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16818 story

牛糞からカーボンナノチューブ 22

ストーリー by Acanthopanax
炭素あるところ 部門より

pongchang 曰く、

カーボンナノチューブ(CNT)はさまざまな用途が期待されているが、その生産を家畜の糞由来のメタンガス(バイオガス)で行おうという研究が実証段階に入ったと釧路新聞(2007年12月5日付記事)が伝えている。経済産業省の地域新生コンソーシアム研究事業(pdf)に平成16年度17年度と採択されたバイオメタンのナノ炭素化及び炭素系複合導電材料の開発(pdf)の成果として、道東浜中町の農業土木会社である農基開発の子会社E・C・Oが、日本製鋼所室蘭製作所の構内でプラントの運転を開始するとのことであった。

(つづく...)

材料にバイオガスを用い、副製品としてできる水素を燃料に回し、低炭酸ガスで製造できる。40m3のバイオメタンから、8kgのCNTと30m3の水素が得られるという。E・C・Oの社長は「原料を確保できて、周辺住民がにおいを問題視しない環境が整っているので、ゆくゆくは浜中町内でやるつもり」というが、メタンにえり好みのない技術であるので、(メタン排出の多い)産油国などからも問い合わせがあるとか。

メタンガスそのものも温室効果ガスであり、牛糞の処理に浄化槽を使ってもバイオガスプラントを用いても、メタンを有効利用できないと仕方ない。ガスを作る所と使う所が異なり、需給のバランスが取りにくいバイオガス。高圧ボンベに詰めて輸送用に用いたり宅配(pdf)したりする方法も検討されているが、CNTのような高付加価値品を環境適合商品として提供できれば、幾分かの競争力を得られるかもしれない。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by keybordist (3572) on 2007年12月08日 20時39分 (#1262272) 日記
    牛糞を燃料にしてるところがありますが、
    そういうところにも使えますかね?

    というか、インドの農村にバイオガス収集設備を寄付、運用するだけで、
    糞を乾燥させる間に発生するメタンの放出量を大幅に削減できるから、
    CO2換算でとんでもない規模の削減効果が期待できそう。

    #それで得られた排出権を元手に新たなテーマの研究を起こすとか。
  • メタンガスからできるのであれば、地球温暖化の要因の一つでもある牛のゲップ [hokkaido-np.co.jp]も有効利用してほしいなぁ…同様に使えるなら…ですけど。
    問題は、どうやって「ゲップ」を効率よく収集するか…の問題が残るか。
    --

    /* Kachou Utumi
    I'm Not Rich... */
  • 何か違和感 (スコア:2, 興味深い)

    by SteppingWind (2654) on 2007年12月08日 21時16分 (#1262290)

    なんと言うか, 「牛糞からメタン」と「メタンからカーボンナノチューブ」ってのを脈絡なしにくっつけただけのような.

    これが許されるなら「牛糞からダイヤモンド」でも「牛糞からプラスチック」でも, あるいは「牛糞で火星に行く」 [c00lstuff.com]

    でもOKな気がするのですけど.
    • Re:何か違和感 (スコア:2, 参考になる)

      by gm_camouf01 (31675) on 2007年12月08日 21時28分 (#1262296)
      そうそう、牛糞からバニラ [srad.jp]くらいな話かと思えば…。
      意義が無いとは言わないけれど、ちょっとがっかりでした。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2007年12月08日 22時30分 (#1262328)

      とはいえ、メタンの継続的安定的な供給源というと、ガス井戸掘る以外に探すとこれくらいしかないかと思いますよ。

      牛は毎日毎日一年365日草食ってうんこしますし、それが日によって全く出なかったり数十倍のうんこが突然出るということもないですし。

      カーボンニュートラルなことも含め、もし本当に採算があうのなら有望なメタン源かなと。

      まあ、現実問題としては不純物が多すぎて工業的品質的にどうかということになるかと思いますが・・・

      親コメント
      • Re:何か違和感 (スコア:3, おもしろおかしい)

        by okky (2487) on 2007年12月09日 1時59分 (#1262418) ホームページ 日記
        メタンの継続的安定的な供給源というと、ガス井戸掘る以外に探すとこれくらいしかないかと思いますよ。

        人間

        特に繊維質を大量に摂取なさった人間

        便秘に良く効き、お肌もつやつや。ついでにお小遣いも手に入っちゃう…
        と、そのうち「ブルセラショップ」に代わる一大産業に…
        --
        fjの教祖様
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        で、コストがマイナス(処理料金を牛オーナーから取る)も考えられるからな。
        これが流行ったらバイオエタノールのように、糞が高価値->牛を殺さない->牛肉の値段が上がるとか、
        糞が高価値->たい肥業者と取り合い->肥料が高くなる->農作物の値段が上がる。
        なんてことも有り得るのかな
        • by Sukoya (33993) on 2007年12月09日 1時02分 (#1262399) 日記
          でも、別に牛糞自体がメタンガスじゃ無いですからね。
          豆腐を作ったらおからが出るみたいに、メタンガスを回収した後の牛糞は普通にたい肥にGO!でしょう。

          っても。すでにバイオエタノール云々で穀物の値段が上がっていて、牛の飼料の値段も跳ね上がってるんで有りますよね。
          下手をすれば、値段が上がる云々以前の問題になる可能性も……
          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2007年12月09日 1時07分 (#1262402)
          糞が高価値->牛を殺さない->牛肉の値段が上がる

          いやいや。たくさん糞が欲しければ飼育頭数を増やせば良いわけで、長生きさせる必要は無いでしょう。

          糞が高価値->たい肥業者と取り合い->肥料が高くなる->農作物の値段が上がる

          メタン発酵法は糞を跡形も無くメタンにするわけではなく、残渣が残ります。
          残渣をどうしているかというと、牧草などの肥料にする場合が多いと思います。従ってこちらもそれほど心配ないというか、むしろ肥料として引き取ってもらえない場合のほうが心配です。

          さらに言えば、これはそんな心配をするほど高付加価値の物を生むのだろうかという疑問も…
          財団法人室蘭テクノセンターのPDF資料にカーボンナノファイバーの電顕写真がありますが、もやっとした網状の物体で 配向性も無さそうです。カーボンナノチューブと言えば革新的なナノデバイスのイメージがあるかもしれませんが、 ああいうのは基板の決められた位置に決められた向きで作れて初めて機能するものですから、絡み合った塊みたいなナノファイバーの使い道は限られてくると思います。(上記の資料では電磁波シールド建材への適用を検討しているようですが。例えばアルミ箔に対して優位性があるんだろうか…)

          親コメント
          • by Anonymous Coward
            カーボンナノチューブといったら軌道エレベータだろ。
            • by keybordist (3572) on 2007年12月09日 14時55分 (#1262612) 日記
              >>カーボンナノチューブといったら軌道エレベータだろ。

              だから、長さがものすごく短くて、向きもばらばらになってるものをどうやって軌道エレベータにするのかと。
              軌道エレベータに必要なのは、一本で36,000kmのナノチューブであって、
              そんな長さが1mmも無いようなものなんて、
              自転車のカーボンフレームやゴルフクラブに混ぜ込んで子供だましに使うのが精精。

              このプラントから、長大なナノチューブを取り出そうとしたら、
              結局、石油から作るほうが安いし、確実性も高いと思うが。

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          • by Anonymous Coward
            >板の決められた位置に決められた向きで作れて初めて機能するものですから

            現状主に(実用を見据えて)研究されてるのは単なる材料としての方が多いかと。
            配線材料/ナノデバイス材料としては、他のナノデバイス系と同様配置法がないため基礎研究
            どまりですが、材料としては高熱伝導性材料、電磁波シールド材などで一部実用化まで行って
            います。(チップの樹脂パッケージなどに使われる場合もあります)

            金属単体と比しての利点は、樹脂埋包とすることで絶縁性の高熱伝導/電磁波吸収材として
            使えることや、加工温度が低くていい(樹脂を加工できる程度の温度でよい)ため高温をかけ
            られないような素材の被覆等でも利用できることなどがあります。

            また、まだ(多分)実用化までは行っていませんが繊維に織り込む技術だとかCNT自体を織って
            布状にするだとか電場/磁場中で分散させて整列させる(これは一部実用例あり)なんてのも
            可能になってますので、素材としての利用はまあ進むんだろうと思います。
    • 日本には (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2007年12月08日 22時43分 (#1262340)
      「風が吹くと桶屋が儲かる」という例があるので、なんら違和感を感じませんw
      親コメント
  • 牛糞だけに (スコア:2, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2007年12月09日 14時32分 (#1262594)
    牛糞だけに、「カウフンナノチューブ」なんちて。

    #さすがに恥ずかしいのでAC
  • 「うまのふん」は何に使うんですか?by DQプレイヤー
    --
    -- gonta --
    "May Macintosh be with you"
  • by pongchang (31613) on 2008年08月31日 14時54分 (#1412982) 日記
    CNTの強度を生かし、強化材としてモルタルに混ぜ込めるように改良。モルタルの強度を従来の一・七倍に高めた。生産プラントは北見工大と日本製鋼所などが、国の委託を受けて技術開発したもので、月約百六十キロのCNT生産が可能になったという。[北海道新聞 2008-08-31 [hokkaido-np.co.jp]]
  • by Anonymous Coward on 2007年12月08日 22時52分 (#1262348)
    牛糞先物取引なんて市場が出来そうだ

    #バニリンも抽出されたし,今度はカーボンナノチューブだもんなあ
  • by Anonymous Coward on 2007年12月09日 5時03分 (#1262458)
    どっかで聞いた話に似てるとデジャブを感じたけどこれだったか。
    http://www.youtube.com/watch?v=J13VQXFHazE [youtube.com]
typodupeerror

犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

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