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食用肉の脂肪からバイオディーゼルを生産する試み 46

ストーリー by Acanthopanax
脂→油 部門より

prankster 曰く、

CNET Japanの記事によるとアメリカの食肉加工大手Tyson Food Serviceは石油大手のConocoPhillipsと提携して食肉(牛、豚、鶏)の脂肪からディーゼル油を製造販売するプロジェクトに着手した(TysonのプレスリリースConocoPhillipsのプレスリリース)。両社はこのディーゼル油を "Renewable Diesel"と呼んでおり、特長として次の点を挙げている。

  • 炭素排出量の低減ができる
  • 国内で再生産可能な原料を用いることによりエネルギー上のセキュリティを向上できる
  • 現状の車両で使える
  • 現状の製油所と販売システムが使える
  • 精製所品質管理システムにより確実な製品品質を保証できる

(つづく...)

両社が指摘している通り、<二酸化炭素→植物→食肉用動物(脂肪)→バイオディーゼル油→二酸化炭素>のサイクルが完成すれば化石燃料の消費と異なり二酸化炭素の環境負担は低減される。また、従来捨てていたりした脂肪の有効利用という観点からも好ましい試みだろう。記事によるとこのバイオディーゼル油は石油由来のディーゼル油に比べて高価だが、1ガロンにつき50セント~1ドルの補助金をつけてもらえば充分に価格競争可能だという。1年間で1億7500万ガロン(約66万2000キロリットル)のバイオディーゼルが生産できると見積もっているそうだが、これはアメリカの年間消費量の1%程度にしか満たない。しかし、世界最大の化石燃料消費国であるアメリカでこのような試みが商業ベースで行われようとしているのは良いことではないか。

……誰ですか?俺の脂肪も有効利用して欲しいなんて思っているのは?

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  • by pongchang (31613) on 2007年04月19日 20時39分 (#1145298) 日記
    新鮮な食肉から新鮮な油脂を新鮮なうちにバイオディーゼルにして新鮮なうちに使い切る事が大切です。腐るんです。脂肪酸の酸化が進むサンディドライバーでなく、毎日、空にして殆ど空になってから、翌日使う最小限の量だけ給油する。ウナギ屋さんタレのように継ぎ足すと、古いやつがガムのようになります(グリースみたいなもの)
    これがエンジンフィルターに詰まります。フィルターの交換をマメにしましょう。
    それから、触媒が含酸素燃料である脂肪酸メチルエステルに則したNOx向きのものをチューンしてないと、排ガスが汚くなります。バイオエタノールでオゾンが増えると言いますが、バイオディーゼルでも反応残りのメタノールが混ざるとホルムアルデヒドが増えます。その処理も大切です。
    京都の経験 [meti.go.jp] [pdf [meti.go.jp]]
  • by akiraani (24305) on 2007年04月19日 19時36分 (#1145265) 日記
     エネルギー事情は一気に明るくなることでしょう。特にアメリカでは。

    #IT業界でも恩恵は大きいのではなかろうか……。
    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 20時02分 (#1145276)
    鯨害を防ぐという意見を取り入れ、
    燃料用途の捕鯨が再開される訳ですね
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 20時12分 (#1145280)
    燃料軽油の消費量と比べて微々たる量しか、獣脂とか廃食油はでないですよね。 だったら、ややこしいプラントが必要で、触媒とかアルコールとかの添加が必要で、廃棄物も出て(グリセリンとか分離した酸とか)しまうBDF化よりも、暖房用の石油バーナーで燃やす技術を作る方が楽ちんじゃないかなぁ。 暖房用の石油が節約できたって、燃料用の軽油が節約できるのと同じだけのCO2削減になるんだし。
  • まぁ、アメリカで豚バラ肉が手に入るのはチャイナタウンぐらい [honya.co.jp]らしいので、そりゃ、脂肪の多い肉を処分する方法を考え出す必要が有るんでしょうねぇ……。
    もったいないお化けが出そうな気も……。

  • 直接牛に (スコア:3, すばらしい洞察)

    by black-hole (9124) on 2007年04月20日 12時40分 (#1145625) ホームページ 日記
    車を引かせたほうが良くなくね?
    --
    -------- tear straight across --------
  • by unyuchan (22065) on 2007年04月19日 19時46分 (#1145270)
    アメリカの食肉加工は4社が独占して大工場で処理しているので
    廃食用油を集めて回るよりはるかに効率がよさそう
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 19時47分 (#1145271)
      ・ 炭素排出量の低減ができる
            ・ 国内で再生産可能な原料を用いることによりエネルギー上のセキュリティを向上できる
            ・ 現状の車両で使える
            ・ 現状の製油所と販売システムが使える
            ・ 精製所品質管理システムにより確実な製品品質を保証できる

    ・食肉として輸出できなくなってもエネルギーとして輸出可能
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 20時02分 (#1145277)
    タイソンっていうと労組委員長に衛生管理が悪いと告発された [nissyoku.co.jp]とか日本向けでない牛肉を誤って輸出した [yomiuri.co.jp]とかいうニュースが思い出されて、くるまがBSEに感染するんじゃないかしらんとか不安に、というつまらない冗談はさておき。

    当然のことながら太陽エネルギーを化学エネルギーに転換する際、穀物を食って育った家畜から加工するよりも穀物から直接加工したほうが転換効率は優秀であり、現在北米ではエタノールの原料としてトウモロコシが大量に使われるようになった結果、トウモロコシの相場が上がるような現象も起きているようです。

    とはいえ、人間が食肉を消費する限り、副産物としての廃脂肪は大量に出続けますから、これを単に焼却処分するよりはディーゼル燃料に加工して消費した方が、そのぶん化石燃料の消費を抑えられて好ましいようにも思えます。

    しかしながら1ガロンあたり50セントの補助金が必要ということは、単に処分する場合と比較してそれだけ余計なコストがかかっているということであり、その過程で余計なエネルギーを消費しているものと思われますが、節約できる化石燃料と比較してどの程度のエネルギーを使っているんでしょうかね。
    貯めておくことの難しい電気エネルギーを貯めておきやすい化学エネルギーに転換することにもメリットはありますから、話はそう単純でもないのですが。
    • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 21時16分 (#1145321)
      >しかしながら1ガロンあたり50セントの補助金が必要ということは、単に処分する場合と比較してそれだけ余計なコストがかかっているということであり、その過程で余計なエネルギーを消費しているものと思われますが、節約できる化石燃料と比較してどの程度のエネルギーを使っているんでしょうかね。

      「競争力のための補助金の額=余計なエネルギーコスト」というみなしは、国内のガソリン価格を政策的に低く抑えているアメリカの場合は必ずしもあてはまらないかと。

      アメリカは国民にとってわかりやすい豊かさの指標として、どんな貧しい世帯でも最低自家用車一台は持てるよう、ガソリンにかける税率を他の先進国に比べて政策的に低く設定しています。
      (おかげでアメリカは人口一人あたりの自動車保有台数は世界一ですし、原油価格が上昇すると税率引き下げによる吸収余地が少ない分、国内のガソリン価格がもろに影響を受けて国民の不満に直結しやすい構造になっています)

      だから逆転の発想で、別に補助金によらずとも化石燃料にかける税率を引き上げることによっても代替エネルギーが競争力を持てるようになるはず…なんですが、経済界寄りでしかも産油地帯のテキサス州が地盤の共和党のブッシュ大統領には絶対できない話ですね。
      (まあアメリカの場合大統領がかわったとしてもあやしそうですが)
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 19時48分 (#1145272)
    とうもろこしを燃料の原料にしたおかげで、
    原産地の住民はとうもろこしを食べることができなくなったの
    知ってる?

    今回のターゲットは動物。
    やばいんじゃないの?
    さぁ、想像力を働かせてみよう!
    • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 19時59分 (#1145275)
      トウモロコシやサトウキビと違って、捨てられていた/無駄にアメリカ人を太らせていた、余剰脂肪の利用だから事情は違うと思います。

      今回の顧客としてのターゲットは「脂肪を取り除いたヘルシーな肉」を欲しているアメリカ人の方々ではないかと。その結果として脂身が燃料油になることに何か問題でもありますか?
      #脂身が燃料油になると困窮する人でもいる?
      親コメント
      • 肉を育てるためにまた穀物を使うから、
        あちらを立てればこちらが立たず、状態になるのだと思います。
        (肉にした時点で穀物がだいぶ使われているんですよね。)

        脂肪取る→肉ヘルシー→肉消費増→穀物減
        になるのか、穀物がバイオエタノールになるのかという違いだけかと。
        親コメント
        • by Dumarest (25156) on 2007年04月20日 10時09分 (#1145512) 日記
          >(肉にした時点で穀物がだいぶ使われているんですよね。)
          かなり使いますからね。 参考までに家畜ごとの飼料効率の一覧おいときます。
          ※飼料効率 = 肉一キロ作るのに必要な飼料の量(この場合の飼料はおそらく穀物)
          鶏2kg、豚3~4kg、牛8kg
          [webでの資料]
          http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/Butaniku.htm [odn.ne.jp]
          http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/Toriniku.htm [odn.ne.jp]
          まぁ牧草なら問題少ないのですが、今は穀物での飼育が主ですし。

          ただ今回はオイル目当てに肉を作るわけでもないと思いますので
          大量に廃棄している食肉場からだけでも回収利用できれば十分じゃないかと。
          …なんか本当にてんぷら油とかと同じイメージになってきましたw
          親コメント
        • 穀物からもエタノール取れるとか、穀物取った肉からディーゼル取れる、死骸から原油が取れると、連鎖のどこから分岐してもとりあえず燃料作れるというのはメリットだよね。

          それに補助金つけるんだから無秩序っていうこともなくて、食料戦略からでもエネルギー戦略からでも状況に応じてバランスの取れる調整をすることが出来る可能性が生まれるんだよね。

          まあ油種違うし、そこまですんなりうまく行くわけもないんだろうけどさ。
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 19時51分 (#1145273)
    廃物利用→供給量が不安定→実効性に疑問
    穀物利用→穀物相場高騰→影響範囲大

    技術は開発を進めればなんとかなるとして、運用面の見通しの暗さが何とも…
    そういうのを研究してる機関はないのかな?
    • 原油由来の燃料と混ぜて使えれば問題ないでしょ。そもそも、100%バイオ燃料でなければいけないなんて誰も言ってない訳で。エンジン側で受け入れられる混合比の幅が広ければなお良し。

      物流も考えると「E3とE10をスタンドの貯蔵施設で混合して販売」とか「100%バイオ燃料と100%化石燃料を混合して販売」(昔の2サイクル用かよっ!)とかが認められないと、そもそも普及しそうも無いし。

  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 20時18分 (#1145284)
    大丈夫なんかなあ、うちらこういうことようわかれへんねんけど、大丈夫なんかあ?
    知合いの理科のセンセーが、「プリオンなんて掟破りやろ、あんなん出てきたときはびっくりしたー」って言ってたけど、そういう”後でビックリ!”なんてことあれへんやろなあ?
    なんてゆうか、その、車から出てくるスス吸ったら脳味噌スポンジになるとか、そういう恐いことあれへんやろなあ。
    いや、うちの考え過ぎかもしれへんけど、気になるなあ。
    うちらが大人になるころには大騒ぎになってたらいややなあ。
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 20時41分 (#1145299)
    帝(ラテン語:Caracalla、186年4月4日 - 217年4月8日)は古代ローマ帝国皇帝(在位:211年 - 217年)。
  • by Anonymous Coward on 2007年04月19日 21時52分 (#1145340)
    全体のエネルギー収支として、節約になるとは思えないんだが。
    エサである穀物をまず生産して、それを設備の整った畜舎で牛豚鶏に投入して十分に肥育し、やはり設備の整った工場で処理し、肉と脂肪とを分離してさらに精製してやっと燃料に使える。
    エサである穀物生産に投入されるエネルギー、肥育中の屎尿処理だとか病原体との隔離に必要なエネルギー、設備維持に必要なエネルギー・・・

    これでどうして、全体としてCO2削減やエネルギー節約になるのか、どなたか教えてください。
    • Re:理解不能 (スコア:1, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2007年04月19日 23時40分 (#1145387)
      原油の埋まっている油田をまず掘削して、それを設備の整ったポンプで十分に採取し、やはり設備の整ったパイプラインやタンカーで輸送し、タールやアスファルトを分離し精製してやっと燃料に使える。
      油田の採掘に投入されるエネルギー、輸送だとか安全管理に必要なエネルギー、設備維持に必要なエネルギー・・・

      ……よりも、バイオ燃料の方が全体としてCO2削減やエネルギー節約になるという試算なのでしょう。
      親コメント
    • by miyuri (33181) on 2007年04月20日 8時39分 (#1145479) 日記
      ・肉の生産を停止し、大豆に切り替える
      ・米国人の寿命を短くする

      この方が効率的だね。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        その「寿命が短くなったおかげでより大量に生産される事になった」太った米国人から精製される油は? 生で土に埋めると、土壌汚染になりかねませんよ??

        というわけで、おっしゃるような事をした場合でも、やはりこの技術は必要なのです :p
    • by Anonymous Coward
      まさか燃料を生産するために牛豚鶏を育てるわけがないでしょう。

      無駄に廃棄されていた脂肪の化学エネルギーを燃料として有効利用するという事だと思いますが。
      • by Anonymous Coward
        回収コスト等との折り合いは?
        一ヶ所に集めるだけでも“燃料”要るよね。
        • by Anonymous Coward
          心配しないでも屠殺場や食肉工場などのドナドナ先は、一定の場所に纏まった規模でありますよ。

          この頃良くある場内のフォークリフトの燃料なんかを、ってんであればそれなりに使えるんじゃないの?

          まあ、生産効率にも依るんだけども。

    • by Anonymous Coward
      穀物が食べられないなら、ケーキを食べればいいのに。

      By マリー・アントワネット

      じゃなくて、麦ワラとかの草を食わせればいいじゃん。
  • by Anonymous Coward on 2007年04月20日 2時44分 (#1145448)
    ガマの油…は燃料には使わないっけ。
  • by Anonymous Coward on 2007年04月20日 9時06分 (#1145483)
    ガソリンだろうが食用油だろうが、全部「あぶら」で済ませてしまう鹿児島の人間はこのことをずっと前から予言していたんだよ!

    #上京してきて「車に油入れに行ってきます」っていったら「オイル交換?」と言われたかごんま出身なのでAC
  • by Anonymous Coward on 2007年04月20日 11時59分 (#1145600)
    なんつうか、人間の業ここに極まれりって話だなぁ、、
    積極的に殺す訳ではないんだけど、極論すると、動物の死体をもやして移動すると、、
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