートにおける安全性とは質的に違うと思っているのです。他の言葉で簡単には言い換えられません。が、言い換えられないのは、自分でもまだよく理解していないからかもしれません。
                --
                鵜呑みにしてみる?
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              • by Ryo.F (3896) on 2002年07月23日 14時01分 (#131454) 日記
                > Ryo.F さんは
                > - 従来手法: 慣れているから安全なものを作れる
                > - インターネットを用いた手法: 慣れていないから安全
                > なものを作れない
                > と考えていらっしゃるようですが

                違いますよ。従来手法については、どのくらい安全かの評価が簡単もしくは、実績を鑑みて安全性を見積もることができます。「安全なものが作れる」という言い方は、安全性の基準が示されて初めて意味を持ちます。安全性の評価は、「安全・安全でない」という評価ではなく、「どのくらい安全か」という評価を行うならば、安全性の基準とは独立に言うことができます。

                インターネットを用いた手法は、安全性の評価、つまり、どのくらい安全かがわかりにくいことに問題があるのです。それが解れば、そういうものだとしてアンケート結果を扱えば良いだけです。

                > ぼくの考えは違います。
                > - 従来手法: 安全性について考えずにシステムを作っても、
                > 何となくいろいろな要因の影響で不正が働きにくい
                > ものができる(よって、本質的な安全性はほとんど
                > 問われないし、安全性についてとくに気をつけなく
                > てもよい)
                > - インターネットを用いた手法: 安全性について考えずに
                > システムを作ると、不正を阻止するものがない(よ
                > って、本質的な安全性が問われるし、安全性に気を
                > つける必要がある)
                > だと思うのです。

                違うでしょう。従来手法だって、なんとなく安全だと思っていては思わぬ落とし穴に落ちてしまいます。だって、「アンケートの結果、○○に賛成が80%以上を占めるという結果が得られました」って言われても、よく考えると何も言えてないかもしれないでしょう?もしかすると対面型のアンケートかもしれないし、街角に投票箱を置いたかもしれないし。だから、従来手法だって、なんとなく安全なんて考えるのはおかしくて、どのくらい安全かを評価してから、そういうものだとして結果を扱う必要があるわけです。それはインターネットを利用しようがすまいが、同じことです。

                > 従来手法で本当に一人で2回も3回も回答する人は少ないの
                > では(何度も回答用紙に回答を書くのは面倒だからなどの
                > 理由で)。

                組織票というのもありますね。もちろん、インターネット上でスクリプトを書いて投票というほうがよっぽど簡単なのはわかりますが、それは程度問題。その「程度」を見積もってから、そういうものだとして結果を扱う。それだけでしょ。

                > ほとんどの人は従来手法を安全だと信じているけれど、
                > それはわかりやすいからではなく、よく考えずに単に信じ
                > ているだけではないでしょうか。

                そうかもしれませんね。でもそれでは従来手法だけを考えたとしても騙されてしまいます。だから必要なのは、インターネットだけが危険だ、ということではなく、アンケートに対する客観的なものの見方です。それは統計についての基礎的な知識や、メディアリテラシと言ったものを含むでしょう。

                もちろん、TCP/IPの仕組みや、改竄・成りすまし等の攻撃のあらまし、暗号論を基礎に置く電子投票の理論もわかったほうが良いとは思いますが、それを一般の人に望むのは無理だと思います。
                親コメント
              • by tix (7637) on 2002年07月25日 14時27分 (#132910) ホームページ
                ぼくは従来手法が何となく安全になる要因と、その要因が virtual な手法では機能しない理由を説明しているつもりなのですが。

                多くの人が何となく安全だと思っていた、昔ながらの窓口業務でも、最近は本人確認の杜撰さを突いた攻撃が行われているわけで(知らない間に結婚したことになっていたりとか)、「何となく安全」≠「本質的に安全」であることが徐々に浮き彫りになっているところだと思います。
                インターネットを用いた手法は、安全性の評価、つまり、どのくらい安全かがわかりにくいことに問題があるのです。
                ぼくの考えはまったく逆で、インターネットを用いた手法では安全でないものがそのまま被害につながるので、よっぽどわかりやすいと思っています。インターネットを使うなどの手段で本質があらわになればなるほど、「何となく安全」という状態はなくなっていき、「本質的に安全」か「危険」かのどちらかになっていくと主張しているのです。
                > 従来手法で本当に一人で2回も3回も回答する人は少ないの
                > では(何度も回答用紙に回答を書くのは面倒だからなどの
                > 理由で)。
                組織票というのもありますね。もちろん、インターネット上でスクリプトを書いて投票というほうがよっぽど簡単なのはわかりますが、それは程度問題。その「程度」を見積もってから、そういうものだとして結果を扱う。それだけでしょ。
                それはそうかも。でも、不正のしやすさって、不正が行われるかどうかを決める重要なファクタだと思うので、程度が違うだけでも取り扱いかたを大きく変えなければならないと思うのですが。 Ryo.F さんとぼくの主観の違いでしょうか。
                もちろん、TCP/IPの仕組みや、改竄・成りすまし等の攻撃のあらまし、暗号論を基礎に置く電子投票の理論もわかったほうが良いとは思いますが、それを一般の人に望むのは無理だと思います。
                はい。でも、インターネットを使ったアンケートの安全性を理解するためには従来手法とは違う知識が必要だ、ということは知っていたほうがよいでしょう。それ以上詳しい内容が必要な状況になったら、自分で勉強するなり人に聞くなりすればよいとは思います。
                --
                鵜呑みにしてみる?
                親コメント
              • by Ryo.F (3896) on 2002年07月25日 22時18分 (#133168) 日記
                > ぼくは従来手法が何となく安全になる要因と、その要因が
                > virtual な手法では機能しない理由を説明しているつもり
                > なのですが。

                ええ、意図はわからなくはありません。

                しかし、「従来手法がなんとなく安全になる」というのは実は全くの錯覚で、実際には安全性の見積もりは必須だ、ということです。それはアンケート結果にだまされないと言う事です。その手法は、virtualだろうがインターネット利用だろうが、従来手法だろうが共通です。私はそう言う基本的な態度が問われているのだと主張しているわけです。

                一方、tixさんは問題をvirrualなものに限定しようとしています。それは私には問題を矮小化しているように見えるわけです。

                > 多くの人が何となく安全だと思っていた、昔ながらの窓口業
                <<略>>
                > 「何となく安全」≠「本質的に安全」であることが徐々に浮
                > き彫りになっているところだと思います。

                だから、問題をvirtualなものだけに矮小化することはできない、と結論付けるのが当然の結果だと思いますが。

                > インターネットを用いた手法では安全でないものがそのまま
                > 被害につながるので

                そんなことはないでしょう。被害につながる場合もあれば、運良く被害を免れる事もある。被害に気付かない事だってありますね。これだって、従来手法だろうがvirtualだろうが同じことです。
                親コメント
              • by tix (7637) on 2002年07月26日 14時58分 (#133542) ホームページ
                Ryo.F さんのお話は、心構えという点では否定する材料がありません(当たり前のことを書いているだけだと思うので)。 Ryo.F さんの書かれているように考えてシステムを設計すれば安全なものができるでしょう。その点に対して反論するつもりはありません。

                一方、 Ryo.F さんの現状の理解はぼくと異なっているようです。 Ryo.F さんのほうがぼくよりも現状を単純化している分、わかりやすいけれど現実から遠ざかっています。

                現状を誰がどう理解しようが勝手だろう、そんな話をしたいのではない、というのであれば、その旨書くなり、無視するなりしてください。これまでのところでは、議論がまったくかみ合っていません。
                「従来手法がなんとなく安全になる」というのは実は全くの錯覚で
                この段階で既にぼくと意見が違っています。「全くの錯覚」と切り捨てるのは簡単ですが、現状はそれほど単純ではありません。「何となく安全」は「危険」とも違うのです。

                ぼくが従来方式の「何となく安全」という状態を「危険」とは区別して考えているのに対し、 Ryo.F さんは「何となく安全」という状態を認めず、「本質的に安全」でないものはすべて「危険」と見なしているようです。システムを作る側が「何となく安全」を「危険」と同一視するのは一つの安全な考えかただと思いますが、それでは現状を説明していません。
                一方、tixさんは問題をvirrualなものに限定しようとしています。
                それは本意ではありません。ぼくは「今まで本質的に安全な仕組みを使ってこなかったツケが、インターネットを利用したアンケート(なり何なり)を実施しようとした今になって回ってきた」と思っています。

                でも、従来手法なら、「本質的に安全」でなくとも、「何となく安全」な状態でよい場合が多々あるでしょう。それは、運良く被害を免れるからではなく、被害を被らない理由があるからです(それに対し、インターネットを使って「本質的に安全」でない仕組みを運用してはいけません。そんなことをしたら、本当に運だけが頼りになってしまうので)。これが、ぼくが「何となく安全」を「危険」とは区別して考える理由です。

                「何となく安全」であること自体は悪いことではありません。ただ、今までやってきたことが「何となく安全」だったからといって、これからすることも同じように「何となく安全」になるだろうと思っていると痛い目を見ます。そして、痛い目を見ているケースがたくさんあります。
                --
                鵜呑みにしてみる?
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              • by Ryo.F (3896) on 2002年07月29日 0時40分 (#134833) 日記
                > ぼくが従来方式の「何となく安全」という状態を「危険」とは
                > 区別して考えているのに対し、 Ryo.F さんは「何となく安全」
                > という状態を認めず、「本質的に安全」でないものはすべて
                > 「危険」と見なしているようです。

                うーん。人の意見をきちんと読んでくれないかなぁ。私の主張は、安全性をきちんと評価して、その評価を元に、結果をそれなりに扱え、というとです。「全然安全でないから、全く信用できない」とか、「完全に安全だから、十分信頼がおける」という場合の他に、「そこそこ安全だから、かなり信用してよい」とか、「あまり安全と言えないから、かなり割り引いて考える必要がある」というような場合もあるわけです。「安全」と「危険」の二値評価であるわけがありません。最初からそのように主張しているにもかかわらず、上のような誤解が生まれているのは何故でしょう?

                申し訳ないんですが、私の主張をもう一度読んでみて下さい。議論はそれからです。
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              • by tix (7637) on 2002年08月01日 0時06分 (#136939) ホームページ
                私の主張は、安全性をきちんと評価して、その評価を元に、結果をそれなりに扱え、というとです。
                わかりました。でも、それをぼくに言われても困ります。

                Ryo.F さんの主張はもっともです。ぼくは Ryo.F さんとは意見が違いますが、その点について議論するつもりはもうありません。

                今の話題は、 Ryo.F さんが疑問を呈していた、「ぼくが virtual という言葉を使った理由」とは無関係だと思います。
                --
                鵜呑みにしてみる?
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              • by Ryo.F (3896) on 2002年08月01日 10時29分 (#137160) 日記
                > 今の話題は、 Ryo.F さんが疑問を呈していた、「ぼくが
                > virtual という言葉を使った理由」とは無関係だと思いま
                > す。

                うーん。何で解ってくれないのかなぁ。その後に指摘したでしょ。Tixさんがやっているように問題を「virtualな」ものに矮小化することはできないのだ、と。なぜなら、「virtualな」場合もそうでない場合も「安全性をきちんと評価して、その評価を元に、結果をそれなりに扱う」ことが「本質的に」必要だからです。

                人の話を少しは読んでみてくださいよ。

                > わかりました。でも、それをぼくに言われても困ります。

                それは違うでしょ。Tixさんは、「virtualな」ものでない場合は、「安全性をきちんと評価して、その評価を元に、結果をそれなりに扱う」ことは必要ではないと言っているのですから。
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  • 住民基本台帳ネットワークは放っておけば運用が始まるのだから、こういうWebアンケートにメールアドレスと郵便番号を晒してまで投票するモチベーションがあるのは、そもそも反対意見を持つヒトが大多数を占めるのではないでしょうか。反対意見を持つ団体から「投票しましょう!」と誘導されて来るヒトも少なくないでしょう。その傍証…になるかどうかは分かりませんが、併設されている掲示板 [tokyo.jp]でも、導入に反対の意見が圧倒的に多いです。
    入口に辿り着いたヒトの集合からして既にそういうバイアスのかかっているかもしれない投票結果を参考にして(Internet Watchの記事 [impress.co.jp]によればあくまで参考程度の扱いのようですが)、行政の方針を左右していいのでしょうか…?

    じゃあどういう方法ならいいのか、と言われると、実はワタシには思いつかないのですが…。どうやればいいんでしょうね。

    # ちなみにワタシは杉並区民ではありませんが、現状の住基ネットの導入には不安を感じます。
    • 手元に資料がないので記憶で書きます。あらかじめご了承を。

      昔、アメリカの大統領選挙にあたって電話を使った無作為調査をしたところ、A 候補が優勢という結果が出た。しかし、蓋を開けてみたら B 候補が当選した。なぜ電話の調査結果が実体を反映しなかったのか。それは、当時はまだ電話はあまり普及しておらず、電話を所有していた高所得者層の意見は多数派である中低所得者層のそれとは異なっていたためだった。――こんな話が「統計でウソをつく法」(講談社ブルーバックス)に出ていました。

      21 世紀になった今でも、いくら都市部とはいえ Web 上でのアンケートに答えられる層は少数派であり、民意を反映していないと考えられます。もっともこのアンケートに答えられる(環境がある)層とそうでない層とで意見が割れるかと言われると、それは分かりませんが。

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  • 選択肢に問題ない? (スコア:2, すばらしい洞察)

    by elmirage (6555) on 2002年07月22日 11時05分 (#130482) ホームページ
    ・凍結・延期すべきです。
    ・予定通り実施すべきです。
    ・どちらともいえない。

    の3つの選択肢があるけど、中止という項目がないなぁ。

    「凍結・延期すべきです」の「凍結」が、無期延期のニュアンスを含んでいるのかな?
    だとしたら、「凍結」と「延期」を同じ項目に入れてしまうのも問題あるような。
    --
    だが、いいこともあるぞ、外の天気は上々なんだ
  • 「御意見無用」な態度、かつセキュリティーが無い住基ネット的なやり方より、意見を聞こうという意欲があるだけマシだと思います。皆さんがご指摘くださっている欠点が色々あるのを勘定に入れても。

    考えてみれば、掲示板を備えていて、住民が自由に意見を書いたり討論できる場があるというだけでも、「画期的」な部類に入ると思いません?  セキュリティーも無いのにインターネットを使って住基ネットを始めるなんてのはやめて、インターネットは地方行政と住民の意見交流の道具として活用するといった使い方をすればいいのにね。

  • 杉並区の役人連中は単にコンピュータアレルギーが強いだけなんじゃないか、
    とか思ってしまうんですよ。

    たとえば区立の図書館なんて、未だにインターネットから蔵書の検索もできないし、
    メールやファックスでの問い合わせもできない。
    (窓口で取り寄せを頼んだ本の到着をメールかファックスで知らせてくれってたのんで、
    係から「それはできないんですよ」って言われて呆然としてる人間を何人か見たし)
    そもそもいまだに公式ページそのものがないから休館日のチェックさえ手軽にできない。
    結構、イベントも細かくやっているのにもったいない。

    あと、区役所のページの「区政への要望」のポストフォーム [tokyo.jp]には

    *Eメールでの回答には、一般的にウイルス侵入等インターネット上の
    セキュリティに関する危険性があります。


    っていう、ちょっと不思議なことが書かれてるし。
    (ワクチンソフト入れてません!って宣言してるのか?)

    まぁ、些細なことだと言われればそれまでなんですけど、
    どうもこういう細かい事例にひとつひとつ直面していると、
    なにか役所のトップクラスのほうに時代錯誤の「コンピュータ=悪」
    というような図式に染まってる人間がいるような、どこか硬直した印象を
    受けるんですよね。

    住基ネットに問題がないではないと思うけど、それに対する反旗を翻すには、
    杉並区は問題を感情的にとらえすぎているような気がしてなりませんね。

    #お金が貯まったら、もうちょっとまともなところに引っ越ししたいです~ (-_-
  • by Anonymous Coward on 2002年07月22日 15時28分 (#130636)

    アンケートです。
    http://dempa.2ch.net/seroon/entrance/x3d3b2fc22981c.html
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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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