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携帯電話が腫瘍のリスクを高めるとの報告 148

ストーリー by Acanthopanax
リスク評価 部門より

Anonymous Component曰く、"IT Mediaの記事Wired Newsの記事などによると、WHOの国際ガン研究所が中心となってまとめている報告書の一部として、スウェーデンのKarolinska Instituteが聴神経腫瘍を持つ人150人と健康な人600人について行った調査で、携帯電話を10年以上使用した人では聴神経腫瘍ができる危険性が約2倍になっているという結果が出た事が発表されています。(研究所による発表資料)
報告書によると、携帯電話を頭のどちら側にあてるかという事が一定だった場合は当てていた側の危険性は普通の4倍、当てていなかった側の危険性は普通と変わりなかったそうです。ただし、デジタル式の携帯電話が登場してから10年未満のため、調査結果はアナログ式の携帯電話についてのものであり、また、携帯電話の使用歴が10年に満たない人では、危険性が高まっているという兆しは見られないそうです。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by basidium (22136) on 2004年10月17日 14時39分 (#637719)

    タレコミにある発表資料 [imm.ki.se]によると,この腫瘍は良性のもので,

    It occurs in less than one adult per 100,000 per year.

    とありますから,年間,成人10万人あたり1人未満の割合で発生するということのようですね.したがって,この腫瘍の発生確率が2~4倍になるとしても,公衆衛生という観点から見るとまた別かもしれませんが,個人にとってはあまり深刻な問題ではないように思えます.ほかの疾病や事故の心配をしたほうが合理的でしょう.

    ただ,少なくとも1種の腫瘍の発生確率を高めることは明らかになったわけで,ほかの腫瘍についても発生確率が高まるのかもしれない……と考えることもできなくはないわけで,どう受け止めるべきか難しいですね.
    # もちろん,この研究結果が妥当なものだとの前提に立った話です.

    やっぱリンク先の pdf の参考文献にある論文を読め,ってことでしょうか.

    こういう話は,個人にとってのリスクと社会全体のリスクという2つの観点がありますし,充分にコントロールされた実験の結果こうだった,という形の研究でない場合がほとんどなので,なかなか解釈が難しいですね.

    • 私もちゃんと原著を読んでいなくて,要旨 [nih.gov]だけなので言えることは限られているのですが,
      ちょっとそのままには受け取れないデータだと思います.
      まず,調査対象が20歳から69歳となっていますが,20歳の人に10年以上の携帯電話の使用歴が
      あるということは考えにくいですし,患者の中で10年以上の携帯電話の使用歴がある人は少なくなる
      ので統計的な誤差が大きくなります.
      実際統計的な95%信頼区間では10年以上の使用歴がある場合の相対リスクの上昇は0.9-4.1で,
      使用している側の腫瘍のリスクは1.6-9.5で,確かにリスクが増大しそうではあるが,本当に顕著
      かどうか言うにはサンプル数が少ないように見受けられます.

      Nature Web News [nature.com]にもこの調査に関する記事がありますが,それによればこれは
      世界13カ国で行われている調査(*)であり,同様の手法で今年1月に発表されたデンマークの調査の
      結果は携帯電話の腫瘍への影響はない(ただしスウェーデンのものよりサンプルサイズが小さい)と
      いうものだったそうです.
      また,他の国での調査結果は来年早くに発表されるとのことですので,全体のデータが出そろった後
      で比較してみる必要があり,この結果をもって何かを結論づけるのは早計だと考えます.

      *INTERPHONE Study [www.iarc.fr]
      オーストラリア,カナダ,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,イスラエル,イタリア,
      日本,ニュージーランド,ノルウェイ,スウェーデン,英国で行われている携帯電話と腫瘍リスクの
      調査研究.
      5-10年の携帯電話使用経験のある30歳から59歳(今回の研究が±10歳されている理由は不明)を
      対象とし,骨膜腫,聴神経腫瘍,耳下腺腫の調査を行う.
      EU等の助成によって行われ,中立性のため発表まで出資者であっても調査内容を知ることはできな
      いとしている.
      --
      kaho
      親コメント
      • この枝にぶらさげます。

        今回のような疫学研究の結果というのは、基本的にそれ単独ではまだ信頼できるものではない、というのが大前提です。

        これは、たとえ一流誌に掲載されたものであっても、また書かれている方法が正しいやり方であってもそうです。その後、複数のグループからの追試を受けて、その結果を総合的に判断して、ようやく疫学的な傾向の全体像が把握可能になるという感じです。今回のものは、その追試の部分をWHOが旗振りして、世界各国で一斉に調査してるわけです。

        以前にあった報告とまったく同じ方法で同じ結果が得られる、ということは、動物実験などのように(再現可能な)実験によって物事を解明する立場からは「当たり前」のことであり、たとえそういう結果を得たとしても研究としての新奇性がないので、それをわざわざ発表するということはありません。
        しかし疫学調査の場合は、別の母集団でも同じ結果が得られたというのは意味のあることなので、発表する意味もありますし、それなりに評価をうけます。それどころか逆に、異なる母集団でも同じ結果が得られるかどうかは重要なポイントの一つなので、複数の研究がないと、「一般的な現象」とするにはまだ信頼性に欠けるわけです。

        さらに言うと、複数の疫学研究で確かめられるのと並行して、動物実験などによってその発症のメカニズムが解明されていくというのも重要なことです。疫学研究で見るのはしばしば「相関関係」であって、本当にその因子が病気の原因なのかどうかは、実験的に確かめられる必要があります。両者の研究がうまく融合できたときに初めて、ある因子と病気の「因果関係」が明らかになる、と言っていいでしょう。
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      • INTERPHONE (スコア:2, 参考になる)

        by MIYU (17727) on 2004年10月17日 17時05分 (#637780)
        Nature Web News [nature.com] (訳文 [mypress.jp]) で記載が有ったので、「 INTERPHONE [www.iarc.fr]」の分を読んでみたのですが、この調査が行われたのは、1998年と1999年という事なので、そのころの携帯電話の普及率がどの位だったのか、少し気になって探してみました。

        携帯電話の普及 [infonet.co.jp]という資料で見ると、当時の日本での普及台数は3000万~4000万台ですが、 その5年前で数百万台、10年前はほとんど普及していなかったように見えます。 調査対象は、5年~10年という比較的長い期間携帯電話を利用しているという事実が 必要だった為、30歳~59歳の年齢層になっていますが、非常に高価で費用のかかった 頃に20歳~25歳の人が使えたのかどうか、などど考えてしまいました。

        余所で話した分なのですが、世界的に同一手法で調査が行われているし、これだけでは 対象として小さい気がするので、来年全体が出たら結果をつき合わせて読んでみたい … だそうです。日本でも調査が行われていますし、調査から経過した5年で携帯電話の普及率は上がっていますので(台数でいうと2倍以上の増加)、結果がどうなのかというのは結構気になります。

          # むしろ今の時点で調査すると、結果が見えるという事でしょうか ?
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  • 犯人は本当に携帯か (スコア:3, すばらしい洞察)

    by hado (21151) on 2004年10月17日 14時40分 (#637720)
    アナログ携帯を10年前から使用している人間の生活環境も
    考慮に入れないことには、果たして本当の犯人が何なのか
    断定することは出来ないと思うんですけどね。

    10年前といえば携帯の普及率は今よりずっと低かったわけで。
    それなのに持たざるを得なかった人達には共通した生活環境
    があってもおかしくないんじゃなかろうかと。

    最近こんな報告多いですね。
    • 激しく同意。
      うさんくさいというならうさんくさいかもしれんが
      相関はR2だけじゃ判定できないんってば。
      多重共線性までちゃんと検討でしてるのだろうね。

      xxしてるとダメなんだってっと
      いちいち伝えてくるうちのオカンにウンザリなのでID。
      --
      〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
      親コメント
  • by Cutlet Curry (4119) on 2004年10月17日 19時12分 (#637847)
    最近あまり音声通話に使ってません。
    --
    モデレート したいときには 権利なし
    かつかれー
  • by echo (1161) on 2004年10月17日 14時01分 (#637702) ホームページ 日記
    > デジタル式の携帯電話が登場してから10年未満のため、
    > 調査結果はアナログ式の携帯電話についてのものであり

    キャリア(搬送波)の使用周波数帯の違いがあるかもしれ
    ませんが、同じ周波数帯でアナログとディジタルで影響の
    違いがあるとすると、大変興味深いことかと思います。

    #信号なし(無通話)状態でも、ディジタルの場合は常に変調
    #があるから、ディジタルの方が影響大? > 識者の方
    --
    −・・ ・   ・ −・−・ ・・・・ −−−
    手垢で汚れた少年漫画とソースの香りがいい感じ
  • by cheetos (12223) on 2004年10月17日 15時11分 (#637739)
    自分は常に左で携帯つかっとります
    4倍ですかそうですか。。。
    がびーん
  • by NAT33 (17123) on 2004年10月17日 18時47分 (#637834)
    単純な疑問なんですが、当てていない側と当てている側の距離差って、約20センチ(30センチも無いとは思うが)くらいなんですが、そこまで影響差があるものなんですかね?

    4倍も違う割には、距離的なやけに短いと思うんだけど。携帯の電波って、当てた部分だけに集中するほど、指向性が高かったかな?とも思いますし。
    • モノが電波ですからね。
      「不純物たっぷりな水風船」みたいな脳みそが間に挟まっているならば、水には吸収されやすい電波は減衰による相当な差が両端で生じているのではないでしょうか?

      #いや、専門家ではないのでどんな感じで減衰しているものかは計算も出来ませんが…
      --
      -+- 想像力を超え「創造力」をも凌駕する、それが『妄想力』!! -+-
      親コメント
  • by bikeman (14466) on 2004年10月17日 21時04分 (#637911)
    携帯電話だけでなく、電磁波を生じさせるもの全てについて、調べて欲しい。こういう [nifty.com]のもあるけど、よくわからん。

    ちなみにアナログ式は出力一定だけれどもデジタル式では、出力可変(電波状況に応じて変える)方式を採用している機種もあると聞いた。
  • 心配無用 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by yosshy (3545) on 2004年10月18日 1時29分 (#638038) 日記
    TV電話が一般化すれば、携帯が頭部から離れるので問題無し。
  • by Technical Type (3408) on 2004年10月18日 13時28分 (#638274)
    電子レンジでネコを乾かすのが愚かだと知っているなら、電磁波を浴びれば火傷するのは判るだろう。反面、TVやラジオの電波は常に体に受けているが、道端は死人で溢れているわけではない。よって、強さと周波数が関係してくるわけですが、この辺の議論が /. では、出ませんねぇ。 (苦笑)

    ところでこの辺はなかなか興味深いですよ。

    一応、局所 SAR 以下なので心配は無いと考えてよい、というのが主流の学説ではあるようだ。

    話は変わりますが、水俣病の被害者は最高裁の判決が出るまで半世紀を要していますね。 行政側は7月の上告審弁論で「59年末の時点で、水俣湾の汚染物質が有機水銀であることや排出源は分からなかった」と過失を否定したそうで。 原因がチッソの排水だというのは、行政と御用学者が当時は全面否定したようですよね・・・

    それで、影響があるかもしれないというデータが時折出るのであれば、 「それが本当かどうかはわからないし、後で取り越し苦労と判るかもしれないが、可能な対策を講じておくのも一つの考え」ではないですかね。これは各自で判断してもらうしかないですね。 どうすれば健康を維持できるかに関しては、様々に異なる意見がありますし、議論して双方が納得する事は少ないですから。

    「現在の科学・医学知識で、電波が人体に与える影響は全て判っている」というわけではない、という点も指摘しておきます。 万が一、水俣病みたいな事になる、つまり、相当に年月が経って、リスクがあったと判ったとしたら、その時にはもはや健康な体も人生も取り戻せない、と心配する人もいるだろうし、そんなのはバカげているという考えをする事もいるでしょうし。

    これも直接は関係無いですが、DDIポケットの役員は 携帯電話よりも低電磁波のため、全国約1,200の病院でも導入されているとした。なお、PHSが低電磁波であることは、KDDIグループにいるときはなかなかアピールしにくかった [impress.co.jp]と説明していますね。だからどうだって訳じゃないですけど。 (^^)

    • by saitoh (10803) on 2004年10月18日 15時24分 (#638317)
      なんか、「非熱効果:熱効果による害がない程度強さ・期間の電磁波でも、何らかの害があるかもしれない」というところから、「熱効果の結果としての健康被害と同じ症状が、微弱電磁波でも起きる」と推論しちゃうひとが見受けられますね。 目の水晶体がにごるとか、子種がどうとかは、どっちも熱の害だから、これに関しては現状の規制でまぁ大丈夫だろうとおもうんですが。

      URLは忘れちゃいましたが、電磁波の発ガンリスクはあるかもしれないが、大して高くない(もし高ければ、これまでの調査で明白になっている)とされてますね。 国際ガン研究機関(IARC)が極低周波磁界の発ガンリスク分類を2Bとしたというけど、 レベル2Bは「ヒトに対して発ガン性がある可能性がある(possibly)」。 2Bというとコーヒーや漬物などと同じ分類。

      個人的には、発ガンリスクと言う点では、電磁波対策にかける費用があったら大気汚染のほうを何とかしたほうが、健康に寄与するんじゃないかとおもってますが。それよりさらに、この業界に限定すれば、残業体質をなくすのが寿命を延ばす一番の手法だと。

      レントゲン撮影とか、 水道水の塩素でガンになる人だって居るわけだし、わざわざ避ける必要があるほどのリスクかという量の評価と、リスクを上回る利益があるかどうかと言う評価が欠かせないと思うのですが。 この手の話って、「害がある」[いや無い]という〇×の話に陥りがちでどうにもこうにも。

      親コメント
  • by magicME (10732) on 2004年10月17日 13時22分 (#637676)
    ホントのところがどうなのかは時間の流れを待つ以外
    知るすべがないってことなんでしょうかねぇ
  • 相関があったとしても (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2004年10月17日 14時40分 (#637721)
    携帯電話の電波のせいではなく、携帯電話を持つような人の生活習慣のせいだという証拠は集めないのだろうか?

    10年以上携帯電話を持っているような人は、こんなものばっかり食っているとか。
    • by taka2 (14791) on 2004年10月17日 15時16分 (#637743) ホームページ 日記
      タレコミにある

      > 携帯電話を頭のどちら側にあてるかという事が
      > 一定だった場合は当てていた側の危険性は普通の4倍、
      > 当てていなかった側の危険性は普通と変わりなかった

      という結果は、生活習慣ではなく携帯電話が原因であるという証拠にはならないでしょうか?

      #電波が原因かどうかは分からないですね。何かで耳を圧迫するのが原因かも。
      親コメント
      • by baffclan (9449) on 2004年10月17日 21時16分 (#637916) ホームページ
        > #電波が原因かどうかは分からないですね。何かで耳を圧迫するのが原因かも。

        耳を圧迫ということならば、通常の電話機でも十分可能性があると思います。

        # 周波数帯は違いますが、衰退の一途をたどるアマチュア無線のハンディ機でも可能性はありますね。
        # 出力ということに関しては、携帯電話とは桁違いに違いそうなので気になっています。
        # 十数年、そんなことばっかしてたりするのでお先真っ暗。
        親コメント
      • by whitt (21325) on 2004年10月18日 0時18分 (#638009)
        頭のどちら側かに偏って携帯電話を当てる人は、たとえば:

        「彼ら(彼女ら)には何か共通の習慣があるせいだ。
         たとえば通常の電話の受話器もずっと片側に当てている。
         とすれば通常の電話の受話器は危険だ。」

        とか反駁する人も出てきちゃうわけで。

        疫学的調査を解釈するときは「因果関係の可能性を示すことはできるが、根源を示すことはできない」というところを認識しておく必要があるかと思います。
        #親コメントはまさにそれを受けての発言だと思うのです。

        因果関係が本当にあるならば、今後の実験によって立証がなされるでしょうから、それに期待しましょう。
        逆に、立証されるまで、犯人扱いはコストの浪費です。あくまで容疑者。
        #でもなぜかこういうのはポジネガ両方の結果が出てくるんだよなぁ…。
        #ダイオキシンの催奇形性とか。
        親コメント
    • 携帯電話を使っていた人と、携帯に見せかけた糸電話を使っていた人との比較も必要だった、ということでしょうか?
      --
      ---- 末は社長か懲戒免職 なかむらまさよし
      親コメント
  • そのうち… (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2004年10月17日 15時16分 (#637742)
    「携帯電話は20歳になってから」とか言われるんでしょうか?

    #「バカヤロウ! 携帯は百薬の長でぃ!」とか言ってそうなのでAC
  • by Anonymous Coward on 2004年10月17日 16時52分 (#637773)
    携帯以外に腫瘍が出来そうなストレスが山のようにある
    環境で生きてる私にとっては関係なさそうですorz
  • by Anonymous Coward on 2004年10月17日 22時29分 (#637963)
    実は携帯電話は無罪で、片方の腕を45度以上曲げている状態を
    ”ある一定時間繰り返す動作”を”一定期間行った”事により、
    脳内で特殊な「何か」が発生しそれが腫瘍化してしまう
    とか言う、全く別の視点は考えられないだろうか・・。

    いや・・だって、脳ってまだまだ未知な部分があるし、、、、。
  • まあどうせあれでしょ (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2004年10月18日 7時19分 (#638103)
    リスクが高くなるとか言っても、発症率が
    0.00001%
    から
    0.00002%
    になるとか、そんな程度でしょ。
    # これでも倍と言えるしな

    来年取ったら違うデータになったりして。
  • by sesame17 (12217) on 2004年10月18日 11時32分 (#638210)
    で話しながら歩いてる人がユーロ圏だとやたら多い気がするけど、
    これを意識してたりするのかな。しかし本体を左胸ポケットに入れとくと心臓が、
    パンツのポケットに入れとくと子種がヤバいって話もあるし、
    結局お散歩ダッキーのように携帯本体を引きずって歩くスタイルに落ち着いたりして。
    あ、Bluetoothも電波か...。
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犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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