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医療

白血球を使用した癌治療が臨床試験段階に 16

ストーリー by nabeshin
がん治療最前線 部門より

capra 曰く、

白血球の顆粒球を使用した癌治療が臨床試験段階に入るとのことです(scientificblogging.com本家記事)。マウスを使った実験では、癌に耐性を持つマウスから採取された顆粒球を癌のマウスに輸血することで、癌を根絶できることが分かっています。研究を率いているZheng Cui氏曰く、マウスでは進行の速いタイプの大きな悪性腫瘍も根絶することができたので、人間でも同じ効果がでることを期待しているとのことです。さらに、研究では健康な人間の顆粒球の抗癌作用はマウスよりさらに強いことが示唆されているとのこと。なお、臨床実験では500人の健康なドナーの中から白血球の抗癌作用が高い100人をスクリーニングし、癌患者にその顆粒球を輸血するというかたちで行われるそうです。

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  • 白血球ソムリエ(オフトピ) (スコア:5, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2008年07月02日 15時53分 (#1374961)
    >白血球の抗癌作用が高い100人

    そこで白血球ソムリエですよ!

    「Aさんの白血球は、輸血後からバリバリ活動し、短時間で花火のように消えていく・・」
    「Bさんの白血球は、穏やかに効き始め、草原を吹き渡る風の香りが・・」

    当たり年とか、ビンテージとか、もう百花繚乱ですよ。
  • 癌の種類 (スコア:5, 参考になる)

    by Led (7726) on 2008年07月02日 16時17分 (#1374982) 日記
    いろいろなものを使って癌細胞をやっつける話はよくニュースになりますが、実用化までいく話は多くはないですよね。医学に携わる人から大分前に聞いた話なんですが、「癌」と一口にいっても実は遺伝性のものと、正常細胞に薬品をぶっかけて発生したようなものとはかなり性質が違うことがあって、その他いろいろな分類があるそうです。それで、昔からウイルスで癌細胞をやっつけるような話は研究されているですが、ごくごく特定の種類の癌にしか効果がないことがよくあり、なかなか万人に使える方法にならないんだとか。

    それで、今回の手法はどんな癌について実験したかに気をつけて元記事を読んでみたところ・・・

    >The team has tested human cancer-fighting cells from healthy donors
    >against human cervical, prostate and breast cancer cells in the laboratory
    >– with surprisingly good results.

    子宮頸癌、前立腺癌、乳癌の癌細胞を人間の白血球がうまくやっつけたという結果は既にあるようですね。マウスと試験管の中ではうまく行ったので今度は人体内でもできるかな?ってことに見えます。
    生殖器を中心に見ている気がしますが、呼吸器とか消化器とか、体外のモノによく触れる器官の癌にもつかえるのかなあ。なんとなく生殖器とか乳癌は遺伝ぽい気がするけど、肺とか胃とか皮膚とかは体外要因(吸い込んだモノ、食ったモノ、紫外線とか)に大きく左右されそうだし。

    なお、今回の話は以下のように
    >"The difference between our study and the traditional white cell therapy
    > is that we're selecting the healthy donors based on the cancer-killing
    > ability of their white blood cells," said Cui.
    「白血球の抗癌作用が高い人を選ぶ」ことが新しいという話ですので、白血球(の中の顆粒球)自体は前から注目されてたけど、誰の白血球でもいいわけじゃないってことがわかった、というのがポイントのようです。
    • 自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で培養して増やし、再び体に戻すという療法は、広く免疫療法と呼ばれ様々な亜種があります。高度先進医療のひとつとして実施している例も多く、それ自体は珍しくないです。自身の細胞を戻すだけなので副作用も少なく、抗がん剤と併用しておこなっている人もいます。

      今回は驚くことに他人の白血球を使うんですね。白血球を取り除かない血液を輸血すると輸血後GVHDなどの重篤な拒絶反応を起こす場合があることが知られています。そのあたりの折り合いをつけられるかどうかが、実用化の鍵なきがします。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        自身の血液から免疫細胞を取り出し、体外で培養して増やし、再び体に戻すという療法は、広く免疫療法と呼ばれ様々な亜種があります。高度先進医療のひとつとして実施している例も多く
        記憶を元に書いているから違ったら指摘してほしいけど、この免疫療法とやらは、効果なしってことでもう高度先進医療の対象からはずされたんじゃなかったっけ?自分の血液で癌が消えたら世話ないっていうか。
    • by Anonymous Coward
      「血液の癌」とも言われる白血病には、この治療法は有効なのだろうか。

      癌化した白血球と、癌をやっつける白血球の戦いが始まる?

      #すいません、白血病をよく知らないのでイメージだけで書いてます。
  • 総入歯 (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年07月02日 14時59分 (#1374924)
    数年前、血管新生阻害物質(アンジオスタチンとかエンドスタチンとか)でマウスの癌が根治した!
    とかで話題になった治療法はどうなったんだろう?
    人を対象とした臨床実験に入るとか言っていたが。その後トンと話を聞かないところを見ると、試験の結果は
    思わしくなかったのだろうか。
    • Re:総入歯 (スコア:2, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2008年07月02日 15時34分 (#1374947)
      ためしてガッテン情報によれば実用化されているみたいなことを言っていた。
      だけど、進行を遅らせるだけで根絶できるわけではないので過度の期待も 出来ないとも言っていた。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        あれま、マウスの場合だったら直ったのに、人間の場合は進行を止めるだけだったのですか。
        それは薬代がかさみそうだ。なんか製造が難しいという話も聞いていたし。

        はっ、もしかして癌の根治療法がでてくると困る医療関係者や製薬会社の陰謀・・・
        あれ、ドアをノックする音が、こんな時間に誰だろう?
        • by Anonymous Coward
          クッキーとお茶でも持ってきたんでしょう。
          まだ、おやつ時だから。w
          • by Anonymous Coward
            欧州からの書き込みだったので、早朝でした。
    • by Motohiko (15295) on 2008年07月03日 7時50分 (#1375499) ホームページ

      「アンジオスタチン」でぐぐって一番上に次のようにあります。
      アンジオスタチン、エンドスタチンの行方 - 癌の情報Tips [goo.ne.jp]

      癌の血管新生を発見したJudah Folkman氏が研究を続けてきた初の血管新生阻害のペプチド薬アンジオスタチン、エンドスタチンは、2004年2月、Entremedから Children's Medical Center Corpにライセンスが移り、実質頓挫することとなった。

      (中略)

      アンジオスタチン、エンドスタチンが実用化できす、商業ベースに乗せることができなかった理由としては、安定性に欠け、生産、保存、輸送が非常に難しかったことや、毎日注射しなければならないこと、等がある。

      「抗血管新生治療」でぐぐると一番上に次のようにあります。
      拡がり始めた抗血管新生治療のマネージメントを理解する:日経メディカル オンライン [nikkeibp.co.jp]

      2007年6月に日本で承認された、血管新生阻害作用を持つ初めての抗癌剤である抗VEGF抗体ベバシズマブ(商品名「アバスチン」)。

      アンジオスタチン、エンドスタチンそのものの開発は頓挫したようですが、同じアプローチは継続して行われている模様。
      # ぐぐっただけ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      ヒント: 解読不可能な暗号 [srad.jp]とか可逆圧縮で1/100 [srad.jp]とか永久機関 [srad.jp]とか常温核融合 [srad.jp]だったら誰でも詐欺だとわかるけど、スラドを見ている医者の数はプログラマほど
  • by Anonymous Coward on 2008年07月03日 4時44分 (#1375471)
    「癌に耐性を持つマウス」というのも凄いと思うけど、
    「癌に耐性を持つ人」もいると言う事ですか?

    なんかそっちの方がびっくりした。

    #そのかわり、めちゃくちゃ金遣い荒いとか、自転車乗るのが下手だったりして。
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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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