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燃料電池の寿命、100倍に 18

ストーリー by Oliver
コスト回収が普及の焦点 部門より

KAMUI 曰く、 "中日新聞の記事に依ると名古屋工業大学・野上正行教授らの燃料電池研究グループはガラス薄膜を電解質に用いた長寿命の燃料電池を開発した。
現在の燃料電池では電解質にテフロン系有機高分子を用いているが,利用可能な温度域が 0~80℃で耐久時間も数千時間しかない。研究グループではリンとシリコンの酸化物で厚さ 0.5ミクロンのガラス薄膜を作成し,白金を触媒としての発電に成功。ガラス薄膜を使った燃料電池ならマイナス30~200℃の範囲で 利用可能で,耐久時間も現在の 100倍以上になる。
と,いい事づくめみたいだが現時点では発生電力が小さく,すぐに実用化される予定はない。 1~2年後に携帯電話などに搭載する事を目指しているという。"

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  • by redbrick (4865) on 2003年03月08日 19時22分 (#275192) 日記
    表面イオン基を持つ多孔質媒体(ガラスに限らず、高分子ポリマーとか)が
    イオン透過(移動)媒体になる、ってのは、水溶液系と固体表面系に絡んだ
    化学分野では結構よく知られています。
    で、リン酸ガラスをプロトン移動媒質に使う手法が、今まで
    燃料電池分野で使われていなかったってのは、結構驚きです。
    #高分子ポリマーにイオン透過(選択透過?)能を与えた固体電解質を使った
    #燃料電池の話はあるようだけど・・・。
    #ちなみに、完全な二次電池でちょっと分野が違いますが、
    #リチウムイオンポリマー電池は高分子電解質(高分子ポリマーの
    #イオン移動媒体)を使用した電池ですね。

    このガラス電解質では、その基材自体が持つ表面のイオン基がイオンを
    リレーのバトンのように受け渡す機能を果たすのではないかと
    想像しましたが、ガラスであれば、セラミックやゼオライトのように、
    表面基の改質や置換が結構容易にできたりしませんかね?
    リン酸ガラスであれば、通常はリン酸基でしょうが、多種多様な
    イオン基をつけて、そのイオン伝達特性を試してみたいものです。
    #久々に化学の実験したくなったなぁ・・・(苦笑)。
    --
    ---- redbrick
    • by Anonymous Coward on 2003年03月08日 22時44分 (#275238)
      燃料電池の電解質に、多孔質ガラス電解質が用いられてこなかった理由はいくつかありますが、ひとつにはそのプロトン伝導度の低さがあります。さらにガラス故に、燃料電池の反応場である三相界面(燃料&電極触媒&電解質がお互いに接する界面)を形成しづらいという問題もありました。それを補うにはガラスをサブミクロンオーダーで薄膜化、電極層内でのガラス電解質生成などできればいいのですが、そうこう考えている間に「固体高分子電解質」の研究が進みまして、わざわざ薄膜ガラスを使う必要が生じなかったわけです。高分子はソフトケミストリーで合成できますし、官能基の付与にしてもガラスに比べ有利です。
      しかし、記事中にもあるように現状の固体高分子電解質の性能は、使用温度&耐久性においてはギリギリ実用レベルです。

      今回の野上教授の研究で注目すべきところは「ガラス電解質を使うための方法」にあるかと思います。研究室のホームページでも触れられていますが、リン酸ガラスのハイドロゲル化が高いプロトン伝導性と三相界面の形成を可能にしたのだと思います。
      #うちの助教授が同じようなことを考えていたのですが、先を越された。うぅ(涙
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2003年03月08日 14時03分 (#275094)
    カマデン(トラ技の広告)で売っている燃料電池(12000円)は、 2V0.4Wですが、これにくらべて出力が小さいですね。 SiO2だと薄膜でも内部抵抗が大きいせいですかね。
  • 環境コスト? (スコア:2, 興味深い)

    by Sukesan (10675) on 2003年03月08日 14時59分 (#275110)
    この手の記事でいつも思うんですが、環境に対する負荷はどうなんでしょ?
    原料を見る限りでは大丈夫そうな気もしますが・・・・
  • by B.Knives (8863) on 2003年03月09日 18時32分 (#275550)
  • by Anonymous Coward on 2003年03月09日 8時21分 (#275388)
    燃料電池って、実用的技術が確立すれば、市場はでかいですよね。
    ノートパソコンの電源、みたいなのもあるけど、乗用車のエンジンに
    とって替わるのが大きいです。
    10年後には世界中の自動車からエンジンが消える!

    まあ肝腎の燃料をいったい何にするかという問題が残っていますが。
    液体水素とかシクロヘキサンとか10ぐらい候補があって、どれも
    一長一短らしい。
    石油エネルギーからメタンハイドレートエネルギーへの転換とも絡むし。

    燃料電池は、世界中の自動車に普及する他、エンジンより軽いという利点から、
    ヘリコプター、プロペラ機にも普及するでしょう。
    自家用飛行機の普及が2020年位にはけっこう進んでいるかも。
    • 電気乗用車の燃料ですか、そう言うのもあるんですね。

      初めて触れた PC/AT 機がノート PC で、10 年来ノート PC ばかりのユーザなんですが、内蔵バッテリで 1 日持たないと使い物にならないと常日頃思ってますので早く製品化されて世に出て来るのを期待しています。
      製品化されればノート PC もかなり恩恵に浴しますね。

      あちこち飛び回る仕事だったり、ガンガンノート PC を使うシチェーションだったりすると、やっぱり駆動時間 4 時間とかじゃ全然足りないです。
      AC 電源を取れる場所ばかりじゃないですし、許可を得難かったり…
      電気の窃盗ではシャレになりませんものねぇ。

      ハードや OS の進化はかなり進みましたけど、相対的にバッテリは…
      なんて事を言うと、バッテリ技術も Ni-MH、Li-Ion とそれでもかなり進化して来てはいるのに、バッテリ関連のエンジニアの方々に怒られそうですが(^^;
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        バッテリが進化した分を上回って消費電力が増えてるからねぇ...
      • バッテリー屋さんも頑張っている [mycom.co.jp]ようです。

        PC側の省電力への取り組みも本格化して来そうなんで、ヘタすると一年後には「ノートPCに燃料電池なんていらない」なんて話しになってたり…すれば良いのだろうけど、どうせまた何か電気バカ食いのものが発生する予感。

  • by Anonymous Coward on 2003年03月08日 18時34分 (#275175)
    100倍の電力を発電できちゃうのかと思っちゃったYo!

    # タモリ:そんなわきゃ~ない
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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