XFree86のライセンスが4.4.0から宣伝条項付きに 92
ストーリー by yourCat
ライセンスのコンフリクト 部門より
ライセンスのコンフリクト 部門より
Silphire 曰く、 "2004年初頭にリリースが予定されているXFree86 4.4.0ですが、このバージョンからライセンスが変更される事がアナウンスされました。ですが、本家のストーリーでも言及されている通り、この新しいライセンスは旧式のBSDライセンスの宣伝条項と同等の条項が含まれている為、GPLの頒布条件 (第6項) と相反します。従って、この新しいライセンスに従うソフトウェアやライブラリは、GPLのプログラムとリンクして配布する事が出来なくなる恐れがあります。宣伝条項の弊害については、GNUのBSDライセンスが抱える問題という文書が参考になります。"
興味深い事例 (スコア:4, 参考になる)
今までにGPL違反な例は多数見てきましたが、大体は
「GPLをきちんと守ってください、出来ないのであればこのソフトウェアは使わないで下さい」でした。
# もちろんその主張は正しい事です。
しかし、今回はGPLなソフトウェアが使用しているXFree86のライセンスとGPLがぶつかってしまう例です、いわば主従逆転とでも言いましょうか。
GPLでソフトウェアを公開している方は、GPLを貫くためにはソフトウェアを公開できないというジレンマになってしまうわけです。
「だからどうだ」という事を語るには私はあまりに無知なので語れませんが、GPLの自由とは何だったのだろうという事を考えると今後の成り行きには興味深いものがあります。
今回の騒動で、XFree86側がライセンスを修正するのか、少し譲歩したGPLが出来るのか、GPLなXが実装されるのか、今後どうなるか分かりませんが非常に興味深い事例だと思っています。
# 別にアンチGPLではないです。ストイック過ぎて損をしているんじゃないかなとは思いますけど。
Re:興味深い事例 (スコア:1, 参考になる)
> GPLでソフトウェアを公開している方は、GPLを貫くためにはソフトウェアを公開できないというジレンマになってしまうわけです。
ジレンマはXFree86 4.4.0のライブラリーとリンクしたバイナリーを配布する時だけに発生して、ソースコード単体をGPLで配布するのも、X11R6.6やXFree86 4.3.0以前のライブラリーとリンクしたバイナリーを配布する時はジレンマは発生しない。
Re:興味深い事例 (スコア:1)
もし変わらないのであれば、ダイナミックリンクのバイナリを配布する場合(普通そうだと思うが)、
実行時に4.3以前の共有ライブラリとリンクされるか4.4以降とリンクされるかバイナリ作成者・配布者にはわからないので
ジレンマはバイナリ配布するときに発生するのではなく、個々のユーザにふりかかります。
Re:ユーザはGPLの制約を受けない (スコア:1)
同じメディア/サイトで配布するだけでは感染しません。
一時期XFree86 3.xと4.xを両方収録してたようにしたらやっぱりユーザに先送り。
で、ユーザの実行に制約がなければジレンマ自体どっか消えちゃう
Re:ユーザはGPLの制約を受けない (スコア:1)
Q:「私はKaffe(注:GPLなJava実行環境)上でプロプラなJavaアプリとJNIライブラリを実行していいですか?」
A:「駄目です」
Q: なんで「実行」がGPL違反なんですか?
A: (訳注:実行時に)二つをリンクするからです。
http://mail.gnu.org/archive/html/classpath/2001-11/msg00152.html [gnu.org]
一方で
複製や頒布、改変以外の活動はこの契約書ではカバーされない。それらはこの契約書(注:GPL)の対象外である。『プログラム』を実行する行為自体に制限はない。
と書いてあるのは何だ?
Re:興味深い事例 (スコア:1, 参考になる)
>ソフトウェアを公開できないというジレンマになってしまう
>わけです。
そんなことはないよ。
GPLを採用するときに例外条項を入れればOK
参考 [gnu.org] その2 [gnu.org]
今まで配布されたGPLものはどうしようもないけどね。
Re:興味深い事例 (スコア:1)
XFree4.3は旧ライセンスで使えるのですから、これを元にした新プロジェクトが生まれる可能性もありますね。
旧BSDLの奴とは違う (スコア:3, 参考になる)
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:2, 興味深い)
現実的に宣伝に通知を載せるのが厄介というのはわかるけど
それがGPLと矛盾って言うのがわかんなかった。
誰か教えて。
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:3, 参考になる)
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:2, 興味深い)
GPL第1項に既に存在するので、新たな制限の追加には当たらないから。
プロモートは再配布とは無関係だから。もう少し詳しく書くと、GPLの第6項より
プロモートに原作者の名前を使うのは「受領者がここで認められた権利を行使すること」では無いので、GPLとは矛盾しません。
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:1)
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:1)
GNUの「さまざまなライセンスとそれらについての解説」の修正BSDライセンスの項 [gnu.org]にあるリンクは、英語版はwww.xfree86.orgへリンクが張られ、そこにあるライセンスにはその条項がありますが、日本語参考訳はwww.jp.freebsd.orgへリンクが張られ、そこにはその条項がありません。
今/usr/share/doc/以下を調べてみたところその条項のあるものが多いようですが無いものも少なくありません。
また、同ページの矛盾しないライセンスとして挙げられたライセンスの中にはそのような条項を含むものは多くありました。
一方同ページのPhorum ライセンス、バージョン 1.2の説明にはこのような条項はGPLと矛盾する、と説明されています。
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:1)
アップデートされていますが、その方法としては「宣伝条項
(当時の条項3)の撤回」という形で行われています。
July 22, 1999 [berkeley.edu]
さて、下記に FreeBSD の今に至るライセンスや注意書きが
記述されていますが、4.4BSDのライセンスにはその
"promote or endorse"の条項が含まれています。一方で
FreeBSDのライセンスにはこれがありません。
FreeBSD:src/COPYRIGHT [freebsd.org]
どのようないきさつかは存じませんが、この部分が
その違いの基になっているのではないでしょうか。
なお、OSI Approved な (revised)BSDライセンスには
この条項は含まれています。
OSI - The BSD License [opensource.org]
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:1)
では、ちなみにどう解釈するようにすればいいでしょうか。
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:1)
リンクするには、リンクされる部分のライセンスをGPLに変更する必要がある。
元のライセンスがGPLの部分集合であり、項目を増やすことを禁じていなければ、増やせばGPLになるが
GPLにない項目が含まれている場合、GPLにならない、つまりGPLに変更できない。
と理解してるが。
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:1)
リンクしたものを配布するには
訂正
Re:旧BSDLの奴とは違う (スコア:2, 参考になる)
GPLで「目立つように適切に」としか書いてないのを「エンドユーザ向け文書」と限定してるのがいかんのか?
FSFの解釈が厳密すぎだと思う。
libjpegなんかも同様(you must acknowledge somewhere in your documentation that you've used the IJG code.)なんだけど、
みんなGPLとリンクしてる(KDEとか)。
Alan Cox (スコア:2, 興味深い)
Alan Coxは、「自分の書いたコードについては、XFree86コードベースのforkがあったときにもGPLドライバの利用ができるように、元のライセンスのままとし、変更しないように」 [xfree86.org]という主旨のことを言っているもよう。
彼らしいですね。
Re:Alan Cox (スコア:2, 参考になる)
ということで、全体としては「新ライセンス」と「旧ライセンス」が混在する模様。
じゃあ、どのくらいの割合が新ライセンスになるのかな?
ライセンスの変更って簡単にできるの? (スコア:2, 参考になる)
MozillaがMPLからMPL/GPL/LGPLトリプルライセンスに変更したときは、contributor全員の許諾を得て、連絡つかない人が書いた部分は書き直したりとかめんどくさかった、と聞いた覚えがあるんだが
・実はcontributorがろくにいないのですぐ連絡ついた
・実はcontributeの際に権利を譲渡するようになってるので、権利保持者の一存で変更できる
・実は先走り
のどれだ?
とここまで書いて、そもそもゆるいライセンスなので
・(商用Xサーバのように)ライセンスの異なるforkができた
に過ぎないことに気づいた。
---
ので一回没にした書き込み
「自分の書いたコードについては、元のライセンスのままとし、変更しないように」つーのは、商用Xサーバにそう言うのと同じで、理屈としては通らないんじゃ
Alan Coxまたは他の人が4.3以前を元のライセンスで独自に配布するのは妨げられないだろうけど
Re:ライセンスの変更って簡単にできるの? (スコア:1)
> No worries. License changes apply only to code where "The XFree86
> Project, Inc" is the copyright holder (and a subset of that, in
> fact). XFree86 contributors remain free to choose which license
> applies to their code, within classes of licenses that are listed
> in our LICENSE document .
> The original license is still acceptable for contributions.
めんどくせー(作者と連絡が付かいない等)のは既存のままのライセンス、って
解釈でいいんじゃないかと。
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なぜ (スコア:1)
Re:なぜ (スコア:1)
……と、
> 宣伝条項の弊害については、GNUのBSDライセンスが抱える問題という文書が参考になります。
……は別の話でしょう。
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Re:なぜ (スコア:1)
GPLで保護されたソフトを利用または流用したい場合に弊害がある とか
新ライセンスで保護されたソフトを利用または流用したい場合に弊害がある ということではないかと。
GPLと相反することでそれで保護されてるソフトを使って開発してる人には弊害ありますよーって意味としてとらえるのが妥当かと思われ。
Re:なぜ (スコア:1, フレームのもと)
Re:なぜ (スコア:3, すばらしい洞察)
逆のパターンももちろんあるでしょうね。
別にタレコミの言葉尻掴まえて遊ぼうという気はないので
考えられる可能性を基に、そう結論づけました。
タレコミ文の
>GPLのプログラムとリンクして配布する事が出来なくなる恐れがあります。
>宣伝条項の弊害については、GNUのBSDライセンスが抱える問題という文書が参考になります。
この部分はつまり
GPLのプログラムとリンクして配布する事が出来なくなるという弊害がある ということでしょうね。
「GPLに反するからダメ」といっているのではなく
あくまで利便性の問題じゃないかと。
もちろんGPL利用者だけでなく、今後この新ライセンスを利用する人も含めて「GPLなソフトとはリンクできない」というライセンスの違いによって起る問題があります。
便利なものがあって、ライセンスのせいでそれが利用できない というのは双方にとってまさしく"弊害"となりえる事ではないかと。
もしくは、これまで出来ていたことが今度からは出来なくなると
それへの対応が必要な場合もありますし
車輪の再開発をしなければならないケースもあるでしょうから
それを指して"弊害"といっているかもしれません。
Re:なぜ (スコア:1, 参考になる)
揚げ足とるわけじゃないけど、ちなみに「宣伝条項」です。
XFree86の新ライセンスに宣伝条項が含まれるために
GPLと相反し、双方において「相互利用」ができないという弊害があります。
宣伝条項が含まれるために、双方において相互利用する事ができなくなった
Xの新ライセンスは「宣伝文を含めなければならない」
GPLは「GPLで規定されている以外の制約(不自由/弊害)を課してはならない」
となってます。
つまり
>自由を守るための制限(不自由/弊害)を甘受するのは GNU の精神に合致すると思います。
これは不適当な表現ですね。全く合致していません。
これ以上の制約は加えてはならないから、Xの新ライセンスとの相性が問題になっているのです。
逆にXFree86側では、GPLなソフトに利用される場合も利用したい場合も
宣伝文を加えなきゃいけないのに、GPLのライセンスにひっかかり宣伝文を加えられない
つまりXFree86のライセンスから見ればGPLは不適切ということになります。
双方からみて相手方のライセンスには自分のライセンスとは合わない条項があるわけです。
それ自身(相性問題)がある意味 ライセンス変更に伴なう弊害とも言えますし
#変えたから合わなくなってしまう というのは極当り前とも言えます
その違いによって引き起される問題(相互利用できない等)も弊害と言うに値します。
Re:なぜ (スコア:0)
主題からそれますが (スコア:1)
どして? (スコア:0)
Re:どして? (スコア:1)
MITスタイルライセンスの影響を受けた、ということはないのでしょうか?
Re:どして? (スコア:1)
Re:どして? (スコア:1)
そこまで追っかけてなかったので気がついてませんでした。
自分でリンク張った/.jpのトピックでも、ちゃんと追記してあるし…
ちゃんと確かめなくてすみません…
Re:どして? (スコア:1)
Re:どして? (スコア:0)
Re:どして? (スコア:0)
モデレータさん、このコメントが「興味深い」ってのはおかしくないかい? 明確なソースが示されてるならともかく、これは憶測にすぎないだろう。 このコメントは関係者に対して失礼では。 むしろ「フレームのもと」が妥当かと思うが。
Re:どして? (スコア:0, 参考になる)
Re:どして? (スコア:0)
ソースあったら参考になる。
Re:どして? (スコア:1)
Re:どして? (スコア:0)
もちろんこれも
GPLが最も優れているってわけじゃないし、 (スコア:0)
Re:GPLが最も優れているってわけじゃないし、 (スコア:1)
そんな事を言っているわけでなくて
ライセンスの違いから、配布できなくなってしまうソフトがチラホラと出てくるのではないだろうか という話。
その被害を如実に受けるのがXFree86に依存したGPLなソフトウェア達だろうと考えられる。
もしくは今後作られるソフトで、新ライセンスの採用を考える場合、GPLなソフトは利用できなくなるだろう ということ。
ちなみにGPLなソフトは、他のライセンスに移行する事はできない。
新しいライセンスとGPLの相性が悪い
↓
相互関係が保てない
↓
どっちも利用したい人は不満
旧版をベースにしてforkしてしまうとい手もあるかな。
Re:GPLが最も優れているってわけじゃないし、 (スコア:1)
Re:GPLが最も優れているってわけじゃないし、 (スコア:1)
それと合わせてこちら [gnu.org]も読まれると
今回問題にされているGPLとの相違点についてより理解できるかと。
Re:GPLが最も優れているってわけじゃないし、 (スコア:1)
被害(ひがい)ではなく
弊害(へいがい)でした
その(= ライセンスの違いによる)弊害を如実にうけるのは
XFree86に依存したGPLなソフトウェア達だろうと考えられる。
以上訂正でした。
ちなみに同情する気なんてさらさらないし
自分の都合に合わなきゃ自分で作り出せというのも全く同意です。
ただ、このライセンスの違いがもたらす弊害によって
開発者の中には負担を感じる人もでるでしょうが
最も困るのは事情を全くしらないユーザじゃないかと思ってます。
そういう人には同情しますね。
#仮に事情を知ってもどうすることも出来ない人もいますからね
XFree86 の宣伝だけなんですね (スコア:0)
ライセンスを見ると XFree86 Project and its contributers なんですね。
コード全体では非常にたくさんの組織 or 人が Copyright に名前を連ねているのに。
まあ、Xのライセンス的にはこれで問題ないですけれど、自分だけ 宣伝するのはなんか違和感があります。
# 商用で出していてリバースエンジニアリングとかを禁止するより ましかどうでもいいけど (スコア:0)
> 「BSD ライセンスが抱える問題」
こうやってあらためて見ると・・・ (スコア:0)
GPLでどんどんソフトを公開しているデベロッパー達には頭が下がる思いですが、現実にこうやっていろんな形態のソフトが世に存在して相互依存性がある以上、もう少し共存し易いライセンス形態に移行することってできないものなのでしょうか?そうなるとずいぶんGPLも使い易くなると思うんですが・・・。
# ライセンス絡みで面倒が起こるのが怖い故に、ツールとして
# 使う以外では極力GPLモノは避けるにしているチキンなのでAC。
Re:こうやってあらためて見ると・・・ (スコア:1)
A を前提に、別の人が B を作りました。
ライセンスの変更で A が使えなくなりました。
B を作った人は困りました。
本質はそういうコトじゃないかな?既存のソフトウェアのライセンスをより強
い制約(今回は宣伝条項だったわけですが)にした、それが問題になっているん
だと思います。GPL が云々は結果論(?)であって、問題の本質とは関係ない、と。
// とは言え、やはり実際問題使えないソフトウェアは出てくるだろうし。
// 本家の ML でも radeonfb のドライバが話題になってますが……。
// とりあえず成り行きを見守るしかねぇなぁ……。
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