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9119 story

アレルギーの起きない「遺伝子組み換えネコ」 121

ストーリー by Oliver
そのタンパク質の役目はなんなんだろう 部門より

KAMUI 曰く、 "CNN.com の記事に依るとカリフォルニアの Allerca社が,遺伝子組み換え(GM)によって飼主がアレルギーを起こさないペット用の猫の予約受け付けを開始した。
現在,アメリカの人口の 10パーセントに相当する 2700万人が猫アレルギーを持つと言われている。猫アレルギーは猫の皮膚や唾液に含まれるタンパク質が原因とされ,酷い場合は小児アレルギーや気管支炎,喘息などの呼吸器系疾患を引き起こす。その様な人々が敢えて「猫を飼いたい」と考えた場合,アレルギー反応を「我慢する」か「高価な薬で抑える」しかない。
Allerca社は遺伝子の発現抑制技術を用いる事でこのタンパク質の生成を抑制した GM猫の「開発」を行うもの。なお,非組み換え猫との交配を防ぐ為に GM猫は予め去勢・避妊手術が行なわれた上で飼主に引き渡されるされると言う。価格は一匹 3500ドルで2007年に「発売」を予定しており,同社では毎年 20万匹が売れると見込んでいる。"

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  • by magicME (10732) on 2004年10月28日 23時13分 (#644119)
    こういう遺伝子操作のニュースを見るたびに思うんですが
    遺伝子を変更なり削除なりすることによって起こる
    副作用みたいなものはちゃんと考えられているんでしょうか?

    そこら辺は大体予測可能なのか、それとも実際やってみなくちゃわからないのか
    現状としてはどっちなんだろう。

    さすがに少し変えたくらいでサリンみたいな猛毒を
    生産するような生物は生まれないでしょうが
    常にそういう危険をはらんでいると考えるべきなのか
    まぁ無視しちゃって大丈夫なのか、
    関係する科学者の間で共通の認識みたいなのは出来てるのかなぁ?
    • by LOL3763 (14315) on 2004年10月28日 23時48分 (#644143)
      まずテクニック的には、普通にネズミで行われている遺伝子のknockoutを猫に行うわけですから、そんなに難しくはないはずです。汗だとか、唾液に入っている蛋白をひとつだけノックアウトすると書いてあります。

      すでにできていると仮定しても問題が残ります。
      純系を作るには何世代も継代します。(純系では弱い動物の場合、半分だけ遺伝子を持っているのを増やして種の保存をします。掛け合わせると1/4の確立で目的の動物が生まれます。)
      その手間を考えると、ネズミのようにたくさん子供を産まない猫で2007年に製品化するのは無理でしょう。
      とりあえずたくさんknockoutしてみて、うまく生まれたのを売ろうというのであればずいぶん乱暴な商売です。

      上のような手間を考えると明らかに3000ドルは安すぎて、10000ドル以上はしないとおかしいです。これから3年間も、何万匹も飼育するのに5億や10億じゃ済みませんよ。
      ということで、ただの金集めのためのネタであると断言しておきます。

      ただし、ビジネスモデル特許をとってあって、それを犬やらに拡大して他社に売るというつもりかも。アメリカのビジネスマンはなかなかやりますね。CNNに取り上げられた時点で、そして/.でネタになった時点で成功と。

      倫理的な話になると、ノックアウトの場合は遺伝子を「発現させない」だけなので、新たな遺伝子の生成ということにはなりません。様々な病気の原因特定に最も重要な手法なので、大きな問題にはなっていないと思います。ちなみに遺伝子を導入するよりもノックアウトするほうがはるかに高等テクニックです。
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      • by basidium (22136) on 2004年10月29日 0時34分 (#644179)

        ネタの可能性は否定しませんけど,彼らは

        2007年に最初の小猫(たち)が産まれるだろう(Allerca expects the first kittens to be born in early 2007...)

        と言っているんであって,最初から何万匹も売るとは言ってないようですよ.20万匹というのは

        最終的な希望販売頭数(Allerca president Simon Brodie told The Associated Press that he ultimately hopes to sell 200,000 of the cats annually...)」

        のようです.
        # 強調は引用者による.ultimately の位置がちょっと変な気もするけど,
        # この解釈が自然だと思う.

        まあ,でも,「最終的には」最初の小猫を販売する前に資金繰りに行き詰まりそうな気がしますねえ(笑)

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      • by y_tambe (8218) on 2004年10月29日 1時07分 (#644200) ホームページ 日記
        いや、実際問題としてはノックアウトはしないでしょう。ノックアウトはマウスでこそ確立してますけど、それ以外の動物ではまだ確立してませんから。まずネコES細胞を作り出すところからはじめないといけないし、さらにそれに対する遺伝子導入方法の確立、ES細胞から個体の作出と、クリアすべき障壁が多すぎます。順当に言って、siRNAを導入してRNA干渉によるノックダウン系でしょうね。

        RNAでも、新たな遺伝子を生成させるのではないですが、基本的にはウイルスベクターによる外来遺伝子導入系ですね。ただまあ、変なものが出来る可能性が「ない」とは言えないけど、それはあくまで可能性の問題で、むやみに恐れすぎる必要はない、と思いますけど。
        親コメント
    • 農作物や植物を見てると品種改良って形で徐々に新品種のような
      ものを作り上げてきてる。冷害に強い稲とか、今までなかった
      色の花を咲かすバラとかユリとか。
      まあ、動物でも狩猟用にウサギの巣穴に入れるように体を小さく
      した犬:ダックスフンドとかがいる。

      結構、人間って今までも自分の都合のいいように周りのものを
      変えてきたわけで、何をいまさら?と思わないでもない。

      新たな技術が生まれるたびに人は不安になるけれど、そこから
      数十年経つと、それが何事もなかったかのように生活している
      のが今までの歴史的事実なので、単に推測を膨らませた上に
      作り上げている恐怖なんじゃないかと。

      「人間は知らないことに対しては推測し、その推測は恐怖に繋がる」
      と、昔どこかの偉い人が言っていたような。。。
      --

      There is no spoon.
      親コメント
    • by blackdragon (20912) on 2004年10月29日 8時35分 (#644307)
      今回の場合、特定の遺伝子の機能を取り除くだけでしょ?

      それで、危険なものが生まれるなら、組換えしなくても、天然自然変異で、同じように危険なものが生まれる可能性も十分あるわけです。

      というわけで、副作用は、やってみないと分からない面が無いわけじゃないけど、それは、別に組換えに限ったわけじゃないということです。

      例えば、農作物の場合で言えば、遺伝子組換えが、眠っていた遺伝子を呼び覚まし、有害物質を作るようになってしまう可能性が無いわけではありませんが、通常の掛け合わせや、突然変異による従来の育種でも同様の可能性はあるわけです。しかも、それらのほうが、狙ったところだけを操作できない分、予想外の影響が出る可能性は高いかも知れないのです。

      さらには、遺伝子組換えで作られた作物は、安全性の試験が行われますが、従来の方法で育種された作物は、特に安全性試験を受けることも無く売り出されるわけで、むしろ、遺伝子組換え作物のほうが安全性が高いのではというふうに考えることも出来ます。
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    • Re:その後のあれこれ (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2004年10月28日 23時36分 (#644137)
      とりあえず、アメリカで桶屋が儲かり始めたら
      要注意だな。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2004年10月28日 23時50分 (#644144)
      犬だと、チワワみたいなグロテスクな品種が人によって作られてるわけで、当のお犬様にとっては、不の作用にしかなってないってのは無視でOK?

      っていうのは、僕も無視してるので良いんですが。ええ。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2004年10月29日 11時19分 (#644411)
      大きな副作用の例がないし証明もないし
      長期性・慢性の危険性は示唆されていても
      今すぐ発現しないので確かめようがないからOK。

      劣化ウラン弾の使用是非に関する使用者・許可側の論法等と
      同じです。

      科学は科学的でありながらキッカケは偶然や奇跡に頼る事も多いし
      そもそも今までそうやって進歩してきたので、
      こういうドミノ倒しはある程度必要悪なのですよ。

      あと究極的には人為も自然です。
      人間は自然と切り離された特別な存在ではありません。
      親コメント
  • by y_tambe (8218) on 2004年10月28日 23時32分 (#644133) ホームページ 日記
    ネコアレルギーのアレルゲンとなるタンパクって同定されてるのですか? 動物アレルギーの多くは毛垢がアレルゲンになることが多いから、ケラチンか何かだと思いますが……さすがに単純なケラチンのノックアウト/ノックダウンじゃ胎性致死だろうしねえ。

    ネコのケラチンをノックダウンし、代わりにヒトのケラチンのトランスジェニックにすれば、何とかなるかなあ。
    • 猫の主要アレルゲンはFel d 1 [jpha.or.jp]であるとされているようです。
      AllercaのDevelopmentのページ [allerca.com]には

      A glycoprotein, Fel d 1, secreted by the sebaceous glands, is the major cat allergen. This allergen is found in the fur, pelt, saliva, serum, urine, mucous, salivary glands, and hair roots of the cat.

      と書かれていますけど、これを押さえるのにノックアウト猫ではなく"gene silencing"でやると言っているんですよね。
      核移植はしないということなのでRNAiを仕込んだレトロウイルスなのかなという気がしますが、それはそれで安全性について不明な部分がありそうです。
      それにFel d1というのはアレルゲンであることは知られていても猫で°のような機能を持っているのかはあまり知られていないようなので(私の調べ方の問題かも)、silencingの結果がどうなるかちょっと予測できません。
      --
      kaho
      親コメント
  • えっ? (スコア:2, 参考になる)

    by TamanegiSwordsman (24244) on 2004年10月29日 0時38分 (#644185)
    猫が落とす毛、それにたかるダニ、その死骸や糞。
    そっちのほうがアレルゲンとしてはメジャーだと思いますけど…。
    猫アレルギーと思っている人の多くは、↑こっちなんじゃないですか?
    • たしか血液検査でハウスダスト(ダニ)と猫は識別できて
      猫アレルギーなんですが、猫と暮らしてます。
      (猫の爪でパッチテストしてみると、結構腫れました)
      アレルギーが強くでる猫と、ぜんぜん平気な猫がいて、
      毛に艶をだす猫液?のようなものが原因だと思ってました。
      週一回風呂に入れるとそれほどひどくなくなるそうですけど、
      めちゃめちゃ風呂嫌いらしく、あきらめてました。
      親コメント
    • by hanetaro (21793) on 2004年10月29日 10時52分 (#644396)
       実家で猫飼ってて、引っ掛かれても触っても大丈夫だったから猫アレルギーはないと思ってたんですが、学生時代にバイトで猫屋敷(猫十数匹)の掃除をしたら、しばらく涙と鼻水がとまりませんでした。
       あれは、猫アレルギーではなくダニアレルギーなのですね。
      親コメント
  • ネコミミ人間 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by tamaco (19059) on 2004年10月29日 10時18分 (#644367)
    ネコミミ人間の話しを思い出すなぁ(笑
    また聞きのまた聞きなんですが、知人で
    「俺はネコミミを作りたいので東大に行く!」って
    言った人が居てホントに入学までしてました。

    実はネコミミを形成する遺伝子というのは判っていて、
    人間に適用する方法もあります。
    でも実際にはネコミミにならず、せいぜい尖った耳程度にしか
    ならないそうで・・
    それじゃ、いいとこエルフ耳程度で、ややもすれば

                  ミ ス タ ー ス ポ ッ ク で す か ? \_|○

    なかなかうまくいかないようです
    • Re:ネコミミ人間 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by nekonyan (3158) on 2004年10月29日 21時53分 (#644857) 日記
      > でも実際にはネコミミにならず、せいぜい尖った耳程度にしか
      > ならないそうで・・

      ネコミミが形成される場所も重要なのではないでしょうか。
      人間の耳の位置にあってはネコミミとは言えないと思います。
      親コメント
  • by gfish (24604) on 2004年10月29日 21時53分 (#644856) 日記
    人間にとって都合の良いものばかりを残し、都合の悪いものは排除する。

    こんなことばかりしていて、本当にいいのだろうか?
  • by Anonymous Coward on 2004年10月28日 23時11分 (#644115)
    人里に出てこない遺伝子組み換え熊
    農作物を荒さない遺伝子組み換え猿
    生ごみを食べない遺伝子組み換えカラス
    夜吠えない遺伝子組み換えイヌ
    外で糞をしない遺伝子組み換えイヌ
    反抗心を持たない遺伝子組み換え国民

    #あとはまかせた
  • 猫好きの友人に半分冗談でいってたんですが、そういう猫が先に開発されてしまいましたね。
    去勢・非妊ずみでうりにだされるとのことですが、もしかしたら
    生殖能力に問題があったりとかするのかとかうがったことを考えてみたり。
  • by ymk (22936) on 2004年10月28日 23時47分 (#644142) 日記
    猫飼いたいなぁ~
    の人は予約済みなんでしょうか。
  • by tada (5086) on 2004年10月29日 0時13分 (#644160)
    生殖機能を殺す遺伝子組み替えとセットにすれば…
    って、生産できないか。
  • by hifun (21883) on 2004年10月29日 0時28分 (#644173) 日記
    化け猫と猫娘がいる家で書き込みしているんですが
    双方ともこの一報を知らせたのち、どうも複雑な心境のようで
    いつもより余計に柱へ爪研ぎしています。
    なんか私も、その気持ちがわかるような気がします。
  • ”飼い主”向けね (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2004年10月29日 8時56分 (#644318)
    てっきり食べちゃうものかと、、、
  • こういう猫が増えてきたら、遺伝子組み換え猫アレルギーを起こす人とか出てくるんだろうか?

    そして、「"遺伝子組み換え猫アレルギー"を起こさない遺伝子組み換え猫」が開発されて、その次は『「"遺伝子組み換え猫アレルギー"を起こさない遺伝子組み換え猫」アレルギーを起こさない遺伝子組み換え猫』が開発されて……書いててよく分からなくなってきた。
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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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