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5014 story

主要科学誌が悪用の恐れのある論文を掲載しないとの声明 183

ストーリー by yoosee
科学者は善悪を考えなければならないものだが 部門より

skimsr 曰く、 "CNN.co.jpの記事より。米Science誌英Nature誌などの主要科学誌編集者32人からなるグループが,生物化学兵器の開発などに悪用される恐れのある論文について,実験の詳細を省略するなどの修正をほどこしてから掲載する・場合によっては不掲載とする,との声明文(PDF)を発表しました。今後は,各誌が独自に専門委を設置し,悪用される恐れのある論文に関しては著者と協力して内容修正などを行うとのこと。
声明文では,科学の発展のために論文の詳細は公開されるべきという原則を踏まえた上で,論文がテロに悪用されるリスクを指摘,そのリスクを低減すべきと主張しています。また,研究者間での詳細な情報共有をセミナーなどで行うとの案も提示しています。

今回の声明文発表には米国の9.11同時多発テロが大きく影響しているようです。科学の悪用への警戒は常に必要だとは思いますが,今回の声明文のような方法が最善の策なのでしょうか。/.Jの皆さんはどう思われますか?"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • たとえば、抗がん剤の副作用とか、遺伝子組み換え作物の自然界に与える影響とか、
    本来ならば、世の中に出なければならないような問題が、
    「テロリストに悪用されるかもしれない。」という理由で、
    もみ消される可能性もあるのではないかと思うのですが、
    杞憂でしょうか?

    治安問題と透明性というのもアレですけど、
    そういう疑念を挟み込む余地が多少なりとも存在するとすれば、
    やがては、彼らが長年にわたって築いてきたものを一夜にして失うことになるのではないかと思います。

    • >「テロリストに悪用されるかもしれない。」

      これなんですが、今、イラクでは子どもの白血病や癌発生率
      が高いんだそうです。これは、12年前の湾岸戦争のときに使
      われた劣化ウラン弾の影響といわれています。
      しかし、問題なのは、治療薬を「生物兵器の原料になりかね
      ない」として国連が経済制裁の対称になっているということ
      です。

      テロリズムや、生物兵器の原料になりかねない、ということ
      で科学の発展や人の、しかも子どもの命を絶つようなことが
      許されるのだろうか。
      確かに、そういう恐れもあるし、問題提起としてはいいのか
      もしれない。
      けれど、大国の面子、というか大人の面子を潰されたからと
      か、言うことを聞かないとか、そんなくだらない理由である
      としたら、最低だと思うのです。

      心ある科学者の方たちにお願いします。
      イラクの子どもたちを見てください。
      写真ででも構いません。科学を必要としている人たちがいる
      ことを確かめてください。
      それでも、そうするというのなら、何も言いません。
      でもその前に、現状を知っておいて欲しいのです。

      注:イラクの現状については、田中宇氏のサイトから情報を
        得たものです。
        詳しくお知りになりたい方はサーチしてみてください。
      --

      GOD'S IN HIS HEAVEN.
      ALL'S RIGHT WITH THE WORLD.
      親コメント
    • 星新一のショートショートかなにかで世界の発明を審査する権威ある科学者の一団があって、それに認められない研究は世の中から葬られている、という話があったように思います。

      とはいえ、医者や軍人と同じように科学者も自分の行いが世界に与える影響に対して無責任ではいられないと思います。
      実際に取捨選択を行うひとたちは論文を投稿する人たちよりももっとずっと厳しく自分を律する必要があるかとは思いますが、このような考え方が出てきたことはそう否定したものじゃないと思いますよ。
      親コメント
  • by Lycurgus (13027) on 2003年02月17日 22時50分 (#261196) 日記
    科学の発展という点からは難がありますが、テロという実害を考えると仕方が無いと思います。
    先進国のみがそのような情報を持つのは問題だという意見もあるかもしれませんが、私は、
     基本的に金持ち(すなわち、失うものが多い)な国が、相応のパワーを持つべき
    と思っていますので、(オープンにせず、制限をするなら)これ以外に方法は考えつかないです。

    ただ、本当にテロリストに対して、隠し通せるかというと疑問です。
    結果が公表される以上、存在自体は知られてしまうわけで、そうなると(目標が明確である分)格段に研究しやすくなりますので……。
    • Re:一応賛成です (スコア:2, すばらしい洞察)

      by y_tambe (8218) on 2003年02月18日 2時40分 (#261404) ホームページ 日記
      同じく賛成に一票ですね。非常に遺憾ですが。

      科学はある点でオープンソースプロジェクトに似ていると言われてます。実験の確かさを証明するためには、その再現性を保証するために、その実験が検証可能となるようその実験の方法をオープンにする必要がある。その点では今回の決断は、そういうオープン性から遠ざかる動きだともいえます。

      しかし今回問題になっていることは、もしも誰かが「極めて破壊的」かつ「有効な対処法の目処すらたっていない」コンピュータウイルスを開発したとしたら、その全ソースコードを一般公開することは果たして許されるべきか、というのと似た問題だと思います。
      #OSの脆弱性の問題と異なるのは「そのOSの使用を止めれば良い」という究極の解決法が使えないことです。
      #また有効な対処法そのものが存在するかどうかすら判らない、というのも大きな問題。

      とても嘆かわしいことだと思いますし、また既存の技術だけでもバイオテロは可能だから、今、情報を制限することに意味があるのかと言われると正直、疑問でもあります。かと言って、今後もずっと現状維持のまま公開しつづけるべきか、と言われるとそれも問題でしょう。今回、声明を発表したグループにとっても苦渋の決断だったと思いますが、現状では仕方がないことだと思います。
      親コメント
    • >基本的に金持ち(すなわち、失うものが多い)な国が、
      >相応のパワーを持つべきと思っていますので、(オー
      >プンにせず、制限をするなら)これ以外に方法は考え
      >つかないです。

       金持ちな国が自分の利益を守るためには、やはり情報は
      制限せざるを得ない点は理解できるのですが...

       ただ、一部のテロリストを恐れるがために、科学の成果
      が世界に行き渡らないのは残念な気がします。

       理想主義でしょうか?
      --
      -- BoneHead Hiro --
      親コメント
      • by Lycurgus (13027) on 2003年02月18日 1時26分 (#261362) 日記
        >BoneHead Hiroさん
        > ただ、一部のテロリストを恐れるがために、科学の成果
        >が世界に行き渡らないのは残念な気がします。
        >
        > 理想主義でしょうか?

        いやいや、実際にデメリットがありますので、理想主義とは思わないです。
        そしてメリットの方は、もしかしたら少々の足止めと、こういう効果 [srad.jp]しかないかもしれない。
        (発言している人を見る限り)反対者が圧倒的に多いですが、そのあたりは十分理解できます。


        >ta98さん
        >どこで線引きするか問題ですね。
        そうですね。たとえ意図していなかったとしても、結果的にこういう効果がある [srad.jp]可能性もありますし。
        (それが本当の狙いである可能性もあります)
        親コメント
    • by ta98 (10561) on 2003年02月18日 0時01分 (#261285) ホームページ
      私も一応は賛成ですが…。
      どこで線引きするか問題ですね。

      線引きする人が全く正しい判断をくだせるとは誰も思っていないし。判断する32人を客観的に評価するグループも必要かと思う。
      親コメント
    • Re:一応賛成です (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2003年02月18日 0時04分 (#261288)
      CNN の記事からは読みとれませんが、もし判断にどこかの政府の意志が反映されるとするとまずいのではないかと思います。

      テロは許せざる物ではありますが、そのテロの動機は政治的なものが多いでしょう。
      例えばパレスチナ人の自爆テロなどは、もちろん一般市民の生命や財産を奪う許し難いものでありますが、己の生命をもなげうってまでイスラエルに抗議せざるを得ない心境に追い込まれたテロリスト当事者の気持ちや状況を考えると無下に否定出来る物ではありません。

      私はこの記事を見て暗号化製品の輸出規制をまず思い出しました。
      皆さんも知っての通り、暗号技術はテロや犯罪にも使えると同時に一般市民の自由な言論にも多大な貢献をしています。

      本当に最悪のシナリオを考えると、テロによる脅威が無くなり国家による政治的弾圧が簡単に行える世の中になってしまいます。
      この場合結果として情報の規制が軽くテロ以上の効果を持つ訳です。

      結論を言えば、相手の牙を抜く事で危険を回避する方法は私は反対です。

      テロが起きると言うことは、何らかの理由によりテロのような膨大なエネルギーを必要とする行為を行わざるを得ない状況に持ち込まれた人たちがいるためです。
      「テロリストという生き方」を選択する人々が出ないようにする事がテロに対する本当の解決策であり、それ以外は全てそのような状況を作り出した国家がテロリストに対して勝利するための戦略でしか無いと思います。

      -----
      個人的に9.11テロも北アイルランド問題もイスラエルパレスチナ問題も、国家・テロリスト共にどっちもどっちだと思っています。
      ただこれらの場合のテロは国家という後ろ楯がない人々の一番最後の意思表示手段だと考えられる点から情状酌量の余地があると思っています。
      -----

      #すいません、声明文を読まずに書いてますので前提からして大間違いかも知れません。
      #その際はどなたかマイナスモデレートをお願いします。

      #出来れば名前を出したいところなのですが会社の人間も
      #ここを見ているので文字通り臆病な匿名になります。
      親コメント
      • by kota128 (6016) on 2003年02月18日 0時57分 (#261334)
        個人的に9.11テロも北アイルランド問題もイスラエルパレスチナ問題も、国家・テロリスト共にどっちもどっちだと思っています。
        ただこれらの場合のテロは国家という後ろ楯がない人々の一番最後の意思表示手段だと考えられる点から情状酌量の余地があると思っています。
        次にテロの犠牲になるのは、あなたやあなたのご家族、恋人かもしれませんよ。
        (日本はアメリカの同盟国として、十分標的になりえます。)
        それでも、彼らだって追い詰められて仕方なくやってるんだ、テロを起こすのも仕方ない、と同じ台詞を言えますか?
        テロリストを(殺してでも)抑えなければ、死ぬのは私たちですよ?

        #悪気があって言ってるわけじゃないってことはわかってますが・・・
        #その反抗の意思を示すために、何の罪もない一般の人々が殺されるという事実をお忘れなく。
        #(まぁテロリストからすれば、平和に暮らしている人たちも自分たちから奪った(と思っている)富で豊かに暮らしているわけで、赤ん坊ですら罪があるんでしょうが。)

        #他国に抵抗したいなら自国の発展に尽くすべき。自国の政府に反抗するなら、政府関係のものを攻撃すべき。
        #どんな理由があれ、一般市民を殺すことに情状酌量の余地など無い・・・。
        親コメント
        • by apj (8158) on 2003年02月18日 9時30分 (#261489) 日記
          >#他国に抵抗したいなら自国の発展に尽くすべき。自国の政府に反抗するなら、政府関係のものを攻撃すべき。
          >#どんな理由があれ、一般市民を殺すことに情状酌量の余地など無い・・・。

          自国が現実に攻撃されたわけでもないのに,自国の利益のために余所の国を攻撃して殺しまくってきたのはUSAですし。その挙げ句にテロにあったわけですからねぇ。

          まずはUSAの横暴をやめさせない限りテロの危険は減らないのでは。
          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2003年02月18日 1時47分 (#261382)
          #261288 の AC の方とは別の AC です。

          同意、とはいかないまでもご意見の多くは理解できるものなのですが、

          > 次にテロの犠牲になるのは、あなたやあなたのご家族、恋人かもしれ
          > ませんよ。

          という発想というか表現はあまり感心できません。

          自分に近しい者に対する脅威をもとに説得しようというのは脅迫的な感
          じがします。もっと言ってしまえば、集団の構成員にテロ行為の実施を
          迫る側の論理と同様なものであるように思います。
          親コメント
          • by kota128 (6016) on 2003年02月18日 2時06分 (#261391)
            自分に近しい者に対する脅威をもとに説得しようというのは脅迫的な感じがします。
            元のACの方がまるで人事(弾圧するアメリカと、それに反発するテロリストだけ)のように話されていて、自分たちの危険性を認識しておられないようでしたので、このような感じになってしまいました。

            自分たちにも危険があるとわかっていて言っているのなら、同意するかどうかは別として立派なご意見だとは思うんですが・・・。
            とてもそのようには見えなかったの、こういう形で書きました。

            #脅迫的な感じ・・・というのは確かにそう見えますね。謝罪します。
            #ただ、テロ問題というのは、実際にそういう問題であるということだけはお忘れなく・・・。

            #って書くと、また脅迫っぽい・・・
            #テロ問題だとどうしてもこういう話になっちゃうんですよ(汗
            親コメント
      • Re:一応賛成です (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2003年02月18日 0時39分 (#261317)
        >「テロリストという生き方」を選択する人々が出ないようにする事が
        >テロに対する本当の解決策であり、

        ですが、その本当の解決策はいつ実るのですか? 実るまでの危険はどうするのですか?

        たとえば、「犯罪者という生き方」を選択する人々が出ない社会が理想なのは言うまでもありませんが、現実にはそのような社会を容易に構築することはできません。ですから、一歩間違えれば危険きまわりない警察という組織が存在するのです。

        あなたのように理想に忠実な考え方は、一見すると誠実に見えますが、実際には、現実におこる諸問題の解決を放置した不誠実極まりない考え方です。

        今回の措置が、そういった諸問題の解決に有効かどうかは、微妙な問題だと思いますが、そうやって現実から遊離するのはやめましょう。また、現実に起こる諸問題ばかり見て、本質的解決への努力を怠る人が多く、中東問題ではその傾向が顕著ではあります。ですが、現実に起こる諸問題への対処を考えなくてよいということにはなりません。

        よく言えば純粋、悪く言えば幼稚な発想がちょっとひっかかったので。
        親コメント
    • >結果が公表される以上、存在自体は知られてしまうわけで、
      >そうなると(目標が明確である分)格段に研究しやすく
      >なりますので……。

      米国が原爆を完成させた時に、最も漏洩しないよう注意を払ったのは、
      「原爆が完成した」ということそのものの情報であったと言いますね。
      親コメント
  • by naka64 (4590) on 2003年02月17日 23時26分 (#261242) 日記
    呼びかけ人リスト [sciencemag.org]を見ると、生命関係がずらっと並んでいて、あと核/Nature/Scienceが約1名ずつ、というメンバーのようですね。
    科学者と言うよりは医師としての発想、なんだろうなと思った。
    • Science, Nature, PNAS, NEJM, JAMAといったgeneral science/medical journal に加えて微生物学/感染症に関わるtop journalを発行しているASMの雑誌、さらにその中でもウイルス学のtop journalであるJ. Virologyでは新旧のEditorが参加している、という構成です。

      これらは単に医者の雑誌というより、まぎれもなく「バイオサイエンス」分野のtop journalです。中でもバイオテロへの関連から、微生物学に重点が置かれている感じですが。
      確かに米英に偏っているように見えますが、そもそもこの分野のtop journalが米英から出ているものなので仕方がない部分もあるかと思います。
      親コメント
  • by soldier (13912) on 2003年02月17日 23時29分 (#261249)
    改めて9.11同時多発テロの影響の大きさを思います。現在、アメリカがイラクを攻撃する表立った理由の1つとして、イラクのアルカイダとの関係をあげています。これから起こるであろう戦争という大きな出来事だけでなく、9.11同時多発テロが残したものは大きいと思います。

    今回のタレコミも9.11同時多発テロが影響しているとのことですが、悪用の恐れがある論文の内容修正は、巨大なテロ組織にはあまり効力がないと思います。悪用しようと試みる人は、何が何でもその情報を得ようとします。たとえそれが一部の人しか知りえない情報だったとしても得てしまうのです。目的意識を持った人のパワーには恐るべきものがあります。

    論文を掲載しないことによって、不利益を被る人のほうが多いと思うのです。
  • なるほど (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2003年02月17日 23時41分 (#261262)
    ノーベルの遺志は踏みにじられ続けているということだ。
  • by locate (5848) on 2003年02月17日 23時56分 (#261278) 日記
    核関連のデータ(X線、核崩壊など)の多くはアメリカ等は、
    核実験もやってるので大量に持ってます。しかし軍事機密なために
    研究者は新しい科学的な知見を論文化して公表できません。
    つまり研究されているにも関わらず、論文化されていない情報
    は意外にたくさんあります。
    昔やっていた人体実験なんかのデータも機密で出てきませんね。

    多くの一流誌が米英の雑誌である所に注目すべきです。
    つまり、投稿された論文を読んで、米英の持つ機密に関わる
    場合には掲載拒否で英米の機密情報の拡散が防げるわけです。
    もし英米が持たない新しい情報であった場合、投稿論文は
    情報統制のとれた軍事研究所に回したうえで、掲載拒否して
    公表を防ぐことが出来るわけです。

    普通は論文を書いて掲載を拒否されたら、別の雑誌に投稿する
    だけです。二流誌、三流誌と落としていけばどこかには掲載されます。
    今回の様に「悪用の恐れがある物は掲載拒否する」と声を大に
    することによって、二流誌、三流誌への掲載にも圧力をかけて
    取り潰し、米英の利権を守ろうという魂胆でしょう。
    • by tsuya (14020) on 2003年02月18日 0時58分 (#261335) 日記

      おっしゃる通り、もともと採録が厳しい主要誌が、その網の目をちょっとだけ塞ぎました、といったところで、たいした状況の変化はないような気がするけど、生物学系はそうでもないのかな。

      マスメディアを通じてアナウンスすれば、その他大勢アカデミズムも追随するだろう、という読み? 将来、何かと責任転嫁されるリスクを避けた、というところがやはり妥当でしょうか。

      親コメント
    • 話としては筋が通ってると思いますが、
      声明を発表した人達が米英の国家戦略を
      汲み取ってやったこととは思えません。
      まぁ、裏の仕事として諜報機関の一員だ
      ってのならわからんでもないですが。

      Science や Nature って

      投稿論文は情報統制のとれた軍事研究所に回した

      なんてこと裏でやったりするんですか?
      #やれば情報漏洩が防げた上でさらにお得って
      #のはわかるんですが。やりかねんってことでしょ?

      ##米英がそれをやりたいってのはわかりますよ。
      ##でも、実際雑誌がどの程度つきあうかってのは
      ##別問題な気がするんだよなぁ。
      --
      Kiyotan
      親コメント
  • by deki (5563) on 2003年02月18日 1時36分 (#261368)
    どうかな?
    米Science誌,英Nature誌
    だから賛成論もあるんだろうけど、
    北やイラクで同じ発表があったら好意的に受け止めるだろうか?
    少なくともアメリカは猛反発するだろうね。
    きわめて危険な行為とし、戦争すら起こしかねない。
    しかし、自国で行われた場合はそれを歓迎する。
    そして、それを良しとする風潮もある。
    でもね、これが極めて危険な事であることに気づかないと駄目だよ。
  • by Anonymous Coward on 2003年02月17日 22時46分 (#261192)
    マジック:ザ・ギャザリングのフレイバーテキストに
    こんなのがありました。
    「なんという皮肉なことだ。
    文明をおしすすめる最大の原動力が戦争とは」
    記憶があやふやなので細部が違うかもしれませんが
    おおむねこんな感じでした。

    ヤヴァイ部分を省略するのは間違ってはいないと思います。
    載せないのはちょっとどうかと思いますが。

    #ネタがヤバい気がするのでAC
    • 今回の件は

      "How ironic that the greatest forge of civilization is battle."
      -Mangara
      何と皮肉なことだ。文明を押し進める最大の原動力が戦争だとは

      という言葉のよい反例となりました。

      戦争なんて人的資源と物的資源を際限なく飲み込むブラックホールのようなもの。質量だけは大きくて、いろんなものが詰まってるかもしれないけど、そこから出てくるものが異様に少ない

      いまだに本気で戦争は文明の推進剤ってのを信じてる人によく読んでほしい...
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2003年02月17日 23時08分 (#261220)
    ようは検閲ですね。

    テロ防止の美名の下に言論規制にならないと良いですね。
    #本当はもう少しテロの大本の原因を無くす努力をしてからにして欲しい。
    #(もちろんイランを爆撃してからって意味では無い)

  • 鬼畜米英 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2003年02月17日 23時12分 (#261226)
    主要科学誌がイラク攻撃の中心的立場に米英に偏っていることの弊害の一つと思わずにはいられないなあ。

    アカデミックの世界が嫌になって飛び出したのでAC。
  • by kahori (14199) on 2003年02月17日 23時18分 (#261232) 日記
    科学者のモラルが問われてきた時期は過去何度かありました。
    火の発明、火薬の発明、ロケットの発明とその弾道ミサイルへの
    応用。原子力理論の確立と原子爆弾、などなど。

    全てに関する情報が時を経て世界に拡散し、一般化してきたし、
    普及するのにかかる時間はどんどん短くなって行く。
    情報の流れの前に科学者のモラルは無力だと私は考えています。

    そもそもインターネットがここまで普及してから言われてもなぁ。
  • そーいえば昔、cDcのダレカが理科の教科書and図書館の本を参考にした爆弾作成のテキストばらまいて問題になったよね。
    --
    Thanx! Sunakuzra.
  • by anqmb (13317) on 2003年02月17日 23時42分 (#261264) 日記

    善悪を科学的に決定する手法を研究していただきたいものだ。

    悪用の恐れとはいうが、方法論としては恣意に基づくボツ以上のものではないだろうし、そのうちタブーが際限なく拡大して自由な研究が阻害される原因にもなりかねない。

    今回の決定それ自体は賛成でも反対でもないが、結果として科学を殺す方向に向かう可能性の芽を、個人的には危惧している。

  •  dodongaです。

     表題の通りです。

     どうしよう。
    --
    閑話休題
    • イラクとかアフリカとかの乾燥したトコだと、
      イナゴとかバッタを駆除する殺虫剤が必須です。
      問題は殺虫剤と神経ガス(毒ガス)が化学的に非常に似ていること。
      (昆虫の神経を駄目にする物質と哺乳類の神経を駄目にする物質が似ている事は不思議ではない)
      殺虫剤の研究は神経ガスの研究と裏表の関係にあるため一番引っかかりそう…

      # 病原菌の培養方法や毒素の濃縮方法が悪用されることを恐れて居るんでしょうけど、
      # そんなモノ、過去50年間に山ほど公開されているんだからあまり意味がないんじゃないかな?

      >暗号
       第二次大戦中の暗号であっても、手がかりなしだと今の計算機を使っても数ヶ月は破れないので規制する意味は無いような…
      --
      notice : I ignore an anonymous contribution.
      親コメント
  • テーマを好き好んで研究する研究者がいるであろうか? 目的は理解できなくもないが, 現実的な効果はないんじゃないかな?

    4番目の声明にある

    Scientific information is also communicated by other means: seminars, meetings, electronic posting, etc.
    の意図を,テロが起きた場合に 「俺達の雑誌がテロの手助けをしたんじゃねーからね. 著者が直接教えたんだよ.俺達は無関係だ」って言い訳と する解釈は邪推かな?

    --
    Koichi
    • 思想という理想 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by WATT (7709) on 2003年02月18日 0時18分 (#261298) 日記
      >テロが起きた場合に「俺達の雑誌がテロの手助けをしたんじゃねーからね.
      >著者が直接教えたんだよ.俺達は無関係だ」って言い訳とする解釈は邪推かな?
      同じことをまず思いました。残念ながら自分には、説明書に「~には利用できません。」って書いてあるのと同じノリにしか見えなかったです。
      まぁ、どんなに情報を縛り付けようとしても、それを利用しようとする人間の思想までは縛れません。
      研究者であれば、研究結果を公表したいと考えるのは当然の思いでしょう。なにかの技術だって、考案者には予想だにしなかったことに用いられることだってあります。
      このような声明(およびその行使)が無駄だとは思いませんが、それよりはテロをなくす(もっとアメリカ的でない)方法を探求するほうが先ではないかとどうしても思ってしまいます。

      以下、適当に訳。

      4つ:出版した場合の潜在的危険性が、社会への潜在的利益を上回るだろうと編者が判断する場合があり得ることを我々は理解している。そのような状況では、論文は修正されるか、あるいは出版されないだろう。科学的な情報は、他の手段によって、例を挙げれば、セミナーや学会、電子郵便などによっても伝えられるだろう。雑誌や科学専門団体は、研究者が研究結果を話し合うにあたって、公益を最大化し、かつ、悪用のリスクを最小限に抑えられる方法を可能とするための重要な役割を果たすことができる。
      親コメント
  • 愚かな行為だと、本当に思うのです。
    科学は身分や生まれや政治に極力影響されないでいて欲しいのです。
    スポーツですら無理だから、駄目なのかな…

    論文の短いスペースに所狭しと載っている情報でも足りなかったりするのに、さらに制限されたら、その論文の後に続くのは非常に困難になると思うのです。
    著者に詳細を問い合わせればよいですか?
    でも、私がイラクや北朝鮮の出身だったら。
    もしくは親族や先祖がそうだったら、はたして回答いただけるでしょうか。
    かつての敵国、日本の場合も同じことになりはしませんか?
    編集者の頭の中では科学は欧米のものなのか…
  • もういいよ。 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2003年02月18日 0時32分 (#261310)
    科学技術って,これ以上発展させる必要ってあるの?

    そこそこ食べるものがあって,風雪を防ぐところがあって,着るものがあって,
    ほどよく子孫を残せて,それ以上何を求めるの?

    宇宙に行ったり,遺伝子変えたり,原子力で電気作ったり,
    ホントにする必要あるの?

    医学に関していうと,自分も含めて身近な人間が病気になるのはもちろんいやなんだけど,
    でもある意味仕方ないよね。生き物だからね。

    夏は暑く,冬は寒くでいいじゃない。
    必要以上に食べる必要,ないじゃない。
    天変地異に翻弄されるの,ある意味仕方ないじゃない。

    もういいよ。
    人間は生き物としての本質を見失って自惚れすぎだよ。
    互いに仲が悪すぎるよ。
    たぶん,いま歩んでるのは自滅の道だよ,でももう引き返せないだろうなぁ。
    • by tada (5086) on 2003年02月18日 0時47分 (#261323)
      ではまず、今あなたがこのページを読み書きしているコンピュータを捨てる事から始めましょうか。

      >そこそこ食べるものがあって,風雪を防ぐところがあって,着るものがあって,
      >ほどよく子孫を残せて,それ以上何を求めるの?

      自分の周りしか見えないというのは非常に悲しいことです。
      #あー、久しぶりに胸くそ悪い無知を見た。
      親コメント
    • ぼくは、科学者を目指して学生をやっていますが、別に人類の進歩のためにやっているのではありません。ただ単に、知らないことがあるのでもっと知りたいという欲求だけでやっています。それが自滅の道というのなら、そうなんでしょうけど。
      --
      ゆーへん
      親コメント
    • by simon (1336) on 2003年02月18日 1時13分 (#261346)
      「俺たちには食うものもあって、冬も寒くない家があって、
       子供もたくさん持てて、これいじょう何もいらないぞ」

      たぶん、石器時代の穴居人にも同じことを考える人がいたに違いありませんね。
      しかし、そう考えない人もいました。彼らはどうしたらもっと便利に
      食べ物を得られるか、どうしたら効率よく子供を育てられるかを考えました。
      彼らのおかげで、今のあなたはTVやインターネットで世界のことを知ることが
      できますし、抗生物質の注射でインフルエンザも命にかかわることはありません。

      いま、世界には難病で苦しんでいる人がいます。
      彼らを救えるのが科学だけならば、科学を発達させて彼らの苦痛を取り除く
      ことのなにがいけないのでしょうか?

      自然災害で命を失う人が出るのを防ぐために衛星を打ち上げるのは
      善い行いではないのですか?

      >人間は生き物としての本質を見失って

      集住を始め、農作物を育て始めたその日から、我々はもうただの生き物で
      あることをやめたのです。もう後戻りはできません。
      すこしでも前へ、人類の生存圏を少しでも広げていって、種としての全滅を防ぐ以外に
      我々の世代ができることはないでしょう?

      ラリー・ニーブンとジェフリー・パーネルの小説『悪魔のハンマー』のなかで、主人公は
      暴徒に襲われようとする人類最後の砦、発電所を守ろうと、こう呼びかけています。

      「私は宇宙にいた。私はもう二度とあそこにいくことはないだろう。 だが、きみたちの
      子供はできる! 絶対できる!  あの発電所と20年という歳月をくれ。 そうすれば
      われわれはまた宇宙に出られる。 ・・・ よく考えてくれ。二つに一つだ。 このままいっ
      て、良い農民に、安全な農民に、迷信深い農民になるか− それとも、もう一度、征服
      すべきいろいろな世界を持つか。 もう一度、電光を支配するか。」

      安全な農民になりたいですか?
      親コメント
    • まだまだ! (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2003年02月18日 1時59分 (#261386)
      あまりにありがちな謬見が、/.-jにも出てきたことに驚いて、釣られてみます。

      産業革命よりはるか以前の技術段階で、すでに人類は持続不可能な域に踏み込んでしまっている。
      狩猟採集生活を続けることは不可能だ。メソアメリカでは大型哺乳類を先史時代に絶滅させてしまっている。
      農耕生活も持続不可能だ。メソポタミアや支那中原の砂漠化を見よ。

      >そこそこ食べるものがあって,風雪を防ぐところがあって,着るものがあって,
      > ほどよく子孫を残せて,

      なんてのは、実現できたためしがない。
      それを持てたのは一部の勝者だけ。
      これを緩和するにはフロンティアを持ち続けるしかない。

      人類が「生き物としての本質」をまっとうしようとするのなら、生息域の拡大の道を模索するのは当然じゃないの?
      我々は、焼けたトタン板の上で飛び跳ねる猫にすぎないかもしれない。
      しかし、飛び跳ねなければ焼け死ぬことも、間違いない。

      大げさになって恥ずかしくなってきちゃったので、AC
      親コメント
    • by Wildcat (2067) on 2003年02月18日 3時53分 (#261417) 日記
      > 人間は生き物としての本質を見失って自惚れすぎだよ。

      違う違う。それが人間という動物なんです。人間もその他の動物も単に本能のおもむくままに生きているだけです。これについては何一つ違いはありません。
      --
      (´д`;)
      親コメント
  • by RSK (14213) on 2003年02月18日 0時41分 (#261318)

     将軍は、明らかに興奮していた。「この代物だが(中略)あれは感情の 支配に利用できる。これをテレビで放映すれば、全住民を感情的に操作 できる。それだけの力が、不適当な者の手に渡ったら、どういうことにな る?」
     「これに、それだけの力があるとすれば」と、ハーディングが穏やかに言った。
     「適当な者など、この世におりますまい」

     アイザック・アシモフ/山高昭訳
     「適切な研究課題」(「木星買います」収録)

  • 対イラク戦が終わって、冷静な頭になったら、撤回すると
    思いますよ。そこまで、カボチャ頭ぞろいじゃないでしょ。

    問題は、無事に戦争が終わるかと言うことで…

    #ひょっとして、中国語とかフランス語とかで論文を発表
    #するのが普通になって、英語がアカデミックな世界の共
    #通語の地位を転がり落ちるってこたあないよね?
    --
    Yukio@神戸在住
  • by Wildcat (2067) on 2003年02月18日 3時57分 (#261420) 日記
    バナナの皮は滑べって転ぶと危ないから発表するのはやめておこう。
    --
    (´д`;)
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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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