免疫抑制剤抜きの骨髄移植実験が成功 28
ストーリー by yourCat
あちらを立てるためにこちらを立てず 部門より
あちらを立てるためにこちらを立てず 部門より
KAMUI曰く、"河北新報の記事に依ると、鹿児島大学医学部の研究グループが骨髄移植に伴う拒絶反応を、免疫抑制剤を使わずに治療するマウス実験に成功した。
白血病の治療法として行われる骨髄移植だが、移植された細胞が患者の身体を「異物」と認識して攻撃する移植片対宿主病 (GVHD) や、その治療に使われる免疫抑制剤による副作用の問題がある。研究グループでは免疫機構を司る「樹状細胞」の基になる細胞をマウスから採取、免疫抑制に関る物質を加えて培養する事で、一部のリンパ球の働きを抑制する「免疫制御性樹状細胞」を作る事に成功。骨髄移植をしたマウスに免疫抑制剤を使わない場合はGVHDにより約一週間で死ぬのに対して、「免疫制御性樹状細胞」を投与する事で生存率などの大幅な改善が見られたという。
移植治療で使用される免疫抑制剤は「一生使い続けなければならない」という問題を抱えているが、これが完成に至れば多くの患者が救われる事になりますかね?"
これにより新たな問題が起きるとしても、免疫抑制剤の継続投与よりもましかもしれない。なお論文はImmunity誌で発表された (vol.18 issue 3 pp. 367-379)。閲覧には有料ユーザー登録が必要だが、PDF版はユーザー登録なしでも読めた。
アレゲな人達にお願い (スコア:5, 興味深い)
白血病解析プロジェクトに参加されている方達も多いかと 思います.その興味をほんの少しで良いですから, 骨髄バンク [jmdp.or.jp]にも 振り向けて頂けないでしょうか? 現在の登録者数は 16万5千人であり,目標の 30万人(ドナーが 一人も見つからない確率 5%以下)を大きく下回っています.
# 現在は約 18% の患者さんにドナーが見つかっていません
登録だけなら 10cc の採血だけで済みます.実際に 移植に至った人(骨髄提供者の方)の 体験記 [nifty.com] も読めます.良く分からないって方には 骨髄移植ってなにさ? [biglobe.ne.jp] が参考になります. 登録してくれとは申しません.骨髄移植って何なのかを ちょっとだけ調べ・考えて頂けると幸いです.
# あまりにも事実が知られていないのにショックを受けているのでAC
Re:アレゲな人達にお願い (スコア:1)
献血並みに……とは言わないけど、もう少し手軽に 登録できるようにしたらいいのにね。
# それこそ、献血とセットで登録できるようにするとか。
しない (スコア:1)
発足前にはやる気満々だったんだけどね。
Re:しない (スコア:3, 参考になる)
> いろいろ制度的に問題があって、何度もそれを指摘しても明快な答が得られなかったので、とてもする気が起きません。
というのを読んで、ちょっと調べてみたところが……なんか、(財)骨髄移植推進財団ってのはかなり問題ありそうな団体ですな。一度経済的に破綻して、資金を取り崩したりしてるようだし。 全国骨髄バンク推進連絡協議会のページ [marrow.or.jp] から辿っていくと色々書かれてます(たとえば 『「東京の会通信」第122号 2002年6月号より』 [marrow.or.jp] なんてのを読むと、うーん……)
# しかし日本のこの手の事業ってのはどうしてこうなっちゃうんだろう?
Re:しない (スコア:0)
ちょっと誤解を解くために説明したいと思います。
「東京の会通信」のこの記事を書いているのは、骨髄バンク(骨髄移植推進財団)を非常に近くから、つぶさに見ている人です。近くで見ていれば、それだけ色々な問題が目に付きやすいものですが、世の中一般の公益法人に比べれば、骨髄バンクが問題の多い団体であるとは言えないと思います。
たとえば、骨髄バンクは以前、旧厚生省からの天下りをひとり受け入れていました。現在はゼロです。(ゼロになった経緯では定かではありま
Re:しない (スコア:1)
> 「東京の会通信」のこの記事を書いているのは、骨髄バンク
> (骨髄移植推進財団)を非常に近くから、つぶさに見ている人
> です。近くで見ていれば、それだけ色々な問題が目に付きや
> すいものですが、世の中一般の公益法人に比べれば、骨髄
> バンクが問題の多い団体であるとは言えないと思います。
いい加減なことを書いちゃダメだな。財団法人が資産を取り 崩す、というのは、これは余程のことなのね。というのも、 法律における財団法人の定義は
「公益の実現のために寄附された財産の集団、すなわち「財産」に法人格が認められたもの」
つまり、財産は財団法人のまさに拠り所なので、それを取り崩すというのは余程のことなんですわ。そもそも財団法人というのは、
と、こんなに優遇されている。それが資産を取り崩してるのを評して「問題の多い団体であるとは言えない」なんて、その発言の方が問題多いと思うぞ。
Re:しない (スコア:1)
検査の試薬も人件費もタダではありません。
保険の利かない検査だと、HLAの検査に\30,000ほどかかります。
ドナー候補は費用負担がいっさいありません。
では、検査費用はどこから出ているのでしょう?
あとは、推して知るべし。
Re:しない (スコア:1)
推して知るべし、というのもねぇ。
もっとはっきり書くべきだったけど、財団法人における資産の 取り崩しというのは、民間企業における倒産、なのね。 小規模な財団ならいざ知らず、この手の公共性が高い事業を 財団法人にやらせてそんな事態に至った場合、財団のみならず 監督官庁の責任だって相当なものだと思うけど。
Re:しない (スコア:0)
このトピックで何度目かの発言となる AC です。
正確を期すために補足しておくと、ドナー登録時のHLA検査は日本赤十字社が行っています。この検査費用、およびデータの管理費用などは国から日赤への助成金として支払われていて、だいたいドナー登録者ひとり当り27,000円程度です。この費用には骨髄移植推進財団(以下、財団という)は関与しません。
ただし、財団が積極的にドナー登録者を増やそうとしてキャンペーン登録会を行った場合には、医師、看護師への日当や会場費などが財団の負担となります。実際は、日赤よりも財団の方がずっと積極的だったというのが近
Re:しない (スコア:0)
基本財産を取り崩したこと自体は、言うまでもなく特別な出来事です。ただし、その主な理由は「仕事をすればするほど赤字になる」という独特の収支構造に帰するものです。(コーディネート件数を増やせば増やすほど収入よりも支出が増えるが、国からの補助金はあまり変わらない。) 補助金などというお金の受け取り方がまずくて、コーディネート件数に応じて収入が増えるような、たとえば健康保険で賄うことを考えるべきだ、というのは大昔から指摘されています。しかしそれは骨髄バンク自身が望んだだけでは変えられないことです。
財団法人の定義はご高説の通りであ
Re:しない (スコア:1)
あー、だから僕はこう書いてるんですが。
] この手の公共性が高い事業を財団法人にやらせてそんな事態に
] 至った場合、財団のみならず監督官庁の責任だって相当なもの
] だと思うけど。
だから、そもそもこれを財団法人でやることに問題があるんじゃないの?手段は有効に機能して初めて手段たり得るんだからね。それに誰も骨髄バンクの問題だとは書いてないんですが。骨髄バンクという組織に問題がある、とは書いたけど、その責任が骨髄バンク自身にある、なんて、誰か書きましたっけ?
# なんか非常に一方的な(以下略)。
Re:しない (スコア:0)
とはいえ、国の直営でやるというのはちょっと考えにくいですね。やれば出来るかも知れないが、あまり定石ではない、というような....
アメリカの骨髄バンクは NPO を名乗っています。 [marrow.org]
日本の骨髄
Re:しない (スコア:0)
は?それは指摘を受けてから何の釈明や理由の説明もなく追加した部分でしょう。あなたの元々の発言は、
Re:しない (スコア:1)
> とある通り、「健全な運営ができない財団法人には問題がある」という主張です。
あー、わかってませんねぇ。
日本の財団法人ってのが完全に独立した存在 であることはまずありません。 ほとんどの場合は、官庁や地方自治体の指導の下 (ただし、この場合の「指導」というのは、事実上 設立のための資金集めから職員の人選、果てには 補助金の見積まで……何から何まで)に設立・運営 されます。この手の財団の場合はまず全てがそうだ と言ってもいいでしょう。
だから、財団法人が健全な運営ができない、という ことに対して僕は強い不信感を持つわけです。それ はどこに矛先を向けているか……って、ここまで 書かなきゃ理解できないのかなぁ?不思議だ。
Re:しない (スコア:1, 興味深い)
いろいろ問題があるのは承知しています. 知って,考えてもらうことがまず大事だと考えています. お金の問題以外にも,一度決めた運営体制・方針を 見直さないなど現実との軋みが出ているのが 現状ですし…….
# このあたり,硬直化した官僚体制を感じる
そう言う意味ではネガティブな情報の提供も重要だと 思いますので,貴重なコメントを有り難く思います. できれば,感じた問題点を挙げてくれるともっと嬉しいです.
Re:しない (スコア:0)
という事なのでちょっと書いてみますが、ドナーに(なろうとする人に)とって一番心配なのは、やっぱり「自分の健康が脅かされる可能性がどれだけあるか」という点にあると思います。
骨髄移植推進財団のページでもQ&Aで骨髄採取と麻酔の安全性について [jmdp.or.jp]というページがありますが、このページを見ても危険性を過少に評価しているような感じを受けます。
たとえば「これまで世界で6万件以上の骨髄採取が行われていますが、重大な事故はきわめてまれです。」とか書かれていますが、実際に死亡事例が海外で3件確認さ
Re:しない (スコア:0)
#283318 [srad.jp]の AC です。
ひとつだけ誤解を解いておきたいと思います。骨髄採取では、腸骨という骨に左右数箇所ずつ穴をあけますが、穴をあける針よりも細い針をその中に通して、だいたい100回くらい中の骨髄を採取します。穴を100箇所もあけるという訳ではありません。
説
Re:しない (スコア:1)
この場合、信頼性をどこに求めるか、という認識にずれがある んじゃないか、と思う。移植の必要性とか、移植の手技に対する 不信感ではなく、それを運用する側への不信感、というのが (informed consent の問題も含めて) この場合は問題になるの ではないか、と思う。
日本で骨髄移植に関わる事故としては、麻酔のトラブルによると 思われる事故で2件(うち1件はドナー死亡)起きているんだが、 死亡例に関しては このようなドキュメント [interq.or.jp] もある。
僕も今日は仕事の合間にちょこちょこ調べていたんだが、 やはり日本では組織が信用ならん、という印象だ。どれだけ 人道を説いても、実際に運用するのは組織なんだから、 そこがちゃんとしていないと、そりゃ自分の命を預ける気に なれない人がいたって非難し難いんじゃなかろうか。白血病の 患者同様、ドナーにもわが身を慈しみ、家族や友人、恋人…… そういう存在のために生きる権利があって、それが守られる べきなんだからね。
# 誤解なきよう。移植に反対してるのではない。リスクは決して
# 万人にとって無視し得るものではないんだ、ということが言いたいのね。
Re:しない (スコア:0)
誤解していた点に付いては説明ありがとうございます。なんですが、こういう誤解を生む説明不足というのは他にも色々あると思います。
>骨髄バンクには隠し立てをする意図は全然ないものと私は確信しています。
実際の意図は私には判断できません。そこまで骨髄バンク(財団)に付いて良く知りませんから。
ただ、外見上そのように見えるという指摘をしているだけです。
そもそも、「きわめてまれ」というのは言い換えれば「受容可能な危険率だ」という事にもなるかと思いますが、その危険率が受容できるかできないかというのは、個々人がデー
Re:アレゲな人達にお願い (スコア:0)
#臓器移植ドナーシールは運転免許に貼ってある。
Re:アレゲな人達にお願い (スコア:1)
KyaTanaka
出来ない。 (スコア:0)
一見健康そうな自分もとある慢性疾患のため
やりたくても出来ないんです。
昔、街頭での献血の呼びかけに応じて400ccほど献じたあと、
しばらくして
「せっかくもらったんだけど、あんたの
Re:アレゲな人達にお願い (スコア:0)
いまの移植時の説明の悪さでは。
細胞性免疫への免疫寛容にin vivoで成功 (スコア:4, 参考になる)
免疫学は専門外なのですが、バイオサイエンスの分野の中でも最も進展が速い分野の一つと言われるだけあって、ついこのあいだ「最新の学説だ」と聞いたものが、もうすでに当たり前のように語られてたりしてますね。
「免疫」は一言で言えば「自己と非自己」を見分けるシステム、つまり、自己のものであるタンパク質、細胞、臓器などには反応せず、非自己のものであるタンパク質、細胞、臓器を異物として排除するシステムです。
骨髄移植では、移植されたリンパ球にとって移植を受けた宿主が非自己であるために、それを排除しようとするために問題がおきます(*1) このようなリンパ球による免疫反応は細胞性免疫と呼ばれます(*2)
この機構において「自己と非自己」は、細胞表面に存在するHLA (MHC-I 分子)によって判別されてますから、臓器移植の際にはこの分子の型が同じ(あるいは近い)ドナーを選ぶのが大前提で、さらに免疫抑制剤を用いることで過剰な排除を抑える、というのが従来のアプローチです。
しかし今回のアプローチはこれよりもさらに踏み込んだものです。リンパ球はそれが生まれたときから、予め「自己と非自己」を知っているわけではなく、成熟する過程で「自己」に対しては免疫反応を起こさないように学習します。これを免疫寛容と呼びます(*3)。今回は、この免疫寛容を誘導して骨髄移植時のGVH反応を抑えるのに成功したものです。
この目的のために樹状細胞が用いられていますが、この樹状細胞が免疫系に対して重要だといわれて注目されたのが、おそらくここ4-5年ほどのものではないでしょうか(*4)。通常体内にある樹状細胞は成熟型であり、この状態ではリンパ球と接しても免疫寛容を誘導できない。一方、未成熟な樹状細胞は免疫寛容を誘導はできるが炎症反応も引き起こす、と一長一短であったため、遺伝子改変した樹状細胞を用いて成功した、ということのようです。
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日和見感染も怖くない? (スコア:2, 興味深い)
な献血の需要も減るんですかね?今はもうよいフィルタがある
から既に陽性でもいいんだろうか?
10年以上の昔、君はCMV陰性だから登録してくれと言われて登録
したようなしなかったような。
その後献血する時に質問したら「CMV?なにそれ?」とか言われ
た記憶ならあるんですが、CMV陰性な貴重な血液が普通に使われ
ていたんでしょうねぇ。今はもう陰性でないような気はします。
接続拒否に涙 and 無根拠質問 (スコア:1)
薬以上に免疫抑制状態のコントロールが難しそうに思うのは気のせいでしょうか?
強く抑制しすぎて,頻度の高い感染症で死亡者続出なんて考えちゃいました.きっとそんなことが起きにくい様な,うまい方法なんですよね?>識者の方
どうして (スコア:0)
#あまりの低レベルさにつき匿名希望
Re:どうして (スコア:0)
# あまりにベタな答えにつきAC