パスワードを忘れた? アカウント作成
11762 story

国立国会図書館が独立法人化へ 59

ストーリー by GetSet
まだ一度も足を運んだことが無い… 部門より

nasuda曰く、"産経新聞によれば、自民党行政改革推進本部が国立国会図書館へ独立行政法人化を求める方針を打ち出したとの事。
これにより、本来業務である国会議員の立法、調査活動の補佐以外の副業的な業務である資料の収集、整理や一般への閲覧などの司書業務、また最近活発化した電子化・電子出版物・インターネットサイトのアーカイブ化が自由裁量で行えるようになるとしている。
同本部は国会図書館の独立行政法人化が可能とした根拠として、他の国立博物館・美術館が独立行政法人化出来た事をあげている。だが、入場料収入のある博物館と入場料収入の無い図書館を同列に語る事や、唯一の国立図書館である国会図書館を独立法人化するデメリットは少なくないと思われる。/.Jer諸氏はどう思われるだろう?"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by shiten (11861) on 2006年02月03日 16時11分 (#876458)
    タレコミによると、独立行政法人化することで、自由裁量が可能になるとしているけど、重要な部分である利用料にはふれられていないところが怖い。 公立の博物館や図書館は、本来無料で利用できなければなりません。
    図書館法第17条 公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用についてはいかなる対価をも徴収してはならない
    これは、国民の知る権利であったり学習の権利の面で非常に重要です。これが、崩されるわけですよ。また、キオスク端末など、無料のインターネット端末が図書館にあることは、情報格差是正を考えれば、非常に大きな武器です。 一度、法人化した国会図書館が登場すれば、今の地方公共団体の公立図書館が法人化していく原動力になりかねません。その影響力は大きいと思います。 過疎化している田舎に図書館が無くなったら、地域の人が集まる場所が無くなるし、生涯学習の視点からも危険きわまりないです。国民には学ぶ権利がありますし、それを保障するのは税金を集めている、公共団体です。 ちなみに、博物館の場合は、入館料をとっていることが昔から問題になっています。法律上は、原則無料でなくてはなりません(あいまいな表記の結果、有料になっているところがほとんどですが)。
    博物館法第23条 公立博物館は、入館科その他持物館資料の利用に対する対価を徴収してはならない。但し、博物館の維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は、必要な対価を徴収することができる。
    今回の法人化は、これらの問題を回避するために法人化しようとしているのがみえみえです。 国民の権利がどんどん侵害されていっているのが懸念されますね。あってしかるべき税金の利用方法を崩しながら、別の事に利用していっている気がしてなりません。お金が無ければ学べない。これでは格差社会と言われても仕方ない気がしますね。
    • 図書館の中の人です。
      図書館法第17条 公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用についてはいかなる対価をも徴収してはならない

      心配ありません。これがあるから対価は徴収できません。徴収したら(ありえないけど)、図書館じゃなくなってさまざまな著作権の例外も受けれなくなって成立しません。 現在、法律で図書館と認められている図書館で有料なのはごく一部の私立大学図書館だけです。それも資料の理由とか入館料としてではない、別で理由付けして取っています。
      親コメント
  • 図書館というのは二つの目的があります。現在いる人たちのためのサービスと、未来にいるであろう人たちのためのサービスです。つまり来館者および資料請求やリファレンスに対するサービスと、蔵書の収集及び保管です。前者には直接の対価を求めることが出来ますが、後者には直接の対価を求めることが出来ません。だから税金でまかなう必要があるのではないかと思っています。

    立てて壊して立てて壊し手を繰り返す公共工事や、無駄な備品の買い物などとは違い、蔵書というのは減価償却のないモノだと思っています。しかも蔵書量の微分係数が一定以上であるように維持し続けなければそこがミッシングリンクになってしまうわけで・・・図書館が(一見無駄に見えても)ミッシングリンクを作らないように蔵書を続けてくれるおかげで、我々一般人は安心して文化を消費できるという側面もあります。ミッシングリンクといえば過度の著作権保護もミッシングリンクを発生させますが、これはオフトピですね。

    美術館と図書館が決定的に違うのは、美術館では現時点で値段が付けられるモノを購入しているのに対して、図書館は現時点では古紙回収業者以外には値段が付けられないものを買っているという点です。特に国会図書館は「蔵書しておきたい本かそうでない本かを職員が判断しない」ことが重要なのです。だから「そこに行けばあの本がある」のです。

    ただ、独立行政法人化で身動きがとりやすくなるということは確かにあるかもしれません。
    --
    屍体メモ [windy.cx]
  • 公益性 (スコア:3, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2006年02月03日 10時51分 (#876199)
    何でもかんでも採算性、っていう事を言って
    小さい政府だ、独立行政法人だって
    公共サービスって何って事になってきてはいませんかねぇ?

    もう一度国会図書館サービスの公益性について
    考えてこの話を進めていただきたいと思います。
    # 止めろとは言わないので

    何が言いたいかというと、
    「国会」図書館は要りませんが、国民として
    国立図書館の必要性は感じていると言うことです。
    書籍のアーカイブである国立の図書館のサービスは
    維持して欲しいな、と。
    # 国会図書館と国立図書館は分離して欲しい
    • 「国会」図書館だと、20歳以上の成人でなければ利用不可なので、未成年でも利用できる
      「国立」図書館は欲しい所ですよね。

      でも、そうなると「都道府県立」図書館の立場は?…
      国立図書館の支所的扱いで、連携してくれれば良いのかな。
      --

      /* Kachou Utumi
      I'm Not Rich... */
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      文化も知識も
      市場原理の様なものに基づいて
      残したいと思う奴が自腹で勝手に残せばいい
      必要と思われないものは淘汰
      ということですかね…
  • 夢がかなうかも (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年02月03日 11時10分 (#876214)
    家賃払ってもいいから中で住みたい。

    (某R.O.D見てから、あぁいう生活が夢です。)
  • 本来業務 (スコア:2, 参考になる)

    by cartolina (21568) on 2006年02月03日 21時30分 (#876678) 日記
    産経の記事だと、「国会のサポート」だけが本来業務みたいですが、国立国会図書館法では、「国民に対するサービス」も規定しているようですね。(「国立国会図書館要覧:設立の目的と機能」 [ndl.go.jp])

    大英図書館の運営はどうなってるのかと思いましたが、British Library Act 1972 [www.bl.uk]によると、British Library Board に裁量権があるのでしょうか。フランス国立図書館は、「世界最大・最新の図書館を目ざし、すべての知識の分野をカバーし……」という大統領の宣言をのせてますが、運営のほうはちょっとよくわかりませんでした。

    先進国を自称するなら、こういうところにこそ国家の威信をかけるべきじゃないかと思いますが……でも実は、個人的に気になるのは、「近代デジタルライブラリー」(http://kindai.ndl.go.jp/)のことだけだったりします。自由な裁量で、こういうサービスが拡大できるのだったらいいですけど。
  • by Anonymous Coward on 2006年02月03日 10時50分 (#876198)
    自分の食い扶持は自分で稼げ、という意味で理解していたつもりなんですが
    国会図書館がメシの種にするといったら蔵書しか無いわけですよね。
    献本された著作物で商売するのって著作権的にどうなんだろう…とか考えてみるテスト。
    • by wd-nara (25864) on 2006年02月03日 11時57分 (#876264) 日記
      よく誤解されていますが、独立行政法人は独立採算ではありません。予算総額だけ(政府が勝手に)決めて丸ごと渡して、細目は法人のほうで決めなさいとなるだけです。
      親コメント
    • by blackdragon (20912) on 2006年02月03日 11時38分 (#876242)
      そもそも、いろんなものを独法化している目的として、

      「公務員の人数を削減する」
      といううたい文句を数値の上で達成するための、手っ取り早い方法
      (実質的には国営のままなのに、職員が公務員にカウントされなくなる)

      という要素がとても強い気がするのは私だけでしょうか?
      親コメント
      • 民間企業で事業部ごとに給与体系を変えたいので別会社化するのと、同じ手法です。
        親コメント
      • 国立大学の独立行政法人化もそうだし、都道府県市町村レベルまで見ると、県立・市立大学の廃止もまさに「公務員の人数を削減する」ための一点。
        ただでさえ国際的に見て公務員の対人口比は低いのにこれ以上低くしてどうすのかと。
        で、政党助成金の数百億はそのまま温存…と。
        • by gesaku (7381) on 2006年02月03日 12時44分 (#876310)
          法人職員の給与って、ほとんど国家公務員の俸給表
          どおりだったりするんで、ほんと、何のための法人化かと。

          大学職員なんて元々平均から10%くらい低いわけで、
          それが分母から省かれて平均が上がってしまったからといって
          人事院がマイナス勧告を出したら、大学当局もそれに
          従ってマイナスなどという酷いこともやりますし。
          #あー愚痴っぽくなってきた

          まあ、独立行政法人化をあちこちでやってるのは、
          天下り先の確保という面が非常に強いので、マスメディアは
          そのへんのところを注意して見て欲しいですね。
          特殊法人の代わりらしいので。

          #教育・研究機関を切り離しておいて少子化対策なんて
          #矛盾してると思うgesaku
          親コメント
          • by wd-nara (25864) on 2006年02月03日 16時40分 (#876474) 日記
            細かい話をすると、国立大学法人は独立行政法人ではありません。といっても、国立大学法人法の雑則の部分は独立行政法人法へのパッチの形式で書かれていたりして、明かに国立大学法人は独立行政法人の派生物であることがわかるようになっていますが。
            親コメント
    • by Takeshima (20459) on 2006年02月03日 12時26分 (#876295)
      ・資料の複製料金の値上げ
      ・館内喫茶店の値上げ
      ・館内自動販売機の値上げ

      …学生の頃、国会図書館での資料探しはコピー代だけで「金のわらじをすり減らす」心地がしたものです。
      # でも先人たちは手で書き写してたんだよね
      --
      Someday, somehow, gonna make it alright but not right now.
      親コメント
      • by oguma (17986) on 2006年02月03日 19時11分 (#876591)
        ・資料の複製料金の値上げ

        国会図書館も高かったけど、外務省外交資料館とか防衛研究所史料閲覧室の複写料金の方が高かったなぁ。昔の話なんで、今は料金改訂されているかもしれないけど。

        # 気軽に頼めないほどの料金ってのは、何かのイヤガラセだろうかと思ったもんだが……。

        --
        Nullius addictus iurare in verba magistri
        親コメント
    • でも、地方の図書館は続々と民営化されてきている
      わけで。

      国会図書館がやってやれないことはないと思いますがね。
      • 民営化はほとんどないよ。
        指定管理者制度による管理委託ならぼちぼちあるけど、
        図書館のような施設はなじまないと反対意見も多い。
        親コメント
      • もともと私設の場合をのぞいて、大半は市区町村立図書館だと思うのですが、続々と民営化されている例を挙げて頂ければ幸いです。なにぶん不勉強なもので。
        • by Anonymous Coward on 2006年02月03日 21時35分 (#876682)
          もとACの人じゃないですけど、
          図書館の事務が、TRCとかにアウトソーシングされていることを指しているのかな?

          桑名市立中央図書館がPFI方式 [kuwana.mie.jp]というのを導入して
          民間と共同運営しているようですが、
          これもこのトピックで言う民営化とはちょっと違いますしねえ。
          親コメント
    • by Anonymous Coward
      元が取れるかは知らないけど
  • by yanagi (6075) on 2006年02月03日 11時33分 (#876239) ホームページ 日記
    内情は知らないから思いつきだけど…
    いっそのこと、全都道府県の公営の図書館を
    1つの独立行政法人にまとめて見るとか。
    で、本部が国会図書館。
    …とかすると、過疎地域の図書館数が
    半減しそうだから駄目だ。
    --
    やなぎ
    字面じゃなく論旨を読もう。モデレートはそれからだ
    • by hanimarudo (29330) on 2006年02月03日 13時47分 (#876370) 日記
      >全都道府県の公営の図書館を1つの独立行政法人にまとめて見るとか。

      高速道路みたいに、過疎地の図書館ばかり金が回ったりして。

      それはともかく、全部一つになると
      情報が一元化されて、検索とかしやすくなってくれないかなぁ。

      ついでに大学の図書館も参加させてくれ
      --
      --- #寝て起きて食べてまた寝る
      親コメント
  • サンプル提出された頒布品の本は
    全部保存されていて、申し入れがあれば国会…

    と、米澤代表がうそぶかれるわけですが
    そういうのは民営化しても無理なんでしょか?
    一部に、それを願っている人もいるとかいないとか。
  • by Anonymous Coward on 2006年02月03日 14時41分 (#876410)
    東京に住んでる人だけしか 恩恵がなさそうなので
    基本的には法人化すべきだと思う
    デメリットもあるけど これから電子媒体の時代でしょ?
    本はそろそろ博物館に飾るためだけになる気もしないでもない
    • by ducky (16839) on 2006年02月03日 15時28分 (#876439)
      電子媒体については、音楽の電子媒体化とかの話にもからんでくるけど、ジャケットや
      ページそのものにギミックを隠すといった表現方法ができなくなるので、大原則として
      反対。

      エリック・カールの絵本とか、The Velvet Underground & Nicoのバナナのジャケットとか。

      だからといって、電子媒体になってもいいものってもしかしたらあるのかも知れないけど。
      親コメント
    • by n4k (16076) on 2006年02月04日 10時18分 (#876929)
      「お近くの図書館から」 [ndl.go.jp]もどうぞ、ということらしいです。

      上の方で利用が18歳以上限定という話も出てましたが、
      これは年齢制限ないんじゃないでしょうか?

      #資料への最終的なアクセスを保証していることで、
      #間接的に享受している恩恵もあると思う
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年02月03日 15時15分 (#876432)
    某エロゲの舞台にもなった某大某学郡にいますが 先生+司書の方の大部分は「馬鹿じゃねえの」って仰ってます
typodupeerror

最初のバージョンは常に打ち捨てられる。

読み込み中...