われらの有人宇宙船 -日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」- 133
ストーリー by Oliver
宇宙へ行きたい 部門より
宇宙へ行きたい 部門より
yosuke 曰く、 "「すべての人が低コストで安全に宇宙飛行をするためにはどうしたらいいのか」というコンセプトの基に検討が行われ、2001年12月に公表されてから、宇宙開発に関心をもつ人間に衝撃を与え続けている宇宙開発事業団 先端ミッション研究センターの「ふじ」。そのふじに関する本が、裳華房からわれらの有人宇宙船 -日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」-として出版されました。著者は宇宙作家クラブの一員であり、ふじの検討にも関わった松浦晋也氏。(著者によるコメント)
本書はまず、ふじのコンセプトの紹介に始まり、ふじのメリットやふじで何ができるのかということを提示します。さらに、宇宙開発を巡る産業構造や政治状況などまで解説しています。現在誰もが気軽に乗れる宇宙船が実際に存在しない以上、本書で語られる「自分が宇宙に行きたいと思うのならば,自分で自分の乗る宇宙船をつくるべきだ」という言葉は、「なぜ独自構想なのか」という問いには充分な回答だと思います。
また、有人宇宙船と宇宙ステーションの歴史やカプセル型/スペース・シャトル/再利用型/スペース・プレーンそれぞれの長所と短所の説明についてもかなりの量の言及があり、図らずも本書を有人宇宙飛行一般の参考書と至らしめています。有人宇宙開発について、賛同であれ批判であれ何か一言いいたいのであれば、必読の書と断言しても過言ではないでしょう。
なお、非常に残念ながら、こういうものは付いてきませんでした。"
第六大陸のも (スコア:1)
Re:第六大陸のも (スコア:1)
アレのこと言ってるんなら、モデルはサリュートとかミールといった、ロシア製の軌道モジュールですがね。
アップルもシャトルではなく、カプセル型で、しかも作者自体が宇宙作家クラブ関係者なら、関係が全くないとは言い切れないのでは?
Re:第六大陸のも (スコア:1)
第六大陸1の303ページにある記述は、そういうことだと思いますが。
Re:第六大陸のも (スコア:1)
amazon、やってくれる… (スコア:1)
マイナーな流通でamazonでは売れないのかしらん、と諦めていたんですが…。
タレコミ文中の版元のページからamazonへのリンクがあったんで飛んでみたら
…「われら有人宇宙船」 [amazon.co.jp]て…(;´Д⊂
どんな話やねん。
# しかも品切れ(怒
おふとぴ (スコア:1)
リンクをクリックしようとすると、画面が元に戻ってしまいます。
自分はNetscape7.1を使用していますが、他の方はどうなんでしょう?
南極の次は宇宙 (スコア:1)
「自前で行こう!」って発想は大切ですな。
Re:南極の次は宇宙 (スコア:1)
「自分が行こう!」だと思います。
「独自」「われら」で荒れてますから、
ここは思いっきり端的に表現した方がよいかと。
揚げ足取ったら、もう一本 (スコア:1)
おっしゃる通りで、この本の出版は
「有人宇宙開発の必要性を広く知らせて賛同してもらう」
ですね。
このストーリーを見るかぎり、
とってもとってもとっても大変そうですが、
この本が、その一助になれば良いと思います。
#学童「日本は宇宙船作らないんですか?
# 『ふじ計画』があるって聞いたんですけど。」
#役人「えーと、それはね(汗」
Re:南極の次は宇宙 (スコア:1)
こちらにもフロンティアがのこってますよ
>「自前で行こう!」って発想は大切ですな。
御意。そして、そうした発想に対して脊椎反射で「出た杭を叩く」発想はサミシイですよね。批判や異見はとっても大事だけど...。
日本・宇宙・「ふじ」と言えば(オフトピ) (スコア:1)
#完全にオフトピだがJARL会員なのでID.
ナディアのノーチラス号も宇宙船ではあったなぁ (スコア:1)
撫荒氏って、意外とこういうお仕事多いんでしょうか?
Re:まったく。。 (スコア:1)
税金の供給止めるんなら、もっと他に候補はいくらでもあるんでは?
Re:まったく。。 (スコア:1)
以上このIocateレス終了! (スコア:1, 参考になる)
Re:ネタにマジレスかっこわる (スコア:1)
確立済みの技術で宇宙船建造をやる場合もありうると思うんですが?
乗り物作りが基礎開発だなんて、誰が決められるのやらね
Re:日本独自 (スコア:1)
理屈では優れていても欧米での実績ばかりを見てしまう
現実の仕事の場ではそれがメインなんじゃない?
##アメリカやヨーロッパだけが世界じゃない、日本も世界に入れておくれ
日本独自が無駄だというのなら、 (スコア:1)
パソコンもOSもCPUも米国の有名企業から調達すればオッケー。
セキュリティホールが毎日のように発見されても、すぐパッチを公開してくれるから安心ですね。
中身が見えなくてもソースが公開されて無くてもかまわない。
来年アップグレードを強要されて高い料金を請求されたら、そのときは文句を言わずに払うって事で。
Re:日本独自 (スコア:2, 興味深い)
第一次湾岸戦争がGPSシステムに与えた影響に少しだけ想像を寄せれば、少しは見当がつくんじゃない?
早い話が、ライフラインをどっかが独占してるとろくなことにならないので代替を用意しようと。で、どうせ用意するなら自前でやればいろいろ融通が利くから便利だってこと。GPSに関しては欧州でもなんかやってましたな、米国の妨害受けながら。
とはいえ、有人宇宙飛行自体をライフラインとして認めるか、が一番判断の分かれるところではあるだろうけどね。今いる宇宙飛行士にしたところで、NASAの評価はともかく、一般にはTVタレント以上には認識されてないだろうし。
そこらへんの宣伝が日本の宇宙開発に携わる人間がやるべき最優先事項じゃないか? というのが宇宙作家クラブ周辺の最近の重要テーマで、この本もその一環かと。
Re:日本独自 (スコア:1, すばらしい洞察)
議員に振り回されるのならともかく、日本の政策と直接関係の無い所で
決まった事に従わざるをえない事態は勘弁、ってことで。
Re:日本独自 (スコア:2, 興味深い)
タレコミのリンクにある「日本独自の有人宇宙船構想」の「1.2 有人飛行の現状と将来」 [nasda.go.jp]で触れられているように。
1.安くて安全で誰でも乗れる有人宇宙船の開発は案外誰もやっていない
→アメリカ:安くない ロシア:金が無い 中国:ソユーズの復刻版で設計が古い
2.日本の技術は手が出せるレベルにはなっている
→打上げロケットはあるが、有人ミッションの経験値無し
から、じゃあわしらでやってみよう、わしらでやるとしたらこうなる、ということに過ぎないんじゃないかと。
Re:日本独自 (スコア:1)
これが目標となって、ちゃんとした予算がつけば気象衛星だって打上げやすくなるでしょうし、そうすれば経験値もたまるでしょう。デフレじゃないほうへスパイラルさせないと。
官僚的な文章ではないし、綺麗なイラストもついてますから、一度、全文をお読みになることをお勧めします。
Re:日本独自 (スコア:1)
あれ、ZeroCon(2000年日本SF大会)の時の話では、普通の人が宇宙旅行で出せるのは、アンケートによれば多くて600万。だから、2~400万位で実現させるって話だったような気がするんですが。聞き間違いだったのかな?
# その部屋付きの当日スタッフだったのでID。
vyama 「バグ取れワンワン」
Re:日本独自 (スコア:1)
つって、別にドッキリではなく、新たな宇宙葬としてですが。
今の宇宙葬みたいに、骨のかけらをカプセルに詰めて、ってけち臭いのを辞めて、お大尽向けに、
遺体を丸ごと打ち上げて、何周か地球を回った後に、大気圏突入さして、衛星ごと火葬します。
ミイラ化処理を事前に施して、スッカスカにしとけば、
ビギーパックで打ち上げられるんじゃないかなと思います。
#ホントは死ぬ前に行くのが理想でしょうけど、
#今のままの議論が、延々と続いて、何にも動かなかったら、
#普通の人間が宇宙旅行に行くのは、死んでからしかないかなあ、
#と悲観的になったもんで。
Re:日本独自 (スコア:1)
ISSに行きやすくなります (スコア:1)
ISS行きの条件 [srad.jp]の一つに、「ISSまでの乗り物を提供する機関の推薦を得ること」があります。つまり、有人宇宙飛行技術を持たない今のNASDAの推薦じゃダメってことです。
国家予算で行っている事業なんだから、他の条件がイーブンなら外国人よりも納税者の方が優先、というのはごく自然な発想です。逆だと多分抗議がきます(w
長期間宇宙に滞在することの出来る施設ってのは現状ISSしかないので、結果として長期の宇宙旅行のためには、まず自前のアシを確保するというのが前提条件になるでしょう。
Re:日本独自 (スコア:2, すばらしい洞察)
#なぜかその言葉にこだわって批判される方が多いようですが。
これだって構想が独自なだけであり、もし実際に作ることになったら独自にこだわるわけでもないでしょう。もっとも安くあがる方法をとることになるんじゃないですか。オープン・アーキテクチュアにするというのはそういう意味でしょう。
自分たちで使いたいものが現実に存在していない以上、それを自分たちで作ろうというのは正しいhackな態度だと思います。
問題は、作る際に税金を使わざるを得ないことでしょう。
それでも、彼らはそれを作ることによりどのようなメリットがあるのか、というメリットは示しています。
そのメリットが、多くの人にとってかけたお金と同等に有益なものであるのであれば、独自であろうがなかろうが、そんなことはどうでもいいんじゃないでしょうか。
わたしはそのメリットを享受したいですし、ある程度の税金を使ってもかまわないと思います。もちろん、それは私の個人的な感覚えしかありませんが。
ところで、みなさんは宇宙に行きたくないですか?
Re:日本独自 (スコア:1)
何でも自分でできなきゃ。
俺の税金は宇宙開発に使って欲しいな。
Re:日本独自 (スコア:1)
宇宙に行きたい人のことです。他にどう読めますか?
> メリットって、日本人だけに対するメリットってなに?
そんな話、少しもしておりません。
私が言っているメリットというのは、"すべての人が低コストで安全に宇宙飛行をする"ということなんですが。
Re:日本独自 (スコア:1)
"すべての人"とは1.3 我が国独自の有人飛行の意義 [nasda.go.jp]の特別な体力や訓練を必要としない宇宙機の開発の項にある通りの意味です。
半年ロシアで訓練を受けることのできる人はそうそういないでしょうが、世の中10日程度の休暇をとれない人ばかりじゃないでしょう。
確かに2億円という額は、"すべての人にとって低コスト"ではないでしょう。それでも、現状の2000万ドルに対しては1桁落ちる額です。もう1桁落ちれば、行きたい人のかなりにとっては手が届きそうな価格ですが、それは現状では無理でしょうね。でも、世界的な大富豪になれなくったって、本に書いてあるように、1回宝くじに当たればおつりがきます。
> そもそも使い捨てカプセル + 使い捨てロケットという方向性で "すべての人" にとって "低コスト" といえる水準が、いつかは実現できるのでしょうか。
たぶん半額あたりが限度でしょうね。
ロケットに関しては、かなりの間使い捨ての優位が揺らがないと思います。推進剤タンクやエンジンが打ち上げ後すぐにデッド・ウエイトとなってしまうこと、低温と高温に耐えなければならないこと、ぎりぎりの性能のため複雑化しているのでメンテナンス性がないこと、などを考えると、推進・材料・構造それぞれに格段の進歩が必要です。
対して、もっと高温に耐えられる材料が出てくれば、カプセルは再利用型にとって代わられると思います。そうすれば、もう1桁落ちるんじゃないでしょうか。
でも、再利用カプセルの開発・運用って、使い捨てカプセルの材料置き換え+メンテナンスになりますよね。その意味では無駄にはならないわけですから、ふじがトータルでペイできるのであれば、ふじを作ることに問題はないんじゃないでしょうか。
#個人的にはSSTO萌えですが、スペース・シャトルやHOPEの先にSSTOはないと思っていますし、SSTOがペイするのは50年以上先だと思います。
#以下、全く無意味だと思うけど余談として。
> というか、"自分が宇宙に行きたいから" この構想を推進すべきだと言う人たちは、ふじを使った宇宙旅行が実現したらみんな行くんでしょうね。もちろん自腹を切って。
私は、それだけのお金を持っていれば行きますが。今だって2000万ドル出せるんであれば行きますし。
Re:日本独自 (スコア:2, すばらしい洞察)
> 「北半球 == 自分」でも「漢字圏 == 自分」でもいいはず。
一つには、「現在は」宇宙を目指せる最小の組織単位が国家レベルであること。
衛星打ち上げならなんとか企業レベルまで下がっては来たが、「我が社独自の
有人宇宙機」を目指すには、まだまだ技術がこなれていない。
# 「東京都独自の有人宇宙開発」とか「目黒区月を目指す!」とかあれば
# 面白そうだけど。
また、「人類==自分」は理想ではあるが、現実には「国家」という組織単位は
他の単位に比べて壁が高い。
我々は国には税金を払っているがアジア地域や世界政府には払っていない。
(国連分担金は国家の政策だ)
我々が直接意見を示す制度がある最大の組織は、国家である。
さて、「人類皆兄弟、宇宙技術は人類全てのもの」だから「技術をよこせ、
輸送手段を自由に使わせろ」と言って、現在技術を保有している米・露・中が
Yesと言うであろうか?
これではクレクレ君の行動ではないか?
我々自身が技術・手段を保有したなら、それは自分達で自由に出来るし、
人類の進歩のために共有を目指すことも出来るだろう。
先に述べたように、達成可能な最小単位が国家であり、我々として意見できる
最大単位が国家である以上、「日本==自分」として日本独自の有人宇宙開発を
目指すのは、自然な流れではないだろうか?
もちろん、いつの日か「人類==自分」として、人類一丸となって宇宙を
目指せたら・・・どれほど素晴らしいことか。
Re:日本独自 (スコア:1)
東大阪の中小企業がロケットを飛ばそうとしていること [asahi.co.jp]を知らないかね。
よく読みましょう (スコア:1)
#396854 [srad.jp]より引用。
人間を宇宙に運ぶためには国家レベルの力が必要だ、と書いてありますが?ついでに言うと、東大阪の人々がやってるのは衛星製造であって、ロケットそのものまで作って自前で打ち上げよう、という話ではありません。
だから、よく読もうって (スコア:2, 参考になる)
タレコミ文にあるふじ計画へのリンク [nasda.go.jp]の2 打上げロケットから地球帰還まで [nasda.go.jp]の項に
って書いてあるんですが。現状ではふじ計画はコンセプト段階なので、これが実現可能かどうかはひとまず置いておきます。つーか、本気でそれを検討するためには、それぞれのロケットのインターフェースを開示してもらわないと無理だし、予算もついてないプロジェクトで具体的な設計検討なんてできるはずも無し。
「ふじ」計画は、ロケット屋というより宇宙屋のプロモーションでしょう。「ロケットを作りたい」じゃなくて「宇宙に行きたい」が鍵。私だって行けるものなら行きたいぞ~
Re:だから、よく読もうって (スコア:2, 参考になる)
でなくちゃ、どうやってお客の衛星を載せますか?
ちなみに、インタフェイスというのは、機械的な接続、電気的な接続、そして打ち上げ時の環境、振動条件などを含みます。H-IIAのものも英文のやつが公開されていると思いますので、読まれてみてはいかがでしょうか。
Re:日本独自 (スコア:1)
>輸送手段を自由に使わせろ」と言って、現在技術を保有している米・露・中が
>Yesと言うであろうか?
>これではクレクレ君の行動ではないか?
国内相手だと、クレクレ君と呼ばれないのだろうか?
つまり、「他人に」言うからクレクレ君と呼ばれるのだ、と(仮に)するならば、
隣人を他人呼ばわり「しない」ことによってその壁をクリアしてしまうことが出来るわけだが…
それってなんかセコくないか?
壁が低いからって…というか低いことにしてしまうことで…隣人に
「お前のものは俺のもの」と言ってしまうのは、ちょっと人としてどうかと。
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それはさておき、「自由に使わせる(&使わせろと言う)」っての自体が悪いことだとは思わない。
欧米がなんぼ凄いといっても、どうせ実際に凄いのは数億人の中のほんの一握りだ。
各国の国(?)民の大半もまた、その一握りに対して「くれくれ」を言い続けてるようなものだ。
それなら日本だってドコだって同じようなものだ。
まあ(なぜか)得意分野が微妙に違うことはあるようだが。
目的によるかと (スコア:1, すばらしい洞察)
なので、それで宇宙輸送会社を興したいといえば、使わせてもらえるでしょう(原価償却のための費用はかかるかも)。
#まぁ、外国へ技術を売ってICBMを作る~とかの目的の場合、絶対に使わせてはくれないでしょうが・・・。
Re:不要不急なので却下! (スコア:2, すばらしい洞察)
を考えていたら今ごろ世界史はどうなっていたことでしょうか?
#モンゴルフィエやライト兄弟とかもね。
将来のメシのタネのためにいろいろ仕込みをしておくってのは必要なことでしょ。
あーところで、実はNASAは宇宙開発に好意的な文化人・ジャーナリスト・議員のリストを作っていて、宇宙観光旅行が実現した暁には往復のチケットをプレゼントする構想があったりするそうだ。
で、宇宙開発に批判的な人物のリストもあって、こっちには片道切符をプレゼントする予定とのこと。NASDAも似たようなことやってくれないかしら。
Re:不要不急なので却下! (スコア:1, 興味深い)
開発期間が短いし、段階的なマイルストーンも置きやすいから、
足腰の強化にいいテーマなのでは。
>本当に日本の「将来のメシのタネ」なのか、ってところに疑問符がつけられてる
つけられてるんじゃなくて、この本を読まずにレスしたあなた(方)が
1bit思考でつけてるだけかもしれませんね。
安易にレスを蹴っ飛ばす辺りが特に。もっと頭を柔らかくしましょうよ。
情けないで終わるんじゃなくて、じゃあそれで終わらせないためには
どうすればいいかを自分で調べ、自分の頭で考えようよ、と言ってる
んだと思いますよ。出来ることの範囲内で手や頭を使えってこと。
# 有人に限らず、宇宙開発分野の否定だけなら誰でもできる事ですし。
Re:不要不急なので却下! (スコア:1, 興味深い)
>> なので…) を考えていたら今ごろ世界史はどうなっていたこと
>> でしょうか?
>
> 当時のスペインやポルトガルと現在の日本とでは状況が違い
> すぎ。
> くだらんたとえ話は議論を混乱させるだけ。
当時のスペイン、ポルトガルは自国に利益をもたらすがゆえに海外に進出したのです。現在の宇宙開発も、同じことですよ。
違いといえば、大航海時代の利益の中心は、新たな領土、莫大な財宝、香辛料・陶磁器などの高価な商品でしたが、宇宙開発では、生産のためには高真空、低加速度といった特殊環境が必須となる最先端の希少物質が利益の中心になるだろう、という程度です。
そのために、なぜ、日本独自の宇宙技術が必要になるかというと、
1.宇宙への輸送手段は、いつかは現在で言う大型旅客機や船舶くらいに安価、安全、一般的になり、その運営が完全に輸送からもたらされる利潤だけによって左右される時代が来るはずである。
2.それまでの間に、ある程度の大量輸送が可能ではあるが、技術的に一部の国、組織に独占され、輸送に基づく利潤以外の利害関係によって運営が左右される期間があるはずである。
3.その期間に、自国の利益を優先して運営できる宇宙輸送手段を持たない国は、宇宙を、自国の利益を優先して利用する権利を、かなりの長期にわたって失うことになるだろう。
4.その状況下では、輸送手段を提供する国に先駆けて、莫大な利益源となる技術、商品を開発できた場合、輸送手段の提供を拒まれたり、技術的優位を明け渡すよう要求されるに違いない。
ということです。
つまり、近い将来、宇宙から利益を得たいなら、今は無駄金であるように思えても、とにかく宇宙技術を蓄積しておかなければならない、そのためには無制限とは言わないが、今よりは多くの予算を宇宙開発に向けなければならない、そうしなければ、後何十年(場合によっては100年以上)かかるかわからない宇宙利用の一般化の時代まで待って、最後発国として宇宙に出てゆかなければならない、ということです。
もちろん、一般化の時代になる前でも、アメリカ、欧州、ロシア、中国などは、自国の利益に反しない範囲なら、日本に宇宙を利用させてくれるでしょう。しかし、少しでも日本のほうが先に進み、それによって自国の産業が後塵を拝することで損失を受けそうな様子が見えたら、手のひらを返したように冷淡になるのは目に見えています。
宇宙利用推進派は、それまでの日本の利益(自国内の産業が発展すれば、結局、自分個人の利益にもなる)を重視しているのでしょうし、反対派は(そこまで考えているのならば、ですが)それがあることは認めても、優先して金を回すだけの利益は出ないに違いないと考えているのでしょう。
しかし、本当に利益は出ないのでしょうか。
答えは、「個別ではどうなるかわからない。しかし、全体を通してみれば、利益が出ないとしたら不思議だ」というところです。
実際、軌道上でなければ試作さえできない物質があり、それらが有用であるか否かなど、まだわからないのです。
過去においては、新しい物質、新しい技術の開発からは新しい産業と新しい商品が生まれ、そこからは莫大な利益が生まれてきました。
(記憶に新しいところでは青色発光ダイオードがそれです)
もちろん、歴史に残る成功例の影には、資金の無駄に終わった計画が無数にあるのも事実です。
しかし、そういった失敗の可能性が高いからといって、成功と利益の可能性まで投げ捨てようというなら、その自滅趣味に私を巻き込まないでほしい、と思います。
もちろん、そういった利益源を外国に独占されることの弊害に至っては、言うまでも無いことです。
たとえば、現在、生産量(重量ベースで)は非常に少ないものの、莫大な利益を生み出している商品が身近にあります。
それを生産している企業の雇用、経済波及効果はどれくらいあるのでしょう。その企業が日本企業ではないがゆえに日本が取り逃がした利益はどれくらいあるでしょう。
宇宙で生産される希少物質がそうならないというなら、逆に、なぜなのかその根拠を知りたいものです。
# ちなみに、その企業の名前はインテルといいます。
Re:即時必要なので採用! (スコア:1)
わけの分からない事よりは、日々の生活が潤う方が良いとする近視眼的な人は結構多いのかも。
もっとも、そういう人間が多すぎると社会は停滞してしまいますけどね(苦笑)
Re:即時必要なので採用! (スコア:1)
>その主張は納税者として当然ですね。
そうですか?
我々の先行世代も、次世代のために税金を投入してきたわけですから、
現在に生きる我々も未来に向かって投資をしなければ世代間均衡がとれないとおもいます。
# いまの50代の連中は税金を投入せずに借金ばかりつくってきやがりましたが。
「すぐに始められる有人宇宙開発」がそのための解かは疑問です。看板としては有効なんでしょうけど。
宇宙開発系でいえば、軌道エレベータができるまで有人化に注力するのはムダかもしれない。
軌道エレベータができた後なら有人化に必要な安全係数をかけまくって宇宙機をつくれるわけですから。
無人機の自律制御>軌道エレベータ>有人開発 の優先順位かなあ
--- - I WILL FEAR NO EVIL -
Re:即時必要なので採用! (スコア:1)
当然ですかねぃ。この不景気で、金のかかる部分が、ねたみの感情の対象になってるだけのことでは?
ましてや、宇宙開発なんて、一般人には謎だらけの世界ですからねぃ(もちろん、調べりゃいくらでも分かるけど)、無駄遣いにしか見えない人間も結構いそうな気はする。
未来への投資よりも、今日の飯!なんて人は近視眼と言われても仕方ないような?
Re:即時必要なので採用! (スコア:1)
いあ、間違いなく自分個人の益なんだと思いますけどね。人間ってものはそういう生物ですよ。もしくは自分の見えている周囲への益でしょう。いくら、国民全体の益と言っても、自分自身の益にならないのなら、反対するという人間はいくらでもいるかと?
いずれにせよ、多少、技術をかじってしまうと、閉塞感の方が多いんですよね。多少、強引でも一気に前に!という人間がいても不思議はないような?
大半の人は数で示して欲しいんじゃなくて、「どこが自分達の飯の足し」なのか分からないだけでしょう。
短期目標と中期目標 (スコア:1)
>という疑問に尽きるでしょう。積極推進派は具体的な根拠を示せないし、
>実際きちんと示すのはかなり難しいでしょう。一方で反対派は「夢なんか
>いいから、数字で将来性を示せ」と言っているわけです。
自分で言っておいてなんですが、「極低重力下での実験・生産プラントの確保」「軌道上の有人観測設備」「現にあるISSへの協力」という短期目標だけでも「ふじ」はかなりイイ線いくでしょう。
このへんだけ見ても往還機なんぞに日本の宇宙開発政策の代替案として「数字での将来性」はクリアできそうですが。
優先度が低いと言ったのは、内惑星域開発という(私のなかでの)中期的なゴールに向けては「まわり道」っぽいなあという話です。それでも国民の宇宙への関心をつなぎとめておくにも良さそうです。
「ふじ」は大衆的にもオッケーだし、現況の宇宙開発にも適合できるのでうまいとこ説得すれば官僚的にもオッケー。「極低重力下での実験・生産プラント」があれば産業的にもイケる、ということで実現性が高くできるプランだとおもいます。
--- - I WILL FEAR NO EVIL -
やっぱり、批判者はふじ計画の内容を読んでない・・・ (スコア:1)
#397385 [srad.jp]読まれてますか?
んでもって、
と、いうことです。余り物を貸してくれてるだけ。
ここは誤解があるようですね~以下は意味不明。
「どーせアメリカが造るから日本が造る必要なし」
としか読めません。
アメリカの使い捨てカプセル型の新型開発計画なんてきいたことないですが。
よしんば実現できたとしても、
今みたいに「空き座席の順番待ち」「ジャンク払い下げ」ならば、
少々「信頼性の低い機体」でも自主運用できるだけ、
「独自計画」の方がましです。
正直な話、タイトル通りなら救いがありますが、
サイトをチェックした上で得られた結論でしたら、
いったんその結論は棚に上げて、
「ふじ本」を熟読して見てはいかがでしょうか。
有人宇宙飛行は至急必要 (スコア:2, 興味深い)
> 少なくとも現在においては実用的な重要性も低いよね。
ダウト。
人工衛星に大きく依存しながら、製造・打ち上げ
・維持管理が十分にできていないのが現状。
すなわち、「簡単に利用できない」は正しいが
「重要性も低い」は誤り。
ここでの「実用的な」は揚げ足取りくさくないか?
いいかげん議論されてるけど説明責任は確かにあるよね。
1.無人衛星単独では回避できない障害のリカバリー
一番顕著な例は「みどり」
ロボットでやれ、といっても
「おりひめ・ひこぼし」実験以降、進捗を聞かない。
NASAでもやってるはずだけどコストの問題は大きい。
※こうしてみると衛星そのものの製造能力も重要
2.ISSから零れた、あるいは不可能な実験の請け負い
これは「ふじ計画」そのものに言及がある。
ここでの実績蓄積が重要なのは言うまでもない。
3.救命ボートとしての可能性。
「ふじ計画」は直接ISSへ適用するものでないが。
ただし、スペースシャトル外壁の修復設備なんて
そう簡単に用意できるものではない。
たしかソユーズを待機させておく計画だったはず。
緊急時に居住モジュールを提供したり、
「ふじ」そのものを待機させるのも、実績があれば
可能なはず。
それにしても……
みんなコロンビア号爆散を見てないんだろうか。
生還の可能性があったという報道もでてるんだけど。
実際に可能かどうかは判らないけどね。
Re:有人宇宙飛行は至急必要 (スコア:1)
軌道に上がる前の爆発事故はどうしようもないが、上がったものの、その時点で故障した場合、無人と有人、どっちが復旧しやすいか考えた方がいいかと?
無人のデブリが自己修復する可能性の方が遥かに低いんですけど?
Re:有人宇宙飛行は至急必要 (スコア:1)
Re:有人宇宙飛行は至急必要 (スコア:2, すばらしい洞察)
中には、コンポーネント一つ取り出すのに全ばらし、それどころかネジ廻しを突っ込むスペースすら無い代物を作ってくる某超大手企業などもありますが、それはただ単にモノ作りのスキルが絶望的に低いためです。
宇宙機は、地上試験によって(擬似的にですが)バスタブ曲線の底まで直滑降で滑り降りる、という開発スタイルを取っています。計画的なテストにより有り得る状況を作り出し、不具合を検出して改善する、その過程で改修は何度でも発生します。
地上での改修のし易さ、ハンドリングのし易さを持たない宇宙機は、決して良い宇宙機には成り得ないでしょう。
できれば、ミールの運用記録をつぶさに検討されることをお薦めします。旧ソ連の宇宙開発における品質管理は、旧ソ連の水準からすれば遥かに高度なものでしたが、現在相当量のドキュメントが散逸している、もしくは作成されなかったという事実一つ取っても、劣悪であったことは間違いありません。
そんな有人宇宙機が15年という信じられないほど長期間に渡って維持できたのは、ひとえに人間による維持が行われた、これに尽きます。
実際のところを言えば、フツーにまともなモノ作りをしていれば、日本の宇宙機の信頼性は1桁から2桁向上すると思っています。野田氏の手がけた安価な民生品利用の小型衛星、μLabsat-1は、打ちあがってからこのかた、不具合らしい不具合を1つも起こしていません。複雑さから言うと、他の衛星から類推して数十件は発生していないといけないのですが。
しかしそれでも、宇宙機の開発はコストがかかります。有人安全性にコストがかかるから有人計画に反対、というのは一見もっともらしい意見に聞こえますが、そもそもの開発コストの大きさに比べれば、有人完全化のコストはさほど大きくないのです。
……ま、船外宇宙服を開発する、とかいう話になると別ですが。アレの開発の仕方ってちょっと信じられません。あれはヤバいです。