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8800 story

「マラソン・マウス」の誕生 56

ストーリー by Acanthopanax
回し車ぐるぐる 部門より

MIYU曰く、"オリンピックも熱戦が続いていますが、遺伝子操作によって、有酸素的にエネルギーを取り出すような筋繊維(遅筋繊維)を筋肉中に多く含む、大変高い持久力を持つ2種類の「マラソン・マウス」達が作り出されています。(Nature Web News: Geneticists engineer marathon miceWeb Newsの日本語訳持久力トレーニングについて
筋肉に、パワーとスピードを出す速筋繊維とゆっくりとした力を出す遅筋繊維が存在していることは良く知られていますが、マラソン・ランナー達が高い持久力を誇っているのは、一般の人達では40%程度である遅筋繊維をその筋肉中に多く(約80%と言われている)持つためだそうです。今回の遺伝子操作されたマウス達は、訓練されたランナー達と同様に筋肉中の遅筋繊維が多く、持久力に優れていたと報告されています。
現時点では、スポーツ選手達のトレーニングには遺伝子操作は利用されていません。しかし、トップレベルの選手達の多くが、遺伝的に普通の人々とは生理学的に異なる特徴を持っている、ということも報告されてきています。人為的に安全な遺伝子強化が可能になった時、人はそれを選ぶのでしょうか?" (つづく…)

"「PLoS Biology」誌に発表された2つの研究によると、ソーク生物科学研究所のRonald Evans氏の研究チームは、遺伝子操作によってPPARdeltaと呼ばれるタンパク質(筋肉に代謝に酸素を必要とする脂肪を燃焼させる指示を出す)を恒久的に作り出すことによって、ハツカネズミ達の遅筋線維を多くすることに成功しています。この「マラソン・マウス」達は普通のものと比べて2倍の距離を走り抜いたと報告されています。
また、カリフォルニア大学サンディエゴ校のRandall Johnson氏の研究チームは、逆に酸素が希薄な場合に好気性の活動から嫌気性の活動へと筋肉を切り替えると思われる「HIF-1alpha」という遺伝子を欠損させることによって同様に持久力の高いハツカネズミ達を作り出しています。このネズミ達は筋肉に疲労を起こさせる乳酸をより少なく作り出し、また早く取り除いていたそうです。ただし、何らかの原因で急激に能力の低下が起きた、という報告もされているそうです。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by MIYU (17727) on 2004年08月25日 22時51分 (#611281)
    タンパク質『PPARデルタ』を人体内で活性化させる経口薬が、すでに英グラクソ・スミスクライン社 [glaxosmithkline.com]によってFDAに認可申請されていて、臨床試験の第1段階を終了しているそうです。(Wired Newsの記事 [goo.ne.jp])

    これは善玉コレステロール(HDL)を増やす薬としての申請で、心臓発作の防止に効果を期待したものだそうです。グラクソ・スミスクライン社では、今回発表されたような効果(肥満抑制、インスリン抵抗性改善、筋力強化)が有る事は把握していなかったようだ、とWired Newsの記事は伝えています。

    薬が申請した用途以外にも効果を発揮する [mypress.jp]事は珍しくはないそうですが、人間でも経口薬の投与で遅筋繊維が増加する事による肥満抑制効果が有るとしたら、巨大なダイエット市場で需要が有るだろうという話はもっともだと思えます。 (人間だれしも厳しい運動より経口薬の方が……) 副作用等の状況が気になります。

    • Low Fat, Non Fatなどの表示を食品につけるようになってから、米国では肥満が激増したそうです。 脂肪摂取を減らせば痩せるだろう、という安易な考えをする人は総摂取カロリーまで頭を使わず、結局は食べ過ぎて太る、と。
       
      そのお薬の効果がどれほどかは知りませんが、厳しい運動よりは飲み薬でなんとかしよう、という安易な考えの人は結局薬の効果以上に飲み食いして肥満化するのがオチではないでしょうか。
      --
      ---- 末は社長か懲戒免職 なかむらまさよし
      親コメント
      • 薬の効果がどれほどかを無視して、肥満化するという結論を導き出すのはおかしくないか?
        どれだけ飲み食いしてもそれ以上に強力なくらいの薬が出来ればいいだけの話。
        • by kapaer (9728) on 2004年08月26日 15時05分 (#611769)
          >どれだけ飲み食いしてもそれ以上に強力なくらいの薬

          大量のカロリーを基礎代謝として消費できる体ですか?
          いくら脂肪が少なくても、それはムキムキレディと呼ばれるのでは・・・。

          #ふにふにがいいのでAC
          親コメント
        • >薬の効果がどれほどかを無視して、肥満化するという結論を導き出すのはおかしくないか?
          >どれだけ飲み食いしてもそれ以上に強力なくらいの薬が出来ればいいだけの話。

          事実に対して仮定を持ち出すのもいけないことだと思うよーん
  • by bsdworld (10030) on 2004年08月26日 2時15分 (#611408)
    どのくらいの速度で広まるでしょうか?だと思います。
  • たくさん集めて (スコア:2, おもしろおかしい)

    by urabe (14966) on 2004年08月26日 8時53分 (#611486)
    発電所作りましょう。
  • by Anonymous Coward on 2004年08月25日 22時57分 (#611284)
    ブレードランナー [wikipedia.org]のレプリカントを思い出した。
    • 長生きできるかどうかなんて,(その瞬間は)どうでもいいと考えてしまう競技者も少なくないような気がしますね.でも,遺伝子操作の場合,少なくとも当面は生まれてくる前の操作になるでしょうから子供に選択の余地はないわけで,その意味では非常に問題ですが……
      # 「勝利を捨てても長生きはしたいか?」
      # (ジャック・ハンマー - 「グラップラー刃牙」)なんてね
      # まあ,あれは極端過ぎるかも知れないけど

      親コメント
      • 相撲取りって後天的に短命ですけど、確かに競技者は相撲のために命を燃やす覚悟をしているように思います。

        短いけど充実した人生を過ごすのと、長いけど平凡な人生を過ごすのとでは、果たしてどちらが良いのでしょうね。っていう問題でもないか。

        消化吸収に先天的な障害をもたせることでスマートな体を作る遺伝子的な操作が可能になったら、さてどうなるのでしょう。こちらもあまり健康には良さそうではなく、寿命にも関わってきそうです。

        頭の小さい魅力的な人って、あれ一種の先天的な病気のように思えます。頭蓋骨が小さいと、脳がギュウギュウになって、頭蓋骨の内側が削られて脳の模様がつくと聞きました。脳に障害が起こるのかどうかまでは知りませんが。
        親コメント
    • アルジャーノンみたいに最終的には遺伝子操作前より
      持久力が無くなってしまうんではないかと・・・。
  • >『人為的に安全な遺伝子強化が可能になった時』
     ドーピング扱いで失格にするのが順当でしょう。
     怪しげな効果をもつ物質を筋肉内や脳内で分泌する改造を行われたら検出不能でしょうけどね。

     運動能力は優れているが30才程度で筋肉の寿命が尽きる改造なんかを国レベルで行う可能性があります……
    (国をあげてドーピングを行った輝かしい実績がありますから)

    逆に、F1レース並みにレギュレーションが規定されるかもしれませんが。
    (出場選手の肉体的条件を揃えて競う)
    --
    notice : I ignore an anonymous contribution.
    • ドーピンピックって大会を作る方がてっとりばやそうですね

      # おやぢギャグと言われようとも再利用してやる
      --
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    • まぁ肉体や遺伝子に、物理的に手を入れないレベルならすでにいろいろやってますよね。
      低酸素トレーニングとか、女子でわざと妊娠中絶する(ホントか?)とか…

      結局、野菜とかの、
      他種との交配による品種改良には無頓着なのに遺伝子組み換えは生理的にイヤ
      っていうのと同じようなもので、いずれ「落としどころ」が定まってくるのかも知れませんが。

      > F1レース並みに
      むしろWRCのWRカーとかグループNとかみたいなカテゴリー分けがなされたりして。
      # 「ヒトの形態を逸脱しない範囲で大幅な改造が認められる」ってどんな!?
      親コメント
    • ドーピングってのも考えてみれば変な話ですよね。
      ベジタリアンからすれば、動物性タンパクを食って筋肉つけてる奴らもドーピングに見えるんじゃないでしょうか。

      あと、靴や水着などの競技用品の精度も記録に関わってきますよね。
      射撃系競技や自転車競技、冬季五輪、モータースポーツなどは特に。

      それらは金持ちが徹底的に有利になるようになっているのに、貧者も金持ちも等しく一つしか持たない「命」を使おうとするとストップがかかる。
      命は金よりも重い、という建前が、僕には金持ちのエゴに聞こえて仕方がありません。
      僕も世界的に見れば金持ちの部類に入るので、そのエゴにおんぶ抱っこですけど。
      親コメント
      • ベジタリアンからすれば、動物性タンパクを食って筋肉つけてる奴らもドーピングに見えるんじゃないでしょうか。

        茶々ですけど,製品として売られてる「プロテイン」の原料は大豆が多いと思いますが(コストの問題なんでしょうけど).あと,ビルダーの人とかはエビオスとかの酵母の錠剤をたくさん飲んだりしますね.
        # いや,もちろん肉や卵も食べるでしょうが.

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      • 競技用品だと、少なくとも、どんな極貧国だろうと、素質がある選手ならば、
        先進国のスポーツ用品メーカーがスポンサードするので、この場合、貧富の差ってのは、最早問題にはならないのでは?

        用品の精度が記録に関わるのは事実ですが、
        提供するメーカーも、世界のトップに立つことを至上の目的賭している以上、
        トップクラスの用品は、そのポテンシャルを充分発揮できる選手に与えることでしょうし、
        その際、条件としては、多くの場合、国籍は関係しないはずです。

        #三陸で、ランスの自転車に乗ったオッサンを安ロードでぶちぬいたID
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    • by Anonymous Coward
       既に柔道は、出場選手の肉体的条件を揃えて競っていますが、何か。
      • 首の太さとか?
      • 柔道の階級はあくまで体重の上限であって
        下限は設定されていませんが。
        鈴木桂治だって本来は体格的に100kg級です。

        軽い者でも重量級に挑戦するのは可能です。
        というか、それこそ「柔よく剛を制す」でしょう。
        最近の競技の柔道はそこまで嘉納治五郎の考えに
        こだわらないのかもしれませんが。
    • で、やってみたら、面白いオリムピックになりそうだ。

      手術で水掻きをつける選手とか。
      • でも。 (スコア:2, 興味深い)

        by wur (22396) on 2004年08月25日 23時38分 (#611322)
        感動はできないね。

        ドーピング、遺伝子操作、etc...
        人工的に操作されていない、その中で一般人より秀でた才能(能力)を
        持つ人に、皆は憧れる訳ですが、それを努力(練習)で差を埋め、
        追い越しちゃった人を見ると感動しちゃいます。

        A「女子柔道、金獲ったんだって!」
        B「ああ、遺伝子操作してゴリラの筋肉を持った○○だろ?あたりまえだよな」

        いやだ、そんな世界 (-_-;
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        • by kiyotan (3912) on 2004年08月26日 0時47分 (#611371) 日記
          でも、例えばタレコミ文にもあるように何か特定の競技の強い人達を
          調べてみたらみんなある種の遺伝子を持ってる人達ばかりだったって
          結果が出たとしたら、それでも感動できますか?

          #結局、努力だけではダメで努力+遺伝子が必要と明らかになったとしたら
          #って意味です。

          いや、スポーツ観戦して、「すっげー」とか「かっくいー」とか
          思ったことはあるんですが、その人が積み上げてきた努力に
          対して「感動」ってしたことないもんで...
          --
          Kiyotan
          親コメント
          • by Anonymous Coward
            > #結局、努力だけではダメで努力+遺伝子が必要と明らかになったとしたら
            > #って意味です。

            「遺伝子」を「素質」と読みかえれば、当然のことですよね。
            誰でも努力すればなんでも出来る、という世界観はひとを不幸に
            しかしないと思う。(「でき
        • by atarashi (10846) on 2004年08月26日 8時59分 (#611490)
          今のオリンピックには感動できるとでも?
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          オリンピックなんて、選手個人の努力云々というよりは、国家の威信を示す場だから、感動なんてどうでもいいのです。

          > A「女子柔道、金獲ったんだって!」
          > B「ああ、遺伝子操作してゴリラの筋肉を持った○○だろ?あたりまえだよな」

          • by njt (4968) on 2004年08月26日 0時49分 (#611372) 日記
            > そうなれば、世界各国がゴリラの遺伝子を持った選手を製造するので、そんな選手同士の戦いとなるので、優勝してあたりまえというわけにはいかなくなるでしょう。でも優勝を左右するのは遺伝子操作技術の優劣だったりして。

            コンストラクターズチャンピオンって言うんでしたっけ?(F1だ)
            競争が成立すれば、やっぱり勝負には感動があるでしょう。
            人工的に作り出された血統の馬が競走するの見たって興奮しますよね?
            親コメント
        • 好奇の群衆を満足させるために無理してる姿を見ても、
          素直に感動できないなあ。

          すでに人道的でないような気がするのだよね。
      • 腕が50mのやつとかね。 (昔々fj.jokesに出したネタ)
        --
        ---- 末は社長か懲戒免職 なかむらまさよし
        親コメント
      • 水かきつけるくらいなら、下半身魚にしてしまうとか、いっそモーターと
        スクリューとか、ジェット水流エンジンとかをつけた方がいいんじゃないですかね。
        親コメント
      • ゴールドマッスル [tbs.co.jp]ですな。

        西暦2036年。人類はバイオテクノロジーの飛躍的な発展によって、無限の可能性を手に入れた。それは、人類の飽くなき記録と勝利への夢を追求するスポーツ界において、新超人アスリートたちの登場をみるに至った

  • >人為的に安全な遺伝子強化が可能になった時、人はそれを選ぶのでしょうか?

    遺伝子を操作したひとは「コーディネーター」と呼ばれ(以下略

    たとえ病気の治療が目的でも、遺伝子操作は議論を呼びそうですよね。
    利権が絡んで、遺伝子治療のガイドラインを外して遺伝子操作する例が出ないとも限らない。

    すでに研究用の「胚」(字あってるかな)をガイドラインを守らず
    操作したりしたと言う例が出てますし。
  • すでに出場してますが (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2004年08月25日 23時52分 (#611334)
    遺伝子操作というか、合体した成果が。
    • 確かに、他に品種違いで言えば競馬もそうですし。

      伊東浩司と鈴木博美が結婚した時にスプリンターの父とステイヤーの母から生まれた子供の距離適正はどうなるんだろうなんて話をねたにしたことがあったような。

      ただ、究極を作ろうと思ったら、日本女子のトップランナーとエチオピアやケニアの男子トップランナーと合コンをさせねば。
  • by Yuryu (19524) on 2004年08月26日 0時27分 (#611354) ホームページ
    使用者の意に反して勝手に動き出す
    マウスができたのかと思いました。
  • by Anonymous Coward on 2004年08月26日 2時27分 (#611415)
    今回のオリンピックの日本選手のように
    低酸素下でトレーニングすると酸素の摂取効率がありますが
    同じく鼠も低酸素下で飼育すれば通常の環境に戻した時
    有酸素的にエネルギーを取りだせるようになるでしょう。

    #誰か言ったな、肉がどうのこうの。
    #鈍筋が赤身、速筋が白身。持久力があるということは赤身。
    #鶏は白身で渡り鳥は赤身。覚えておくといいぞ。
    #ひらめは白身でカツオは赤身でマグロは何もしないでなすがまま
    • まつがえたー

      鈍筋→遅筋
    • >#誰か言ったな、肉がどうのこうの。

      確か、酸素を沢山含んでヘモグロビンが赤いのが
      有酸素用運動用(赤筋)って憶えてたような気がする。

      つまりよく動くやつが、赤身ってことね。
      ・・・・牛の霜降りとは違うよな・・・・
  • by steel (18750) on 2004年08月26日 10時42分 (#611571)
    マイティマウスってのはこいつのことですね
    そのうちバーベル持ち上げたり
    黄色い全身タイツ着たり
  • 髪の毛 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2004年08月26日 12時36分 (#611677)
    能力向上より髪の毛を生やす治療を生み出してくれ

    切実なのでac
  • by Anonymous Coward on 2004年08月25日 22時44分 (#611279)
    旨いんでしょうか?
  • by Anonymous Coward on 2004年08月26日 2時43分 (#611420)
    アルジャーノンもチャーリーも同じでした。
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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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