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12810 story

片翼を爆破して安全に着陸する特許 126

ストーリー by kazekiri
実装はできないなぁ 部門より

ittagoisu曰く、" Engadget Japaneseに人間大砲に続くアレな特許ネタが掲載されている。 New Scientistによれば、 この特許は、ジェット旅客機が飛行場以外の場所に降りなければならない状況で、 爆薬で片方の翼を吹っ飛ばし機体をスピンさせ、旅客機を無理やり回転翼機の ようにぐるぐる回しながら落とすことでふんわり 軟着陸させるというシステムの特許らしい。 このシステムにより着陸時の衝撃を減らし人命の損失を最小限に 抑えることができるとのことらしいが、シェイクされた人間がどうなるかは よく分からない。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 机上の空論というか (スコア:5, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年06月27日 12時52分 (#967727)
    空上の机論
  • by hokuto (16888) on 2006年06月27日 13時11分 (#967744) ホームページ
    確かに、空中で爆死させれば着陸時の人命の損失はなくなるでしょう。
    まさに逆転ホームラン。
  • きっと機内はもんじゃ焼きで溢れ返っている様な気がしないでもない。
  • by takmck (30376) on 2006年06月27日 13時07分 (#967738)
    単純に機体中心が軸になるのであれば ファーストクラスは機体前方から中心に移ったりするのかな。 というか、機長が遠心力でやられそうな予感もある
    • by Anonymous Coward on 2006年06月27日 19時36分 (#968052)
      > 機長が遠心力でやられそうな予感もある

      百歩譲って片翼もげた後フラットスピンに入ったとして、
      機長さんにかかる遠心力を簡単に計算してみるとしましょう。

      翼が揚力を生むためには、気流が流れていることが必要です。
      飛行機が飛んでいられるのは、高速で前に進むことで翼に風を当て、
      揚力を得ているからですね。
      片翼がもげ、フラットスピンに入った飛行機というのは、
      前に進むかわりに水平回転することで翼に風を当て、揚力を得ることになります。
      # これは単翼の回転翼機と考えることができます

      ふんわり着地というからには、最終的に重力と揚力が釣り合った、
      定常落下状態に入っているのでしょう。
      さて、片翼で水平回転することで揚力を生み、機体重量を支えるためには、
      どのくらいの回転数が必要になるでしょうか。

      B747を例にとると、着陸速度が70m/sです。
      おおざっぱに言ってこれ以下の速度では揚力が足りず、失速します。
      片翼で2倍の揚力を出すためには、動圧を2倍、すなわち速度を √2 倍して、
      70 × √2 ≒ 100 m/s
      必要です。
      # 実際には片翼もげた分軽くなっているのでちょっと遅くなりますが

      B747の場合、胴体の中心軸から翼端までは30m。
      簡単のために重心は胴体の中心軸上にあるとします。

      回転翼ですから、翼端に向かって気流速度は速くなりますが、
      一方で翼の幅は翼端に向かって細くなります。
      このへんをちゃんと考えるとたいへん面倒なので、
      ここではざっくり重心から2/3の位置、
      すなわち20mのところで100m/sの速度を出すことにしましょう。
      回転数は
      100 / (2π×20) ≒ 0.8
      となり、毎秒0.8回転必要になります。

      胴体の全長は70m、重心はだいたい中間でしょうから、
      コクピットは重心から30mくらいの位置にあります。
      とすると、毎秒0.8回転してるとき、コクピットにかかる遠心力はおよそ76G
      この加速度では、機長さんが生きていられないのは勿論、
      遠心力で機体はバラバラですね。
      親コメント
      • そもそもフラットスピンにならないかと思いますけどね。なんとか回転運動に入れたとしても、スパイラルになるんじゃないかなぁ(この場合、機首から地面に突っ込むことになるでしょう)。

        他の方がコメントで挙げられているように自然界には一枚羽のオートロータというものは存在しますけれど、流体を相手にする話では、小さなスケールでの話をそのままスケールだけ大きくしても普通は成り立ちません。たとえフラットスピンに入れたとしても、飛行機の世界で鳥のようなはばたきができないのと同じく、旅客機が十分な揚力を生みだせるほど高速回転できるとはとても思えません。たとえできたとしても、ACさんのおっしゃる通り、Gで乗員乗客の生存はとても見込めないでしょう。

        もっともリンク先の特許文書を実際に読んでみますと、同時に胴体に下向きのロケットもしくはジェットエンジンを登載して降下速度を減少させるそうなので、主翼の揚力だけでふんわり着陸しなくてもよいようです。回転速度はそんなに速くないことを期待しているのかもしれませんね。

        というわけでざっと計算してみますと、簡単のためにACさんの仮定をそのまま使わせてもらいまして、人間が死なない限界のGを約10Gと仮定すると、許される回転速度はざっと毎秒0.29回転。ACさんのように翼の付け根から20mの箇所での速度を考えると、約36m/sec(= 130km/h = 72knot)。着陸速度どころか、最軽量時の失速速度すら余裕で下回ってしまいますね。普通の旅客機では無理でしょう。

        特許文書では他にも、場所が森なら木がクッションになるし、空き地や水面なら地面効果でさらに軟着陸ができるとか軟着陸計画(?)を展開してますけど、全体的に楽観的な空想という印象がぬぐえない特許ですね。とはいえ、他に類例がない、かつ、原理的に不可能とは言えない、わけで特許審査を請求したら通っちゃうんじゃないかなぁ(苦笑)

        ってかね、世界中で旅客機が主翼脱落用の爆薬と軟着陸用の下向きエンジンを抱えて飛んでいる光景を想像したら眩暈が……
        親コメント
    • by Su-37 (29115) on 2006年06月27日 13時21分 (#967761)
      > というか、機長が遠心力でやられそうな予感もある

      この着陸方法なら機長は爆破ボタンを押した時点で用なしな気がするけど。
      それともスピンしてる状態でも操縦できる?
      親コメント
  • その反作用が機体を水平スピンさせるような方向には作用のしようがないはずですが。

    …で、実際は残された方の翼の揚力で、 90度近くまでバンクした状態となり、そこで揚力が失われて墜落するだけでしょ。

    先の大戦では、片翌がもぎとられた戦闘機の墜落シーンが多数ガンカメラで捉えられてますが、軟着陸が可能と思われるような水平スピンは発生してなかったですねぇ。
    --
    --- Toshiboumi bugbird Ohta
    • 空中散布される植物の種子で、羽が一枚だけ付いてるタイプがある、

      これは、落下中に羽のねじれで回転が始まり、角運動量の増大につれて慣性主軸周りのフラット回転に移行し、揚力も増大してソフトランディングするという代物だ。

      片翼の飛行機でも適正な操作を行なえば、同様のことが可能なんだろうが、人間技で出来ることとは思えん。

      (かの日航機事故の後、垂直尾翼を失った場合でも操縦方法によっては安全に着陸することは、物理的には可能、というシミュレーション結果が出たそうだが、人間技では無理らしい)
      --
      the.ACount
      親コメント
      • 日航機事故での一番の問題は垂直尾翼が失われたことではなく、(4つの)油圧系統が全て失われたことです。

        垂直尾翼を失ったことによって方向安定性(風見安定)はかなり落ちましたが、それでも上反角効果が利くので風見安定がまったく失われたわけではありません。その証拠に墜落に至る経路図でループしているところ以外は「割とまっすぐ」になっています(ただし上反角効果しか利かなかったため猛烈な「ダッチロール(によく似た現象)」がおきましたが)。

        日航機事故と同様に油圧系統が失われた事故としては、「スー・シティー事故 [jst.go.jp]」があります。この事例では生き残ったエンジンの推力を調節することでなんとか空港までアプローチすることができています。ワシにとっては、空港までアプローチして、かつ過半数の乗客が生存できたことは「奇跡的」とすら思えます。

        親コメント
        • 大きくオフトピになってしまいますが参考までに。

          スーシティの事例は航空事故史上の奇跡とも言えるもので、乗員の努力といくつもの幸運によって6割もの乗員乗客の生還が実現できたものです。

          一番の幸運は非番の航空教官が客席に乗り合わせていたことで、彼は油圧が失なわれた機体の操縦についてシミュレータで訓練したことがあり、彼が機長たちに協力して機体のコントロールをなんとか確保することに成功しました。事故の後、このような事故からどのように生還し得るのかを調べるためにフライトシミュレータを使って同じ状況が再現されましたが、調査に参加した操縦士たち7チームのうち、空港まで辿りつけたのは1チームだけ、彼等も着陸には失敗という結果だったとか。
          (ごめんなさい、この事故後の調査については以前に読んだソースが手元になくて、数字は特に怪しいです。噂程度に読んでください)

          またその他の幸運としては、
          ・事故が昼間であり目視で操縦できた
          ・機体のコントロールを確保するために通常の着陸速度よりもかなり速い速度で滑走路に突っ込むことになったが、オーバーランした先が収穫を控えて茂ったトウモロコシ畑だった
          ・スーシティの空港は州軍(確か州軍だったと思います)の駐屯している空港で、彼らの手によって迅速な救助活動が可能だった
          ・事故が起きたのが病院のシフト交代の時間にあたり、病院に通常の倍の人員が待機していた
          ということが挙げられます。これらの幸運が重なって6割もの生還が実現できました。

          通常は油圧が失なわれることは、ほとんど絶望的な、致命的な事故です。
          親コメント
      • >片翼の飛行機でも適正な操作を行なえば、同様のことが可能なんだろうが、人間技で出来ることとは思えん。

        イスラエルのF-15が訓練中に衝突して片翼ほぼ全損の状態でちゃんと
        着陸してたりしますね。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2006年06月27日 16時29分 (#967942)
          片翼で帰還くらい96式艦戦だってやってます。
          別にF15のオハコというわけではなく、 飛行機にとって主翼の1枚くらいはどうということはないのです。翼面加重の小さい戦闘機の場合は特に。
          垂直尾翼は致命的(全日空機の場合はこっち)なので、 損傷の予測される軍用では双垂直尾翼が重宝されるわけです。
          親コメント
          • >飛行機にとって主翼の1枚くらいはどうということはないのです。翼面加重の小さい戦闘機の場合は特に。

            どうということはない、ワケが無いじゃない。揚力半分になるうえ非対称形態になるというのに。

            > 損傷の予測される軍用では双垂直尾翼が重宝されるわけです。

            双垂直尾翼は、大面積の垂直尾翼を構造・寸法的に無理が無いよう2枚に分けておさめるとともに、
            高AOA時に垂直尾翼が胴体の影にかからないようにし、高AOAでも方向安定を損なわないための手法であって、
            予備のためとか損傷を予測してとかじゃありません。
            親コメント
          • >飛行機にとって主翼の1枚
            飛行機たっていろんな形があるんだから
            とくにF15なんて胴体がある程度翼の役割を果たしているので揚力は問題ではなく
            バランスがすごく悪いのに着陸まで操縦しきったパイロットがすごいと思う

            旅客機が主翼(エンジンごと)失ったらほぼ墜落間違いないのではないでしょうか
            むしろエルロンやラダーが動かなくても、スロットル操作である程度操縦できるのに
            翼ふっとばしたら自爆でしか無い気がします
            親コメント
        • by Anonymous Coward on 2006年06月27日 17時18分 (#967978)
          F-15はそれなりに安定性のある戦闘機ですから。
          それに戦闘機は飛行特性にかかわるエンジン出力の割合が大きいし、もともと操縦性のマージンも大きいし。
          (例えば旅客機じゃあ宙返りが出来たら完全に設計ミス)

          F-16以降の戦闘機であれば、基本的にもっと不安定ですから逃げたほうが無難。
          ってよりも、今の戦闘機って期待が無傷だったとしてもコンピュータが死んだら制御できないでしょう。

          まあ、旅客機はそれなりに安定性はあるでしょうけど、エンジンの出力の割合は低いし反応も遅いしそもそもの自由度も低い。
          って事で難易度は高いでしょうね。

          が良く良く考えると、燃費優先で尾翼の小型化(不安定化)をFBWで制御してって今のやりかたの機体って、形状的にはフラットスピンの危険性が高くなっているので、じつはこの案、それなりに使えたり。

          って言っても、フラットスピンでしやすいってのと、その状態で安定して回転し揚力を得られるってのは違うと思うが。

          親コメント
      • > (かの日航機事故の後、垂直尾翼を失った場合でも操縦方法によっては安全に着陸することは、物理
        > 的には可能、というシミュレーション結果が出たそうだが、人間技では無理らしい)

        たしか、コンピュータ制御の自動操縦で可能になってるんじゃないかな?

        イラクで、DHLの貨物機がミサイルで攻撃されて
        片方のエンジン、補助翼を(昇降蛇も制御不能だったか)
        失ってスロットル操作だけで見事着陸しました。
        親コメント
      • # 他でも言及がありますが、こちらに…

        > 空中散布される植物の種子で、羽が一枚だけ付いてるタイプがある

        荷重に対する気体(流体)モデルが全く異なりますよね。メタファーを使うべきじゃないと思うけど、海水の中で片翼な飛行機が墜落(というか沈没)するくらいの状態だと、旋回を始めるかも。

        # ま、液体なので圧縮はないわけですが…
        --
        --- Toshiboumi bugbird Ohta
        親コメント
    •  ジェット旅客機の場合エンジンは主翼についているので、片側の主翼をパージすれば、残った翼の分だけしかエンジンが残らないからでは?

       その場合、残った主翼側に推力が偏ることになるので、パージした翼の方向に機体から少しはなれた場所を中心に回転することになると思われます。
       このとき、揚力は片側の主翼のみから得られることになりますので、翼側が上に傾いたまま回転し続けるのではないでしょうか。
      #左右のバランスが崩れた紙飛行機が回転しながら落ちていくような感じではないかと

      --
      しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
      親コメント
  • by SteppingWind (2654) on 2006年06月27日 14時15分 (#967822)

    出来る, 出来ないの議論をする以前に, 松の種っていう実例が存在しますよね.

    ただ, 実際にこれを人工物で再現するのは難しいみたいです. 基本的な空力原理はこちらのページ [hatena.ne.jp]に図が出ていますけど. これをさらに飛行機の片翼で実現しようとすると, さらに高難度になるでしょうが.

  • by Anonymous Coward on 2006年06月27日 13時08分 (#967739)
    Engadget経由だったり、同じネタでもEngadgetで紹介された後に/.Jで紹介された(もちろん逆もあるが)ネタが気になる今日この頃、皆様如何がお過ごしでしょうか。

    # でも/.Jはそれなりにコメントがつくことに価値があると思うのでAC
  • by Jango (29897) on 2006年06月27日 13時54分 (#967802)
    カエデの種子 [wikipedia.org]みたいな感じ?

    コントロールが効かないと思うんだが・・・
  • by nikomi (28640) on 2006年06月27日 14時27分 (#967832)
    要するにこういう [google.com]こと?
    ちなみにこの事故による死者数は見た目ほど多くはなかったそうです。

    詳細はこちら [wikipedia.org]
  • やっぱり (スコア:2, おもしろおかしい)

    by eoh (28525) on 2006年06月27日 14時36分 (#967836) ホームページ 日記
    まわってまわって落ちちゃうんでしょうか。
    --
    言葉は刃物。使いようでどうにでもなるものさ。
  • by numa (4467) on 2006年06月27日 22時27分 (#968126) ホームページ 日記

    アメリカ海軍の グラマン F8F ベアキャット [zaq.ne.jp] 戦闘機には, 非常時に翼端を吹き飛ばして機体の安全を図るという革新的な機構がついていたのですが, やっぱり動作しなくていいときに動作して墜落事故を起こし,最終的には廃止されています.

    こういう機能は,うまくいかないと相当悲惨なことになるので,まあ採用されないでしょうな.

  • なんというか (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年06月27日 13時22分 (#967764)
    乗客乗員総タイムショック状態になるわけか・・・
    自動車のエアバッグと同様、「死ぬよりゃマシ」的な機能なんでしょうかね。

    で、実際に試験したんでしょうか、コレ?
  • 片方の翼を爆破したら、もう片方の翼を上に、旅客部分を下にして落下しそうな気がしてならない。
  • by 37A (12754) on 2006年06月27日 13時42分 (#967787) ホームページ 日記
    旧海軍の96艦戦 [e-city.tv]や、イスラエル空軍のF-15 [wikipedia.org]の例のように
    片翼でも、フツーに着陸できたほうが…いいよねぇ…
    --

    ----------------------------------------
    You can't always get what you want...
  • ・・・超巨大なねずみ花火、ですよ?
  • 本当にパイロットは実際に、この機構のトレーニングを実機で行うの?

    片方のエンジンを止めて片肺飛行のトレーニングは、やってるだろうけど、実際にこの機構を
    作動させてトレーニングさせるにしては、どこでやらせる?

    #フライトシュミレーターだけでは、訓練になるとは思えんのだが。
    --

    /* Kachou Utumi
    I'm Not Rich... */
  • 旅客機の下に位置する家々の方々への影響は無視ですか。そうですか。
    --
    MIYAZAKI Yasushi
  • シチュエーションも良く分からないし原理もちょっと…
    翼は残して利用したほうがまだ軟着陸できるだろうし。
    推進力を回転力に変える事によって速度を落として被害を少なく…
    って書いてあるようですがそれは手裏剣ですか。被害は増えそうな気がしますが。

    というか、Claimsの5番、
    > 5. Any means to slow the descent of the airplane by utilizing retro-rockets or jets under the fuselage.
    > The downward thrust of the retro-jets will soften the landing.
    「機体の下部にロケットを取り付けて下向きに吹けば着陸の衝撃も和らぐ」ってアナタ。

    # 個人的には、「人型ロボットに変形して着地する」ぐらいじゃないとハァハァできない。
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Stableって古いって意味だっけ? -- Debian初級

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