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三菱電機が量子暗号通信を実用化 37

ストーリー by yourCat
光でも盗聴というのか 部門より

hri曰く、 "産経新聞の記事によると、三菱電機は14日、光子を使った暗号通信技術の実用化に成功した、と発表したらしい。「量子暗号通信」を使って、膨大な情報を約1万個単位の光子の束に載せて光ファイバーを使って通信する。観測すると状態が壊れちゃうから誰かが盗聴しても複製ができないし、受信側もすぐに分かるという仕組み。量子コンピュータよりは実現が早いとは思っていましたが、まさかもう実用化の段階まで来るとは……。時代はどんどん量子になっていくのでしょうか。"

プレス・リリースによると、暗号鍵を量子暗号化して送ったそうだ。通信距離87kmは現時点での世界最長という。実用化したシステムは、別にインターネットなど安価な回線で送った暗号データを、この暗号鍵を使って解読する複合型。

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  • by nekurai (6253) on 2002年11月15日 9時15分 (#200840) 日記

    光ファイバーをぶった切って間に入り込んでなりすますって可能なのかなぁ? 複合型で暗号キーだけ新方式で送るみたいだから、従来の回線を通常の(?)なりすましでデータを差し替え、暗号キーを物理的なりすましで差し替えると嘘のデータを送る事が可能になりそうですが・・・

    • 量子暗号回線を使って鍵を送る限り *原理的* に秘密鍵を知り得ないので、そういうなりすましは無理しょう。

      原理的には無理だけど、システムとして作ると別に脆弱性 (セキュリティホール) はできる可能性があるので実現は大変でしょうけどね。

      --
      親コメント
      • いや、なりすまし可能ですよ。 サイエンスかなんかに載った誰か(誰だったか忘れた)の レビューにもなりすまし可能性について言及されてましたし。
    • 私は素人なんですが、できそうですよね。。 光子をシステムで用いているものと同じ検出器で検出し 同じ状態+ニセデータを微弱光で作りだし送り出すと。。 しかし傍受している側がAliceの鍵を持ってないから AliceはBobでな
  • by uxi (5376) on 2002年11月15日 10時22分 (#200863)
    > 観測すると状態が壊れちゃうから誰かが盗聴しても複製ができないし、
    > 受信側もすぐに分かるという仕組み。

    これってつまるところ、
    途中に増幅器もかませないということでしょうか?
    --
    uxi
    • by ksada (4435) on 2002年11月15日 10時57分 (#200872)
      信号の実体が光子なんで増幅の概念はないのではないかと。
      中継ということになるでしょうね。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2002年11月15日 10時29分 (#200866)
      便乗ツッコミ。

      > 観測すると状態が壊れちゃうから誰かが盗聴しても複製ができないし、
      > 受信側もすぐに分かるという仕組み。

      つーことは、「盗聴しまくる」というDoS攻撃みたいな嫌がらせも可能、と?
      親コメント
      • 嫌がらせしたいのなら、DoSするまでも無くファイバーに
        回復不能のダメージを与えればいいのでは?
        盗聴できるような場所に侵入できるなら多分可能でしょ

        原理から考えるに、経路のファイバー全交換になりそう
        • by az77 (11230) on 2002年11月15日 18時18分 (#201011)
          とりあえず、こういう事 [mycom.co.jp]みたいですけど。

          引用 >完成度は高く、1550nmという長波長帯を利用するため、すでに利用されている光ファイバを活用することが可能。

          プレスリリースからすると、テストはまだのようですけど。
          親コメント
    • 俺も便乗質問。

      2点間の通信ならわかるけど、
      もしn台でネットワーク構築するんなら光ファイバの完全結合なネットワークが必要?
      • by kota128 (6016) on 2002年11月16日 0時44分 (#201147)
        光スイッチとか言う、光だけで通信先を切り替えられるものがあるんだっけ?
        名前以外の具体的なことはぜんぜん知らないけど(汗
        親コメント
        • by L.Nizah (7804) on 2002年11月16日 6時43分 (#201244)
          波長ルーティングの事でしょうか。
          "ものすごく" 胡散臭い説明をすると

          光をプリズムに当てると、直進ではなくて屈折して進みます。
          このときの曲がる度合いが、光の波長によって異なります。
          赤い光は右へ、青い光は左へ というように。
          この基本的な性質を利用して、ルータ部分にプリズムを置き
          A(右)宛のデータは赤い光で送信
          B(左)宛のデータは青い光で送信
          とすると、光が勝手に自分の宛先に進んでいきます

          波長ルーティング、λルーティング、MPλS などのキーワードで探せばHITするかと。

          # 実は自分も良く分かってないけど恥を忍んでID
          親コメント
      • たとえば AB 間で通信をする際に Cで一度中継をするような場合
        つまり A - C - B と繋がる場合を考えると、
        この時点で A は "信用できるC" を選択する必要があります。
        同様にBは、Aと通信する以上、"Aが使っているC"を信用するしか無いです。(Cがあやしいなら、"Cを使っているA"もあやしい。)

        それで、"信用できるC"を選ぶ方法が別途用意できた状態で今回の技術をつかうと、
            Aが"信用できるC"を選ぶ段階は2点間の通信なので安全
            A-C間 および C-B間 は 2点間の通信なので安全
            A-B間でも安全
        という話のながれになるのだと思います。

        # 間違っていたら指摘して えらい人
        親コメント
      • どこか誰にも分からないようなところにセキュリティ万全のデータセンターを置いて、そこですべての情報を交換処理するとか。
        この施設自体がセキュリティホールとなりますがね…。

        全銀ネットとかはこの方式で問題ないでしょうな。現状でもどっかに交換所があるらしいから。
        • 鏡で反射させたり、泡で回折させたり、切れ目をいれた板をうまくつかったり、熱で物性をいじったりして、光を曲げてやればいいのではないでしょうか。
    • 量子暗号は光子本体ではなく、光子対の偏向を検出するものです。
      したがって、増幅は不可能です。
      通信には、光子本体を伝達する信号ラインの他に、通常の信号ライン
      が必ず必要だったと思いました。
      (昔勉強した事なので、今は変わっているかも知れません。)
      検出には偏向フィルタを用い、お互い任意時間で変え、その時の
      • by uxi (5376) on 2002年11月17日 1時13分 (#201698)
        それはつまるところ、
        量子力学における不思議の1つと言われる
        遠隔相互作用を利用していると理解してよろしいのでしょうか?
        # タイムリーなことに
        # 量子テレポートとアインシュタインのパラドックス
        # についての記事をつい最近読んだ記憶があるのですが、
        # ソースを失念、、、(- -;;;)
        # どなたか知りません?って、(^^;;;)をぃをぃ、、、
        # いや、、、でも最近マジで物忘れが、、、
        # どこで読んだんだ、、、俺、、、

        それにしても、偏光フィルタを変えるって、
        まさか機械的にでしょうか?
        だとすると7.2bbsなんて脅威的な遅さもうなずけますが
        まさかねぇ、、、(^^;;;)

        なんとなく原理も分ってきた気がします。
        ありがとうございます。
        --
        uxi
        親コメント
  • by k6p (7828) on 2002年11月15日 10時33分 (#200867)
    実用化に成功したのではなく、実用システムを想定した実験に成功した段階では?
    一般向け製品の実用化にはさらに5-10年程度かかると、産経新聞の記事にはありますね。
  • 「約1万個単位の光子の『束』」っていうのが良くわからないです。
    フォトン一粒レベルまで弱くしたレーザ [aist.go.jp] を使ってフォトン毎に情報を載せる、
    あるいはこの方式で出るフォトン発生のランダム性を使って
    鍵生成するものだと思ってました。
    なので、必要に応じて必要なタイミングでフォトンを発生する
    単一光子ターンスタイル素子 [oitda.or.jp] などが開発中である、
    と認識していたのですが、どこかおかしいですかね。
    約1万の多重量子通信をしたっていうわけでもないだろうし。
    誰か教えてくださいな。
    • by nekopon (1483) on 2002年11月15日 13時30分 (#200932) 日記

      『つか』とか『そく』とかの数学/物理学用語じゃなくて『たば』という一般名詞かと思います。8ビットをたばにして1バイトにする、みたいな。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      >「約1万個単位の光子の『束』」っていうのが良くわからないです。

      産経新聞がおかしいだけですので、気にしないように。
    • by Anonymous Coward
      元の記事を読むと、
      「約1万個単位の光子の束に載せ、暗号化した膨大な情報を送る現行方式と異なり、光子の一粒一粒に情報を搭載し...」
      という事で、以上。
  • by deleted user (9994) on 2002年11月15日 16時24分 (#200970) 日記
    記事とニュースリリースを斜め読みしましたが、鍵を送受信する経路に量子暗号通信を使って、本文は通常の経路を使ったんでしょうかね。
    しかしビットレートが7.2bpsって、モールス信号並?^^;

    #アインシュタインが生きていたら、どう思ったんでしょ。
    • 鍵専用の暗号通信[7.2bps]/データ用の通常通信[100Mbps?]
      2モード切り替え型の光ネットワーク装置

      なんてのを作っても、すぐ壊れそうな気がしますが
      いずれ技術でカバーできるようになるのでしょうか…

      #光量差が凄いだろうから、制御に失敗したら即修理とか。

      ##浮動小数点の計算で言うと、どういうエラーだっけ…え、違う?
      親コメント
  • by pee02674 (7296) on 2002年11月15日 16時39分 (#200976) 日記
    光子のパルスに情報をのせるわけではなく、光子そのものに情報をのせると。
    イメージとしては、通信というより郵便ですかね。
    • Re:光子郵便? (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2002年11月15日 17時07分 (#200982)
      「光通信」と言ってしまうとITバブル崩壊と共に消えて行きそうな印象を与えるので「光子郵便」という命名は良いかもしれませんね :-)
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        光子 [mainichi.co.jp]郵便?
        確かに息は長いし、質もよさそうな感じ。

        #ダメダメなので
        • by Anonymous Coward
          それもいいけど、やっぱりちょっとオマケして
          「光子力郵便」にあこがれちゃうなあ……

          #いい歳してるので
  • IEEE のメンバーであれば
    ここに
    [ieee.org]量子暗号化の基礎理論が載っています。
    その説明によると、途中で暗号を読もうとした場合は、鍵があっていないと、暗号解読は不可能であるほか、元の情報さえ再現できなくなるという仕組みです。

    詳細を説明するとこうです(AさんとBさんの通信):
    1,Aさんはランダムに4種類の極性(±45度、0度と90度の極性)を使った光のパターンをBさんに送信します。
    2,Bさんは二種類のフィルター(0度と90度の極性を関知するものと±45度の極性を感知するもの)をランダムに使って受け取ったパターンを感知します。
    3,ほかの通信方法を使いBさんはAさんに使ったフィルターのパーターンを教え、Aさんはどの部分が正確に感知されたはずかを伝えます。
    4,正確に伝えることのできた部分をビットパターンと(0度と-45度を0、90度と+45度を1とするなど)して暗号化のキーにします。

    ここで途中にCさんが介入したとします。
    Cさんも二種類のフィルターを使って光子のパターンを観測しなければなりません、すると、一部は正確に受け取れますが、間違ったフィルターの部分は間違って感知されます。また、一度感知した光子は感知された状態に変化しているので(量子力学の基礎)BさんはCさんが感知した光子のパターンをを受け取ることとなりAさんの送った者とは違うパターンが感知されます。
    BさんとAさんはここでフィルターパターンと正解のビットを通信し、暗号のキーを使って通信を始めますが、Aさんの転送しているデータはBさんもCさんも解読ができなくなっています。
    CさんはまずBさんとは違ったフィルターを使っているので、いくらBさんのどのビットが正解なのかわかってもBさんのビットパターンとは違った物になってしまいます。
    また、BさんもCさんが介入したせいで受け取った光子のパターンがAさんの送った物と違うためAさんが使った暗号キーとは違う物になります。

    この暗号キー通信を破るには光子の極性を確実に判定する技術が必要になりますが、そうなるとフィルターでは簡単にできないのでしょうかね?まぁ、量子力学の基礎は「事象の状態を全く変えずにその事象を観測することは不可能である」ですから、そういった意味では簡単に破れそうに見えないのですが、、、
    --
    #寝る時間を削るか、遊ぶ時間を削るか。それが問題だ。
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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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