yh曰く、 "日経にも記事が出ているが、豊田合成と日亜化学が青色LEDの特許侵害や損害賠償請求などの紛争の和解解決に向けて合意したとプレスリリースを出している。両社の間には、1996年から始まって約40件にものぼる訴訟の数々があり、長すぎる裁判は得策ではない判断したのだろう。青色LED関連では、この他にもまだ、構造や製法をめぐっての裁判が尽きない。独Osram社や米Cree社とも紛争があったし、ロームもまた提訴している。元日亜化学社員の中村修二氏からの訴訟はスラドでも話題になった。"
訴訟リスト (スコア:4, 参考になる)
■日亜化学工業対豊田合成
・半導体のドライエッチング方法(特2654454)
88年4月豊田合成申請、97年5月30日成立、98年日亜化学から意義申立、99年6月特許無効審決
00年東京高等裁判所、豊田合成の審判取消請求を却下
・GaなどのⅢ族元素とNの化合物半導体を使う発光素子において,p型層を不純物濃度が高い層と低い層の2層構造とし,p型層の上にNi電極を使うことに関するもの(特2681733号)
97年、豊田合成の特許申請を登録
日亜、特許庁に意義申立て、特許庁豊田に申請書面の修正を求める
2000年3月 特許庁、公知ものもであると豊田合成の特許を無効とする
豊田、東京高裁に対し審判取消訴訟
2001年10月9日 東京高裁、特許庁の審判取消判決、特許庁に再度特許審理
・GaN系発光半導体素子のデバイス構造に関する特許請求拡張(MIS構造に後にPN接合構造を加えた)
99年3月豊田合成特許庁に請求拡張の補正請求、日亜の意義申立てに対し99年3月補正請求無効審判
豊田の無効審決取消請求訴訟に対し00年7月19日却下判決
・ノンドープの発光層を備えたダブルヘテロ構造(特2737053号)
98年7月豊田合成が日亜に対し自社特許の侵害を理由に提訴
日亜化学、豊田合成特許の取消請求を特許庁へ
99年10月特許庁、豊田合成特許の無効審判。豊田合成、東京高裁に審判取消請求
01年3月21日、東京高裁豊田合成を支持し審判無効判決、同時に特許庁に差し戻し
01年4月2日、日亜最高裁に上告
01年9月14日 最高裁、日亜の請求却下。特許庁に差し戻し
関連訴訟
2001年9月28日、豊田合成、日亜化学に対し特2737053号と特2681733号の侵害による損害賠償請求を大阪地裁におこす
2001年10月15日、豊田合成、地裁審議中に日亜化学に対し155億円請求
・GaN発光半導体のn型InxGa1-xN層とp型AlyGa1-yN層間に量子井戸構造を配置するデバイス構造(特2780691号)
日亜、特許庁に特開平6-268259号と同平4-68579号で公知であるとして無効審判請求
特許庁、無効を審決
豊田、東京高裁に提訴
東京高裁豊田合成を支持。日亜上告
2001年11月9日、最高裁、日亜の上告を却下。特許庁に差し戻し
・GaN発光半導体の駆動電圧を低下できるデバイス構造(特3026102号)
2001年8月10日 日亜化学が豊田合成を大阪地方裁判所に提訴
・GaN発光半導体の発光層制御による寿命増加とデバイス構造(特3209096号)
96年豊田、出願
01年7月登録
01年9月豊田、日亜を特許侵害で大阪地方裁判所に提訴
・GaNデバイス構造関連(特2735057号、特2770720号)
2002年2月 日亜合成の請求を却下
・基板上に低温で生成したバッファ、GaN、InGaN各層のデバイス構造(特2751963号)
2001年5月14日 東京高裁、日亜特許の有効性を認めた審判の取消を判決
・GaN半導体関連(特2658009号)
2002年4月24日、東京高裁日亜の請求を認める判決
・P型の化合物半導体層のキャリア濃度(特2626431号)
2002年6月18日 東京高裁、豊田側の請求を認め特許庁の無効審判を取消
・GaN半導体関連(特2778405号)
2001年6月東京高裁豊田を支持する判決
■日亜化学工業対Gree社(国内訴訟は住友商事が補助参加)
・特許侵害停止訴訟(特2918139号)
01年5月15日東京高裁日亜の請求を却下(控訴)
参考 日経エレ01.6.4 P35参照
・GaN半導体のダブルへテロ構造に関する特許侵害停止訴訟(特2778405号)
2001年12月20日 東京高裁日亜の請求却下
■ローム対日亜化学工業
・GaN青紫色半導体発光素子のデバイス構造(特3010412号、米国USP6084899、USP6115399)
提訴 2001年7月2日 京都地方裁判所
関連訴訟
・米国国際貿易委員会(ITC) ローム対日亜化学審判(取り下げ)
・ペンシルベニア州東部地区裁判所 ローム対日亜化学訴訟(係争中)
・ペンシルベニア州東部地区裁判所 日亜化学対ローム、Cree社(前記事件でシャーマン反トラスト法違反を理由に反訴)
■中村修二対日亜化学工業
・サファイア基盤にGaN系半導体結晶ガスを吹付ける技術(特2628404号)
90年10月出願
97年特許登録
01年8月 特許権保有確認請求を東京地方裁判所に提訴
漏れてるものもあると思うので、ご存知の方は適当に突っ込んでください(あと間違い探しも)。なお、東京地裁で係争中の中村氏対日亜裁判は今年の9月28日に判決が出ます。
Re:訴訟リスト (スコア:1)
Re:訴訟リスト (スコア:1)
それから、日亜対Cree社(住友商事補助参加)ですが、日亜対住友商事(Cree社補助参加)の間違いです。また、日亜合成としている箇所がありますが、日亜化学の間違いです。
ついでに、判例については修正しやすいように日記のほうに [srad.jp]集めてみました。よろしければご参照ください
手遅れ (スコア:4, 興味深い)
Re:手遅れ (スコア:1)
電機関係や車関係などは多いそうですね。プログラマやSEにはこういう声は掛からないだろうなぁ。日本より台湾や香港の方が進んでそうだし(苦笑)
いずれにしても、日本の企業勤めでは、技術者には働きの割に金銭的な報いがないから、そういうことをみんな平気でしてしまうんだろうなぁ。
ついでにソフトウエアだけど (スコア:1, 参考になる)
IETFもその裏側はほとんど日本人がやってるけど、そのために米国ではIPv6は無視するところが多い。米国政府はじめWASPどもの思惑としては日本にイニシアチブを取られるかも知れないIPv6よりも今のIPv4のままのほうが政治的にいいポジションであるに決まってる。
そこで米国が狙うのはIPv6を「お話だけ」で終わらせて、IPv6の普及の前にIPv7/8を作って普及させよう、という魂胆なんだな。
Re:手遅れ (スコア:0)
マジですか!? (スコア:0)
しますな(日亜とOASIS)。
そういう流出が起こるのは、結局、どういう原因なんでしょう
か?一生懸命開発しても、権利は会社の物になってしまうから?
Re:マジですか!? (スコア:1)
上にも書きましたが、日本の企業での技術者の給料が相対的に安いからです。相対的というのは、他の職種に比べて、という意味です。
噂に聞いただけですが、週末の2日で貰える報酬の方が、本業の週5日で貰える報酬より多いとかって話です。しかも日給がではなく総額がですので、年収が倍以上になるらしいです。
>一生懸命開発しても、権利は会社の物になってしまうから?
欧米と一番異なるのがここでしょうね。けど、途上国のメーカー相手のアルバイトでは、成果の権利は主張できないですから、これは理由にならないと思います。
Re:マジですか!? (スコア:0)
ぶっちゃけた話、
「十分に褒めてもらえていない」
ということですか?
Re:マジですか!? (スコア:1)
#収入も税務所には内緒の可能性あるし。
Re:マジですか!? (スコア:0)
Re:マジですか!? (スコア:1)
というのはおいといて。
日本も先端技術を習得するために、幕末から昭和の中頃に掛けて、欧米から技術者を招聘して来ています。
けど、そのときはちゃんとした契約に基づくもので、裏でこそこそやってたわけではないです。ちゃんと欧米のメーカーに技術導入を依頼して派遣して貰ったり、大学の教授などに来て貰ったりしてたんです。
もちろん中国や韓国などでも、日本のメーカーに正式に技術者派遣を依頼して、技術導入を図っているメーカーもありますよ。けどそれをすると、おそらくライセンス料やらなんやらでン千万円とか億単位の請求をされて高くつくから、日本の技術者を裏でアルバイトに雇う方が安く済むのでしょうね。
Re:マジですか!? (スコア:1)
為替問題ではないですが、すでに中国では沿岸部の労働コストやインフラがらみのコストが跳ね上がり、労働コストを目当てに進出した先端産業は、よりコストの安い内陸部に生産拠点を移し始めています。
逆にいえば、沿岸部の所得水準が高まっているということも意味していますが、それはそれで市場としての価値が形成されつつある、という意味でもありますし(韓国の輸出産業の再生は、こういった沿岸部の旺盛な消費需要にうまく応えているため)、また同時にこれまで外資と組んでいた現地資本が、資本と技術力を蓄積して独自に高付加価値製品の製造に乗り出しているという背景が、日本からの技術流出の背景にあると思います
Re:マジですか!? (スコア:0)
技術者の待遇の低さだけじゃなくて、日本国が国際産業スパイを十分に取り締まら(れ)ない点も問題視すべきでしょう。
ロームって…… (スコア:1)
ROAM [roam.co.jp]じゃなくてROHM [rohm.co.jp]では?
Re:ロームって…… (スコア:1)
タレコミ2分後ぐらいに気づいて
slashmaster宛にメールしたんですが...。
関係各位にはお詫び申し上げます。
Re:ロームって…… (スコア:1)
Re:ロームって…… (スコア:0)
細かい話ですが... (スコア:0)
こう書くと何かの和解の合意点に達したように読み取れますが、ニュースソースでは「解に向けた交渉を開始すると発表した」ですし、紙媒体の新聞にもそう書いてありました。
ので、今までは和解する気も無かったのが、とりあえず和解する気になっただけのことですよね。ま、互いに和解する気になってるので、最終的には和解に至るでしょうけど。