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スタニスワフ・レム氏 死去 35

ストーリー by mhatta
星への帰還 部門より

匿名のSFファン曰く、"asahi.comの記事によると、SF作家のスタニスワフ・レム氏がポーランドの病院で息を引き取ったようだ。享年84歳。死因は心不全。

すさまじく遅い展開のため、眠たさの単位にも使われるタルコフスキー映画「ソラリス」の原作でも有名だが、他にも「ゴーレムXIV」や泰平ヨンシリーズなど様々な名作をあげるスラド読者のかたも多いだろう。

国書刊行会のスタニスワフ・レム・コレクションとして、氏の名作が比較的簡単に読めるようになったばかりだというのに残念である。"

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  • 巨星堕つ (スコア:3, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2006年03月28日 9時11分 (#910167)
    ソラリスだけでなく「砂漠の惑星」や「エデン」など、異なる環境で進化した生命体(?と思われるモノ)とのファーストコンタクトものでは、それまでの固定した概念や楽観的な科学万能主義をことごとく否定してみせて、ちょっと背伸びをしたい自分のようなSF少年にとっては、とても刺激的な思索を促すものでした。
    またその一方で、「泰平ヨン」や「ロボット」シリーズでのユーモアたっぷりな語り口は、本当に同じ人が書いたかと思わせるほどで、個人的にわたしの中ではクラークやアシモフに並ぶ作家の一人だと思っています。

    心よりご冥福を申し上げます。

    ところで、遅い展開、眠くなる・・・のは、タルコフスキーの作風による影響が大きいためで、原作ではそんなことはありませんよ。

    • Re:巨星堕つ (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2006年03月28日 9時19分 (#910177)
      > 遅い展開、眠くなる・・・のは、タルコフスキーの作風による影響が大きいためで

      ええ、ええ、そうですとも。
      日本語吹き替えの「惑星ソラリス・短縮版」は、とても面白かったです。
      そして、その後、「完全版」を見た私は幻滅を味わいました。
      というか、短縮版をDVDで出して欲しい!!

      #でもタルコフスキーの「ストーカー」は意外に楽しめました。
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      • by mu (9770) on 2006年03月28日 10時40分 (#910245) 日記
        > #でもタルコフスキーの「ストーカー」は意外に楽しめました。

        抽象的すぎてちょっとついて行きづらいタルコフスキーの映画に比べると
        A&Bストルガツキー原作の「ストーカー」の方がSFとして数段は面白いですよ

        #もちろん,いわゆる変質者の話ではなく,未知の文明との接触がテーマですよ(^^;
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      • Re:巨星堕つ (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2006年03月28日 10時37分 (#910241)
        今出てる版のハヤカワ文庫「ソラリスの陽のもとに」の巻末に、高橋良平氏がレムの作品の映画化についてまとめた文章が載ってるので参考になりますが、その中で高橋氏も「2回観て2回とも撃沈」みたいなコト書いてましたねぇ<惑星ソラリス

        そういえばタルコフスキーのは「惑星ソラリス」で、「ソラリス」はキャメロンだか誰だかの別モンですよね。
        あっちの評判はどうだったのだろう? とみてみる [jtnews.jp]と……うーむ……。
        あ、監督「オーシャンズ11」の人か。
        #ちなみに古い方の評判 [jtnews.jp]

        #ハヤカワのサイトで書籍ページに直リン張れないのはなんとかならんのかよと思うのでAC
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      • by funakichi (28497) on 2006年03月29日 1時06分 (#910789)
        延々続く冒頭の首都高で撮影したシーンでも、ヨーロッパのどこぞの映画祭では(映像のスペクタクルに?)どよめきが上がったとか当時のSFマガジンで紹介されてたことを思い出しました。
        親コメント
    • Re:巨星堕つ (スコア:2, おもしろおかしい)

      by orangeobject (10401) on 2006年03月28日 11時19分 (#910273) ホームページ 日記
      >ところで、遅い展開、眠くなる・・・のは、タルコフスキーの作風による影響が大きいためで、原作ではそんなことはありませんよ。

      なるほどそれでレム睡眠か!と納得しかけてました。
      親コメント
    • Re:巨星堕つ (スコア:2, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2006年03月28日 14時02分 (#910408)
      レムが描くエイリアンというのは、それまで欧米SFでよく見かける
      地球人の延長線上のキャラ、もしくは地球人を攻撃するキャラ
      というありきたりなものではなく本当に異質で地球人とコミュニケーション
      が取れない真の意味でのエイリアンで、初めて読んだときに大変な
      カルチャーショックをおぼえたものです。もちろんほかのSF作家や作品にも
      強烈な影響を与えているでしょうね。実際にそうなのかどうかは不明ですが
      「砂漠の惑星」の機械生命は神林長平の「戦闘妖精雪風」に出てくるジャム
      を連想するし、グレッグイーガンの「ディアスポラ」に出てくるワンの絨毯は
      ソラリスの海を連想します。

      --
      タルコフスキーだったら「ストーカー」のほうが眠い。
      つうか、あれをラストまで起きて見たことがない。
      親コメント
    • by SteppingWind (2654) on 2006年03月28日 10時59分 (#910260)

      映像化ということならやはり「砂漠の惑星」あたりを期待したいですよね. 特に「キュクロペス」の全方位反物質砲と「黒雲」の人外の攻防はCG技術の発達した現代ならではって感じの名シーンですし.

      親コメント
    • by wccf2006 (30137) on 2006年03月28日 12時33分 (#910327)
      >遅い展開、眠くなる・・・のは、タルコフスキーの作風による影響が大きいためで、原作ではそんなことはありません

      リメイクされたソラリスでも眠くなってしまう私って…
      2回レンタルしたけど、通して見ることができなかったし…

      眠れない時に見ると一発で寝られるので、オリジナルソラリスを睡眠剤代わりに使ってます。
      親コメント
    • by alp (1425) on 2006年03月28日 17時30分 (#910544) ホームページ 日記
      「砂漠の惑星」は文句なくすごい、とは思いましたが、いまとなっては「ソラリス」「捜査」「天の声」などのコミュニケーションに対する思索が含まれるもののほうが思い出深い。SF として近いものすら思い当たりません。最初からその辺を叩き切ってしまうとアンチ・ロマン系に行くんでしょうが、レムのように別の法則に沿った世界を追求して説得力を出せた作はほかに殆ど知りません。

      でも、レムの SF と言えば、「浴槽から発見された手記」のような路線ってほかにありましたっけ。

      親コメント
  • 残念です (スコア:2, 興味深い)

    by T.Sawamoto (4142) on 2006年03月28日 9時24分 (#910179)
    中学生のころ図書館で借りて読んだ『泰平ヨンの回想記』に凄い衝撃を受けたのは、今でも忘れられません。
    (興奮のあまり、その日の夜は眠れなかった(^^;))

    二十世紀SFを代表するお一人と言っていい、偉大な作家さんだと個人的には思っています。
    素晴らしい作品をありがとうございました。
  • オスミオウ (スコア:2, 興味深い)

    by maruken (2801) on 2006年03月28日 9時49分 (#910207) ホームページ
    ある日元素名オスミウムというべきところをオスミオウと言って 『泰平ヨン』シリーズの読者だと周りにばれてしまったのが懐かしいです。
    --
    maruken
    • 自動販売機 (スコア:2, 興味深い)

      by SteppingWind (2654) on 2006年03月28日 11時09分 (#910266)

      ところでポーランドの清涼飲料水の自販機って, 今でもボトルを自前で持っていく形式なんでしょうか?

      SF作家の想像力の意外な限界を示すと「泰平ヨン」の解説に書かれていたのが印象的でした.

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      オスミオウで検索して、ここにたどり着きました。
      レムさんがお亡くなりになったとは、とても残念ですね。
      わたくしは、「鳴きセプルキ」を1度見てみたかった。・・・(第十四回の旅)
  • by Anonymous Coward on 2006年03月28日 10時39分 (#910243)
    死んでなんかいない。眠っているだけだと。
    レム睡眠だ。
  • by Anonymous Coward on 2006年03月28日 9時11分 (#910168)
    採算が取れてるのかが少し気になってます。(^^;
    • 今回の追悼企画で採算を取ります。

      ソラリスしか読んでないので、AC
    • 「未来の文学」といい頑張ってますね、国書さん。
      他に手堅く稼げる分野があるのでしょう(…か?)
      同社の「文学の冒険」シリーズからレム(「完全な真空」)に入ったので
      当初はサイエンスよりも奇想と思弁の作家という印象が強かったです。
      追悼企画で文系読者が流入してSF人口が増えるといいですね。

      遅ればせながら昨日イーガン「ディアスポラ」を読了したのですが、
      個人的には思考の飛距離(?)ではレムに軍配を上げたいかなあ。
      ともあれ、RIP。
  • ITmedia にも (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2006年03月28日 13時34分 (#910393)
    載ってました。 [itmedia.co.jp]

    SF 作家の死去が ITmedia に載ったのって他にありましたっけ…
    • by Anonymous Coward
      そうそう巨匠が死んでたまるかい。
      と言いつつも「クラーク、まじでしぶといな」と思わずにはいられない、
      ・・・・なんて言ったら殺されそうだ。
  • by Anonymous Coward on 2006年03月28日 9時35分 (#910194)

    ちょうど今 kterm に fortune が
    I see the eigenvalue in thine eye,
    で始まる詩(?)を表示したとこでした。(;_;)/~

  • by Anonymous Coward on 2006年03月28日 9時38分 (#910197)
    >すさまじく遅い展開のため、眠たさの単位にも使われるタルコフスキー映画「ソラリス」

    これは初耳だった。眠いと言うのは同意だが、単位として扱われているのは見たことが無い。
    SFファンの間では常識なの?
  • by Anonymous Coward on 2006年03月30日 8時19分 (#911640)
    「砂漠の惑星」か「エデン」だったか、ロケット内に図書館があって百科事典だったかをひく場面がありました。

    SFの巨匠レムもラップトップPCとか300GB HDとかには空想力が届かなかったようで。
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