本家インタビュー:Lindows.com社CEO マイケル・ロバートソン 22
slash-interview.sourceforge.jp 部門より
airhead 曰く、 "今回の翻訳企画は、Lindows.comの創設者にしてCEOのマイケル・ロバートソン氏。LindowsOSの日本での販売開始にあわせて近々来日予定とのことで、つい先日本家に掲載された回答からお送りすることになりました。今回も多くの人たちの共同作業となっており、翻訳附記においてではありますが感謝申し上げたいと思います。
過去のLindows関連ストーリーを振りかえってみますと、かつてのMP3.comがそうだったように独占市場に敢然と立ち向かって大いに話題となる一方で、いろいろとツッコまれることも多かったりするLindowsOSですが、ここではその疑問にロバートソン氏が自ら答えています。それではまず、「デフォルトでroot」の理由から。"
1) なんで、ねえ、どうして?
by Ender Ryan
なぜLindowsをデフォルトで常に'root'権限で動作させることに決めたのですか? これは非常に間違った決定だと私は思うし、LindowsにトライしようとするLinuxユーザの苦情No.1なのだから他の多くの人にとってもそうでしょう。しかしまず、こんな決定が下された理由を尋ねるべきなのでしょう。
Lindowsは将来もこのように動作するのでしょうか? これは、過去に置き去りにすべきWin9xの機能の一つだと思います。
ロバートソン:
より大きな問題は、いかにセキュリティと使いやすさをバランスさせるかということだと考えます。我々はセキュアなデスクトップOSを供給するために努力しており、セキュアだが使いやすいシステムを実現するためにポリシーを決めています。例えば、ネットに繋がないことでコンピュータは本当にセキュアになりますが、あまり役に立たなくもなります。我々は設定済みのファイアウォールを組み込むことにしました。ファイアウォールは、セキュリティをデスクトップに加えながらもユーザの操作には関与しない、不可視で広範囲なセキュリティレイヤーだからです。セキュリティ上の脅威の大部分は外部からの攻撃であり、root対non-rootの問題ではないのです。
歴史的に見てマルチユーザシステムは、ハードウェアが高価な頃には有効でした。誰もがコンピュータを買えるわけではありませんでしたし、高価なマシンのコストを回収するには複数のユーザを作成してタイムシェアリングする必要があったからです。しかし時代は変わり、200ドルから買えるPCも出現して、コンピュータは簡単に手が出せるものになりました。
従って、コンピュータをシェアして複数のユーザアカウントを作成し、あれやこれやと間接費や煩雑さをかける必要はなくなってきています。我々が売り込みをかける家庭や事業者、学校の多くには「管理者」などいません。所有者がコンピュータ科学の領域に踏み込むことなく時計をセットし、壁紙を変更し、プリンタを設定し、フラッシュドライブをインストールし、新しいソフトウェアを立ち上げられる、それがパーソナルコンピュータです。
Microsoft Windows XPあるいはMac OS Xのマシンを箱から取り出して使えば、それらはLindowsOSと同じように動きます。最初に触った人がなんでもできます。もしLinuxを他のOSよりも使いにくくすれば、ユーザはそれを採用しないでしょう。ユーザはただ仕事を片付けたいだけであって、コンピュータの専門家になりたいわけではないし、専門家たらしめるべきではありません。もちろん、彼らが初期パスワードを追加したり複数アカウントを設定したりして、自分のマシンへのアクセスを制限したいのであれば、当然ながらこれらすべてのOSで可能になっていますし、そこにはLindowsOSも含まれています。しかしデフォルトでそうなっているものはありません。
2) LinuxベースのデスクトップOSユーザからのフィードバック
by prostoalex
Lindows PCが発売されてからある程度経過しており、あなた方のマーケティングやカスタマーサービスの皆さんは、現在のあるいは将来のユーザーから何らかのフィードバックを受け取っていると思います。
人々が求めているものは何ですか? 一般的なユーザが、かつてなかったものでLindowsあるいはLinuxベースのデスクトップ・ディストリビューションから得たいと考えるものとは、何でしょうか?
ロバートソン:
我々はLindows.comを始めるにあたって、ソフトウェアのインストールは大部分のユーザにとって非常に難しいものであり、広範囲にわたるデスクトップ採用を妨げている最大の障害であると考えました。それゆえLindowsOSへのソフトウェアのインストール(ダウンロード,メニューアイテム,アイコン,MIMEタイプを含む)をワンクリックにするClick-N-Runに、我々は相当の技術を投入してきました。これはMicrosoft Windows XPが備えている何よりも、はるかに優れています。
以来我々は、消費者が何を求めているか、デスクトップOSに何が欠けていると考えているか、に耳を傾けてきましたが、人々が欠けていると考える一番のアイテムはウィルス保護でした。(これは私の予想外で、まったく驚かされました――この話題は後の質問で。)
現在のLinuxデスクトップではサポートされていないものの、ユーザが一貫して挙げるハードウェアの重要な領域がいくつかあります。USBワイアレスのサポート、プラグ&プレイUSBドライブ(フラッシュメモリ,ハードディスク,CD/RW)、FireWire、ACPI(ラップトップでの電源管理)などがそうです。我々はそのほとんどについて、間近に迫っているLindowsOSバージョン4.0のリリースと共にお知らせできるようにしたい、と考えています。
ソフトウェアに関していうと、コミュニティがアプリケーションの欠落を埋めていく素早さには驚かされるばかりで、その進歩の証しは確固たるものになっています。6ヶ月前、1年前の「足りない」ソフトウェア・アプリケーションのリストは現在のものとは比較になりません。Visual Basic風のプログラムを探している人のためにGambasは格段の進歩をしています。強力なメタIMクライアントとしてGAIMも登場しました、といった具合です。現在の最大の欠落要素はおそらく、Quickenのようにオンラインバンキング機能をもつパーソナル財務会計プログラムおよび、FrontPageあるいはDreamweaverのように製作と管理を密接に統合するウェブ開発ツールになると思います。(我々は来週、オンラインバンキングのニーズに答える、画期的で手頃な価格の製品がClick-N-Runに加わることをお知らせできるでしょう。)ビデオゲームは、Linuxにおいて全般的に製品が欠けているカテゴリです。GarageGamesのように新興ではあるけれども偉大な会社はいくつかありますが、実績のあるゲームは不在です。最後に、ストリーミングビデオはデスクトップLinuxの弱点です。三大コーデック(QuickTime,Real,Windows Media)のいずれもこれまで、(※Linuxプラットフォームの)サポートを提供するという実際の参加を示していません。完全なクロスプラットフォーム・ソリューションによって得られる、他社に対する優位を約束する確実な好機がある、と私は考えるのですけどね。
3) Linuxはギークのための崇拝の対象でありつづける?
by reallocate
「コミュニティ」の一部のメンバーを特徴付けているLindowsに対する敵意は、Linuxが「ギークだけの」崇拝の対象でありつづけて欲しいという、彼らの願望からくるものではないか――これについて、あなたはどう考えますか?
ロバートソン:
Linuxで消費者は、ソフトウェアにおいて文字通り何億ドルもの節約をすることができます。それゆえ私は、それを市場にもたらすチャンスが我々にもあるという、強い期待をもっています――これこそ我々のビジネスです。
私はカリフォルニア大サンディエゴ校(UCSD)で学びましたが、そこでの私の専攻の一部として、アセンブリ言語プログラミングの科目が必須となっていました。そこはコンピュータ科学の「草刈り」科目の一つで、学生の60%が落第するかドロップアウトするという有り様した。私はそこで合格点をとるために奮闘し、目標達成のための素養を大いに身に付けました。翌年、その専攻の必須科目はアセンブリ言語の必須を軽減するように変わりました。この決定に関して私はついていなかったと認めざるを得ませんね。私の後に学位を同じくする者たちは、私がしたのと同じあの拷問のような実験を経なくてすむ、ということになりますから。
最近までは、Linuxデスクトップを稼動させることは名誉のバッジでした。しかしLindowsOSは3分でインストールすることができ、あなたのコンポーネントのすべてを自動認識して、マウスをシングルクリックするだけで大抵のソフトウェアをインストールします。当然ながら、「草刈り」科目の道を通ってきた方々を興奮させるようなものではないでしょう。
4) Wineは?
by IamTheRealMike
あなたが(※Lindows.comを)始められた頃、あなたはWineConfを後援するなどWineに多くの努力を注ぎました。それはうまくいきませんでしたが、CrossOverとWineXの最新のリリースが示すように、Wineは絶えず進歩しています。あなたは、いつかそこに戻ろうと考えているのでしょうか? それとも、ああいったことすべてに幻滅してしまったのでしょうか?
ロバートソン:
我々はJeremy White氏とCodeWeaversに、またすべてのWine開発チームに心からの敬意を表しておりますが、しばらく前に我々はWineと決別することとなりました。それはまったく(※ユーザの)財政面を考えた決定だったのです。我々が行った分析はこうです。Microsoftは利益の約半分をOSを売ることから、半分をオフィススイートを売ることから得ています。LindowsOSユーザがMicrosoftのオフィススイートに依存しなければならないままだとすると、彼らはソフトウェア購入代金の半分だけしか削減することができないでしょう。その上彼らは、制限的なライセンス、アクティベーション・コード、終りのないセキュリティ問題、高額なアップグレード・オプションを扱わなければならないままなのです。疑う余地なくMicrosoftはその勢力を、他ならぬMicrosoftが提供するものを使うユーザを虐げることに行使しつづけています――彼らユーザが現在、349ドルもするMicrosoft Wordや399ドルのMicrosoft Officeを使っていることは象徴的です。劇的な削減を実現するためには、我々がMicrosoft抜きのコンピューティング・ソリューションへと移行する必要が大いにあるのです。
我々は使いやすさに焦点をあてつづけるが、我々が促進して洗練させることにエネルギーを投入する対象はMicrsoft Windows上のプログラム遺産よりもネイティブプログラムである方がかなり良くなる、と考えました。こうすることで我々は、OSとそれ以外の主な支出であるオフィススイートに関して、消費者の出費を大幅に削減することができます。もう一つの重要な発展として、StarOffice/OpenOffice製品においてなされた格段の進歩があります。我々は現在これらの製品を、安心して保証しお届けできるようになっています。
我々はMicrosoft Windowsプログラム実行能力の促進を取り止めましたが、我々が重要と考えているファイルフォーマットの互換性については強調しておきます。人々はしばしばdoc、xls、pptファイルを開いたり編集したりする必要に迫られます。手ごろな価格のプログラムに集中することで我々は、コンピュータユーザの皆さんにその能力を最低価格にて提供できるようになっています。
5) MP3.com回顧
by prostoalex
あなたがまったく新たに音楽サービス事業を始めようとしていると仮定します。MP3.comを振り返ってみて、やり方を変えるものは何かありますか?
そもそも、MP3.comはビジネスとして良いアイデアだったと考えていますか? Vivendi Universalへのサイトの売却は正しい選択だったと考えていますか?
ロバートソン:
MP3.comにおける我々の目標は、大衆にデジタル音楽をもたらすことでした。そして我々は永続的な影響を与え、後に発見することになる、より良い状況を世界に残したと思います。我々はMP3を普遍的な標準とするために議会で、法廷で、はたまた産業界で激しく闘いました。MP3は、我々が最終的に顧客とする音楽ファンにとって最良のものだったからです。現在MP3は普遍的な標準であり、DRM(※Digital Rights Management)計画は阻止され、ポータブルプレーヤーは合法で、実質的にすべてのハードウェアがMP3をサポートしています。消費者は彼らの音楽を自由に取り扱うことができ、比較的良い状況にあります。
我々は、しようとしたすべてを達成できませんでした。我々は「音楽サービスプロバイダ」というコンセプトに挑戦していて、そのコンセプトは、利用者のすべての音楽コレクションをオンラインで保管し、オープンなAPIを通じて(PC,ポータブルプレーヤー,電話,自動車,CD-Rなど)あらゆるデバイスにクリック一つで転送するという、画期的な技術によって支えられていました。ライセンスについての抗議、拘束的な法解釈、および音楽業界の新技術採用に対する抵抗は、この方面への我々の努力をぶち壊しにしてしまいました。報道で噂されている、AppleのiTunesの「ワンクリック」購入とポータブルプレーヤーへの転送機能は興味深い――まるで、我々が2年前にやろうとしていたことのようです。私は、これを実現に至らしめた重要な基礎を築いたのは我々だが、我々のビジョン全体を伝えるのには失敗したのだと考えています。
私は、我々の株主のために適切と考えた時期と価格でMP3.comを売却しました。後悔はありませんし、私がした決断を考え直すことはないでしょう。
6) Wal-Mart
by Znonymous Coward
MicrotelとLindowsがWalmart.comの取引を押し上げていますが、売上はどうなっていますか?
Microtel+LindowsのPCで、Wal-Martの店頭に登場しちゃうなんてことは?
ロバートソン:
売上は上々――Walmart.comで一番売れているのは我々の商品です。成功すれば、小売店に卸して店頭に並べてもらえるようになると信じています。我々は現在、主要なアウトレットにLindowsOSを卸せるように次のバージョン(4.0)に備えているところです。その品質においては普通の(技術に詳しくはない)コンピュータユーザを満足させる必要があります。デスクトップLinuxの成功にとってこのことがどれほど重要であるか、強調しすぎるということはないでしょう。
Linuxをビジネスとして継続させたいなら、コンピュータにプレインストールしなければならないのです。MicrosoftのOEMへのしめつけは瓦解し、PCビジネスのダイナミクスに変化をもたらすに違いありません。それが起こるまでは、どんなデスクトップLinuxベンダも、永続できるなどと思うべきではないのです。
7) ワンクリック・インストールの特許取得
by neitzsche
拝啓 ロバートソン様
「ワンクリック・ソフトウェア・アップデート」というソリューションの特許取得について、貴社の現在の状況をご教示いただけませんでしょうか?
そのような特許が認められた際には、オープンソース・コミュニティがフリー・ライセンシング(ビール? スピーチ? 両方の意味での?)するのを認可しようというお考えにはなりませんでしょうか?
ロバートソン:
弊社では、Click-N-Runに特許は取得していませんし、特許申請を提出したこともありません。私は手法特許の信奉者でもありませんし。特許には「分かりきったものではない」必要があります。「ワンクリック・ナントカ」に特許性があるのか、もしくは、あるべきなのか――注文プロセス(Amazonを考えてみてください)ならいいのか、ソフトウェアのインストール手順ならいいのか――私にはわかりません。
8) ウィルス
by minus_273
ウィルスと縁がないというのは(※Lindowsの)よい点の一つだと思います。にもかかわらず、なぜLinux用のウィルススキャナを販売しているのですか?
ウィルスが少ないことが(※Windowsからの)乗り換えの理由の一つだとおっしゃっていたのではありませんか?
ロバートソン:
当初は私も同様の見解を持っていました。しかしその後、新たに別のことをユーザからの声で知ったのです。LindowsOSに最も欠けており、それがために日常的な利用から遠ざけているとユーザが感じていたものは、なんと「ウィルスからの防御」でした。私はこの結論に驚き、その論理を理解するためにユーザと話し合いました。そこでわかったのは、ユーザはあまりにもMicrosoft Windows上のウィルスの問題からトラウマを受けており、そのため彼らの視野は狭められてしまっていた、ということです。多くのユーザが、自分がウィルスに感染して気まずい思いをしたり、あるいは近しい知人がそうなったことを知っているので、ウィルスからの防御なしにはパーソナルコンピュータを絶対に使いたくないと教えてくれました。他のユーザは、自分の会社の企業ポリシーがウィルスから防御することを命じており、従わない従業員は罰せられると語っていました。それはもはや理性的な決定とはいえません。しかし、コンピュータを利用するためにはそれが前提になっていなければならないのです。
たとえ話をさせてください。犯罪が多発する人口過密地域の集合住宅で育った人が地方に引っ越すことにしたとします。買おうとしている家のドアにカギが必要ないことを、不動産業者がいくら統計を用い論理を尽くして納得させようとしても、この買い手は信用しようとはしないでしょう。なぜならそれは彼が育った世界とは違っているからです。世界の95%の人々は、ウィルスがはびこるMicrosoftの集合住宅で育った人々です。Microsoftは賢明にもそれがもっぱら外的要因による問題であると位置付けているので、修復のためにコストを費やす必要がないことになっています。ブラボー、素晴らしいマーケティングで何億ドルものサポート費用を回避したMicrosoft。それゆえコンピュータユーザは、この問題の本質が、問題の沈静化を放棄した粗悪なMicrosoft製品にあるとは考えず、それがパーソナルコンピューティング生活の現実の一部であると捉えています。それはつまり、住民が犯罪発生率を無視してとりつけることを強要するドアのカギのようなものなのです。
そういうわけで我々は、ワンクリックで実現するウィルス対策のソリューションを、Central Commandという形で提供しています。Linuxにおいてウィルスは現在のところたいした問題ではありませんが、(※Linuxに)移行するデスクトップPCが増えていけばいくほど、今後も絶対に問題にならないと考えるのは馬鹿げたことになっていくでしょう。Microsoft Windowsの脆弱性をみすみす見逃さないようにすることは、多くの消費者にとって価値のあることです。それゆえ私は多くの人々がデスクトップLinuxを考慮するように、説得する努力を重ねてきました。
9) Click-n-Run 対 apt-get
by mahdi13
LindowsはDebianのコードをベースにしていて、apt-getを使ってClick-n-Runのリポジトリからソフトウェアをインストールしています。なのにいったいなぜユーザは、apt-getのダウンロード元をClick-n-RunからDebianに書き換えてSynapticとかのソフトウェアをインストールする(そしてそれを使って新しいパッケージやアップデートされたパッケージを無償で手に入れる)ことをさせてもらえず、(多少の例外はあるにしても)年99ドルも払わされるんですか?
ロバートソン:
確かにLindowsOSはDebianベースですが、Click-N-Runはもはやapt-getベースではなくなっています。現在Click-N-Runのアーキテクチャは第3世代に入っており、apt-getと共通するコードは事実上ありません。ver1.0をお使いならそうお思いになってもしかたありませんね。最初のバージョンで我々はapt-getの限界を知り、パーソナライズ、e-コマース、エラー処理、低帯域環境のサポートに優れた独自のシステムを構築することを余儀なくされました。最初のバージョンでapt-getを使っていたときの(※ダウンロード)成功率は60%でしたが、現在は90%を達成しています。さらに今では先進の機構であるAislesやClick-N-Run Express、機能が充実したe-コマース・エンジン、自動リトライやインストールのレジュームといった欠くことのできない機構を提供しています。
LindowsOSのユーザはapt-getや他のどんな機能でも自由に使うことができます。コマンドラインを削除したり、ユーザがソフトウェアをインストールするのを妨げるようなことはしていません。お望みならば「頭巾を脱ぐ(※=覆いを取り去る)」ことができるのです。我々の目的は、適正な価格でユーザの重荷を肩代わりすることによって利益をあげられるビジネスを構築することです。apt-getで得られる以上の価値を提供できなければ、ユーザからお金をいただくことはできないでしょう。だからこそ我々は価値を提供するべく努力しつづけているのです。
Click-N-RunのWarehouseも同様にすばらしい価値を提供してくれます。ユーザは多くの製品の情報をグラフィカルな表現で得られるだけでなく、人気を基準にリスト化されているので、コミュニティが評価した最も価値のあるソフトウェアのリストを手に入れることができます。また我々はリスト中の上位25個のプログラムに対して非常に多くの時間を費やしています。これらのプログラムが相互に、またLindowsOSとうまく協調して動作するようカスタマイズしています。誰でも無償で情報を閲覧することができるため、我々の製品のユーザでない大勢の人々にもWarehouseを情報源としてご利用いただいていることまでわかりました。これらのプログラムは、ユーザの「セーブしたファイルが見つからない」というよくある不満を解決するために、デフォルトでは"My Documents"フォルダを使用するようリコンパイルされています。これは簡単な一例ですが、LindowsOSユーザのために全てのソフトウェアが協調して動くことのよい例であり、そのおかげでより幅広い層にデスクトップ(※Linux)を広めることができるでしょう。
10) Xbox
by ramdomErr
一体どうしてXbox projectに賞金を提供したのですか?
ロバートソン:
私の動機を理解するにはおそらく、所有権に関する私の信念を理解する必要があるでしょう。何らかの製品を購入した者は、その製品を自身の必要に応じて変更、移動、または転用する権利を有するべきだと私は信じています。購入者が製品を改造した場合に販売者には、保証が無効になることあるいはサポートを拒否することを宣言する権利があるでしょうが、それでも販売者にはそれを選択する権利があるべきです。音楽やソフトウェア、パーソナルコンピュータについても同じことがいえます。消費者にこの権利がある限り、消費者はその自由を、社会を全体として正しい方向へ導くような選択に行使するはずだ、というのが私の信念です。MP3において、私たちはそれをすでに目撃したはずです。
XboxはMicrosoftの、クローズドアーキテクチャPCへの最初の試みです。Xboxで彼らが学んだことは次世代のクローズドデスクトップPCシステムに活かされるでしょう。Microsoftは、コンピュータでどのようなソフトウェアが実行されるかを自分たちが決定するような世界へ移行したいと考えています。そうすれば一番たくさんのお金を消費者から引き出せるからです。彼らはその製品を「『信頼できる』コンピューティング」のように聞こえの良い名前で位置付けて利点を謳いあげることでしょうが、本当のところは個人のPCに対する影響力を購入者からMicrosoftへと移行させることに他なりません。Microsoftはどんなソフトウェアをインストールする前にも料金を払わせるような許諾ゲートを設置するでしょう。最終的にはユーザのコンピュータのコントロールをMicrosoftに明け渡すことになるでしょう。それゆえ我々は、どのような形においても、ユーザがインストールできるソフトウェアを制限していないのです。
消費者がコンピュータのコントロールを握り、どのソフトウェアを活用したいかを決めることができる、これは最低限必要であると私は考えています。私はXboxを単なるパーソナルコンピュータとして捉えています。これが、私がXbox懸賞金を出資した理由です。
付記:私はPubSoft(※Public Software Fund)を通じて懸賞金を出資しました。Russ Nelson氏(※PubSoft代表)の素晴らしいコンセプトに共感したからです。
消費者の自由はまた、私がLindows.comを始めた主要な理由の一つでもあります。我々が相当な数のデスクトップユーザを獲得できれば、オープンアーキテクチャPCを確実に長生きさせることができ、コンピューティングの世界が消費者寄りの方向に発展することを確実にできます。
みなさんの質問に答える機会を与えて下さってありがとう。
デフォルト? (スコア:2, 興味深い)
というけど、Mac OS Xは root のパスワードが * で書き潰されていて使えないし、何かのソフトをインストールするには管理者ユーザのログインパスワードが必要だと思うんですけれども。
どういう意味で「デフォルトはroot」なのかな。
Re:デフォルト? (スコア:2, 参考になる)
システム環境設定やネットワークの設定のように
root権限が必要な操作ではパスワード入力(sudoかな?)が必要ですよね。
Lindowsでもそういう解決法
(インストール時のユーザをsudoerに入れておいて、必要な時に内部でsudoを呼ぶ)
にすれば良かったんじゃないかしら。
評判てどうなの? (スコア:1)
んで。LindowsOSと言えば先日、日本でもエッヂが発売する事を決定したようですが(告知文 [edge.jp])、幾つかのニュースサイトでも本件について取り上げられているようです。MYCOM PCでは英語版のモノではありますが詳細なレポート [mycom.co.jp](中身は今年1月時点なので少々古いです)もあります。
僕は影響されやすいタチなので、こーゆーレポートを読むと即座に面白そうだなぁとか考えてしまうのですが、/.の皆さん的にはどうなんでしょうか?買って使ってみたいと思いますか?
#とゆーか、皆さんは老いも若きもPCに不慣れな人にも遍くLinuxが
#浸透している世界についてどう思います?みたいな感じかなぁ…。
Re:評判てどうなの? (スコア:0)
>浸透している世界についてどう思います?
OSにはコストかけるとして、その上で動作する
アプリケーションの入手とインストールに
費用が劇的にかからなくなったとしたら使い方の
互助がやりやすくなっていいと思いますねぇ。
定番ソフトに関する知識は常識と言っていいほど
広く深くひろがるかも知れないし、新しい便利な
ソフト
それはイカンでしょう (スコア:0)
お役人に「予算はつけろ、口は出すな」ってのは通じないでしょうし、お役人が口を出すようになったら面倒なことになるでしょうし。
あまっているPCに (スコア:1)
いじわるな質問にもうまく答えていますね。
しかし日本代理店のリリースのヘッダはやたらと独占販売って
ことを強調していて、ギャップを感じますね...
Re:あまっているPCに (スコア:1)
しかし、root権限の話は
「安全性よりも利便性を優先しました。
だってどこぞのOSがそれで成功したんだもん」
としか読めませぬ。
#さんざん既出な意見だとは思うけど。
後半の世間がウイルス過敏症なのは
マイクロソフトが悪いんだって話を
読みながらそこに矛盾は無いのか?と思ったりして。
#世間の人達はウィルスに気をつかってる。
#ということは root 権限なユーザーに
#しておいても大丈夫なのだって論調なのかしら?
Kiyotan
Re:あまっているPCに (スコア:1)
言ってる事がまったく正しい、とは私も思わないです。
この記事を読むまではLindowsなんて、ずいぶん能天気な
ことを考える人たちがいるんだなくらいに思ってたんですが、
少なくとも難しいことやろうとしてるってことは分かって
るんだなと。
Re:あまっているPCに (スコア:0, 荒らし)
片方ではセキュリティは完全に無駄なことであってもするべきだと語る。
激しく人格分裂してるのかね?
まあ、人の尻馬(Windows)で商売しようと考えてるんだからそんなもんか。
#GNOMEを早く速くしてくれ、それだけで良いよもう…。
Re:あまっているPCに (スコア:0, すばらしい洞察)
あまりうまく答えていないと思いました。苦し紛れに感じます。
rootの問題も、結局は「そのほうが便利だから」という低俗な理由。
「FireWallを入れたから大丈夫」というのもよく聞く言い分け。
なんだかMSと同じ香りを醸し出していますね。
Re:あまっているPCに (スコア:1, 参考になる)
「その方が便利だから」という理由は、低俗かもしれないけど、Lindowsに関していえば妥当だと思うな。
Firewall搭載なので安全です、みたいな論調は、アレだと思うけど・・・
#うちは、もうずっとWinXP,Win2kでユーザーにAdministrator権限与えて使ってます
Re:あまっているPCに (スコア:1, 参考になる)
昔それをやっていたら、ローカルのフォルダに見慣れないテキストファイルが1個。開いたら、英語で
「キミのPCのセキュリティは甘々だからもうちょっと気をつけたほうがいいよ。手始めにAdmin権限でログオンするのを止めたら?」
と書いてありました。
・・・・・以来、めんどくさくても権限を分けて使っています(^_^;
#FireWallの設定がろくにされていなかった大学のLAN内での出来事なので
#「そりゃ当然じゃん」と言われると何も言えないからAC
Re:あまっているPCに (スコア:1)
> 単純に聞きたいんだけど、"自分一人しか利用しないPC"でrootとuserを分ける必要って、どのくらいあるの?
操作ミスしたときの被害をなるべく少なくするため.
Re:あまっているPCに (スコア:0)
全部root権限で動いても平気ですけど、ネットに繋がっているマシンで自分一人しか
利用しないPCだから大丈夫と割り切るのは考えがなさすぎ。
論理的には侵入されないと考えられているどんなシステムでも、物理的に侵入する
経路が存在する限りは侵入されたときのことを想定しておいたほうがいいと思う。
ウイルスの危険性を考えることないユーザが、ネット
Re:あまっているPCに (スコア:0)
皆さん御存知の通り、
「とりあえず書類の読み書き、年賀状の印刷ができて、
インターネットとメールもできるんだよね?」
なんて感じでパソコン買う人が多いんです。
彼等にどう説明しろと?
まあ家族のパソコンとかなら一般ユーザ作ったりもできますが、他人のパソコンなら持ち主に理解してもらわないといけない
Re:あまっているPCに (スコア:0)
理解できない人は放置すれば良いだけかと?
ここで問題視されているのは、
「セキュリティを確保したいのにできない」ことでしょ。
ユーザ権限にて普段使う事でリスクを避けたいのに、
それができる選択肢が
Re:あまっているPCに (スコア:0)
> それができる選択肢がないのは問題である、ってこと。
選択肢はあるがデフォルトでは無いだけでしょう?
要は権限の違いを理解して使ってるユーザはリスク軽減できるが、理解してないユーザはそれの意味すら理解できない。
でも、ライトユーザに幾らリスクを説明したところで、それを理解してもらうのは容易じゃないですよね?
だからと言って、いちいち「root権限で実行して下さい」なんてアラートが表示されるものを一般ユーザが求めているわけでもない。
「権限って何よ?」->「判ら
Re:あまっているPCに (スコア:0)
って書かれてる [lindows.com]のに何を論点にしてるんだろう?と思ったら、機能してない [mycom.co.jp]のですね。
ロバートソン氏の
「初期パスワードを追加したり複数アカウントを設定したりして(中略)そこにはLindowsOSも含まれています。」
って言葉もあったし、
「ターゲットのユーザに権限云々を理解させるのは難しいっすよ」
と真剣に勘違いしてました。
すみま
Re:あまっているPCに (スコア:1)
>「権限って何よ?」->「判らない」->「使えない」
というのが一般ユーザの思考。
>彼等はパソコンを使うのが目的ではなくて、パソコンを手段として使って別の目的を達成したいだけだから、そういう煩雑な事を学習したいとは思ってない。
うちの子供たちは未就学児ですが、それぞれアカウントわりあてて使わせてますけど、権限なるもの、それなりに理解してると思いますよ。
「それは、あーちゃんのものじゃないから、つかえないんだよ。」
「それやるとあぶないからお父さんしかやっちゃだめなんだよ。」
っていえば、納得します。
大事なのは初等教育なんでしょうかね。
Re:あまっているPCに (スコア:0)
なれれば、権限なんて 関係あらへんわ
パスワードいれてーとポップアップさせれば
無意識にroot passいれとるわなw
まあ、最初に必要な物はいっていたら
超初心者君は、気にしない。
そのまま使うから
auto login to 一般ユーザーがよろしい'(
Re:あまっているPCに (スコア:0)
「とりあえず○○をしたい。ついでに何でもできる便利な状態が良い。」
という低俗な(?)ユーザが多いので仕方がないのかも。
Windowsが成功してて、Lindowsがそれに倣うというのは、
現時点でフツーのユーザが手っ取り早く