水陸両用飛行艇の輸出活動を本格化 16
ストーリー by reo
平和利用平和利用 部門より
平和利用平和利用 部門より
pongchang 曰く、
いささか旧聞に属するが、新明和工業のニュースリリースによると US-2 を輸出するために、新明和工業は飛行艇民転推進室を設け、インドでの子会社を通じて 2012 年 4 月より活動を開始することになったとのこと (神戸新聞の記事より) 。
2011 年秋のインド国防相訪日を受けて、インドより US-2 について提案依頼書への返答を求められており、日本の防衛当局などとの折衝が行われてきた (Defencenow の記事) 。既に、防衛省開発航空機の民間転用に関する開示申請について 2011 年 8 月 8 日付けで承認が出ていた (防衛省の関係資料) 。具体的案件につながる方向性が見えてきたと言えるだろう。
マーケティングガンガレ (スコア:5, 参考になる)
根拠地の空港は海(または湖)の近くで緩い傾斜路によって水面からの乗り入れ可能であったり、海水を洗い落とす洗浄設備が必要であったり(岩国飛行場はそうなってます)、水陸両用なだけに運用方法も特殊で施設込みでないと機能を十分に生かすことができないのが長所でもあり弱点でもあります。
速度と航続距離と積載能力では有利なものの活躍の場の多くをヘリコプターと競合しています。
安全性にまだ問題を抱えていますがそこがクリアされるとティルトローター方式の垂直離着陸機(V-22オスプレイ)がいずれ速度と航続距離と積載能力でもライバルとなってくるでしょう。
速度と航続距離と積載能力の利点を生かすなら活躍の場としてはフィリピン、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニアや南太平洋の島々など広大な地域に島々が点在している地域での活動に向いているのですがそういった方向での商談は成立したことがありませんね。
またPS-1/US-2共に実験的に消防用飛行艇としてのデモンストレーションを行ってますがそれを実際に配備しようという話には今のところ成ったことはありません。
ちなみに1回の給水で消防庁の消火ヘリは精々0.5t程度の水積載量ですが自衛隊の大型ヘリコプター用バンビバケットで5t、CL-215が4t、Bombardier 415が6t、PS-1実験時に8tの水を積載/散布が可能です。
第二次大戦後に量産まで漕ぎ着けた水陸両飛行艇ってたしかこの程度です。
カナダ製:主に消防用飛行艇
Canadair CL-215 112機
Bombardier 415(Canadair CL-415) 76機
アメリカ製:主に対潜・哨戒機
P5M Marlin 285機 退役済み
日本製:主に対潜・哨戒機、救難機
PS-1 23機 退役済み
US-1 20機 ほぼ退役
ロシア製:主に対潜・哨戒機、救難機、
Be-12 132機
Be-12PS 10機
Be-12P 1機
飛行艇を流行らせたいのなら (スコア:2)
機体単品で売りさばくんじゃなくって、
周辺設備や施設、運用ノウハウとかコミコミで
パッケージして売り付けなきゃダメじゃないかな。
現状、世界各国、飛行艇や水上機の
運用実績だのニーズだのが、そこそこにはある。
あるんだけれども、結局は大枚はたいて広大な更地作って、
陸上機の運用に流れがちだ、つぅ現実とまず戦わないと。
Re:飛行艇を流行らせたいのなら (スコア:1)
そもそも航空機というものは通常、支援機材やメンテナンス・サポート、乗員訓練なども込みのパッケージとして販売するものです
そしてそういうサービスが長期的に安定したメーカーの収益源になります
ジェットエンジンも交換用のタービン・ブレードが売れるからこそいい商売になっている
そういう航空機ビジネスの実態を理解せずに日本のマスコミは787の30%が日本製だなどと浮かれたことを書いたり、国産のはずのMRJが海外製部品を多数採用しているのはけしからんなどとピントはずれの報道しかしない
787のプライムはあくまでもボーイングであって日本の部品・素材メーカーはあくまでも下請け、利益を持っていくのはボーイング
MRJはメンテナンスや運航サポート等の業務を海外企業に委託していて、バリューチェーン全体を国内で確保出来ていないのが日本の航空機産業の問題点(航空機リースなどの金融ビジネス面の未熟さもある)
難しい (スコア:0)
飛行艇は
・フロート
・水面への発着に耐えるよう頑丈で下方に大きく張り出した機体
(US-2は機体の中にキールまで持っている)
と飛行機にとっては空気抵抗や重量の点で邪魔でしかないようなものを捨てられないから、
そういうものが不要な地上機に比べ飛行性能(速度)と経済性(機体価格、積載量、燃費)が劣る。
波や風が強いと、使えないから就航率も低くなる。
日本でも、飛行艇が一時使われていたことがあったけど、空港の整備が進むにつれ、姿を消した。
現在では世界的にも飛行艇を使った定期路線は残ってない。
不定期含めても商業輸送に使われているケースはゼロだと思う。
Re: (スコア:0)
日印軍事協定か?:中国・ミャンマー同盟包囲網へ? (スコア:0)
なんて文脈で海外では取られるのかしら、なんて妄想。
もっとも、中国はミャンマーに軍港もちそうだし、あり得ないわけでもない?>民主党にその卓見はないか。
Re:日印軍事協定か?:中国・ミャンマー同盟包囲網へ? (スコア:2)
確かにUS-2を運用しているのは海自だし、新明和・川重も防衛庁むけに開発したけど、インドは救難飛行艇として導入予定だし、日本政府も民間転用と位置づけている。
Re:日印軍事協定か?:中国・ミャンマー同盟包囲網へ? (スコア:2, 参考になる)
US-2はそもそも経空脅威の少ない状況下での活動を前提としていて、ミサイル警報装置やチャフ発射機のたぐいもついて無いんだから、武器輸出だと難癖つけるわけにはいかないでしょうね
もっともそんなに数が売れる機体ではないのはちょっと残念........
Re:日印軍事協定か?:中国・ミャンマー同盟包囲網へ? (スコア:3)
ベースになっているPS-1は哨戒機でしたし、救難飛行艇とは言え自衛隊機だということで、US-1のときは社会党が輸出に反対していたように覚えています。民主党には社会党出身者も多いからなきにしもあらずかと。
ただ、US-1が外販出来なかった本当の理由は機体価格だと思うので、売るなら海保や沿岸警備隊より、海軍や海兵隊の類の方が現実的でしょうね。
もっと小型で安価な機体なら、島国が多い南太平洋の近辺で売れるんでしょうけども。
Re: (スコア:0)
門外漢なので間違えているかもしれませんが、機体を小さくすると着水、待水?時における荒天時の安定性や救助可能な規模に影響があるのかもしれませんね。
セスナレベルで荒天時に運用可能な飛行艇ならかなり売れそうな気がします。
Re:日印軍事協定か?:中国・ミャンマー同盟包囲網へ? (スコア:2)
波高3mでの離着水とか、STOL性能が多少落ちても、小型で安い方が需要があるんではないかと。
一機当たりの価格が100億では、救難用途としては高すぎるでしょう。海に離着水するので傷みやすく、維持費用もかかりますし。US-1より自動化が進んだとはいえ、乗組員に特別な訓練も必要ですし。
小型で安いというと (スコア:0)
水上機になりますね。
飛行艇と違って機体は陸上機のものをそのまま使いまわせるので、安くできる。
Re: (スコア:0)
維持費用コミの機体コストな。
使い方が使い方(毎回毎回塩水にどっぷん)なのでちゃんとメンテナンスしないと大変なことになる。
結局買うのはアラブの金持ちだけだと思うよ。
インドの導入機種はまだ未決定 (スコア:0)
救難もするけど、離島との連絡や哨戒と多用途に使うらしい。
Re: (スコア:0)
それを言うメディアがいたら親中反インドメディアでしょうねー。
インドの軍拡(ミサイル、空母、原潜、戦闘機、戦車、他)って中国がインドを権勢するために、
パキスタン、バングラデシュ、ミャンマーなど周辺国に、明らかに対インドな兵器を売りまくってるってのがあります。
各国とも豊かとはお世辞も言えない国ですが、周辺国の装備から考えるとスペックが高めのものが多く、
低利融資をしてまで兵器を売っています。
中国が東南アジアに販売してる兵器がインドの反政府ゲリラに渡っているそうでインド政府が中国に抗議したりも・・・。
津波のときは使えないだろうなあ (スコア:0)
国産飛行艇US-1A改、世界へ [srad.jp]
でスマトラ大地震のようなときに使えるんじゃないかと言っている人がいたけど、東日本大震災のあのガレキを見ると無理みたいですね。
ヘリは大活躍したけど。