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番組ネット配信への布石? 著作権法改正の動き 45

ストーリー by mhatta
総論賛成各論賛成 部門より

mty 曰く

asahi.comの記事によれば、政府の知的財産戦略本部は、出演者と連絡がとれず事前に承諾を得ることが難しい場合でも、過去のテレビ番組をインターネットなどで再配信できるように著作権法を改正すべく検討を始めた。
具体的には、出演者らの承諾を得る「相当な努力」を払っても連絡が取れない場合には未承諾でも再利用が可能とし、業界に対しては出演者や著作権者が見つかる前でも使用料を供託した上での再利用を奨励。テレビ番組に関しては再利用を前提にした契約ルールの確立を求める方針。

このような再配信促進のほかにも、国内ネット検索ビジネスを推進するということで、著作権者の承諾無しに著作物のキーワードや索引の編集・利用を認める法改正も議論されているようだ。コンテンツ・ビジネスに精通したプロデューサーや弁護士など人材育成にも取り組むとのこと。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2007年01月22日 11時23分 (#1096063)
    先日『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』(ISBN 4822245543)という本を読みました。
    テレビ局がコンテンツを死蔵させる理由として、もったいぶることでテレビ放送の価値を上げる、
    つまりテレビ番組がコンテンツ化や再放送されるかが不明なので、視聴者をテレビ放送に惹きつける
    ことになる、といった趣旨のことが書いてありました。
    ネットでテレビコンテンツが大々的に楽しまれるようになると本放送を見る時間が減って視聴率が
    下がり、広告収入も減ってしまいます。視聴率が下がるのに、テレビ局はわざわざ手掛けたくないでしょう。

    幸いなことに、現状では「権利の処理に手間がかかる」という言い訳が通用していました。
    今回の法改正はそういう言い訳を封じる効果を狙っているのでしょう。
  • 需要無視の“内情”を露呈した「YouTube 対 テレビ局」 [cnet.com]

    ちょうど参考にできる文章がCNETにあがっていたので。
    気になるのは2ページ目の真ん中あたり、
    普通の人がニュース映像でTVに顔を出したとき、ネットで配信されることは想定していませんね。
    そんな場合、承諾得なくても使用OKという決まりがあると、結果として悪いことも起こりえます。

    #具体例女性専用車両について女性客の感想とそれに対するミルコ・クロコップのコメント [google.com]
    #もちろん、ネタだってことはわかってますよ?でも、一般人はネタにされることを了承したわけではない。
    #だからCNETの記事ではそこでややこしくなりますよ、といっているわけで。

    • 昨日のNHKのグーグル特集を見た時に感じたことですが、コンテンツという視点で言えばgoogleはコストゼロでコンテンツを調達しているんですよね。というのは、googleが検索結果として表示しているページにリンクされているhtmlページは、インターネットの黎明期で言えば、それこそ、このスラドにいるような人達が、自助努力のために作ったLinuxのコマンド集のような情報がインターネット上にある情報の全てで、それは決してgoogleがお金を払って作って貰ったものでは無かった。

      じゃあgoogleそれ自体には全く価値はないのかというとそんなことはなくて、過去の情報を蓄積してその中から"今"必要な情報を導き出すという、思考のもっとも基本的な仕組みを再現していると言うところに価値がある。つまりAIのプロトタイプとも言うべき物がそこにあると思う。いわば現代のHALとも言えるんじゃないかと。人類はSFで描かれたHALを得ることは出来なかったけれど、代わりにインターネットを得たわけです。さらに加えてこういう言い方が許されるならば、googleの価値というのはgoogleという検索窓から見た、インターネット上にあるコンテンツの価値の総和というとらえ方も出来るわけですよね。

      結局何が言いたいのかと言えば、例えば梅田望夫を筆頭にして親コメントのCNETのコラムニストのような人達は挙ってgoogleが、インターネットが、世界を変えるんだ、既存のメディアを壊すんだと言う。そして既存のメディアがインターネット世代の情報消費の仕方に対応し切れていない、需要無視の経営姿勢は許せない、悪いのは既存のメディアだと言うけれど、ホントにそうだろうか?

      例えばyoutubeを見ていると、これでもかと言うほど著作権を侵害しているテレビ番組や映画やアニメが溢れているけれど、それはインターネットの黎明期からネット上に存在していた"タダ"情報だけでは、今のネットユーザーは満足しきれなくなってきているという事じゃないだろうか?毎日のようにテレビの代わりにyoutubeを見るようになって自分が思うのは、youtubeにも素人が撮影した面白い動画がある一方で、テレビ局やアニメ制作会社やらが沢山お金と人材をかけて作り出しているコンテンツが如何に素人に真似が出来ない位、質の高い物なのかと言うことだ。

      問題なのはここからで、googleやyoutubeのようなインターネットサービスはさらなる拡大を目指して、今まで"タダ"で落ちていたコンテンツに飽きたらず、お金をかけその投下資金を回収する事を初めから意図して作り出したコンテンツにまで手を伸ばし始めた。Googleの仕組みからいっても検索するための分母となる情報は多ければ多いほど、質が高ければ高いほど良いに決まっているから。

      ただ著作権者達も黙っていない、なぜならGIGAZINE級のアクセス数でも、AdSenseでペイするのは無理である [gigazine.net]ことから分かるように、インターネットは儲からない事を知っているから。インターネットメディアは今までコンテンツは原価ゼロで仕入れてきたという歴史があるせいで、コンテンツ作成者が求めるだけの対価を払える構造になっていないと思う。2chのひろゆき氏が「市民メディアはマスコミに勝てない」 [itmedia.co.jp]と言った意図の本質もそこにあると思う。Youtubeで何百万回見らてそこにどれだけ需要があったとしてもお金がそこから生み出されなければ、それで食ってるコンテンツ作成者にとっては誰にも見られなかったのと同じなわけで。

      特にアニメ業界の現状を含めて考えるとそんな結末にならないか不安に感じます。 番組ネット配信がはじまって十年後、昔は質の高いコンテンツを作るところがたくさんあったよね。なんて思い出話になる可能性もゼロじゃないわけです。このCnetのライターは随分高圧的に「需要無視の内情を露呈」なんて言ってますが、現状に対して一方的な視点でユーザーの需要無視だとか何とか言うのは言いがかりじゃないの?と思う。
      親コメント
      • >特にアニメ業界の現状を含めて考えるとそんな結末にならないか不安に感じます。
        >番組ネット配信がはじまって十年後、昔は質の高いコンテンツを作るところがたくさんあったよね。
        >なんて思い出話になる可能性もゼロじゃないわけです。

        それは、別にネットの有無とは関係なく置きうる事態だとは思いますよ。
        今の商業アニメを巡るビジネスモデルというのは商社なり広告代理店なりが核になった「制作委員会」がスポンサーとなって沢山のお金を集めて、集まったなかのごくわずかな割合のお金でアニメーション会社が制作を行っている状況が殆どですよね?
        その結果、「2話で7000円弱」なんつー客を馬鹿にしたお値段をDVDに付けて売らないと(制作委員会が)ペイできないようなことになり、消費者の手に届きにくい、一部のマニアしか買えないアニメ作品が殆どになってしまった訳ですよ。

        # やっと、最近4話で6,000円程度が普通になってきたので(OVAはともかく)、少しは
        # マシになりましたが、まだまだ、趣味の多いワーキングプアにとっては高いお値段な訳で

        そういう「コンテンツ商法」が続く以上は、正直コンテンツの質自体が先細りするのは避けようがないと思いますよ。
        最低でも、制作に実際にかかわっている現場の人間に労働成果以上に十分な報酬を出してもまだ、制作会社自体が黒字にできるような金の配分がされないと、日本のコンテンツは先行き暗いでしょうね。

        >この Cnetのライターは随分高圧的に「需要無視の内情を露呈」なんて言ってますが、現状に対して
        >一方的な視点でユーザーの需要無視だとか何とか言うのは言いがかりじゃないの?と思う。

        正論ではないですか?
        件の「制作委員会」を例に出すのならば、商社や広告代理店(や一部の放送局)がボロ儲けして、実際に制作する人達の大半やコンテンツを視聴する人達は一向に(経済的に)幸せにならないで搾取されつづけているんですから、「需要無視」云々でも、まだ言葉として甘い方だと思いますけどね。
        親コメント
        • 件の「制作委員会」を例に出すのならば、商社や広告代理店(や一部の放送局)がボロ儲けして、実際に制作する人達の大半やコンテンツを視聴する人達は一向に(経済的に)幸せにならないで搾取されつづけているんですから、「需要無視」云々でも、まだ言葉として甘い方だと思いますけどね。

          これを見て、自分達でアニメを作ってYouTubeに流してDVDを販売するというのはどうか?と思った。そして自分で、「それなんてTYPE-MOON?」という突っ込みを思いついた。

          ……しかしその手のものはほとんど成功しないというのが現状だから厳しいなあ。

          --
          LIVE-GON(リベゴン)
          親コメント
      • cnetの記事はさほど高圧的には読めませんが、熱くなりすぎでは?

        > インターネットメディアは今までコンテンツは原価ゼロで仕入れてきた
        > という歴史があるせいで、コンテンツ作成者が求めるだけの対価を
        > 払える構造になっていないと思う。

        反証:iTunes Store

        > 番組ネット配信がはじまって十年後、昔は質の高いコンテンツを
        > 作るところがたくさんあったよね。
        > なんて思い出話になる可能性もゼロじゃないわけです。

        どんな試みも失敗する可能性はある、それはあたりまえのこと。
        新たなビジネスモデルを否定する理由にはならない。
  • by Anonymous Coward on 2007年01月22日 11時31分 (#1096067)
    著作権法というと、昨年12月1日に文部科学委員会を通過したダウンロード規制を含む改正著作権法案が気になっています(http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009616520061201006.htm)。

    同月15日には、IPマルチキャストの権利問題円滑化と著作権侵害時の罰則強化がセットで国会を通過したり、著作権法まわりは、表向きな規制緩和の裏で、着々と個人に対する規制強化が進んでいるように思います。

    著作権法を巡る情勢には以前から注目していますが、今回も番組ネット配信や検索エンジンへの配慮を盾に、こっそり同じような動きがあるのではないか、と邪推してしまいます。
  • 建前 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by druaga (13366) on 2007年01月22日 10時12分 (#1096025) 日記
    もろにビジネスの推進が目的と書かれると、もう勝手にやってくれ
    という気分になりますね。
    建前でもいいのでユーザーの利便性のためとか書けないのだろうか。
    • Re:建前 (スコア:3, すばらしい洞察)

      by akiraani (24305) on 2007年01月22日 10時24分 (#1096035) 日記
       ビジネス推進は別にかまわないと思いますよ。
       著作権法は文化の発展のための法律ですから、ビジネス推進が手段であっても問題はありません。

       私的録音制度にしろ保護期間延長にしろ、著作権がらみで問題になっていたのはビジネスを推進するあまり文化の発展をないがしろにする方向で著作権法を悪用されてることに問題があるからです。今回の場合は死蔵された著作物を救う方向に話が進んでますので、健全な方向への改善といえますよ。
      --
      しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
      親コメント
      • by astro (17245) on 2007年01月22日 11時16分 (#1096058) 日記
        いや、そうじゃなくて。

        druagaさんは、この前にあった「保護期間の延長」などの、権利保護強化の
        動きとの違いについて言っているのではないかなと。
        あの時は散々建前を立て並べてたけど、要するに著作権者(必ずしも
        著作者じゃないことがミソ)が、これでもっと商売させろ、ってことですよね。
        だったらそうはっきり言えばいいのに、作者のモチベーションがどうとか
        建前だらけでうんざりしてる人は結構いたでしょう。

        そして今回は、そのものずばり、ビジネスしやすくしましょ、って
        言っちゃってるわけですからね。
        親コメント
        • by Anonymous Coward
          そのビジネスがWin-Winで展開されるのであれば、 なんら嫌悪感を抱く理由はないのですけどね。
    • by little( (31297) on 2007年01月22日 13時00分 (#1096140) ホームページ 日記
      ビジネスってのは、ユーザーも含めてだと思うんだけど。
      この件では、ユーザー不在のビジネスはありえないんだし。

      なので、ビジネスの推進ってのは、ユーザーの利便性と権利者の権益、どちらか一方だけを優先するわけじゃなく、
      両者がうまくかみ合う妥協点を探す事でしょ。

      今回検討している、著作権法を改正案だって、ユーザーの利便性を無視しているようには見えないよ。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      別に、「何の権利も持たない第三者が野放図にばら撒ける」ことを目指したわけじゃなし、ビジネス推進で問題なかろう。
  • by Anonymous Coward on 2007年01月22日 10時28分 (#1096037)
    供託する団体を新設かJASRACにやらせてさらなる利権ウマーってやりたいだけじゃないか?
    • by Anonymous Coward on 2007年01月22日 12時01分 (#1096089)
      いやね、役人が甘い汁を吸うこと自体はかまわないというか、いちいち目くじら立ててもしゃあないのよ。やるなと言ったところでやる奴はやるわけだし。

      問題は、やってることが国民に与える利益と損害のどちらが大きいかっつーことであって、今回の話に限っていえば利益の方が大きそうだと思うわけよ。
      親コメント
    • > 利権ウマーってやりたいだけ

      君こそ「利権ウマー」って叩きたいだけ、なんだろうと思うけど。

  • by Anonymous Coward on 2007年01月22日 10時53分 (#1096053)
    もう本当に、頭下げるからJASRACのような管理体制についてもちょっとは話し合ってほしい。
    • Re:お願いだから (スコア:3, すばらしい洞察)

      by kawaz (15398) on 2007年01月22日 11時25分 (#1096064) ホームページ
      「話し合ってほしい」
      なんて具体性の無いお願いしたら、
      「話し合ってみました。やはり著作権料をガッチリ取れる法整備が必要ですな。」
      みたいな明後日の方向の回答(結論)を出されて終わりでしょう。
      親コメント
  • 価値がないに等しい著作物だと、売却もされずに残ったまま会社が消滅とか。
    かなり多いでしょう。
    自然人にすると、身寄り無く亡くなったような感じですか。
    ないもの探せというほうが無理な話で。
    悪魔の証明ってやつ?ですか?
    •  なんか以前書いた覚えがあるんだけど、著作権者たる法人が解散していて、残余財産が国庫に入っていればパブリックドメイン [e-gov.go.jp]ですね。
       問題はそこまでいちいち丁寧に追跡できるのか、ですが。
      (でも法人なら登記があるから追跡は可能だろうな。個人だと……)

      # 著作権はパブリックドメインになったことを証明するのが難しい……。

      --
      Nullius addictus iurare in verba magistri
      親コメント
    • >自然人にすると、身寄り無く亡くなったような感じですか。

      (自然人の)著作権所有者が亡くなった場合、著作権を継承する者を
      捜すのは非常に困難です。
      著作権に関して遺言がある場合は遺言で指定された者が著作権を有するのですが、
      遺言状は一般に公開されるたぐいの文書でないので、第三者にしてみれば誰が
      遺言で著作権を相続したか判りません。
      また、遺言状がない場合は民法の規定によって親族が著作権を相続しますが、
      相続人が誰であるかは戸籍の調査が必要になるので司法書士なり弁護士への
      依頼が必要になり、ちょっとでもややこしい場合は(行方不明人がいたりする
      ことも多い)数ヶ月の時間と10万円を超える費用が必要になります。
      身より無く亡くなった場合でも、そのことの証明は必要ですから、それには
      結構な時間とお金がかかってしまいます。

      著作権ゴロがのさばるような法改正は許せないけど、今回の法改正は、著作権所
      有者を捜す労力を大幅に軽減させてコンテンツの流通を円滑にするという目的
      のようなので、個人的には賛成です。
      親コメント
      • by oguma (17986) on 2007年01月24日 17時26分 (#1097592)

        (自然人の)著作権所有者が亡くなった場合、著作権を継承する者を 捜すのは非常に困難です。

         実務経験者です。

         文藝家協会では会員が亡くなられた場合、ご遺族に問い合わせを出し、継承者を登録していただけるようお願いしていました。
         が、それでも追跡できないケースが少なからず見られまして、ご遺族と連絡が取れなくなることも珍しくありませんでした。分かっている限りは毎年刊行している文藝年鑑に収録しておりますが、決して十分ではありません。

         著作権の管理を業務としている団体ですらこの有様ですので、そうでない法人や個人の場合、著作権の継承を追跡するのは極めて困難だと言わざるを得ないのが現実です。
         裁定制度を含む、利用者の利便向上のための法制は、もっと拡充されても良いのではないかと考えます。

        --
        Nullius addictus iurare in verba magistri
        親コメント
  • 視聴率低下には他局に取られるというパターンもあると思うのですが、「スカパーやケーブルテレビの影響で視聴率が低下したから数を減らせ規制しろ」という主張は見ないですね。
    コンテンツをネットに取られると視聴率が下がるという主張だけ目に付くのは気のせいでしょうか。
    • テレビ局が気にしてるのは、テレビCMの視聴率ですよ。
      ネットはテレビCMの資料率をゼロにしてくれちゃうから脅威なの。
    • >コンテンツをネットに取られると視聴率が下がるという主張

      違法コンテンツを無くそうって意見は見るけど、ネットのせいで視聴率が下がったなんてのは聞いたこと無い。
  • by Anonymous Coward on 2007年01月22日 10時09分 (#1096023)
    正月お色気番組アーカイブスキボンヌ
    最近ないんだよなぁ…
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長期的な見通しやビジョンはあえて持たないようにしてる -- Linus Torvalds

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