パスワードを忘れた? アカウント作成
140738 story
法廷

Googleブック検索に各国で反発が強まる中、日本では刑事告訴も 159

ストーリー by hylom
どういう結論になるのか興味深い、 部門より

Anonymous Toward 曰く、

9月3日のINTERNET Watchの記事によると、日本の著作家と写真家が「Googleブック検索で著作物を無断公開されたのは著作権法違反にあたる」として、Googleとグーグル日本法人を犯人として警視庁(練馬署と目白署)に刑事告訴した。告訴状は正式受理されていないそうだが、捜査は進められているとのこと。外国人記者クラブで行われた会見で、「著者に無断ですでに何百万冊もスキャンしているというのは、裏社会のやりかた。これは信用できない会社だという印象を持った」と語った。

一方、9月2日のITmediaの記事によると、日本の中小出版社49社が、Googleブック検索和解案から離脱した。出版流通対策協議会会長は、「和解案は日米の著作権法に違反した違法行為で、泥棒、海賊行為」、「和解参加は日本の出版産業の自殺行為」と述べた。絶版書籍のアーカイブ化については、Googleではなく国会図書館などの公共機関が行うべきという。また、時事通信の記事によると、日本写真著作権協会も抗議声明を出した。

日本以外でも批判の声は高まっており、ロイターの記事によると、ドイツでは政府(司法省商業・経済法監督庁)が「Googleブック検索の和解は違法」と指摘する文書を米国の裁判所に提出したそうだ。9月4日の読売新聞の記事は、米国ではAmazonとYahoo、Microsoftが参加する反対団体「Open Book Alliance」を結成したことを伝えている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Kazsa (25846) on 2009年09月08日 15時12分 (#1636210) 日記

    Googleブックス [google.com]って、図書館の蔵書を電子化して検索可能にしている (コンテンツをダウンロードするのでない) わけだから、やってることは「検索機能つきの電子図書館」とも言えるわけで、これに反対している権利者は、旧来の図書館ならOKでそのインターネット版ともいえるGoogleブックスがダメであるもっともな理由を、はっきりと示す必要があるんじゃないかな。

    とりあえず予想できる理由としては、

    1. 図書館の蔵書を勝手にコピーして対価を払ってない、とか (1冊ごとに払えばOK?)
    2. 多数の人が同じ本を同時に閲覧できるようにしている、とか (同時に閲覧できる人数を制限すればOK?)
    3. コピー対策が不十分である、とか (対策を徹底すればOK?)

    思いつくけど、実際のところどうなんだろうか。

    マスコミでの取り上げられ方を見てると、米国での和解に巻き込まれたのが寝耳に水だったので、それこそ「黒船が来航したかのように」ヒステリックに反応しているだけのように見えなくもない。

    • by Anonymous Coward on 2009年09月08日 16時32分 (#1636276)

      先ず持って図書館と認める理由が有るのですか?
      広告収入の為の客寄せに使うのだから、これはどっちかって言えば貸本・マンガ喫茶ってレベルのサービスでしょう。
      「図書館と一緒なんだから」というのであれば、充分に案件として図書館と同等である事を証明してからでは無いでしょうか。
      少なくとも和解内容から見ると、管理者側の誰もGoogleを図書館とは見てませんよ。
      不満ながらにも妥協の内容としては、「収益活動として権利使用料を払う」という内容なのでは?
      逆に言えば、Google自体も収益活動として認めたって事でも有ります。
      まあ普通に考えて、Googleだけが収益活動であっても公共の利益とされるというのは理解に苦しむ人は多いでしょう。

      親コメント
      • 図書館の蔵書をスキャンしてサービスしているという意味で電子的な「図書館」であると表現しました。別に図書館が公立でなければならないなんてことはないでしょう。もし広告を取ることで私企業でも同等のサービスを提供できるのなら、公的には図書館と呼ばなくても、それは広い意味で図書館の機能を果たしているとみなすこともできると思います。そういう意味では貸本やマンガ喫茶は最終利用者から金銭を徴収しているのでGoogleとは違いますよね。

        今回問題になってる和解については、単なる電子的な図書館からさらに一歩進んで、絶版書へのアクセスを有料で認めて、その収入を権利者に支払うという内容になっていると理解していますけど、従来の図書館だって有料で蔵書をコピーさせるサービスぐらいやってますよね。紙とインターネットという媒体の違いはあっても、似たものは既にあるわけです。

        そういう見方からすると、インターネットだからダメとか、私企業だからダメとか言うのは、これだけインターネットが一般化してきている中で時代に逆行しているんじゃないかと思うんですよ。もちろん権利者の権利を無視していいということではなく、時とともに変わって行ったほうがいいところもあるんじゃないかといったところで、権利者も逆にGoogleを利用するぐらいのことを考えてみてもいいんじゃないかと思います。

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2009年09月08日 17時56分 (#1636335)

          図書館が通常利用者よりも便宜を図られているのは目的としての公共の利益を自他共に認められているから。
          このサービスは少なくとも権利者からは公共の物と認められていませんし、利益を得るのがエンドユーザーか
          広告かでそれが公益となったり私益となったりする訳じゃないと思いますが。
          自社利益の為の他人の著作物を使っているという点で貸本屋と何等変わりません。

          それとも民放局はエンドユーザーから料金を徴収しないが故に、図書館と同等の権利を与えるべきと?
          そんな事すればコンテンツ業界は収入の道は断たれますよ。

          別に私企業でやっている図書館なんぞ沢山有るよ。
          でも、それらはその事業自体を自社の収入源としていないが故に公共的サービスと看做されているんですが。

          この問題は単純な話、「何で他人の商売の為に権利者の権利を通常より制限する必要がある?」って事でしょ。
          幾らGoogleが他よりも他人の著作をパクり易い環境にあるとしても、それをもってパクるのが正しいとする
          理由にはならないでしょう。

          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年09月08日 16時12分 (#1636262)
    私自身、著作物に関わる仕事をしているのでGoogleのやり口に全面的に賛成する
    ワケじゃありません。
    けど、Googleのやり口が理解できないわけでもないかな。Googleという
    私企業が行う是非はともかくとして知の集積という方向は間違ってないと思うんですね。

    技術寄りの人たちから見れば、権利者はじめ関係者がああでもないこうでもない
    やってばかりで、知の集積という正しい方向に遅々として進まないというのは
    イライラさせられることでしょう。強引にやってしまって、後から問題になっても
    正しい方向に無理矢理動かすことができればGoogle的には成功と見てるかもしれない
    とも思います。

    振り返ってみると、私がインターネットを知り利用させてもらった1990年代前半、
    こりゃ世界を変えるぞと思ったもんです。しかし、世界がインターネットでフラット
    につながるよ、という事実を文化系な人に聞かせれば、中には眉をひそめた
    人もいたんじゃないかと。
    そんな文化系人間のあれやこれやをモノともせずに強引に物事を押し進めるのが技術
    寄りの人間であって、歴史を振り返れば世の中は往々にしてそのように進むというか
    変わっていくんですね。
    たとえば、鉄道網の発達によって人の考え方までが変わってしまうと言うように。

    Googleのやり口はいかにも技術系人間そのものですが、世の中往々にしてそのように
    進むという歴史の観点からは、それなりに評価できるもな、と。もちろん他人の権利を
    犯すのはほめられたことではないですが、このようにして物議を醸すことによって
    遅々として進まなかった何かが進むのかもしれず、そうなればいいなじゃないかと
    思ったりもしますね。
  • すげー作家がいるんだ (スコア:2, おもしろおかしい)

    by nemui4 (20313) on 2009年09月08日 14時45分 (#1636184) 日記

    >「著者に無断ですでに何百万冊もスキャンしているというのは、裏社会のやりかた。これは信用できない会社だという印象を持った」

    何百万冊も著作書いてたらそら訴えたくなるよね(違

    #ニュースの画像見たら全然知らない作家さんと知らない本しか無かったと言うと野暮ですか、そうですか。

  • by zyugo (27657) on 2009年09月09日 0時10分 (#1636499)

    GoogleがEUに大幅譲歩 [hon.jp]

    ・EUの出版社が販売中の書籍について、現データベースからすべて取り除く
    ・スキャン作業を行なう前に権利者に対して事前許諾を取る(Opt-inへの転換)
    ・権利管理団体となるBook Rights Registryの委員会の議席2つをEU側に提供

    当初から強固に反発していたEUに対しては、事前許諾後にスキャン作業することを
    約束したようです。そして運営組織にも関与させますよ、と。Googleらしからぬ譲歩ですね。

    そして、唯々諾々とGoogleに従うことにした、日本の出版社の書籍については、
    これからもOpt-outで好き勝手にスキャンしてばらまきますよ、ということで。

    日本の出版社の面々が、何らかの戦略があってGoogleの言うことを鵜呑みにしたのなら
    良いのですが。とてもそうは思えないので、好きなように吸われるだけ吸われるんだろうな。

  • by duenmynoth (34577) on 2009年09月08日 13時16分 (#1636108) 日記
    もしGoogleブックが合法という事になった場合、
    まだ書籍化されていないような分野の本を自費で作成し
    それをヤフオクやイーベイ等で法外な値段で販売すれば
    スキャン目的のGoogleが買ってくれるようになるのでしょうかw

    #問題は文才ですね
  • 本屋にて (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2009年09月08日 13時44分 (#1636127)

    店主:こら!なにやってんだ!

    G:ちょっと待って!あとちょっとでコピーおわるから!

  • 品切重版未定 (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2009年09月08日 14時34分 (#1636168)
    日本では絶版とは違う品切れ重版未定という状態がありますが、これはGoogleてきにはどうなるんでしょう
    誰か版権とか、絶版とか、著作権者の日米の慣習違いとか用語を整理して解説してくれないかしら。著者わかんない。
    • Re:品切重版未定 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2009年09月08日 16時36分 (#1636280)

      アメリカで入手困難な書籍は全部絶版扱い("フェアユース"で検索)。
      つまり、現在日本で絶賛発売中の書籍もアメリカで入手困難なら絶版扱いで、
      スキャンされている。
      実際、私の書籍も3冊発売中だがアメリカでの絶版扱いにより、
      スキャンされてしまった。

      今回の件では"絶版"という言葉が理解の妨げになっている。

      親コメント
      • Re:品切重版未定 (スコア:2, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2009年09月09日 10時09分 (#1636595)

        対象の著作物や著作権者は全世界、公開範囲も全世界、でも絶版判定はアメリカ国内。
        都合がよすぎるだろ。
        絶版判定を全世界にするか、対象と公開範囲をアメリカ国内に限定するかしろ。

        親コメント
  • by Meth610 (31617) on 2009年09月08日 21時11分 (#1636417)

    ・視覚障害者が読める本を増やすことができる(視覚障害があっても理解できる形式に書籍を変換・集積する)
    ・図書館が無い/作れない貧困地域の学校などで役立つ(PCと回線を導入すれば本を買い保管せずにすむ)

    こういうところはもっと強調されてもいいと思います。

    • Re:Google Booksの恩恵 (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2009年09月08日 22時12分 (#1636443)
      > こういうところはもっと強調されてもいいと思います。
      「普段不良な人がたまにいいことすると、ずいぶんいい人のように思われる」理論ですか?
      私は、たとえ良いことをするためであっても、それをするために他人の権利を簒奪する行為は行うべきではないと思いますが。
      どうしても「そうせざるを得なかった」というのならともかくとして、彼らには「事前に権利者と意見を調整する」という手段だってあったはずなのですから。
      親コメント
    • by STRing (14928) on 2009年09月09日 0時04分 (#1636496) 日記

      前者は GBS 関係なくフェアユース規定の範疇じゃないですか?

      親コメント
typodupeerror

開いた括弧は必ず閉じる -- あるプログラマー

読み込み中...