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医療

制癌剤と緑茶の飲み合わせにはご注意を 32

ストーリー by reo
わらにもすがりたいが 部門より

oddmake 曰く

制癌剤の副作用に苦しむがん患者のために、緑茶やハーブ由来の薬が用いられてきたが、実は緑茶成分が抗がん剤の働きを阻害している事が分かった (ScienceDaily 記事より) 。

緑茶を含むさまざまな生薬やハーブ由来の薬が、これまで化学療法の副作用で苦しんでいる癌患者を助けるために用いられてきた。しかしその作用や副作用については充分な研究がこれまでなされていなかったというのが現状だった。そのような問題意識から南カリフォルニア大学の研究者らは、緑茶の健康成分と言われるエピガロカテキンガレート (カテキン) による相乗効果を期待して Bortezomib (商品名Velcade) とともにマウスに投与し、経過を観察したところ、Bortezomib の効果がブロックされてしまうという意外な結果になったのだ (南カリフォルニア大学のプレスリリース) 。

エピガロカテキンガレートの分子と結合することで、Bortezomib の分子が腫瘍内部でしかるべき標的と結びつく能力を失ってしまうのではないかと lead author の Axel H. Schönthal 博士は述べている。Velcade を投与されている全ての患者は、緑茶や (とくに健康食品店で簡単に手に入ってしまう) 緑茶サプリを摂取しないよう警告されるべきだ、とも。お茶に限らず服薬中の飲食については、医師の注意を良く聞いた上で薬の効果を弱めたり副作用が出やすくなったりしないようにしたいものである。

この研究成果は次号の Blood 誌に "Green tea polyphenols block the anticancer effects of bortezomib and other boronic acid-based proteasome inhibitors" として掲載される予定であり、オンラインで事前公開版 (論文アブストラクト) を読むことができる。

一方で、緑茶に含まれる成分であるテアニンは制癌剤の効果を増強するといったお話もある。「緑茶なら○○。」といった分かりやすい結果にのみ食いついてはいけないよという事で。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 似たような話かと思うのですが、ちょっと前に、ビタミンCはある種の抗ガン剤の効果を落してしまうかもしれない、という記事を見かけました。
    ご存じビタミンC(アスコルビン酸)は必須栄養素で、一般的にはなんとなく健康に良いイメージを持たれており、(医学的な根拠は薄いものの)ビタミンC大量摂取のような健康法もありますが、ガン治療においては逆に働いてしまうかもしれない、という趣旨のものです。

    ScienceDiary Vitamin C Supplements May Reduce Benefit From Wide Range Of Anti-cancer Drugs [sciencedaily.com]

    ビタミンCには抗ガン作用があると予想する向きがあり、点滴による大量投与での治験も行われているそうですが、一方で、抗ガン剤の中には酸素フリーラジカルの毒性によってガン細胞を攻撃するタイプもあり、これらの組合せは互いの効果を抑制してしまう、ということのようですね。

    「ポーリング博士ぇぇぇぇ!」

    • 抗ガン剤の中には酸素フリーラジカルの毒性によってガン細胞を攻撃するタイプもあり、これらの組合せは互いの効果を抑制してしまう

      となると、アントシアニン骨格を含む食品もある種の抗癌剤と同時に摂るとその活性を落とす可能性があるって事ですか…。

      // 大学でアントシアニンやってたのでID。

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    • by Anonymous Coward

      朝日新聞に掲載されたポーリング博士と家森博士の対談を読んだことがあるけど、どう見ても絵に描いたような健康系デムパさん以外の何者でもありませんでした。
      あの家森先生がどえらく常識人に見えました。

      ビタミンCよりカスピ海ヨーグルトの方がいいと言うつもりはないけど、あくまで対談を読んだ感想。

  • by Anonymous Coward on 2009年02月09日 10時19分 (#1509268)

    似たような話も結構ありますね。
    有名なところだと抗凝固剤のワルファリンとなっとう・クロレラでしょうか。ビタミンKが駄目とか言う。
    あと肝臓だか腎臓だかの薬にカリウムが駄目とか。

    「体にいい」とされるものに、こういった飲み合わせ・食べ合わせで薬の効果を抑制してしまうものが多いみたいで、やっぱり体になにか影響を与えるほどのものは不の作用も大きく出てしまうものなんですねぇ。よく考えりゃ漢方薬にも使われるし。

    • by Anonymous Coward on 2009年02月09日 11時00分 (#1509291)

      高血圧の薬(カルシウム拮抗剤)とグレープフルーツという組み合わせもあるようです。
      結局の所人間の身体って化学反応で動いてるわけですし、薬も栄養もその化学反応の入力値であることを考えれば
      矛盾するデータをブッ込めばおかしな結果が出てくるのは当然なのかな、と。

      そのあたりをすっ飛ばして○○が身体にいい! とか煽るマスゴミは本当にどうにかなりませんかねえ。

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      • by Anonymous Coward

        グレープフルーツはCYP3A4阻害によって多数の薬剤の血中濃度を上昇させます。

        比較的安全域が広いカルシウム拮抗薬以外にも、免疫抑制剤(シクロスポリンやタクロリムス)や抗不整脈薬、抗HIV薬など安全域の狭い薬剤を含む多数の薬剤の血中濃度を上げる可能性があるので、注意が必要です。

        逆の作用をするのがセントジョーンズワートですね。

        # どっちかというとボルテゾミブの方に慣れ親しんでいるのでAC

    • by qem_morioka (30932) on 2009年02月09日 10時49分 (#1509280) 日記

      梅干しとうなぎは良く聞くが
      食べ合わせという昔から行われている人体実験の結果は
      尊重されるべきだと思うんだ。

      #カレーと納豆は合うと思います!

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2009年02月09日 12時42分 (#1509401)

        >#カレーと納豆は合うと思います!

        絶対にNO!

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        • 私は納豆を禁ずる戒律を持つ畿内出身ながら、
          改宗の末毎日納豆を欠かさないようにまでなった
          転向者ではありますが、それでも納豆に砂糖を入れる
          北海道の食べ方には納得がいきません。

          セクト争いは宗教間よりも苛烈になるという言葉もありますが、
          彼らこそ、真の味覚音痴だと思います。

          それに比べればそんなもの、スルーできてしまう程度のものです。
          カレーだけに。

          親コメント
        • by Anonymous Coward

          >> 絶対にNO!

          それは「カレーと納豆の食べ合わせ」がNO!なのか,「納豆はカレーと合わせても,やっぱり納豆は納豆だからNO!」なのか,どちらでしょうか?

          #「納豆が構わんがカレーがダメ」というケースは無視.

      • by Anonymous Coward
        梅干しとうなぎ等、食い合わせは迷信だといいながら、
        何と何を一緒に食べると効果抜群!!

        とかいってるみのもんたっていったい。
    • by Anonymous Coward

      風邪のときに抗生物質を処方してもらったのですが、薬剤師曰く
      「健康食品は食べていない様なので大丈夫だと思いますが、菌族と一緒に摂ると効き目が落ちちゃいますからね」

      ボーっとした頭で
      「健康食品? 菌? アガリスクとかかな。てか抗生物質より強いの? オリゼーすげー
      あ、あれもだめじゃん。すごいぞ、かもすぞ、ぼくらの味噌・醤油!」

      とか思ったんですが、帰って文章を読むと「金属」でした。

    • by Anonymous Coward
      肝臓だか腎臓だかの薬はおそらく利尿薬だと思いますが、
      これらは作用の仕方の違いによって体内からカリウムを出すものと出さなくなるものがあるので、
      同じ利尿薬でも薬によっては逆にカリウムが必要になる場合もあります。

      ちなみにグレープフルーツジュースですが、カルシウム拮抗薬以外にも様々な薬と相互作用します。
      グレープフルーツジュースが薬を分解する酵素の働きを阻害するため、
      本来想定していたより多くの薬が体内に存在する状態になってしまいます。
      すなわち薬が「効かなくなる」組み合わせではなく、薬が「効きすぎる」組み合わせですな。
  • by s02222 (20350) on 2009年02月09日 15時35分 (#1509553)
    「薬の効果」が狙い通りの所に効くのが「望ましい作用」で、狙ってないとこにまで効いちゃうのが「副作用」。副作用を抑える方法、つまり、「狙ってない所には効かないようにする」薬として知られていた品が、実は大本の「薬の効果」の方を阻害しれちゃってるだけかも、って事ですか?

    結果として、副作用が抑えられて楽になっていたのではなく、薬の量が減った(のと同じ効果が出て)楽になってたかも・・・と。
  • by Anonymous Coward on 2009年02月09日 10時26分 (#1509272)

    もしかして、効果がブロックされたから、副作用に効く(防御する)という経験知になっていたんじゃ……

  • by Anonymous Coward on 2009年02月09日 11時10分 (#1509304)

    病院に入院すると食事のときにお茶が配られますが,
    これって飲み合わせは大丈夫なんでしょうか?

    緑茶ではなく,ほうじ茶が多いようですが,
    今回のトピックも含め,薬に影響を与えるのは緑茶限定なんですかね?

    ♯ 知り合いの医者に聞いたら,どうなんだろうね?としか回答してくれなかった….

  • by Anonymous Coward on 2009年02月09日 12時13分 (#1509362)
    >「緑茶なら○○。」

    緑茶なら OpenOffice.org と読んでしまった。
  • by Anonymous Coward on 2009年02月09日 12時34分 (#1509391)

    /.の上の方に良く表示される、元気になる薬の場合、
    鉄製剤とあわせると効き目が落ちるそうです。
    もちろん、ニトログリセリンの類は禁忌。

    • by nim (10479) on 2009年02月10日 1時14分 (#1509987)

      「元気になる薬」でアンフェタミンとか、メタンフェタミンが真っ先に
      思い浮かぶようになってしまった私は、もうなんかいろいろと駄目です。

      が、これはカフェインのことですね。
      一瞬、バナー広告のことかと思いましたが、バナー広告でモカとか
      カーフェとか眠眠打破とかが宣伝されるようになったら、
      それはそれでなんかいろいろと駄目ですね。

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      • by celtis (33470) on 2009年02月10日 10時27分 (#1510196)

        >バナー広告でモカとかカーフェとか眠眠打破とか

        /.の読者層をよく理解しているのでしょう。
        年度末で小人さん大活躍なみなさんにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか?
        わたしはタミフル投与で戦線離脱し、来週頭まで休暇になりました。貯まっている
        有給消化と経費削減による休日増のおかげです。

        同僚からは「無理してでも出社してオレも感染させてくれ」とメールが来ました。

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      • by Anonymous Coward

        あ、そっちいっちゃいました?
        シルデナフィルとかタダラフィルとかが含まれてるほう、のつもりでした。
        この業界には必要な人が多いようですから。

        #私のことじゃないですよ。
         友人曰く、すげー良く効くそうですが。

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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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