パスワードを忘れた? アカウント作成
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光化学的にパスワード認証する分子 29

ストーリー by mhatta
またへんなものを 部門より

oddmake 曰く

LiveScience.com記事によると、イスラエルWeizmann Institute of ScienceAbraham Shanzer教授らのグループが「パスワード」を認証する機能をもつ分子を作ったそうだ。ほぼ、電子錠のキーパッドに相当する機能であると研究者は説明している。
この錠に対して、酸、塩基、紫外線といった刺激の組合せを3分以内に正しい順番で与えると青い光を放出するが、順番が違っていると、緑色の光を放出するという。これまでの同様の分子と異なるのは、刺激の種類だけでなくその順番にも反応が依存するため、刺激の順番(パスワードに相当する)がわからないと正しく反応させることができないのだという。研究者らはこの分子は光パルスの長い配列にのみ反応するといった、より複雑なデバイスの基礎となるだろうとしている。
この研究成果はJournal of the American Chemical SocietyのWeb版12月19日号にも掲載された。
分子レベルの機構は、とても現在の/.J読者ではハックできないとは思うが、こういう「デバイス」を利用したアレゲが登場すると想像するのは楽しい。

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  • by Anonymous Coward on 2006年12月30日 10時45分 (#1084716)
    化学屋です。
    元論文読んでない(Abst.だけじゃ・・・)んですが、耐久性ってどうなんでしょうね。
    会社にいけばJACSあるんだけど。

    たぶん有機なリン光材料ってことだと思うんで、禁酸素、禁水なデバイスで。
    それも、あんまり耐久性があるようには見えないですねぇ。
    いや、それはそれで、暗号(?)強度が高まっていいのか。

    ハックするには、色と模様がわかればいいかな。
    印刷した偽のデバイス持って行っても認識してくれそうな気がする。
    色が経時変化するなら複製は難しいけど、ただの発光だけなら反射でも同じでは?
    • それもそうなんですけど、この錠前から、合鍵を簡単に作ることができない(パスワードを再生成できない)と言うことは保証できるんでしょうか?
      ブルートフォース攻撃を防げるようにも思えないし。
      親コメント
    • よくわかりませんがPDFは見えるようですよ。

      流し読みですが、FRETによって発光波長を制御するようですね。
      化学屋の技術としてはあまり目新しいわけではないです。
      XORゲートも作れているようなので、将来的には分子コンピュータが(違

      「刺激」は10uLぐらいで済むようですが、100回繰り返したらもう
      1mLになるわけで、その点でも可用性が低そうです。
      まさかディスポーザルでも無いでしょうし。

      ま、かなりアレゲで./的であることに異論はないですが。
      親コメント
    • 論文ちょっと読みました。

      水が多いと鉄が外れてしまうと思うので、水と酸で簡単にハックできそうですね。
      失敗すれば分子が壊れるとかなればまだいいかも?
  • by Anonymous Coward on 2006年12月30日 12時17分 (#1084747)
    > 刺激の順番(パスワードに相当する)がわからないと正しく反応させることができない

    たまにはいつもと違うやりかたってのも燃えると思うんだけど…
  • 酸・塩基・紫外線 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Eric Benton (31791) on 2006年12月31日 12時47分 (#1085054)
    なるほど。酸・塩基・紫外線ですか。
    伸縮性のある袋状の丈夫な高分子シートを用いた認証デバイスに応用できそうです。

    つまり、太陽が燦々と照りつけるビーチで、

    1)封を切って紫外線に晒す
    2)最初は酸性
    3)フィニッシュでアルカリ性

    これを順番に行うわけですな。
    しかも3分以内に。
    --
    Medu Lah! en' gula vrechen d' MOL! ~箇更なる高みで廼の困惑を姜す
  • 光学部分に光ファイバ突っ込んだり、認証デバイスからマザーボードに向かうバスをいじくると分子をいじらなくても認証突破は出来そうですけどね。
  • by eukare (2230) on 2006年12月30日 11時00分 (#1084718) 日記
    サイモン [wikipedia.org]を思い出した。
  • by onnoji (27294) on 2006年12月30日 11時05分 (#1084720)
    組合せを与えるって事は、今までのパスワードと何が違うのか…。
    数字や文字等が刺激に置き換わっただけに思えます。

    #ていうか光を映して照射したらどうなるんだ?
    • by Anonymous Coward on 2006年12月30日 11時40分 (#1084734)
      順番によって反応が変わるっていうことは、
      記憶(履歴)を持っているわけで、
      おそらく、分子コンピューティングの
      分野からの発展なのだと思います。

      分子コンピューティングは、
      圧倒的な並列可能性があることが
      その特徴なわけで、現在の認証システムよりも、
      総当たり攻撃が容易になる可能性が
      ありそうな気がします。
      親コメント
      • 分子コンピューティングが始まった10年ほど前は確かに超並列性がクローズアップされていましたが,その後その超並列性の制御自体が非常に難問であることがわかり(ってわかってる人は最初っからわかってたのだろうけど),当面はその方向へ研究・技術がすすむことはなさそうです.

        ので

        > 圧倒的な並列可能性があることが
        > その特徴なわけで、現在の認証システムよりも、
        > 総当たり攻撃が容易になる可能性が

        というのは,当面は「低い」と思われます.
        (元論文を読んでないので,想像に過ぎませんが.)

        ここ5年ほどの分子コンピューティングの話題の中心は,自己組織化を利用した計算原理(タイリング)や,それをさらに利用したナノテクや再生医療などへの応用へと移っています.
        親コメント
      • by the.ACount (31144) on 2007年01月16日 16時02分 (#1092596)
        たぶん、特定波長の光を受けて対応するエネルギーギャップの遷移が起こり、励起された電子がその準位にいる間だけ次の遷移のための特定波長の光を感じる・・・といった具合に次々と決められたエネルギー配列の光を感じるようになってるんだろうが、励起電子の寿命を短くしとけば電子回路では模倣できないほどの高速パターン入力にできるだろう。
        ただし、その高速パターンを発生させるための鍵が電子回路では作れないことになるから、それも分子内カスケードで特定配列のエネルギー光子を発生できるようなものを開発しなければならない。
        それは当てがあるのかな~
        ま、それができて不安定だったり超微量で作動するようにできれば分析困難な鍵になるだろうだね。
        --
        the.ACount
        親コメント
  • 将来的に化学物質にパスワードを設定できるようになる可能性を示したってことでは。
    ちょっと例が平和的じゃないのですが、銃弾自身にパスワードロックを掛けられれば、3点バーストまでの銃弾とフルオート可能な銃弾を別々に持たせれば、銃弾の節約と緊急時の火力を両立できたり。
  • ・「青」と「緑」で近い色だけど、経年劣化は大丈夫なんだろうか?
    ・で、青と緑の発光を検出するのは電気回路でやるの?

    化学回路/化学工学というのはアリなのだろうか...。
    --

    ---
    TaddyHatty - always @( posedge ↑ or negedge ↓ )
  • by Anonymous Coward on 2006年12月31日 11時18分 (#1085043)
    光パルスの長い配列にのみ反応する
    2つのビット列を連続して食わせるとNAND結果を返す分子とかもできるのかな?
    それができるならあっという間にコンピュータ作れそうね。
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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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