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ボーイング 787 型機、今度は機体に欠陥発覚。 36

ストーリー by reo
ANA も大変だ 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

ボーイング社の新中型旅客機「787 型ドリームライナー」の機体に欠陥が見つかり、その補修を行うため機体の製造が一時中断されることになったとのこと (本家 /. 記事SiliconValley.com の記事ロイター通信の記事より) 。

ボーイング社によると 787 型機の機体には微小の「シワ」が 2 か所で見つかり、長期的強度に影響を与えることが分かったそうだ。欠陥はカーボン複合材料の層を追加することで解決できるとのことで、合計 23 機にこの修復が施される予定とのこと。また、ボーイング社がこの機体部分を発注していたイタリアの Alenia Aeronautica では機体の製造を一時中断しているとのことだ。

787 型機はパーツ同士が組み立て時に合わないといった不具合などにより、今年 6 月に 5 度目の納入延期が決定していた。ボーイング社は現在 800 機以上の発注を受けていると発表しているが、今年だけでも既に 72 機分の注文がキャンセルされているそうだ。現時点では今回の欠陥に伴うスケジュールの修正は発表されていないが、ボーイング社は経済的にも信頼的にも更なる影響を受けると考えられるという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 12時04分 (#1624686)

    ボーイングの中の人(vice president, marketing for Boeing Commercial Airplanes)のこの問題に関する見解。

    http://boeingblogs.com/randy/archives/2009/08/787_alenia.html [boeingblogs.com]

    By the way, this solution has already been designed and is being installed now at Global Aeronautica in South Carolina. It will be installed on completed fuselage sections in Italy and here in Everett.

    This issue would not have caused a delay in first flight, and did not appear on any of the first seven fuselage units, which include the first five flight-test airplanes, as well as the static and fatigue-test airplanes.

    今回の「シワ」の問題はそれ程深刻では無いようですね。それよりも、先の翼と胴体の接続部の強度問題がどうなるかでしょうね。いまだ、日程のアナウンスもありませんし。

  • 欠陥はカーボン複合材料の層を追加することで解決できるとのこと

    こうやってどんどん追加していった結果、
    最終的にはアルミの方が軽かった・・・なんてオチになりゃしませんよね?

    • by Anonymous Coward
      ヒアルロン酸注入でガチ
      そして失敗
    • by Anonymous Coward

      >こうやってどんどん追加していった結果、
      >最終的にはアルミの方が軽かった・・・なんてオチになりゃしませんよね?
      航空機開発には有りがちな事。

  • by patagon (1453) on 2009年08月18日 12時27分 (#1624705) 日記

    > 欠陥が見つかったのは23機
    とあるんですけど、ローンチしてないのにこんなに?いっぺんに何十機も作っているんですか?
    航空機製造というのを理解していないのですが。

    • Re:23機 (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2009年08月18日 22時16分 (#1625213)

      ローンチはしています、念のため。
      簡単に言うと、生産がバンバン進んでいるからです。

      最近の旅客機の開発では試作機の製作を省略し、量産機の製造をすぐに始めることが当たり前になりました。

      なぜならそれにより大幅に開発期間を短縮でき、コスト負担も最小限に抑えることができるからです。
      ですが、この手法は設計がほとんど手を加える必要がないほど、完成されており、
      なおかつオンスケジュールですべてが回るくらいプロジェクト管理がうまくいかないと破綻します。
      今回の787ではそれらを満たさなかったのでデスマーチが始まってしまったのです。
      (なお、初期の量産機で行われる飛行試験ですが、結果、必要になった改善はのちの量産機では全て適用、
      現存機は基本的にレトロフィットか無視で対応します)

      ちなみにせっかくANAのトリトンブルーに塗られた2号機ですが、重量オーバーで
      初期性能を満たさないため、受け取り拒否。今のところ7号機がANA向けの初号機になりそうです。

      親コメント
      • by zozbug (9256) on 2009年08月18日 23時18分 (#1625254)

        >設計がほとんど手を加える必要がないほど、完成されており、なおかつオンスケジュールですべてが回るくらいプロジェクト管理がうまくいかないと破綻します。

        それはつまりほぼ確実に破綻するって意味にとれてしまうんですけど、結構成功例があるから採用されてるんでしょうかね?

        なんだかんだで手を動かしてるのは人間だからなあ。不測の事態は必ず起こると思うんだけど。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          >それはつまりほぼ確実に破綻するって意味にとれてしまうんですけど、結構成功例があるから採用されてるんでしょうかね?
          勿論。
          ここのところのボーイングはほぼ全て成功してます。
          けど、787ほど基本構成から変えるのは凄く久しぶりの経験なので、見積りが甘すぎだったのでしょう。
          ちょい前の767/757は設計は変わっても基本材質なんかにはそれほど差が無かった。
          そのレベルの見積りで行けると思った可能性も。
          #複合材は大型になればなるほど精度問題が大きくなるし、そもそも金属部品ほどの精度は期待できない。
          #コマーシャルの機体だと軍用機みたいに現状合わせも出来ないだろうし。

      • by patagon (1453) on 2009年08月18日 23時21分 (#1625255) 日記

        ローンチを「発売」と誤っていました。
        航空機の場合のローンチは「メーカーが製造に踏み切るのに十分な顧客からの発注」という意味でしょうか。

        親コメント
      • by Anonymous Coward
        > ちなみにせっかくANAのトリトンブルーに塗られた2号機ですが、重量オーバーで
        > 初期性能を満たさないため、受け取り拒否。

        2号機は、はじめからテスト用で、ANAのトリトンブルーに塗られているのは、
        来年の夏放映予定だった(?)CM撮影のためだと聞いてますが。

        > 今のところ7号機がANA向けの初号機になりそうです。

        おっしゃるように、7機目がローンチカスタマーであるANAに最初に納入される最初の機体ですね。
    • by Kazsa (25846) on 2009年08月18日 13時19分 (#1624751) 日記

      まだ最終組み立てに入っていないのも含めての数なんじゃないかなあ。

      親コメント
    • by patagon (1453) on 2009年08月18日 12時31分 (#1624710) 日記

      ひょっとして全てローンチカスタマーのANA(全日空)向け?

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 11時16分 (#1624636)

    > ボーイング社は経済的にも信頼的にも更なる影響を受けると考えられるという。
    事故が起きるまでほっとけばいいのに。航空ノーガード戦法。

    • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 15時32分 (#1624877)
      その事故機に自分or身内が乗っているケースを考えてから言ってくれたまえ。
      JA8119を最後まで必死に立て直そうとしたクルーに失礼だ。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 11時27分 (#1624645)

      事故発生->飛行禁止->回収修理
      による損害や賠償や補償を考えると、出る前の対処の方が安く付くのは確かだと思いますが。

      マーケティング的には事後修理にしたいでしょうけど、実際に危険度はそれなりに高いと言う判断も有るのでしょう。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 14時54分 (#1624846)

      保険屋は甘くない。
      少々でも危険度がアナウンスされている&期待の新型となれば、ガッツリと高額を乗っけてくる。
      そうなればボーイングには当然の様に損害補填(若しくはオプションのキャンセル)の話が来るだろうから意味は無い。
      #本当に落ちたらその程度の話じゃ済まないが落ちなくとも特に得な選択ではなかろう。

      親コメント
    • 失敗を正直に報告できるステキな職場なんですよ。
      どうしてかな?
      ともかくいいねー。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      > ボーイング社は経済的にも信頼的にも更なる影響を受けると考えられるという。
      事故が起きるまでほっとけばいいのに。航空ノーガード戦法。

      意図せずにではありますが、それをやってしまったデ・ハビランド社の末路を調べてみるがいい。

  • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 11時35分 (#1624652)
    ギネス級のデスマーチではなかろうか?
    中の人、ご苦労様です。
    • A380といい (スコア:2, おもしろおかしい)

      by bochi-bochi (4490) on 2009年08月18日 11時56分 (#1624677) ホームページ 日記
      ボーイングもエアバスも、何で相次いでデスマに突入してしまったんだろう。

      特にボーイングは対岸の火事を見ていたはずなのに。
      --
      〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
      親コメント
      • Re:A380といい (スコア:2, おもしろおかしい)

        by Anonymous Coward on 2009年08月18日 12時05分 (#1624688)
        まだ初飛行もできていないなんて、飛んでもない話だ
        親コメント
      • 管制塔もと暗し (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2009年08月18日 12時19分 (#1624699)

        対岸ばかり見ていて、「エアバスより早く安く多くの注文を!」
        なーんてやってたのが裏目に出ているんじゃないでしょうか。
        上と営業とにこれやられて、現場は部品を安く見積もらされてたり、工期短縮のために一部試験を飛ばしていたりで、士気は下がるは激しく炎上するわ...そんなところかと。

        # そうこうしてるとA350がでてくるぞ

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        >ボーイングもエアバスも、何で相次いでデスマに突入してしまったんだろう。

        巨大プロジェクトであるとはいえ、ボーイングもエアバスもプロジェクトを
        細かく外注に分け過ぎなのでは?船頭多くして船山に上る。

        機体の規模はたしかに違いますが、小型機中型機を基本的に
        自社に閉じるプロジェクトで短期間で着実に設計製造しているエンブラエルや
        (軍用機ですが)川崎重工などをみるとそう思います。

        • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 22時18分 (#1625216)

          >巨大プロジェクトであるとはいえ、ボーイングもエアバスもプロジェクトを
          >細かく外注に分け過ぎなのでは?

          この市場は競争が厳しいので、少しでも部品の調達コストを下げたいというのは両社に共通するところでしょう。

          その上でボーイングの場合、巨額の開発コストを自社だけでは賄えないので、リスク分担パートナーを広く求めた結果こうなりました。
          今回日本企業の分担が大きくなったのは、日本政府が助成金名目で開発費を拠出したからという側面が大きいです。

          #そういう意味では、B787の成否は日本国民にとってもまったく他人事ではない

          一方エアバスについては、EUの公共事業的な側面がありますから、多くの国に細かく仕事を割り振るのは、言わば至上命題です。

          親コメント
    • 最近の例ではF-35、P-8、A400M、A380、EF2000(対地攻撃機型)なんかがデスマーチですね。いずれも共同開発。
      YP-1は初期作戦能力付与まで順調ですが、設計を共通化させたXC-2は未だに地上を這いずりまわってます。
      航空機開発は当たればでっかいですが、失敗すると会社潰しますからねぇ。軍用機は開発費の分割発注で
      なんとかなりますが、民間機はリスクでかいです。
      あまり燃費性能を重視しない&枯れ尽くしてる戦略爆撃機なんか爺さんが乗ってた機体に孫が乗ってるなんて例もありますし。

      • by Anonymous Coward

        A380はAIAとFAAの型式証明を取得済みですから、もはや「開発の」デスマとは言えないのでは。
        引き渡しは遅れてますけどね。

    • by Anonymous Coward
      > ギネス級のデスマーチではなかろうか?
      > 中の人、ご苦労様です。

      たぶん彼らのデスマーチだから、毎日1時間も残業があったり、
      週に48時間「も」働かさせられて、
      家族との夕食が囲めないという理由で離婚の危機に瀕してたりするんだろうな。

      もしかすると、3週間の有給休暇を申請すると、たった20日間に
      短縮されてしまうような酷い目にあっているんじゃないだろうか。

      こんな人間として許されない生活を強いられていると思うと目頭が熱くなってしまうよ。
      • by Anonymous Coward

        それはバカンスのために働くヨーロッパ人のエアバスのほう。

        ボーイングのほうはホワイトカラーエクゼンプションしちゃってるマネージャが、サビ残1分でもさせたら訴えるぞと従業員に脅され、上からは人件費がアレで増員はムリと言われながら、必死こいて日が暮れるまでごにょごにょやっつけ溶接してたりするんですよ、きっと。

  • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 12時25分 (#1624703)
    >パーツ同士が組み立て時に合わないといった不具合

    この部分が、アップルのコープランド(MacOS 8になるはずだったOS)開発を思い起こさせますね。
    コープランドは要素技術が個別で開発され、最終製品にビルドするメドも立ってなかったということです。
    アップルは最終的に開発を断念し他社OS(と開発会社)の買収を行った訳ですが、
    似たような状況(と言っても規模は全然違うでしょうが)のボーイングがどんな行動をとるか見物ではないでしょうか?

    #場繋ぎに他社製航空機をOEM…ってわけにも行かないでしょうしねぇ。
    • by Anonymous Coward
      ソフトウェア製品と工業製品との違いは、素材の加工工程の有無です。
      IT分野だけでなく自動車や造船、建築などの分野でも国際共同の開発・設計が一般化しつつありますが、同一の開発ツールを用いて、統一された管理手法を採用しても、従事する技術者の意識や感覚が均一でなければ、作業分担の境界における微妙なズレが生じます。
      国や地域、業種の違いによる技術者の意識や感覚の違いは珍しいことではありません。
      ライセンス生産の場合でも相手側の慣習を理解していないと製造開始後の製造現場や製品販売後の製品メンテナンスの場でいろいろなトラブルやクレームの原因となりえます。
      近年の航空機産業は複数国にまたがる企業群の共同開発が主流ですが、それだけでなく、機体の素材や客室サービス機器などは従来の航空機製造業とは異業種である企業群に依存していることは、従来の航空機製造業における文化・伝統・慣習が必ずしも通用しないことを意味しており、それは従来のマネージメント手法の延長ではプロジェクトを管理しきれない可能性を示唆します。
      後年、ボーイングがこのプロジェクトをどのように総括するのか楽しみです。
  • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 12時28分 (#1624706)

    >787 型機はパーツ同士が組み立て時に合わないといった不具合などにより、

    ??
    主翼取り付け部の強度不足じゃなかったっけ?

    • by Anonymous Coward on 2009年08月18日 14時27分 (#1624820)

      >パーツ同士が組み立て時に合わないといった不具合

      は6月の延期の話ではないですね。完全にミスリード

      パーツ同時の不整合という話であれば、2007/8/7の茶番なロールアウト式直後に
      機首と胴体の接合部分に隙間が生じている、という話が地方紙にリークされて
      いました。
      が、あの頃は何もかもが間に合って居なかったという…

      親コメント
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い

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