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ホーキング博士、誤りを認める 95

ストーリー by Acanthopanax
賭けに負ける 部門より

M52曰く、"asahi.comの記事によると、ホーキング博士の発表した「ブラックホール蒸発理論」では、ブラックホールの内部にある物質の情報は消えてしまうとしていたが、情報が漏れる可能性があることが分かったという。しかしながら発表の詳しい内容は明らかになっておらず、研究者たちの注目が集まっている……らしい。
参考:
英・ニューサイエンティスト記事(英文)
ホーキングによって示された量子論的効果によるブラックホールからの粒子の放出現象"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by lunatic_sparc (15416) on 2004年07月18日 9時24分 (#591842)
    こんなところでも?
  • by MIYU (17727) on 2004年07月18日 10時51分 (#591863)
    ネタ元はNature Web News
    Hawking changes his mind about black holes [nature.com] 、訳文 [mypress.jp]

    ケンブリッジ大学でホーキングがプレビューを行った部分について、同僚のGary・Gibbonsが語っているのですが、新しい理論で使われているのは「Euclidean path integral」というものだそうです。記事によると、それは量子物理学者のリチャード・ファインマンによって初めて使用されたものなのだそうですが …… これってナニモノ ?

    物事が逃げ出すのに非常に長い時間を必要とする領域がそこにはある。それは特異点にならない。「ホーキング放射」は物質の情報を運ぶ。という新しい「ブラックホール」像がGibbonsのコメントとして語られています。

    カリフォルニア工科大学の理論物理学者プレスキルは、ホーキングの新しい見解が不安定な数学的基礎に基づいている事を指摘して、「その問題への完全に満足な解決を見つけたかどうかについて懐疑的だ」とコメントしています。

    以下オフトピ この話にまつわる「賭け」についてです
    この話の前段になりますが、ホーキングとプレスキル&ソーンは1991年に「裸の特異点」がブラックホールの中に物理的に存在できるかどうかを巡って賭をし、 1997年にプレスキル達が勝って現金百ポンドと「裸を隠すための」Tシャツを得ています。Tシャツには「自然は裸の特異点を嫌う」の文字があったそうです。(元のせりふはアリストテレスの「自然は真空を嫌う」?) 以来ホーキングは理論の再構築を行っていたそうです。

    そして、今回ホーキングは「ブラックホールからは何も逃れられない」という自説が誤りだった事を認めたわけですが、これもプレスキルとの間で賭がされていて、賞品は「それ(=ブラックホール)からは情報を取り出すことができる」という意味合いをこめて百科事典になるそうです。

    論文の発表は21日だそうです。
    • path integral:経路積分
      状態AからBへの遷移の重みが,その間の取りうるあらゆる経路の和で計算できる,
      というやり方です.
      で,その際の各々の経路の重みはその経路での作用積分\int_{A}^{B}exp(iS/h)
      (Sは作用)で表されます.
      古典極限(高エネルギー極限)では,Sが極値以外の点では非常に激しく振動し
      ますので,それらの寄与が打ち消しあって,結局作用が極小(または極大)の
      経路のみが生き残ってくることになります.

      たとえば物体をAからBに向けて外力の無い状況で投げる場合,古典では直線に
      飛んでBに到達する経路のみですが,量子論ではちょっと斜めにそれたあとカーブ
      を描いて戻ってくる経路,ふらふらと揺れながらBに到達する経路,Bを大きく
      迂回した挙句,はるか遠くで急に向きを変えて戻ってきてBに到達する経路など
      全ての足しあわせとしてAからBへの遷移が記述されます.ただし,AからBに直接
      到達する経路から離れれば離れるほど作用部分の振動により互いに打ち消しあう経路
      が存在し,寄与は小さくなります(前述の通り,古典極限では直接Bに行く経路
      以外は完全に打ち消されます).

      Euclidean path integralは・・・あー,確かこの経路の計算で,通常は等時間で
      スライスして経路を計算したりする(時間を切らず経路を数え上げることもある)
      のに対して,等ユークリッド計量で切って計算してやるんでしたっけ?
      こっちは自分ではやったことが無いのでよくわかりません.
      #最近物理屋から化学屋になりつつあるので,詳しい方のフォローがいただけると
      #ありがたいかも.
      親コメント
    • by tyosh (12371) on 2004年07月18日 13時02分 (#591904)
      門外漢にはよく分からない話題だったので↓ここが参考になりました。
      ホーキング、また賭けに負ける [coco.co.jp]
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2004年07月18日 13時04分 (#591906)
      Euclidean path integral …… ?
      path integralはファインマンによって始められたものですが,Euclidean path integralもファインマンなんですか?
      ミンコフスキー計量は時間変数の二乗の符号が空間変数の逆になっていて取り扱いが難しい(不定計量).そこで,時間変数について解析接続して時間軸を虚軸にとれば,計量がユークリッド計量になって扱いが易しくなると言うのがWickの回転というやつです.これをpath integralに適用したのが,Euclidean path integralだと思った.
      (ユークリッド計量が流行りの今の風潮において,一般論として,Wickの回転を解析的な等式のみならず,そうでないものにまで用いるのは如何なものか,と言う意見があります.ホーキングが乱用しているかは知らないのですが.)

      素人なので,AC
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2004年07月19日 21時55分 (#592397)
      ホーキング氏は賭けによく負けますが、 アインシュタインとニュートンには勝ってます。 [nexus1.net]
      親コメント
    • >今回ホーキングは「ブラックホールからは何も逃れられない」という自説が誤りだった事を認めたわけですが

      「ブラックホールからは何も逃れられない」というのは別にホーキングが言い出したことではなく従来からの定説であり、ホーキングはそれを追認していたというスタンスです。

      ホーキング放射を簡単に言うと、事象の地平線近辺で粒子の対生成が起こったときに、片一方だけがブラックホールに取り込まれ、もう一方だけが脱出して対消滅がおこらないことでブラックホールの質量が減少していく現象です。

      あてずっぽうですが、今回の新たな発見とはこのホーキング放射がブラックホールの内部の状態によって統計的に偏ったふるまいを示すとかそういう話ではないでしょうか
      親コメント
    • 裸の特異点問題で、ホーキング氏が勝っていたら、プレスキル氏とソーン氏の
      裸踊りでも見られたんだろうか?
    • そうか、若い世代はファインマンも経路積分も知らないんだ。
      ちょっと上の世代なら専門に関係なく理系の学生は皆名前くらい知ってるはずだがなあ。
  • 結局のところ (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2004年07月18日 11時36分 (#591873)
    実際に吸い込まれてみないと分からないということですね。
  • 一応 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2004年07月18日 10時05分 (#591849)
    関連スレッド [srad.jp]へのリンク貼っときますね。
  • by Anonymous Coward on 2004年07月18日 9時55分 (#591847)
    本当にそうなのかどうかは実際のところは分からないけど
    日々の測定情報からえられる想像力には脱帽です。
  • 頼むからお前さん達 (スコア:0, フレームのもと)

    by Anonymous Coward on 2004年07月18日 12時57分 (#591899)
    ネタが分からないならコメントするなよ。
    枯れ木の山の賑わいなんて言葉もあるが、ネタの分かる人たちが飽きれて愛想を尽かしてしまうと、山全体が死ぬじゃないか。

    # 何か書き込めるほど理解はして無いが、詳しい人のコメントを読むのは楽しみ。
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