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超冷中性子の大量発生に成功 29

ストーリー by yourCat
ステンレス容器に収まった 部門より

char曰く、"高エネルギー加速器研究機構 (KEK) が超冷中性子の大量発生に成功した。温度を1.2K (約-272℃) まで冷やすことで、常温では約2.2km/sで動き回る中性子を約5m/sまで減速させることに成功し、観測がしやすくなったという。KEKのプレスリリースによると;

  1. ビッグバンにおける物質の創成
  2. 初期宇宙における元素合成と太陽の燃焼
  3. 素粒子の標準理論と中性子の崩壊過程
  4. 重力
  5. 表面物理

等の研究に応用できると言う。"

Physical Review Letter上の概論が読める (論文閲覧は有料)。

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  • UCN (スコア:4, 参考になる)

    by youphen (993) <youphenNO@SPAMgmail.com> on 2003年01月14日 9時58分 (#234926) 日記
    中性子分野で、温度が高いとか低いとか言うのは、
    運動エネルギーを熱エネルギーに換算したときの
    ことをいいます。
    --
    ゆーへん
    • Re:UCN (スコア:5, 参考になる)

      by youphen (993) <youphenNO@SPAMgmail.com> on 2003年01月14日 13時40分 (#235052) 日記
      あいまいな書き方で混乱を招いてしまったようです。

      中性子(というより原子炉関連)業界では、運動エネルギー
      が低いことを温度が低い、冷たい、高いことを温度が
      高い、熱いという慣習があります。

      運動エネルギーが(質量)*(速さ)^2、熱エネルギーが
      (ボルツマン定数)*(温度)で表されるので、
      温度と速度の換算式は

      (温度) ~ (質量)*(速さ)^2/(ボルツマン定数)

      になるわけです。

      で、何が言いたかったのかと言うと、タレコミ文中で
      中性子を1.2Kに冷やした結果、中性子を減速させることに
      成功したという表現はおかしくて、中性子を減速させる
      ことそのものが"冷却"と表現されるのだということです。

      あと、プレスリリースには、1.2Kは、この研究で使用した
      冷中性子源の液体ヘリウムの温度であると書いてあり、
      中性子の温度だとは読めないと思います。

      分かりにくいかな。
      --
      ゆーへん
      親コメント
      • by char (1245) on 2003年01月14日 17時29分 (#235187) ホームページ 日記
        タレコミ文中で
        中性子を1.2Kに冷やした結果、中性子を減速させることに
        成功したという表現はおかしくて、
        速い(熱い)中性子を減速(冷却)したのではなく
        「減速(冷却)するまでも無く元から遅い(冷たい)中性子を発生させることができた」
        ということであろうか?
        --
        char *A;
        モータースポーツ部 [slashdot.jp]
        親コメント
        • by druaga (13366) on 2003年01月14日 20時47分 (#235274) 日記
          > 速い(熱い)中性子を減速(冷却)したのではなく
          > 「減速(冷却)するまでも無く元から遅い(冷たい)中性子を発生させることができた」
          > ということであろうか?

          これは微妙な問題ですね。
          温度と言うのは粒子の運動エネルギーの平均で定義されてるのでどの段階で温度云々言える
          くらいの数の中性子ができているかという問題になるかと。

          ターゲットに当たった時点では速い(温度定義できず)中性子が減速されて実験容器に
          "ためられた"結果、冷たい
          (速度は速いのも遅いのもいろいろあるけど分布のピークは遅いところにある)
          中性子ができた。というのが正しいでしょう。
          親コメント
        • リンク先の絵なんかをみると、
          高速な中性子をうまく減速して、
          極低温の中性子を取り出しているようです。
          いままでの1000倍の強度(個数)で取り出せるところが意義らしいです。
          親コメント
      • by locate (5848) on 2003年01月14日 16時43分 (#235151) 日記
        > 中性子(というより原子炉関連)業界では、運動エネルギー
        > が低いことを温度が低い、冷たい、高いことを温度が
        > 高い、熱いという慣習があります。

        中性子業界(?)でなくても構成要素の運動エネルギーが小さければ、
        温度が低いと言うと思うんですけど。

        youphenさん、冷却した中性子の速度分布はマクスウエル分布ですか?
        親コメント
        • by youphen (993) <youphenNO@SPAMgmail.com> on 2003年01月14日 20時16分 (#235257) 日記
          > 中性子業界(?)でなくても構成要素の運動エネルギーが小さければ、
          > 温度が低いと言うと思うんですけど。

          いや、言いませんよ。(^^;)
          例えば、一般的な気体の場合、運動エネルギーが小さくなった結果、温度が低くなることはありますけどね。

          > youphenさん、冷却した中性子の速度分布はマクスウエル分布ですか?

          冷却してもしなくても、マクスウェル分布に従いますね。

          専門家じゃないんで、この辺でご勘弁を。(^^;)
          --
          ゆーへん
          親コメント
          • by srk (9553) on 2003年01月14日 20時36分 (#235267)
            僕もちょっと自信がないのですが、そもそも温度とは、
            分子の熱運動の激しさ
            の指標のことですよね?
            つまり、温度が高い=運動が激しい、ということじゃないんですか?
            だとすれば、温度を下げた結果、運動エネルギーが下がった結果、という表現を用いるよりは、温度が下がる=運動エネルギーが小さくなる、という表現の方がしっくりくると思うんですけど。

            少しだけ、非常におおざっぱに定量的な話をすると、ある温度Tにおいて、自由度が3(3次元空間で、x方向、y方向、z方向へ自由に動くことが出来る)の粒子を考えた場合、この粒子の運動エネルギーは3*kT/2と表現されます。kはボルツマン定数と呼ばれるものです。
            ここからも、温度は運動エネルギーで表され、また運動エネルギーは温度で表せるという関係がわかるので、上のようなことが言えると思います。
            (自信ないので、訂正などよろしく^^;;)
            親コメント
            • by kyayoi (627) on 2003年01月15日 2時22分 (#235449) ホームページ 日記
              運動エネルギー=温度だとすると,
              「高速で運動する物体は高温になる」ことになりますがいいですか?
              もちろん(空気などの)摩擦とかは無い状態で.
              親コメント
            • by ozuma (5119) on 2003年01月16日 2時25分 (#236062) ホームページ 日記
              少しだけ、非常におおざっぱに定量的な話をすると、ある温度Tにおいて、自由度が3(3次元空間で、x方向、y方向、z方向へ自由に動くことが出来る)の粒子を考えた場合、この粒子の運動エネルギーは3*kT/2と表現されます

              これでは、系内の全ての粒子が等しく v = SQRT(3kT/m) で動いていることになってしまいます。粒子の持つ平均の運動エネルギーはその通りですが、各々の粒子が取る速度はMaxwellの速度分布に従います

              親コメント
      • by Anonymous Coward
        うーん、ちょっと分からないです。

        「液体ヘリウムで冷やすことにより、中性子の速度を約5m/sまで減速することに成功した」という表現を、
        原子炉業界風に表現するとどうなりますか?
    • by locate (5848) on 2003年01月14日 10時24分 (#234939) 日記
      > 中性子分野で、温度が高いとか低いとか言うのは、
      > 運動エネルギーを熱エネルギーに換算したときの
      > ことをいいます。

      熱エネルギーというのはもともと運動エネルギーのことでは?
      というか、熱エネルギーと温度の関係は?
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        たぶん、

         (普通はマクロで定義される状態量だが、)
         中性子、みたいな素粒子関係の人の間では、
         ミクロに運動エネルギ→温度の計算をしてます、

        ってことかも。ちがう?
      • by Anonymous Coward
        運動エネルギーのばらつき(分散)が、大きいほど温度が高いという 関係だったはず。
  • by tanimachi (4564) on 2003年01月14日 9時27分 (#234915) 日記
    プレスリリースを読むと、『自然界に存在する4つの力、重力、電磁気力、強い相互作用、弱い相互作用の全てが重要な働きをする』とあります。

    中性子と電磁気力がどう作用するかを、誰か何も知らない私に教えてください。
    • プレスリリース、ちゃんと下の方まで読んでね。

      (..略)その特殊な力は、時間反転対称性を破る力であり、中性子の中に電荷の偏り(電気双極子能率)を生じさせる。よって、電気双極子能率がどの程度の大きさであるかは(略...)

      要するに、中性子は3つのクォーク(電荷を持っている)から
      できているから、こういう電荷の偏りが起きて

    • ここ [ifue.com]を読むと良く解ったり解らなかったり...

      中性子はuddから出来てるんだから電気双極子になってそう => 電磁場の影響を受けそう、っていうくらいまでは素人の常識でも分かりそう。
      常識では考えられないのが量子だけどね...
typodupeerror

物事のやり方は一つではない -- Perlな人

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