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脳は音の速さを知っている 70

ストーリー by yourCat
40mというのが面白い 部門より

postel曰く、"産業技術総合研究所 (産総研) と東北大学の研究によって、40mくらいの距離までは、脳が音の遅れを自動的に認識・補正していることが明らかになった (産総研のプレスリリース東北大のプレスリリースnatureのweb記事 (要無料ユーザー登録) および日本工業新聞の記事)。打ち上げ花火や雷のようなの遠いところで発生する現象の観察の場合は音と光が分離して認識されるが、40m以内の現象であれば音の遅れを脳が自動的に認識し補正するらしい。

  1. 自分から対象までの距離が40m以内であれば、音に適切な遅延があると、光と同時に認識される
  2. 自分から対象までの距離が40m以内の場合、40m先の光と全く同時にヘッドホンで音を呈示すると音が先に到達したように錯覚してしまう
1はなんとなく経験的に理解できるけど、2の現象は奇妙ですね。人間の脳ってなにげないところでがんばってるんだなぁと再認識しました。"

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  • by sameshima (10060) on 2003年03月02日 18時26分 (#271019) 日記
    直接音と間接音が時間差で到達した
    とき、音源を即座に同定するために遅延側の音
    が聞こえないというハース効果の範囲は
    50mSec以内(?)で、それ以上の時間差になると
    別々の音として認識できる。
    これって捕食者から身を守るため、または、
    捕食するために進化した能力だと思っています。
    直接は関係ないかもしれませんが、
    40m(約100mSec)あたりで、
    音響情報より目視情報を優先する切り替わりめ
    があるのでしょうか。
    なんかに使えないかなぁ
    • by oltio (3848) on 2003年03月02日 18時44分 (#271037) 日記
      音の定位判断の際に用いられている(と考えられている)位相差の
      認識の閾値もそのあたりにあったかと思います。(自分で作った
      ソフトで測ったのでいい加減ですが…)

      「これとこれはほぼ同時に発生している=同じものだ」という判断を
      経てから、さらに細かい精度で時間差を判断して距離や定位を認識
      する、という点で、これらは同じ土台の話なのかもしれませんね。

      「あ、同時だ」と脳が判断する許容時間は、それぞれの部位で
      実はたいして変わらないのかも。
      親コメント
      • 最初は、耳側の音の流れの中に可変遅延な
        なんかがあってその長さが100mSecくらいで、
        そこから画像情報の個々の事物と関連付けされる
        のかと思ったのですが、、おっしゃるとおり
        見えている「これ」と聞こえている「あれ」が
        ”同じだ”と感じるのは、結果を判断するところが
        同じだと感じれば、同じなので、可変ディレイライン
        なんか無くて、いろいろ取り集めて判断するところ
        の仕組みなんだと思いました。

        余談ですが、イルカは超音波のエコー画像と目で見た
        画像を混ぜて見ているそうで、(そのために脳でかい?)
        相手の骨とか内臓もみえているそうです。
        親コメント
  • by tomatsu (2545) on 2003年03月02日 18時01分 (#271000)
    テレビの影響でしょうか。
    アニメやドラマや映画で、視点のと対象までの距離に応じて音のズレを作っているものは、どのくらいあるのでしょう。

    #コンサートホールで、見える指揮棒と聞こえる演奏がずれて、いつも不思議な感覚にさせられる……。
  • 心理学的? (スコア:2, すばらしい洞察)

    by megalith (4791) on 2003年03月02日 18時11分 (#271007)
    心理学的に明らかになったって言われても、光と音じゃ認識にかかる時間が違うのだから脳が補正しているのは当然だぁ。

    逆さまに見える眼鏡をずっとかけてると、それが正しいように見えてくるのと同じ理屈じゃないかな。

    で、よく分かってないのはその原理。

    神経生理学および神経解剖学的研究を始めるにあたって、とりあえずまとめてみましたってことかなぁ。

    と勝手に想像してみました。
    • Re:心理学的? (スコア:5, 参考になる)

      by posikov (10827) on 2003年03月02日 18時45分 (#271038) 日記
      杉田氏は以前に逆さ眼鏡の研究で神経生理的な論文をNatureにをだしてる [nih.gov]ので,
      おそらくそういうことなのでしょうね.

      個人的には逆さ眼鏡は「正しくみえる」ようにはならないと思っているので,
      今回の話はちょっと次元の違うものかと思っていますが.
      親コメント
    • Re:心理学的? (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2003年03月02日 18時59分 (#271049)
      > 光と音じゃ認識にかかる時間が違うのだから脳が補正しているのは当然だぁ。

      その音と光の源が近い場合と遠い場合でずれが生じるのを補正しているわけだから、認識にかかる時間の補正とは別の補正をしているということが新たにわかったではないでしょうか。
      親コメント
  • 40mだと (スコア:2, すばらしい洞察)

    by shiraga (14233) on 2003年03月02日 18時42分 (#271035)
    音と光のズレは0.1秒程度ですね。
    この程度の差を人間の知覚が正しく認識出来るのか?

    「同時に感じる」「ずれて感じる」という『認識』はどのように検出したのでしょう?
    被験者による自己申告?
    ちゃんど二重盲検になってるんでしょうか?
    よく分からないときに「どうでした?」と質問する実験者の熱意の入り方が影響したとか…。(^_^;)

    #職業柄、あらゆる実験結果にはまず懐疑的に接する習慣があるけどID
    • Re:40mだと (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2003年03月02日 19時29分 (#271071)
      アニメで違和感の出始めるのが10fpsあたりと言われていることと関係あるのかな。
      左右の耳に届く音の時間差については、小動物ほど分解能が高いというのは聞いた事ありますね。蝙蝠の超音波とか、犬笛とか・・・
      親コメント
    • Re:40mだと (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2003年03月02日 18時56分 (#271046)
      音と光のズレは0.1秒程度ですね。 この程度の差を人間の知覚が正しく認識出来るのか?
      10Hzの光の点滅は確実に認識できるし、0.1秒の音の位相差も認識できますね(できないと左右のどちらから音が来ているのかさえ把握できない)。
      親コメント
      • Re:40mだと (スコア:3, 参考になる)

        by G7 (3009) on 2003年03月02日 19時28分 (#271070)
        二つの音が、そのまんまバラで二つの音だと聞き取れる時間差の限界が、1/100秒くらいらしいですね。
        それ以下だと混じって聞こえるってゆーか。

        #音楽ソフト作るときは、せめて1/100秒以内の精度で音のタイミングを制御できるようにせんと、あかんらしい。
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    • 音楽に換算 (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2003年03月02日 19時50分 (#271090)
      テンポ120で、4分音符は0.5秒、8分音符は0.25秒、16分音符は0.125秒、32分音符は0.0625秒です。

      0.1秒なんて、余裕で分かる範囲だと思います。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      そういうことは論文を読めば書いてあると思いますが。
  • by kei100 (5854) on 2003年03月02日 19時34分 (#271075)
    「音がしてから、光った。」と知人は言ってたのですが、
    今までは、「そんなことはない」(だって光のほうが音より速いから)と思ってましたが、
    脳が補正に失敗(?)してそうなったのかな?

    ちなみに、雷が落ちたのは、道路を挟んで反対側の電柱だそうで・・・
    # さらに、その電柱は倒れたそうですが、
    # 倒れてる途中にその真下を車が走り抜けたとか・・・危機一髪ですな。
    ## ちなみに、その知人は良く雷による送電事故が多発していた(る?)某県在住です。
    • >脳が補正に失敗(?)してそうなったのかな?

      状況がわからんのでテキトーなこと書きますが。

      落雷が2回あったとすれば、

      1.1回目の落雷。
      2.ゴロゴローが友人に聞こえる。
      3.2回目の落雷を友人が目撃。
      4.動転してゴロゴローを聞き逃す。

      で説明がつくような気がします。
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      • by yun (448) on 2003年03月03日 16時12分 (#271647)
        目の前に落ちた雷の音ってほとんど『爆音』と言ってもいいほどの 轟音ですから、遠くに落ちた雷と聞き間違えるって事は ありえないと思いますよ。聞き逃すなんて、もってのほか。
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        • ひょっとして音量が関係しませんかね。
          ふつーに「光と音を同時に出すもの」(ガッテンボタンとか)が
          目の前にあったら、光と音は同じ現象によると判断できますよね。
          音量が異常に大きく、生存にかかわる重大事だということで、
          脳が優先度を上げたということは無いでしょうか。
          #その結果、遅れて上がってくる光とのマッチングを行わずに意識レベルまで素通り。

          もっとありそうなのが、記憶のマジックで理由を後付けしてしまった、という展開。
          後から考えて音の大きさが印象に残った(そして光との整合性を感情的に
          上手く付けられなかった)ので、そちらが独立してしまった。とか。
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    • 雷って落ちた時だけ音がするものだと決まっているのだろうか? 単に落ちてくる時に音が鳴っていただけなのでは?
      # 雷が光の速さで落ちると思っていると、この発言の意味はわからないでしょう。
      --
      -- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
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  • 参項文献
    海馬/脳は疲れない [google.com]

    私がごちゃごちゃ言っても仕方が無いので、こちら [1101.com]も合わせて是非ご一読を。
  • ふたつの目の視差で40mはかれるんでしょうか。あるいは「常識」で判断するのかな(秋の空を高いと思うたびに、どうして高いと思えるのか不思議です)。逆に到達時間の差からも距離を「感じ」られるということもあるかもしれませんね。
    • by oltio (3848) on 2003年03月02日 18時32分 (#271021) 日記
      実験室の床とか光源の大きさなど、両眼視差以外にもいくつか判断材料が
      あるのではないかと思います。ただ、音と光の到達時間差が距離知覚に
      関係している可能性も充分あると思います。この辺の追試をしてみたい。
      光源を複数設置して、どれが音源だと感じられるか、というのをテスト
      すれば良いのかな。あるいは真っ暗闇の中で光源=音源がどれくらい遠いか
      を判断させる。こちらの方が、元夜行性動物たる哺乳類の感覚に合うかな。
      親コメント
    • 秋の空を「高い」と感じるのは空の色とか空気の透明度とかが関係しているんじゃないでしょうかね。いつも汚れた都会の空気だとどうだか分かりませんが....。
      視覚と聴覚の時間差があるていどのレベルまでは補正して「同時」に意識されるようになっていて、その閾値を越えると別々に認識するという事なのかなあ。
      親コメント
      • by muji (9607) on 2003年03月02日 23時46分 (#271236) 日記
         #オフトピ気味ですが。

        秋の空の高さは雲の高さだと認識していたのですが……
        秋口の天候で出来やすい雲(俗に言ううろこ雲の類)は、雲の中でも一番高いところに発生するので(参考資料 [kyoto-inet.or.jp])、それで空が高く見えるというのがあると思います。実際、秋でもなくても似通った気候の時期にうろこ雲を目にすると「ああ、秋の空みたい(な空の高さ)だなぁ」と感じたりもします。
        夏場は入道雲(積乱雲)を目にする機会が多いですし、入道雲は雲の中でも低いところに発生するので、余計に秋の空が高く見えるというのもあるかもしれません。案外ヒトの視差もバカには出来ないということですかね。
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      • 絵画やCGで言う所の空気遠近法ですね。
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      • 冬の空は、「届かないなぁ」と思ったことが有ります。

        #そのまま遭難してたら今ごろここをお騒がせしたりしてなかったであろうG7
    • 視差で測れる距離は数mまでです。
      • 数メートルまでしか有効でないのは焦点調整の方ですね。
        それ以上の距離になると両眼視差(輻輳角を含む)が支配的
        になります。機械的にもステレオ視での距離測定などは
        昔から研究されています。
        googleでステレオ視と距離測定をキーに検索かけると、
        いろいろな論文が探せます。
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  • 止まっているエスカレータに踏み出した瞬間
    踏み外したような錯覚をするのと同じようなもの
    なのかなぁ?
  • by Anonymous Coward on 2003年03月02日 19時29分 (#271072)
    たとえば、身近なところだとCRT。
    画面が曲面の古いCRTからから、フラットなCRTに買い換えた時、
    画面の真ん中がへこんで見えて妙な気になったりしました。
    ほかにも、単車で2速へシフトアップをミスって
    ニュートラルになっていて加速できなかった時に、
    減速していないのに前につんのめってみたりなどなど。
  • by take0m (4948) on 2003年03月02日 19時58分 (#271094) 日記
    単に、情報量からいって、

    映像>>音声

    ってことから、脳内での情報処理にかかる時間が、

    光>>音

    ってことで、ある程度のディレイであれば、音が遅れて到着しても、光の情報処理に追いついちゃう、というような気もする。

    それとも、脳レベルの超並列になれば、映像も音声も情報処理にかかる時間は変わらないのかな?
    • by sameshima (10060) on 2003年03月02日 21時06分 (#271141) 日記
      目の情報処理の負荷は(意識していなくても
      見えているものの前後関係とか判断している)
      結構重くて脳のエネルギー消費の支配的な部分
      のため、自分の限界を超えて考え事するときは
      目を閉じると負荷が軽くなると言われました。

      でも目を閉じると寝てしまうのでした。
      親コメント
    • by oltio (3848) on 2003年03月02日 20時26分 (#271109) 日記
      その説明だと、光源の距離に応じて同時性を認識できる時間が変化するという
      今回の実験結果の説明にはなりませんね。
      親コメント
  • 単純に (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2003年03月02日 23時34分 (#271226)
    混乱したくないための、学習の結果ではないでしょうか。

    今見た光、聞こえた音は、あの事象が原因のようだ。
    なんか変だ、音と光がズレている。
    そんなはずはない。
    あの事象で音と光が同時刻に発せられているはずだ。
    それが自然だ、そうに違いない。。。。
    同時ということにしちゃおう。
    同時ということで処理しました。
    一件落着。
    • うん、私もそんな感じがする。

      理性では論理的に理解できる現象でも、反射神経的には、

      • 理解できない現象が起こった
      • -> とりあえず今までの経験からどうも原因はアレらしい
      • -> 同時に感じたことにした
      という感じですね(って AC さんの復唱やん(^^;)。

      いや反射神経的にってところがミソですね。すぐ判断しなくちゃいけないという処理は複雑な処理過程をかけて時間をかけるより時間をかけない簡単な処理をしなくちゃいけない(例えば生き死に関すること)のである意味当然なのかも。って割には高度なことやってるか(^^;。良くできてるなぁ人間って。

      親コメント
  • by raf (9322) on 2003年03月03日 9時28分 (#271384) 日記
    人間は統合的に情報を補正して使っているってことだろうけど、
    この場合、温感との間での補正はあるんでしょうか?

    大気温度やら何やらで音速ってそこそこ変化しますよね?
    そこら辺も温感だとか、その他の感覚器官からの情報を
    使ってさらに音速を補正して使ってたりするのかなと少し疑問に。
    今後 聴覚 視覚 の間のみにこだわらない研究がなされると面白そう。

    --
    -- 星を目指さない理由は何もない -- 「MISSING GATE」by 米村孝一郎
    • 音とは関係ないですが、
      ラグビーで選手が傷むとヤカンで水を
      かけるのは、"痛感"よりも"体温低下"の
      ほうが処理の優先度が高いため、"痛い信号"が
      マスクされるらしいです。

      これまた音とは関係ないですが、
      "寝耳に水"って冷水を耳にいれると
      三半規管が麻痺して目の自動制御が
      効かなくなり、グルグル状態になります

      フクロウは渦を制御して音無く飛びますが
      もしかしたら、温度で飛び方変えているかも
      と思います。
      親コメント
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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs

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