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5739 story

GhostscriptがGNUプロジェクトから脱退 35

ストーリー by Oliver
to-GNU-or-not-to-GNU 部門より

k3c 曰く、 "GNU Ghostscriptの新バージョン7.07がリリースされた。セキュリティ関連のfixを含んでおり、GNU版のユーザ全員にアップデートが推奨されている。しかしそれより興味深いのは、このリリース文にGNUプロジェクトからの脱退宣言が含まれていることだ。開発者の一人からのgs-develへの投稿によれば、開発陣はGNUガイドラインにしたがってAFPL版のドキュメントに厳密な修正を施してGNU版を構成することに意味があるかどうか疑問を抱いてGNUプロジェクト側と協議したが合意に到らず、労力をGhostscript本体の開発に充てるために苦渋の決断を下したということらしい。なお、今までGNU版としてリリースされていたものは今後「GPL Ghostscript」と名前を変えて開発・リリースが継続される。"

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  • GNU not GPL (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2003年05月21日 18時07分 (#320398)
    GPLライセンスに従って配布されているのが、GNU版って訳じゃ
    無いんですね。そのへんの区別が、いまだについてません。

    GNUプロジェクトからは抜けるが、GPL配布版は作り続けると。

    開発者側、GNU側、利用者側のメリットデメリットについて、
    親切な方解説して頂けると助かります。
    • Re:GNU not GPL (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2003年05月21日 21時23分 (#320516)
      自分の書いたソフトウェアにどんなライセンスを適用するかは、まったく自由です。ですので、GPL を適用するのも自由ですし、BSD ライセンスを適用するのも、「コピー禁止。一台にしかインストールしちゃだめ」というライセンスを適用するのも自由です。この場合、著作権は依然、自分にありますし、どんなライセンスを適用するからといって特定の団体と契約を結んだりということは全くありません。自分ひとりでできます。

      GNUプロジェクトの一部ってことは、それとは異なり、著作権をGNUに譲るというかたちになります。ですので、著作権を譲るという契約を、GNUと結ぶことになります。こっちは、ひとりではできません。

      で、メリット・デメリットといえば...

      開発者にとっては、自分のソフトウェアをGNUプロジェクトの一部にすればGNUを支援することになるとか、GNUのネームバリューでユーザーが増えるかもしれないということだと思います。

      GNU側にとってみれば、GNUの目的や運営に賛同してくれるソフトウェアが増えるという意味になります。もちろん、GNUが開発目的とする「GNUシステム」が充実するという意味もあります。

      利用者にとってみれば、GNUプロジェクトはその目的や行動指針を明確にしているので、GNUソフトウェアはそれから外れた行動をとる(たとえばバージョンアップ時にフリーソフトウェアでなくなる)ことはないだろうという安心感があります。

      親コメント
      • 開発者にとっての利点が少ないと判断したからこそ
        GNUプロジェクトからの脱退宣言が出たのだと思います。

        少なくとも #320516 の書き込みで挙げられてるメリットは
        すべて利用者のメリットでしか無いと思います。

        開発者側のメリットとしてあげるのもがあるとすれば
         GNUプロジェクトに貢献したという満足感
        ぐらいじゃないでしょうか?

        一方、開発者側のデメリットを挙げる
        たとえば
        ・ライセンスの問題をものすごーく厳密に考えなければいけない。
        ・すでに動いているソースコードがあっても、
         ライセンス的にグレーな部分があれば、
         書き直さなければいけない。
        など等と、きりがないです。

        これだけのコストを払っている割には、たいしたメリットも無いので、脱退するのでしょう。

        あと個人的にGPLでソースを公開している立場から言わせていただくと、GNUものに対して安心感を持たれているならば、それは錯覚です。
        安心感は他人から与えられるものではありません。 自分で
        確保するものです。GPLはそのためのライセンスです。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2003年05月22日 10時37分 (#320836)
          一方、開発者側のデメリットを挙げる
          たとえば
          ・ライセンスの問題をものすごーく厳密に考えなければいけない。
          ・すでに動いているソースコードがあっても、ライセンス的にグレーな部分があれば、書き直さなければいけない。
          など等と、きりがないです。
          そうですね。このへんかなり厳密なことを要求されるので、面倒です。

          ただ、こういうことを言いっぱなしだと「こういう要求は本来不要なはずだし、こんなことを要求されるのはRMSが偏屈だからだ」といったしょうもない誤解を広めかねないので、言っておきますが、それは必要なことです。

          GNUに対して攻撃しようと思ったら、協力者を装ってライセンス的にグレーなコードを寄付し、「協力者」もろとも裁判で訴えて莫大な賠償金を要求する、という方法があります。その危険を避けるためです。

          これだけのコストを払っている割には、たいしたメリットも無いので、脱退するのでしょう。
          メリット・デメリットのどちらが大きいかの判断は、各人の考え方や価値観に依存する、主観的なものです。メリットのほうが小さいことをあたかも客観的事実のように書くのは、いただけません。
          あと個人的にGPLでソースを公開している立場から言わせていただくと、GNUものに対して安心感を持たれているならば、それは錯覚です。 安心感は他人から与えられるものではありません。 自分で 確保するものです。GPLはそのためのライセンスです。
          どのような点が安心できないのでしょうか? 私は、著作権者はライセンスを自由に変更することができるので、GPL なソフトウェアもバージョンアップの際にそうでなくなってしまう、という可能性(利用者から見ると危険性)について言ったつもりです。ライセンスを自由に設定できる著作権者を、ライセンスによって「確保」なんてのは本末転倒です。
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        • by Anonymous Coward on 2003年05月22日 22時51分 (#321207)
          タレコミにリンクされているMLのスレッドを見るとわかるけど、Ghostscript開発側は
          一方、開発者側のデメリットを挙げる
          たとえば(以下略)
          というようなことはそんなに問題にしてない(もちろん手間がかかるのは認識してる)。

          それよりも妥協できなかった点としてRaph Levienが述べているのは、GNU版に同梱される文書の中にAFPL版とGNU版とで共有しているbug trackerへのポインタを含めることができなかったことにある。開発者側としては、たとえGNU版で発見されたバグでも一早くAFPL版でその修正をしたかったということらしい(もちろん1バージョン後にはGNU版にもそれが反映される)が、Stallmanはそれを認めようとしなかったようだ。文書(や場合によってはソースコード)を2種類用意した挙句、GNU版とAFPL版とでそれぞれバグ管理するのは手間もかかるし混乱もするし、さすがにちょっとやってられんということらしい。
          親コメント
          • コメントしてくださった皆さんありがとうございました。色々、
            勉強になりました。

            GNU版で見つかった(あるいは修正されたパッチ等も?)バグは
            GNUの物であるから、って感じなんでしょうか?

            ストールマンは、一番何を懸念して認めなかったんですかね?
      • by Anonymous Coward
        GNUプロジェクトとGPLソフトウェアの区別をしていない人、多いよね。

        GNUプロジェクトになるメリットとしては、他にも
        その広いミラー配布に乗じることが出来るのも大きいかもね。
        でもいまはネットワーク関連のリソースは豊富だからそうでもないかな。

        その他、なんらかの支援もGNUからはあるんだろうか。
  • by goro.q (6593) on 2003年05月21日 19時27分 (#320444)
    「Ghostscript」と「GPL Ghostscript」の二つに分かれるってこと
    なんですかね。だとしたらもったいないですね。。。
    --

    (I can't get no) satisfaction
    • by Anonymous Coward
      変化することはGNUから抜けることだけだと。
      メールに書いてありますね。
      • by goro.q (6593) on 2003年05月21日 19時45分 (#320459)
        なるほど。でもそうするとタレコミ文中の

        なお、今までGNU版としてリリースされていたものは今後「GPL Ghostscript」と名前を変えて開発・リリースが継続される。

        ってのはどういうことなんでしょうねぇ。う~ん。。。
        --

        (I can't get no) satisfaction
        親コメント
        • Re:これって (スコア:3, 参考になる)

          by Daicki (4060) on 2003年05月21日 20時14分 (#320487) 日記
          リリースアナウンスを読めば分かることですが、
          Future free software release will be labeled GPL Ghostscript to mark this distinction.

          ということで、現在のGNU版としてリリースされているものが、
          「GPL Ghostscript」という名前になるということです。
          2つになるわけではありません。
          親コメント
          • Re:これって (スコア:3, 参考になる)

            by you-you (4108) on 2003年05月21日 23時33分 (#320602) 日記
            このところずっとAFPL GhostscriptとGNU Ghostscriptの二つが同じ開発者たちからリリースされてきました。AFPLの方が先にリリースされ、だいぶ後にそれを修正してGNU版がリリースされるという順序でした。Windows版のGhostviewがAFPLの下でリリースされるようになって、久しいですよね。

            GNUの冠を外すのは、GPL版のメンテナンスは続ける(あるいは続けたい)けれども、無償での商用利用を禁じるAFPL版の開発をより優先させたい、と言っていますが、GNU guidelineに従うということとは、GNU coding standardに従う、すべてのコードの権利関係をメンテナンスする、フリーなコンポーネントにしか依存させない、パッケージングなどもGNUのガイドラインに従う、などなど。どこに従ってなくて、どれが面倒なのかは宣言されていませんから、とにかく面倒ってことですか。

            そういえばArtifexはGhostscriptで商売をしていますね。ふむ。企業活動の一環としてGhostscriptの開発を続けて行く上で、GNUの名前はちょっとやりにくいということですか。それだと賛否はともかく、分かりやすいかも。
            親コメント
            • Re:これって (スコア:3, 参考になる)

              by tkh (235) on 2003年05月22日 12時48分 (#320916) ホームページ 日記
              GNUから脱退した理由については、記事からリンクされているgs-develへの投稿メールの中で言及されています。 簡単に言うと、バグトラッカーに関する記述をGNU版GSのドキュメントに含めることの是非についてRMSと話し合ったのだが、結局含めることができなかった。それではバグ報告の窓口をAladdin版GSとGNU版GSで一元化することができずに効率が悪いので、仕方なくGNUから脱退するという形を取った、ということです。
              親コメント
    • by Anonymous Coward
      http://pc.2ch.net/test/read.cgi/linux/1047370422/971
  • by Anonymous Coward on 2003年05月21日 17時49分 (#320384)
    Aladdin Free Public License
  • by Anonymous Coward on 2003年05月22日 0時17分 (#320637)
    GNUってうるさくないようでいて、かなりうるさい。
    と感じるんですよね。
    GNU/Linuxの記述だとか色々と。
    まぁ、色々言われて嫌になってきたのかもしれませんね。
    • GNU/Linux は、Linux カーネルと GNU ユーザーランドの組み合わせからできてるシステムだから、という主張でしょう。

      Linux カーネルのことを GNU/Linux と呼べと主張しているのではない。

      どうしても GNU/Linux の呼称がいやなら、Linux カーネルに GNU 以外のユーザーランドを組み合わせたシステムを作って広めればよい。

      GNU

  • by Anonymous Coward on 2003年05月22日 9時59分 (#320801)
    本来は、複数人での開発をスムーズにするためのものだと思うんだが。
    GNUのスタンダードってそんなに厳しいの?

    いずれにせよ何らかのスタンダードはあるべきなんじゃないかなあ。
typodupeerror

UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie

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