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「ゲーム脳」追試研究@エンタテインメントコンピューティング2003 113

ストーリー by Oliver
思考停止を目的にゲームをすることも 部門より

oltio曰く、"今月13~15日に大阪で開催された 情報処理学会のシンポジウム エンタテインメントコンピューティング2003 にて、東京大学の松田剛氏が「テレビゲーム操作中における前頭前野の活動計測:近赤外分光による研究」という題で発表した。
今回の研究では、対象ゲームを4種類(シューティング・リズムアクション・ブロック落し・サイコロパズル)に増し、それぞれにおいて脳の活動がどのように変化するかを、近赤外分光(Near Infrared Spectroscopy, NIRS)を用いて測定している。それによると、単純な足し算作業をしている時の脳の状態に比べて、ほぼ全てのゲームで活動低下が見られた。特にリズムアクションではほぼ全ての領域で低下している。一方で、サイコロパズルやブロック落しでは、活発になる領域も観測されている。

論文では、リズムアクションは「(操作は)タイミング良くボタンを押すことのみであり、(略)反射的な行動のみが繰り返された結果、複雑な行動計画や意思決定は行われず、前頭前野の活動が必要なかったものと思われる。」と考察されている。結論として、全体的に活動低下がある事は確認された一方で、 ゲームの種類により活動の変化に違いが顕著であることを挙げている。また、 ゲームの習熟過程を対象としていないため、今後は習熟度を考慮した検討をしたいとしている。
ところで、このシンポジウム自体とっても楽しいものでした(僕自身は口頭発表2件とデモ1件余興演奏1件を1日でやったのでえらく忙しかったけど)。ゲーム業界からも多数の参加者がありましたので、酒の席などでいろいろな話が聞けました。来年は東京での開催を予定しているそうです。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 比較対象 (スコア:2, 興味深い)

    by airhead (13423) on 2003年01月19日 20時22分 (#238616) ホームページ 日記
    記事より
    > 単純な足し算作業をしている時の脳の状態に比べて、
    > ほぼ全てのゲームで活動低下が見られた。

    そろばんを用いた足し算作業時の脳の状態とも比べて欲しいよね。
    • by newcomer (13464) on 2003年01月19日 22時40分 (#238706) 日記
      根本的にまだ比較対象が少なすぎると思う。
      もっと様々な状況での脳の働きを比較しなければ
      実験結果に何らかの意味を求めることも難しいのでは?

      そういった大量の統計の中でゲームが異質であると言うのでもない限り
      ゲームに着目していること自体が意味不明に思える。
      親コメント
      • まずは似たような身体活動(頭も含む)をしていると判断されるものどうしを比較、のほうがよさそうな気がするけどなあ。

        リズムアクションってのが、アーケード筐体か家庭用ゲーム機で標準パッドかそれとも...はよくわからんけど、その他については「(主に)視覚情報をもとに即時判断して(すでに学習ずみの)指の動きで返す」
        という感じのやつじゃないかな。

        んで「足し算」ってのも暗算なのか筆算なのかそれとも...もよくわからんのだけど、「そろばん(電卓でもいい)で計算」「すでにある文章をタイプ」「ラジコン」なんかが比較対象として良さそうだと思うんだけどね。

        あるいは「(リアルタイム性の低い)ストラテジー」と「囲碁/将棋」を比較するとか。
        親コメント
        • by oltio (3848) on 2003年01月20日 2時02分 (#238845) 日記
          実験での「足し算」は、モニタ上に表示された1桁の数2個を
          暗算で足し合わせ、回答するというものでした。入力は
          ボタンです。

          実験で使ったゲームはどれもPlayStation用だったかと。
          親コメント
      • 「モニター上でゲームをすること」と「モニターを使わないでゲームをすること」
        がどう違うのかを、まず最初にハッキリさせて欲しいところです。

        例えば、ネット上で囲碁や将棋の対戦をすることが出来るけど、
        これは実際に盤上で向かい合ってするのとどう違うのか、とか。

        逆にゲームの内容を可能な限りモニターを使わない形で再現し、
        モニターを使った場合とは、どう違って来るのか、という事も重要でしょう。

        余談ですが、「テトリス」が大ブレイクした頃、
        雨後のタケノコのように大量のパズルゲームが出ました。
        しかし、ほとんどが生き残らなかった(続篇が出なかった)ように記憶してます。
        結構頭を使う、刺激的なパズルゲームもあったと思うのですがね。

        実際に「頭をかなり使う」ゲームがあったとしても、
        それをお金を出して買う人が多いかどうかは、また別問題ではない
        でしょうか。

        親コメント
  • by oltio (3848) on 2003年01月20日 2時16分 (#238854) 日記
    僕としては、これらの研究結果を踏まえて(まだまだ足りないけど)、
    それでは今後どうしたらより良いビデオゲームが作れるのか、という
    方向に議論が進んで欲しいと思っています。どうしてだか「ゲーム脳
    はトンデモだ」「プレイスタイルの問題だ」「ゲーム選びが悪い」
    というの反応に終始しがちなんですよね。

    大筋として、単調なパターンに陥りやすいゲームを長時間プレイ
    するのがまずい、というのは多分正しいのではないかと思う。
    テトリスコラムスなんかは、徹底的に上達してしまうとまさに
    トランス状態でゲームが進められますからね。もちろん、何も
    考えたくない、たいして頭を使わずに快楽を得たいという時には
    とてもいいゲームですが、これを長時間毎日やり続けるのはまずい。
    これは確かにプレイスタイルの問題だけど、ゆくゆくはゲーム提供
    側からも、こうした極端な行為を防ぐための策を盛り込まないと
    いけない可能性もある訳です。

    また、一人用RPGなんかでも、最近のゲームでは、イベントとイベント
    の合間は単調なモンスター倒しに終始してしまう事が多いのですが、
    これがまた「ゲーム脳」状態に近い感覚でプレイできてしまう。
    「いや、戦略をきちんと考える戦闘をすればいい」とつい反論して
    しまいがちだけど、実際問題として、パターンに落して反射的に戦闘
    をこなすだけでもゲームが進んでしまい、その方が楽だから大多数の
    プレイヤーはそれを選んでしまう。

    「普通そんな何時間もやらねー」とも思いますが、子供達はスゴイ
    ですよ。放っておくと平気で何時間でもゲームに没頭します。以前は
    これを「すごい集中力だ」と解していたのですが、実は「集中力」は
    求められていないのではないか、単なるトリップなんじゃないか、
    という事ですよね。

    という訳で、ゲーム製作側としてもかなり真面目に対処する必要が
    あるんじゃないかというのが僕の感想です。
    • ゲーム会社のように企業モラルを要求されている人たちなら、
      業界団体の申し合わせとかそんなもので方向づけはできるでしょう。
      けど、ゲームを作るのは、必ずしもそういった人たちだけではないわけで。
      どういうゲームがヤバいか明らかになった場合、アンダーグラウンドなとこで
      そんなのがじゃんじゃん出てくることは想像できなくもないかも。
      法規制とか始まったりしたら…嫌だな。

      # N○rton Anti-DragGameとか出てきたりして。
      親コメント
  • うちの姪っ子は、ポケモンやりたさに平仮名とカタカナを読める様になりましたが・・・その辺の効果って認識してるんでしょうか?
    これだって [namco.co.jp]、文章を作る能力がなければダメですし。

    どのジャンルのゲームにしても、結果で一喜一憂したりとかもします。
    脳内云々という数値にばかり目が行って、副次的(と表現するのが正しいか?)はどう評価しているのでしょうか?
    次は、そういった部分も込みにして・・・はくれないんだろうなあ(苦笑)

    #メンコとかベーゴマとか(って例え古いか?(笑))だったりしたわけですが、その頃よりも良くなった側面もあると思うんだよねえ・・・
    #個人の体格差ってのは関係ないし。
    --


    --- いじょ、トーシローの呟きでした。
  • NIRS?? (スコア:2, 参考になる)

    by blackcat (13318) on 2003年01月20日 9時58分 (#238962)
    >て脳の活動がどのように変化するかを、近赤外分光(Near Infrared Spectroscopy, NIRS)を用いて測定している。それによると、単純な足し算作 業をしている時の脳の状態に比べて、ほぼ全てのゲームで活動低下が見られた。

    その発表を見ていないので分かりませんが,NIRSに関してはかなり疑問があり ます.波長は恐らく2,3個しか使っていないと思いますが,変数はそれ以上に 存在します.つまり仮定=拘束条件が多いわけです.最大の問題は本当にどこ を測定しているのか分からないことだと思っています.都合のいいチャンネル のデータだけを選び出したりしていないのか参加者からの意見を聞きたいです.

    脳脊髄液の流速の変化や散乱光の影響,皮膚血管のHbの影響など出てきたデー タが信頼に足るものだと私には考えられません.

    あれは直進した光ではなく曲がった光を測定しているのだから...

  • ここを読む限り、あの本自体怪しいものですね。
    東京大学の研究は、どの程度信憑性があるのかはっきりして欲しいものですが…、
    前頭前野も他と比較しなければ意味がないとあります。
    その辺はいかがでした?

    http://allabout.co.jp/game/portablegame/subject/msub_brain-clm.htm
  • by kota128 (6016) on 2003年01月19日 19時43分 (#238602)
    2DのSTGなんかは、反射的にやっている一般の人と、暗記物としてやっている玄人ではかなり違いがあると思うんですが、その辺のところってどうなんでしょう?

    ついでに言えば、2Dのスクロールするタイプ(グラディウスみたいな)と、3Dのフライトシム(エースコンバットとか)みたいなタイプでも全然別のゲームだったりするわけで・・・
    もしかして、ひとくくりでSTGとして見てたりするんでしょうか?

    #2Dも3Dも全部好きだけど(w
    • by uhyorin (10375) on 2003年01月19日 21時07分 (#238636) ホームページ 日記
      > 反射的にやっている一般の人と、暗記物としてやっている玄人ではかなり違いがあると思う

      この点ですが、リズムアクションゲームでも同様のことが言えると思います。
      現在(当初からかな?)のリズムアクションゲームの難易度設定は非常に幅が広く、論文の主張にある「(操作は)タイミング良くボタンを押すことのみ」でクリアとして認定される程度のものから、「譜面を見て反応するだけではほぼ対応不可能 -> 譜面を覚える等の計画性が必要」とさえ思える極悪難易度まで、プレイヤー自身が難易度選択が可能であるほど幅が広いものになっています。
      2Dシューティングでも完全攻略の域に達するには年単位での習熟性が必要ですし、それに見合うだけの攻略方法の確立が必要です。
      #残念ながら完全攻略を達成したゲームはひとつもありませんが(汗

      したがって、ゲームをプレイする人のスタイルによって(脳活動等の結果が)大きく異なるのではないかと考えています。
      /.J的にはどうなのでしょう?
      親コメント
      • by kota128 (6016) on 2003年01月20日 2時00分 (#238843)
        あ、リズム系のゲームも結構そうなってるんですね。
        あまりその系統やってないので(^^;、STGの話だけを書いてました。

        #私も2D STGの完全攻略を目指したのは、もうずいぶん昔な気が・・・。
        #最近ちょっとまた手を出してみましたが、ぼろぼろでした(w
        #すっかりSLGが中心になってるなぁ・・・。
        親コメント
    • > 反射的にやっている一般の人と、暗記物としてやっている玄人ではかなり違いがあると思うんです

      反射も回想も頭(前頭前野)を使うとは言えないでしょうね。
      ゲームを繰り返ししたかどうかで ゲーム脳かそうでないかは決まります。

      http://www.zakzak.co.jp/gamezak/dejibata/gamenou03.html
      親コメント
      • by kota128 (6016) on 2003年01月20日 2時17分 (#238855)
        ってことは、2DのSTGは駄目ですか(TT

        でも、リンク先を呼んだ限りでは、スキー脳やテニス脳もあるわけで、そっちは問題としてぜんぜん上がってこない。
        ってことは、2D STGをやってゲーム脳と言われる同様の状態になっても、別にたいした問題は無いって思っていいわけですよね(w
        #ゲームだけ特別なのか?

        #しかし、繰り返しが駄目で頭で考えるものが良いということは、ストーリー重視のギャルゲーなんか、とても頭にいいということになるんだろうか(w
        親コメント
  • こういう… (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2003年01月19日 20時36分 (#238622)
    [konamityo.com] [aquaplus.co.jp] [visualarts.gr.jp] [oaks-soft.co.jp]とかのゲームではどうなんでしょう。
    是非研究してもらいたいものです :-)
  • (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2003年01月20日 2時08分 (#238850)
    結局何が導かれるのでしょうか? そもそも、育ち盛りの子供がゲームをやりすぎれば、 脳がどうこうよりも、コミュニケーション能力に障害がおこったり、 勉強を怠り頭がわるくなるのは間違いないでしょう。 願わくば、脳にいいゲームを定義してほしいものです。
  • どんなゲームでもひとからげにして「前頭葉がやられる」として、さらに「ゲーム屋とかプログラマはみんなおなじ痴呆だ!」という乱暴で強引で粗雑な議論が「NHK出版」とか「大学教授・医学博士」という権威のもとにされてしまったことだね。

    それに加えてデータの不正確さが挙げられるけれども、それは上記の根本的な問題をさらに助長するものだったことはたしか。

    今回の「実験」は、より正確で客観的なデータを得る、という意味で意義のあったものと思うけれども、データの正確、不正確とは離れたところで、最初に書いたような「トンデモ」が「権威のもとに」公認されてしまう、ということに使われるようでは、結局同じような問題になるかと思うな。森教授と言う方、まともな科学の方法論というものをよくご存じないように見えるので、きっとこういう実験結果でも、いとも簡単に自分の望む結論にだけ、お話を持っていきそうな気がしますから。
    • 森教授と言う方、まともな科学の方法論というものをよくご存じないように見えるので

      いや、それはさすがにないのでは?
      というより、そういう事は全てわかった上で
      本を売るために、敢えて無茶な結論の導き方をしているのでは?
      取り敢えずゲームやPCを槍玉に挙げておけば、喜んで飛びつく方々は多くいらっしゃる訳で

      森教授の場合、だから余計にタチが悪いとも言えます
      親コメント
  • そもそもリズムアクションゲームというのは、プレイステーション用のゲーム
    「パラッパラッパー」の成功を受けて始まったものなのですが、
    その「パラッパラッパー」は単に表示されたタイミングに合わせてボタンを押すだけという
    単純なものではなく、自由なアドリブにも点数がつくというものでした。

    しかしそのアドリブモードではボタンを押せば押しただけ点数が上がるという致命的な欠点があったのですが、
    その点は「ウンジャマラミー」、「パラッパラッパー2」で解消され、
    むやみにボタンを押しても点数は上がらず、ある程度「音楽的な配慮」をしたアドリブをしないと
    点数が上がらないようになっています。

    音楽的には劣っていて、かつ後発であるはずのいわゆるリズムアクションゲーム群が、
    逆に本流のように扱われているのが、まずは謎です。

    論文(またはレジュメ)を読んでみたいのですが、どこかで読めませんでしょうか。
  • 人間の脳って、ゲームしてようがしてなかろうが実はほとんど働いていないとか、ありえそうで・・・。

    #ポリクロロトルエン子牛脳搭載なのでID。
typodupeerror

UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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