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15968 story

希少元素の代替材料技術を探せ 101

ストーリー by mhatta
ていうか役割分担? 部門より

jonykatz 曰く

文部科学省と経済産業省が、 希少元素および金属の代替材料開発に関するプロジェクトを開始しているようだ。 文部科学省では「元素戦略プロジェクト」として 希少元素や有害元素を使わなくても高い機能を持つ物質・材料を開発することを目的とし、 経済産業省の「希少金属代替材料開発プロジェクト」では情報産業分野で需要が増大することが確実なインジウム、ディスプロシウム、タングステンの3希少金属に目標を絞り、5年後に「透明電極向けインジウム」、「希土類磁石向けディスプロシウム」、「超硬工具向けタングステン」の代替材料、使用量低減技術の実用化を目指すとのことだ。 元素戦略プロジェクトの採択一覧希少金属代替材料開発プロジェクトの採択一覧も参考まで。

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  • by kabutch (30040) <kabutch@gmail.com> on 2007年07月23日 9時51分 (#1194442) 日記
    中国はタングステンなどレアメタルの生産量が多く、日本も多くを中国からの輸入に頼っていること、しかもその中国ではそれらを一種の「戦略物資」ととらえて輸出制限を行なったり、国内産業に多く回したりすることを考えているので、その対抗策なのかもしれません。
    石油危機のときに原子力や太陽光など新エネルギーに転換したり、省エネをすすめたりするのと同じ発想ですね。
    • by bero (5057) on 2007年07月23日 21時35分 (#1194904) 日記
      レアメタルが禁輸になる日 中国商務部ウェブサイトが掲載した“本音” [nikkeibp.co.jp]

      「すべてのレアメタル(希少金属)及び圧倒的多数の製品を完全に輸出禁止商品に位置づけ、高付加価値製品の輸出品についても重税を課すなどしなければ、大量流出の事態を変えることはできない」と中国商務部(日本でいう経済産業省か?)のウェブサイトに掲載
      親コメント
  • 産地の問題 (スコア:3, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2007年07月23日 10時00分 (#1194450)
    経済産業省:
     
    インジウム、ディスプロシウム、タングステン等の希少金属については、これからの成長分野である情報家電、ロボット、電池等の新たな産業分野の拡大により需要が増大する見込みです。しかし、一般的に特定産出国への依存度が高いこのような希少金属については、市場メカニズムが必ずしもうまく機能しない可能性を有し、その供給リスクは経済成長の制約要因となり得ます。


    一方でその産地というと。
    「これからの北朝鮮ビジネス」より
    http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/190217.htm [asahi-net.or.jp]

    韓国と中国はタングステンの大産出国である。この2ケ国
    がタングステンの産地であるということは、北朝鮮もタングステン
    の一大産地である可能性が高い。事実、アメリカが資源探査衛星で
    確認した所、軍需産業に欠かせないタングステンは、世界の埋蔵量
    の半分が眠っているといわれる。


    http://kichan.blog.ocn.ne.jp/kcapital/2005/08/post_b4f6.html [ocn.ne.jp]
    コピペサイト

    レアメタル(希少金属)の国際価格が軒並み高騰している。産地は中国などに偏在し、供給が安定しない。世界消費の二―三割を占めるレアメタル消費大国の日本はほぼ全量を輸入に頼り、高騰の直撃を受けている。
    |(中略)
    輸出減少の理由の一つは経済成長に伴う内需の拡大にある。昨年のタングステン需要は日本の七千百五十トンに対し二万五千四百五十トン。一九九五年に千五百トンだった両国の差は一万八千三百トンに拡大した。
     一方で大雨による浸水や電力不足、汚水に代表される環境問題から鉱山の操業停止も起きている。その結果、中国政府は内需優先の姿勢を強めている。


    #別に中国だからというわけではなく、資源国の戦略の一つなのかも。
    #そして今回は輸入側の対策の話と思うAC。
    #(ナウルみたいに枯渇したら破産というケースよりましかもw)
    • Re:産地の問題 (スコア:5, 参考になる)

      by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2007年07月23日 12時51分 (#1194587) 日記
      まあレアメタルって偏在してますからね.
      以下数年前のデータ(レアメタルなどは産出量が少ないため,数パーセント程度の
      産出量はすぐ上下しますし,新鉱山が開発されると結構変わります)ですが,元素,
      主な用途,主な生産国と世界全体の生産量に占める比率です.

      ・プラチナ:触媒(排ガス浄化,石油化学,各種有機化学,燃料電池,水素関連等)
            PtとPdはすさまじく多種の反応に使え,触媒最強の座を争う2元素.
       南アフリカ 70%,ロシア 20%

      ・パラジウム:触媒
       ロシア 45%,南アフリカ 40%

      ・ニッケル:合金,触媒(Pt,Pd等の代替として研究が推進中)
       ロシア 25%,カナダ 15%,オーストラリア 15%

      ・クロム:合金材料(クロム鋼)
       南アフリカ 50%,インド 20%,カザフスタン 15%

      ・モリブデン:合金
       アメリカ 30%,チリ 30%,中国 20%

      ・マンガン:電池,合金材料
       オーストラリア 30%,南アフリカ 15%,ガボン 10%

      ・タングステン:タングステン鋼など合金材料
       中国 90% ロシア 5%

      ・バナジウム:Cr-V合金など
       南アフリカ 45%,中国 30%,ロシア 25%

      ・コバルト:磁性材料,合金など
       コンゴ 25%,ザンビア 20%,オーストラリア 15%

      ・インジウム:ITO電極(透明電極)材料で液晶などで利用.日本の消費量は
             世界全体の60%程度.亜鉛の精錬時の副産物.
       中国 55%,日本 15%(昨年鉱山を閉鎖しゼロへ)

      ・アンチモン:触媒,電極材料,合金への添加剤
       中国 80%,ロシア 10%

      ・各種希土類:合金,磁性材料
       中国 90%

      良く話題に上るロシア,中国,南アフリカはさすがですね.
      レアメタルは戦略物質ですので当然産出国は自国での利用を優先しますし,場合によっては
      供給を絞って価格の高値安定を狙います.
      対する我々は,(アメリカと合わせると世界のレアメタル消費量の70%とか使っていたこと
      からもわかるように)大消費国なわけで,一部の国に生命線を握られたままってのは厳しい
      状況ですし.
      #レアメタルはいわゆる高付加価値・先端材料で多用されており,日本の得意な各種産業は
      #これが無くなると立ち行かなくなります.
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年07月23日 12時41分 (#1194579)
    研究員A「所長!ついにタングステンの代用足りえる物質の合成に成功しました!!」
    所長「おお、それは素晴らしい。ではプレスリリースの用意をしなければな」
    研究員B「その素材ですが………」
    所長「なんか問題があるのか?」
    研究員B「うちのシンクロトロンをぶん回して合成できたので量産はムリです」
    研究員C「むしろ、未知の超々ウラン元素発見のリリースのほうがよいでしょう」
    • by Anonymous Coward on 2007年07月23日 16時25分 (#1194734)
      某年某月、スラッシュドット
      Oliverによる 実にめでたい部門より jonykatz 曰く、
      研究所の発表によると、豊富なレアメタル代替物質が次々と発見されたそうだ。
      代替レアメタルが出来た事で、インジウム、ディスプロシウム、タングステン
      はお払い箱になる見通しで人類の発展はこれからだ!

      三人娘を守れ(スコア:5, すばらしい洞察)
      ACのコメント
      インジウムたん、ディスプロシウムたん、タングステンたんを守るんだ!
      何がめでたい部門だ、Oliverはレアメタルたんたちの気持ちを考えろ。

      何がこれからだよ(スコア:-1, フレームの元)
      ACのコメント
      jonykatzって何?
      >人類の発展はこれからだ!
      レアメタルたん達を、冥王星たんと同じ所に葬ろうとしてるだろ?

      re:何がこれからだよ(スコア:3, おもしろおかしい)
      Oliverのコメント
      >冥王星たんと同じ所に葬ろうとしてるだろ?
      それはそれでハァハァ
      親コメント
  • by Anonymous Cowboy (6205) on 2007年07月23日 9時42分 (#1194427)
    れ、劣化ウ…いやなんでもないです
  • by Anonymous Coward on 2007年07月23日 10時35分 (#1194475)
    東北大と産総研ばっかりですね。

    これは募集しても集まらなかったんで、文科省の担当者が
    慌ててコネの効くところに依頼したってことですかね。
    前途多難な感じ。
    • by Anonymous Coward on 2007年07月23日 10時51分 (#1194491)
      >東北大と産総研ばっかりですね。

      この手の「即実用」って研究では、他の機関に比べそこの二か所(金研、産総研)が群を抜いて積極的ってのも。
      基礎になるとわりといろんな大学が手を出すんですが、実用に近い研究でかつ企業と組んでとなると、その
      二か所に集約されがちです。
      日頃から企業との共同研究を良くやってるんで、互いに声をかけやすいってのが効いてるとは思います。
      この手の「金はかかるが本当にものになるのかは怪しい」って研究だと企業単体ではやり辛くなりますので、
      公的機関を巻き込んで今回のようなプロジェクトをやるということになるのですが、その際日頃からよく
      共同で研究している相手には話を持って行きやすいわけです。
      研究機関側としても、企業側の知り合いが多ければ「こんな話があるんですがやってみませんか?」と聞き
      やすいですしね。
      親コメント
  • by gonta (11642) on 2007年07月23日 15時30分 (#1194705) 日記
    ・プリウスのハイブリッドシステムの、どっかに使われている部品が希少元素で、見通しが・・・らしい。
    ・液晶は、表面が透明な電極でこれも希少元素。知人は7年前に「数年内に無くなる」と言っていたが、まだあるらしい。ただ、最大産出国がロシアで、最近の「全部俺のターン」的ロシアの動向だと、どうなるかわかったもんじゃない。有機ELでもこの元素は必要らしい。

    半導体って、ケイ素(Si)だから安くできてた。仮にこの特性が金でしか現れなかったら、半導体製品って高くなってるだろうなぁ。
    --
    -- gonta --
    "May Macintosh be with you"
    • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2007年07月23日 16時37分 (#1194743) 日記
      >・プリウスのハイブリッドシステムの、どっかに使われている部品が希少元素で

      バッテリはニッケル水素.ニッケルはレアメタルで(まあ多い方だけど),近年価格が急上昇.
      リチウムイオンにしたとしてもリチウムもレアメタル,電極に使えるマンガンやコバルトも
      レアメタルと,最近の高性能バッテリはみんなレアメタルの塊.

      さらに(自動車全般がそうですけど)排ガス浄化触媒はプラチナ・ロジウム・パラジウム
      (+その他)を組み合わせたもので全部レアメタル.ほぼすべてロシアと南アフリカ産.
      その触媒を担持している助触媒はジルコニウムとセリウムの酸化物でどちらもレアメタル.
      ジルコニウムはわりとオーストラリアが多めであと南アフリカとか.セリウムは中国の
      独壇場.

      モーターに使われている磁石には希土類元素が.これもレアメタル.で中国.

      >・液晶は、表面が透明な電極でこれも希少元素。

      インジウムです.透明電極はITO(Indium-Tin-Oxide).
      発光部分を挟んで両側に電極つけにゃならんので,片側は必ず透明な電極である必要があります.
      ITOはそこそこの導電性を維持しながら可視領域での透過性が高いので多用されてます.
      レアメタルを避けようってんで最近では酸化亜鉛ベースで何とかしようと研究中.

      >最大産出国がロシアで、

      インジウムに関しては世界の産出量の約半分が中国.
      ロシアは少なめ.
      日本は豊羽鉱山でたくさん取れていた(世界第二位)ものの,浅いところを掘りつくして閉鎖.
      親コメント
    • by cassandro (6035) on 2007年07月23日 19時41分 (#1194846)
      > 半導体って、ケイ素(Si)だから安くできてた。仮にこの特性が金でしか現れなかったら、
      > 半導体製品って高くなってるだろうなぁ。

       自動車に半導体製品を搭載する事に対して否定的な意見を述べていた大昔のASCIIの記事を思い出します。曰く、半導体は重量当たりの値段が金と同じなので、高過ぎて使えない云々。それでも整流用のダイオードは使われていたんですがね、その頃には既に。

       シリコン自体は化合物として非常にありふれた物ですけど、単体でそれも11N(99.999999999%)とかの純度にしょうとすると、とんでもない金が掛かる訳で。そうなると物質自体の値段の高低なぞあまり関係が無いかな、と思いますね。半導体工業で使うものは、水にしろ空気にしろ、他のありふれた薬品にしろ、結構良い値段ですしね。
      親コメント
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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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