統合失調症の発症原因となる遺伝子を同定 21
ストーリー by yosuke
次は予防策の研究を 部門より
次は予防策の研究を 部門より
統合失調症の発症には、遺伝的なものと環境的なものの両方が関与すると考えられている。理化学研究所の研究チームは統合失調症の発症に関与すると見られる遺伝子をマウスでの実験で突き止め、13日付の米科学誌PLoS Biologyに発表した(理化学研究所のトピックス、プレスリリース)。
研究を行ったのは理研の吉川武男チームリーダーを中心とするグループ。統合失調症では周囲の不穏な音を意識的にシャットアウトする「感覚フィルター機能」が弱まる症状が見られることから、この機能が高いマウスと低いマウスを掛け合わせた「孫マウス」の遺伝子を調べた結果、DHAなど不飽和脂肪酸と結合するタンパク質をつくる遺伝子「Fabp7」の発現が脳の発達期に前頭葉で低下しているとフィルター機能が弱まることを確認。なお、フィルター機能の弱いマウスでは、成体期に入ってからは逆にFabp7の発現が増加していた。
また、Fabp7ノックアウトマウスを用いて、この遺伝子の発現が低下すると神経の新生が少なくなることを突きとめた。さらに、人間の死後の脳を解析した結果、統合失調症患者ではフィルター機能の低いマウスと同様にこの遺伝子の発現が増えていたという。
これらから、妊娠中に不飽和脂肪酸を適切に摂取する事で統合失調症の予防が出来る可能性があるとのこと。
DHAつ〜と「頭が良くなる」って話は聞いた事ありますが、こんな効果も期待できるんですねぇ。
そして「あるある」へ (スコア:3, すばらしい洞察)
>DHAつ〜と「頭が良くなる」って話は聞いた事ありますが、こんな効果も期待できるんですねぇ。
# タレコミ文にモノ申すつもりはなくて。
こうやって程度や限界の情報は抜け落ちていくんだなー。と、納得。そしてしまいには「やっぱりDHAは脳にいいらしいよ」くらいまで劣化しそう。
Re:そして「あるある」へ (スコア:4, 参考になる)
もとのプレスリリースでの該当部分は
『今回の研究成果をもとにして、妊娠中の(必須)不飽和脂肪酸の適正な摂取が、統合失調症の発症予防に役立つかどうかを調べることが、今後の重要な研究ポイントになってくると思われます。またその際、FABP7の遺伝子多型と不飽和脂肪酸摂取状況という、遺伝的要因と環境要因との相互作用の観点も大切な課題となるでしょう。』
でしょうか。「不飽和脂肪酸の摂取で予防ができる可能性があるかどうかこれから調べます。」という段階ですね。なにごとも可能性はゼロじゃないという意味ではタレこみ文は間違っていないけれど、中立的な立場から見ると少し期待過剰というか、プラスに考えすぎというか。
情報はゼロかイチかで受け止めた方が楽ではありますが、そうすると重大な勘違いを犯す可能性も。最近はちょっとでも伝達者に都合のいい解釈ができると、さそれが事実であるかのように伝わってしまうことも多々あります。四捨五入じゃなくて一捨二入くらい?受け取る側としても発信する側としても気をつけなければ。
Re:そして「あるある」へ (スコア:0)
視聴者が踊るのは視聴者の問題で、発信者は事実を伝えることに専念すればよいと思ってます。
発信者が受け手の期待を煽ろうとしすぎたのが「あるある」だけど、「ウソ・大袈裟・紛らわしい」さえなければ問題はなかった。
そんな気がします。
#ウソを見抜けないのも情けないけど、ウソを言う方が悪いのは自明ですよね?
Re:そして「あるある」へ (スコア:1, すばらしい洞察)
「ウソ・大げさ・紛らわしい」が問題だったのに
それが無かったと仮定してどうすんの
# 恥の多い人生を送って参りました → 生まれてさえ来なかったら問題ありません。
Re:そして「あるある」へ (スコア:0)
…という論調はほんとうに頻繁に見かけるけれど、
「個々人の劣化が蔓延すれば、いずれは社会全体の劣化という形をとって自分の身にだってふりかかってくるかもしれない」
という視点も持ってほしいものだと思う。
#でないと私の身にもいずれふりかかってくるかもしれないし…。
Re:そして「あるある」へ (スコア:0)
個人的には二捨三乳くらいが趣味です。
# ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
心配後無用! (Re:そして「あるある」へ) (スコア:1)
現状は、その「しまい」まで到達しているように見えます。
これ以上の状況の悪化は、見込めないのではないでしょうか?
Re:心配後無用! (Re:そして「あるある」へ) (スコア:0)
「DHA、あれはいいものだ」が最低ライン。
Re:心配後無用! (Re:そして「あるある」へ) (スコア:1)
『DHAでガンが治る』
が最低だと思ってましたが。
# や、ここまでいくとボーダー割ってマイナス側か。
Re:心配後無用! (Re:そして「あるある」へ) (スコア:0)
それはそれで凄いんだけどね。
感覚抑制に関する複数の疾患 (スコア:1)
精神医学の分野では、感覚抑制に関するいくつかの現象が会ったと思います。
例えば、自閉症スペクトラム疾患では、感覚のフィルタリングに問題があったりします。(知覚過敏・知覚鈍磨という形で表れます)
或は、解離という現象では、通常とは違う、感覚の遮断が体験されます。
自閉症スペクトラムのスケールや、解離体験スケールには、遺伝的相関がありますし、
今回の、研究成果となんらかの関係があるかもしれません。
Re:感覚抑制に関する複数の疾患 (スコア:3, 参考になる)
ヒトでは関係ないといっても過言ではないですね.
マウスで絞り込んだ遺伝子をヒトで調べていますが,500人以上の患者を集めて調べても単独のSNPでは
あまり有為差がみられず,SNPを組み合わせてなんとか形になっている程度(Fig.6D)です.
これは「原因遺伝子」というには通常弱く,統合失調症の患者にみられる一傾向というのが公平な見方かも
しれません.
統合失調症を対象とした全ゲノムの解析はいくつかのグループが着手しており,大規模なプロジェクトも
進行中 [fnih.org]なので,こういった独立した実験で再現されることを期待したいと思います.
ただ,DHAやEPAを精神科の患者に投与するという実験はそれなりに歴史があるのですが,統合失調症に
ついてはほぼ否定的な結果になっています.
今回の研究で対象とした表現型である「感覚フィルター機能」は別に統合失調症に限った表現型ではない
ですし,不飽和脂肪酸は鬱病などには有効だと言う研究は出ていますので,FABPを調べるなら統合失調症
以外の精神疾患を対象にすればもっとよい結果がでたかもしれないのにと思います.
まるで統合失調症しか考慮していないような論文になっているのが不思議ですが.
kaho
統合失調症 (スコア:1)
DHAで頭が良くなるのは知らないな~。(「身体に必要」だけ )
the.ACount
不飽和脂肪酸を含む食品 (スコア:0)
Re:不飽和脂肪酸を含む食品 (スコア:1)
もしかして: トランス脂肪酸
Re:不飽和脂肪酸を含む食品 (スコア:0)
Re:予防策の研究 (スコア:2, 興味深い)
鎌形赤血球 [qole-acct.co.jp]みたいな例もあることをお忘れなく.
Re:予防策の研究 (スコア:0)
長期的なスパンで見れば、自然環境で暮らす際に不利な遺伝子よりも、文明社会で暮らすには不利な遺伝子が淘汰されるようになると思う。
Re:予防策の研究 (スコア:0)