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発明の対価、最高裁のお墨付きに 69

ストーリー by GetSet
これでやる気も出る…かな 部門より

ncube2曰く、"最近、業績に貢献した研究・開発を行なった社員にこれまで以上の対価を払う企業が増えてきたが、アレゲで御存知日経新聞の記事によると、オリンパスの元社員が職務で行なった発明に対して、社内規定を上回る対価を払うように命じた判決が最高裁から出たそうだ。
なんでも「特許法の言う『相当な対価』に足らなければ、その分請求してもOKだよ」とのことで、文系より生涯賃金が安いと言われる技術系社員もこれで一発当ててやろうという法的裏付けが一つできたようだ。
もっとも請負のテンポラリな業務ばっかの部門にいるワシには、この手は使えそうもないが。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by futo (10691) on 2003年04月22日 15時58分 (#303068) 日記
    画期的な判決だとは思いますが、2億円の支払いを求めて、229万円なので、やはり相当な対価を求めるには相当な発明でなければならないと言う事で…

    まあ、日亜対中村さんの裁判の行方にとっては、大きな援護射撃にはなるのでしょう。

    逆に、社内規定で一律に規定していた特許出願の報酬に対しては、儲かる特許じゃないから返せ、あるいは儲かるまでは支払わないなんて事にはならないかな。そこがちょっと心配。

    それと、基本的に、儲かる特許って、必ずしも発明として画期的な特許とは限らないですよね。
    どちらかと言うと、単純だったり、ごく簡単であっても、その製品を構成する上で必要だったり、どの製品にも使われているような標準的な発明が、売り上げに対して貢献した特許になり易かったりします。
    上流の研究者たちの発明なんて、海のものとも山のものともわからないわけで、運にかなり左右されますよね。

    今でも、直接、主力事業の製品開発に関わっている社員じゃないと、特許の実施料報酬とかをもらえるケースは少ない…(ブツブツ)。

    クロスライセンスに使われたりしたら、いくら利益に貢献したのかさえ、わかりにくくなる。
    そう考えると、今後は、発明の評価とか、価値判断の技術が、ますます重要になってくるような気がします。
    • 2億求めて228万だと、弁護士の着手金代にもならないはず。

      話が変わるが、
      製品開発の奴だけ金貰えるとなれば、その分ボーナスとか今後は減らされるんだろうね。
      開発の予算と効果で、「基本給下げ+ボーナス無し」なんて事も今後有り得るのだろう。

      サラリーマンにとって良い事の様に受け止めている人も多いようだが、結局は「歩合給」や「年俸制の賃金」みたくなっていくはず。
      景気の良い時なら良い結果の方に行く事が多いだろうけど、売上増や利益増などの結果を出し難い情況を考えると、リストラと賃金カットの道具として使われる事の方が可能性が高いのでは?

      基本給が多いのとボーナスが多いのどっちが良いの?
      そう言った問題の気がする。

      開発した製品の客観的な評価って無理だし、それを求めると競合他社に使わせて証明しなければならなくなる。
      日本は物作りの国だと俺は思っているが、アメリカと違う利点って短期利益ではなく長期利益を求め長期的な開発が出来る事にあると思っていた。
      でも、特許使用料が開発の社員に歩合で分配されるようになると、短期的な利益を求めるケースが増えそう。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2003年04月22日 18時50分 (#303204)
        > 製品開発の奴だけ金貰えるとなれば、その分ボーナスとか今後は減らされるんだろうね。

        「特許で儲けた分を社員に還元する」ことと、現在の労働対価であるボーナスとは 本来は無関係なんだよねぇ。
        そこを 会社側は 付け込んでくるだろうから、だまされないようにしないとねぇ。

        > でも、特許使用料が開発の社員に歩合で分配されるようになると、短期的な利益を求めるケースが増えそう。

        いや、今でも建前はそうなんですよ。
        その「歩合」率があまりに低くて、「社員がもらっておくべき額」を会社がピンハネしてるわけで、その無根拠なピンハネ分はやめなさいってのが 今回の判決なわけ。

        けっして 会社の取り分がゼロになる判決ではないんだよ。

        だいたい、会社に金持たせても ロクなコトにならないのはバブルで立証されたんだから、社員個々人が分捕る方が正解なんだな。
        親コメント
        • >「特許で儲けた分を社員に還元する」ことと、現在の労働対価であるボーナスとは 本来は無関係なんだよねぇ。

          ボーナスって本当に労働の対価なんだろうか?
          他でも同種の書き込みを見たが、資本主義経済では大きく分けて、資本家、経営者、労働者に分けられ、サラリーマンの給料は労働者としての労働の対価として支払われているのは事実。
          しかし、ボーナスって今まで社会保障費の支払いの対象としては別枠扱いを受けていたり、会社が儲かった時には多く貰え、赤字の時には少ないというのもまた事実。会社によっては無しなんてこともある。
          そもそも、ボーナスって会社から見れば支払う義務は無い。
          そう考えるとね。
          税法上、利益の分配とすると、経費とは認められず法人税がかかる。だから、利益の分配か労働の対価かに分けるとすると、ボーナスは労働の対価扱いをしているだけだと俺は思っています。

          まぁ、どちらにせよ。
          経費が増えれば利益が減る。だから何らかの経費を削減する事になる。無尽蔵に金があるわけじゃないから。
          開発部門だけが収入を得る道が増えたら、他の社員とのバランスを取る事のなるのは当然だと思うが....
          親コメント
          • > 税法上、利益の分配とすると、経費とは認められず法人税がかかる。
            > だから、利益の分配か労働の対価かに分けるとすると、
            > ボーナスは労働の対価扱いをしているだけだと俺は思っています。

            ところが労働の対価と言い切ると、「月給制」なのにその一部を留保して半年ごとにまとめて支給するようなやり方は、
            労基法に引っかかります。(大ざっぱな表現であることはご容赦願います。)

            現在のボーナスって
            実はこの辺の微妙な駆け引きで存在しているんです。
            親コメント
        • >現在の労働対価であるボーナスとは 本来は無関係なんだよねぇ。

          ボーナスは現在の労働対価ではありません。労働対価は給与として
          もらってるでしょ。日本のサラリーマンはボーナスを貰って当然と
          思っているようだが、それは違う。特別賞与が本来の姿。
          業績が良くなければ、払わなくても良い。
    • 私自身、研究やってる企業技術者ですが、この流れはあまり歓迎していません。

      futoさんのおっしゃるようにやはり価値基準が難しく、予測不可能な面があるためです。技術なんてのは価値判断を"いつ"やるかによって全く評価は違うわけで、成功してから「ほら見たことか」と言うのは後出しじゃんけんですし、とても"科学的"態度とは言えません。成果の出やすい部門とそうでない部門の差も激しいですし、実際、"本当に"発明者が最初に発案したかもかなり怪しいのが実情です。

      こういった騒ぎを打上花火として利用するのはイイと思いますが、最終的には技術者の待遇改善というところに持っていかないと、本当に花火で終わってしまうような気がします。もう少し実のある議論が欲しいなぁと切に願います。
      親コメント
  • 判例 平成15年04月22日 第三小法廷判決 平成13年(受)第1256号 補償金請求事件 [courts.go.jp]

    パテントサロン [patentsalon.com]に関連記事リンクがたくさんあります。
    妥当性については私にはよくわかりません。
  • 微妙 (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2003年04月22日 16時06分 (#303072)
    経営者の立場からみれば、
    雇用している社員の発明に対する対価として給与や規定の特別報酬・ボーナス等を支払っているわけであり、安い!といわれまして困りますな。
    逆に、会社が損失を出したら社員に対して、働きが悪いから利益が減少したのだから、過去に支払ったボーナスを返却してください!とは死んでも言えませんし。

    しかし、会社とは何なのか?といった事を労使共に考え直す切欠にはなる判決ではありました。
    社員が居て会社ですし、会社組織の中には直接会社を支えているわけでもない基礎研究部門もあり、その人々は研究成果が出るまでは他の社員に支えられているわけです、成功したから特別扱いできるのかといった部分には葛藤があります。

    とはいえ、今回のケースだとボーナスとしてなら1000万円程度なら支払うべきだとは思いますけどね、私なら役員に迎えて長く会社と共に歩んでもらうようにしますね。
    • Re:微妙 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2003年04月22日 16時24分 (#303087)
      > 会社が損失を出したら社員に対して、
      > 働きが悪いから利益が減少したのだから、
      > 過去に支払ったボーナスを返却してください!
      > とは死んでも言えませんし。

      そりゃそうだ。
      過去に支払ったボーナスは、過去の働きに対するモノ。
      過去にも働きが悪かったならばボーナスを払った時の評価が間違っていたのだし、
      今現在働きが悪いのならば今度のボーナスで相応の評価をすればよろしい。

      お宅の会社の社員が今現在働きが悪いのだとすれば、
      前回のボーナスが納得出来る金額では無かったのかも知れませんね。(^^;

      そもそも、損失を出したのは誰なんだ、って話で。
      それが明確ならば、その人に責任を取って貰えば良いんですが、
      明確じゃない場合は経営者の責任なので、社員に返せと言われても...。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        > 過去にも働きが悪かったならばボーナスを払った時の評価が間違っていたのだし、

        特許に対する報酬みたいなのは、どうなるかわからんでしょう、その時点で。
      • by Anonymous Coward
        >経営者の責任なので、社員に返せと言われても...。

        となれば、社員として開発した発明は会社のものであり
        報酬が安いからといって意義を争うことはタブーなのでは?

        それまでの給与が安いなら会社を辞めればよいわけですし、
        成功報酬はあくまで会社からの「ボーナス」ですよね。

        今回の場合だと、下手すると成功しなかったのかもしれませんし、
        その場合でも給与は支払われているわけですし難しいですよね。

        > お宅の会社の社員が今現在働きが悪いのだとすれば、

        あ、うちは損失はありません、ボーナスも給与も安いかもしれませんが、社員の方々にはとても頑張って頂いております。
        • Re:微妙 (スコア:1, 興味深い)

          by Anonymous Coward on 2003年04月22日 17時45分 (#303153)
          「会社に貢献した」という自負を満足させる必要があるのです。
          それは金に限ったことではありませんが、精神的に満たされねば金で満たすしかなくなります。

          内部の事情などうかがい知る術もありませんが、原告を軽く扱いすぎたんでしょう。
          親コメント
        • by Fortune (6210) on 2003年04月22日 18時04分 (#303174) 日記
          > となれば、社員として開発した発明は会社のものであり
          > 報酬が安いからといって意義を争うことはタブーなのでは?

          この考えは特許法の趣旨に反してますね。
          特許法35条3項
          従業者等は,職務発明について使用者等に特許を受ける権利等を承継させたときは,相当の対価の支払を受ける権利を有すること
          とあるので、まさに今回の判決で触れられた所かと。

          > 今回の場合だと、下手すると成功しなかったのかもしれませんし、
          > その場合でも給与は支払われているわけですし難しいですよね。
          これは難しくはないかと。給与(含む賞与)は特許報酬とは分けて考えるべきじゃないですか?
          ある特許が利益をもたらさなかったとしても、その特許開発の作業に対する対価(これが給与)は支払われて当然でしょう。

          で、その特許開発で利益が無いどころか損失になった場合は、特許報酬とは逆にその特許を立案した人にしかるべき責任を取ってもらえばいいわけで。
          親コメント
          • by chanbaba (13080) on 2003年04月23日 3時20分 (#303486) ホームページ
            >で、その特許開発で利益が無いどころか損失になった場合は、特許報酬とは逆にその特許を立案した人にしかるべき責任を取ってもらえばいいわけで。

            「その特許を立案した人」って、開発の着手を決めた人?それって開発者じゃなく大抵は経営者だよね。開発部門のトップの場合もあるだろうけど。労働者の場合はほとんど無いのでは?

            それと損失の計算って難しいよ。
            物が売れたり売れなかったりした原因が、営業にあるのか、開発力にあるのか、製造力にあるのか、小売店の力とかが絡み合ってて、金額出しても本当に正しい数字なのかは分からない。
            開発部門が独立採算でやっていたとしても、携わった人や過去の知識の蓄積、先輩などからのアドバイスなど色々あるよね。

            ライバルメーカーより良い製品を安い価格で提供出来る技術を開発しても、糞な営業力が原因で売れなく赤字になったとしたら、営業の連中は「開発費が原因で営業費用の予算が取れなかった。開発部門が原因」とか「ライバルより劣る技術だった」とか言うだろう。
            簡単に原因が解かれば誰も苦労しないよね。
            親コメント
        • by Anonymous Coward
          >となれば、社員として開発した発明は会社のものであり
          >報酬が安いからといって意義を争うことはタブーなのでは?

          儲かった場合のみ還元すれば良いことでしょう
          固定+歩合みたいに思えばよいのであ?
          無論固定の部分が気に入らなければ人はやめていくでしょうしね
          その辺はその人の能力によって、固定部分は人を確保していくための費用ってところでしょう

          >それ以外に会社や顧客との人間関係や仕事の充実感を
          >満喫するだけで幸せになったもの
          • by Anonymous Coward
            何かへンだぞ?

            特許が利益を上げれば報酬が支払われるのは良い(むしろ推奨)として、
            じゃあ無に帰したり役に立たなかったら、
            その場合の賃金は賃下げでOKってことなのかな?
            もしくは、固定部分が最初から異常に低いとか…。

            もし「役に立たなくても不問」ならみんなそればっかするだろうし、
            他の部署、特に労働対価が測りにくい間接部門はやる気を失うだろうね。
            社内で特許の奪い合いによ
    • Re:微妙 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by futo (10691) on 2003年04月22日 17時12分 (#303119) 日記
      >雇用している社員の発明に対する対価として給与や規定の特別報酬・ボーナス等を支払っているわけであり

      給与やボーナスは発明に対する対価じゃなくて、労働に対する対価なのでは?
      で、発明に対しては、特別報酬は定められてるかもしれないけど、相当とは言えない場合があるよ、と言うのが今回の判決なんじゃないかと思います。
      あなたの会社が、特別報酬に、どんな発明にでも数千万円支払っているならともかく、数万円では、数十億円の利益貢献に対しては、不当だよと言う主旨なのでは無いでしょうか。必要十分な報酬を与えているのであれば、それで問題ないのでは?

      >働きが悪いから利益が減少したのだから、過去に支払ったボーナスを返却してください!とは死んでも言えませんし。

      普通、賞与は、当期の会社の業績に対して与えられるものですよね?
      利益が減少したなら、与えなければいいだけの話で、何も過去に遡らなくていいはず。
      特許に関しても、優れた発明のおかげで、業績があがったのなら、それに連動する形で、報酬も与えていけば、別に返せなんて話にならないのでは?

      >その人々は研究成果が出るまでは他の社員に支えられているわけです

      成果を出さなくても、また優れた発明を全然しなくても、出した社員と全く同じように扱う方が、(成果を出した社員に対して)不公平だと思いますけど、そうでは無いですか?
      親コメント
      • Re:微妙 (スコア:2, 興味深い)

        by Magicat (12918) on 2003年04月22日 18時59分 (#303208)

        日本で言う「ボーナス」は、bonus 本来の「成果に応じた御褒美」という意味はほとんどないですね。

        日本的な習慣では「月々の給与の一部をプールしておいて、それを決まった時期にもらう」金額が大部分を占めているわけで、だから「年間のボーナスは4ヶ月分」というようにあらかじめ金額の目安がつけられるわけですよね。
        それは「社員の生活にボーナスとしての収入が既に組み込まれちゃってる」ということで、『利益が減少したなら、与えなければいいだけ』とはちょっと乱暴かな。

        『優れた発明のおかげで業績が上がったら、それに連動する形で社員に還元する』システムを備えていない、あるいはそういうシステムを作り上げることがすごく難しいということが、現在の社畜機構の問題なんでしょう。
        自分もごくごく小さな会社の経営に携わっていますが、働いていて楽しいと思ってくれる会社システムを作るのは本当に難しいと思います。
        幸いにも、扱いに困るような大発明には今のところ巡り合っていませんけど。:-)

        --
        -- 環境負荷に配慮して言葉のオブラートを少なめにしています --
        親コメント
        • by futo (10691) on 2003年04月22日 19時40分 (#303228) 日記
          主旨を理解していただきたいのですが、
          私は、ボーナスがどういう性質のものであるかは議論していません。
          会社によって、いろいろ個別事情があると思いますし。

          言いたかったのは、当期に対して支払われるものに対して、過去に遡って返せと言うことにはならないでしょう、という話です。
          ボーナスだって、当期の利益が少なければ、春闘の結果(?)多少の減少がある場合もあるんじゃないですか?
          絶対4ヶ月分と固定で決まってるわけじゃないんでしょう?
          会社が傾いても、倒産間際になっても、それでも4ヶ月分死守してるわけじゃないでしょう?
          でも、そんなになっても、倒産寸前だから過去のボーナスを返せと言う事にはならないでしょう?

          そういう話です。

          当期、すごく利益が出たなら、ボーナスとして社員に還元してもらいたいし、それが特許に基づくものであれば、そのうちの特許が貢献した分を、発明者に還元する、そういう風に相当の対価を考えたらいかがでしょうか? と言う事を、#303072の方に言ってるだけです。

          もっとも、この最高裁の判決によれば、支払い時期は、会社が自由に決めていいみたいなので、プールしておいて、最後に支払いもありかな、とは思いますが。
          ただ、そうすると、会社が危なくなると、退職積立金みたいに知らないうちに取り崩されてたりするのは、嫌かな。(笑)
          親コメント
          • それを量るシステムを作り上げないといけないですね。
            今回のケースでは、明らかに褒賞金額が低すぎるだろうと私も思いますよ。

            当期、すごく利益が出たなら、ボーナスとして社員に還元してもらいたいし、それが特許に基づくものであれば、そのうちの特許が貢献した分を、発明者に還元する、そういう風に相当の対価を考えたらいかがでしょうか?

            この『対価を考える』ことがすごく難しいんですよ。
            会社にはさまざまな業務の社員がいてみんなで協力しながら利益を生み出しています(足を引っ張るヤツもいるという茶々はおいといて)。
            そういう人たちが「ある大発明に由来する利益に対してそれぞれどのくらい貢献したのか」を判断する材料としては何があるのか、なかなか即答できる問題ではありません。

            それをやろうとする試みには業績評価制度とかいろいろありますが、現状ではまだ荒削りでうまく機能していない印象のほうが強いです。
            このあたり、まだまだ経営側の努力が足りません。

            ボーナスの性質については、おっしゃるとおり一般論で話すことはできませんね。
            ただ、「赤字企業でもボーナスは出ているというのは珍しくない」という事実で、日本的ボーナスの微妙な性質を読み取っていただきたいと思います。
            そのようにして支払われたボーナスの原資は、定期昇給の凍結とか残業代カットなどでまかなわれることも多く、結果的に「ボーナス分の返上」となってしまうように見受けられます。

            --
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            親コメント
        • by Anonymous Coward
          > 日本で言う「ボーナス」は、bonus 本来の
          > 「成果に応じた御褒美」という意味はほとんどないですね。

          「無かった」と過去形にしていただけませんか?(^^;
          最近流行の「業績評価制度」と言うものを採用していると、
          成果に応じた報酬以外の何物でもなくなりますので、

          # そして私は、前期の業績が低い=ボーナスを期待出来ない。
          • by Anonymous Coward
            | > 「成果に応じた御褒美」という意味はほとんどないですね。

            ボーナス=「月々の給与の一部をプールしておいて、それを決まった時期にも
            らう」ものということだとすると、無いのは「意味」だけではなくて「成果に
            応じたご褒美」自体ですよね。

            |「無かった」と過去形にしていただけませんか?(^^;

            実体は色々だと思いますけど語感だけで言ったら「業績評価制度」に基づくボー
            ナスってご褒美じゃなくて利益分配の修正部分という感じがします。
  • by hix (3507) on 2003年04月22日 17時06分 (#303116) 日記
    「社内規定を上回る額を払え」ということは、社内規定が不当だっちうことなのかな?と推測することができるものの、判決では触れられたのでしょうか?
    それとも「社内規定そのものは不当じゃないけど、会社は発明者に払え」という判決なのでしょうか?

    いずれにせよこの判決は、
    • 今現在において有効な、
    • 両者合意の元の、
    • 規定の取り決めを、
    • 反故にできる
    ってことですから、上の何かが間違っている(または間違っていた)ということなのでしょうね。
    • by Fortune (6210) on 2003年04月22日 17時38分 (#303147) 日記
      > 「社内規定を上回る額を払え」ということは、社内規定が不当だっちうことなのかな?

      その通りです。判決文にも
      しかし,いまだ職務発明がされておらず,承継されるべき特許を受ける権利等の内容や価値が具体化する前に,あらかじめ対価の額を確定的に定めることができないことは明らかであって,上述した同条の趣旨及び規定内容に照らしても,これが許容されていると解することはできない。
      とあるので、特許報酬の金額を制限するような社内規定は、特許法の趣旨にそぐわないから無効ってことのようです。
      親コメント
    • by futo (10691) on 2003年04月22日 17時42分 (#303150) 日記
      結果的には、社内規定が不当だったと言う事なのでしょう。

      判決を見ると、社内規定では、ライセンスした場合、ライセンス開始から2年間に限り、報償を与えるとなっていた様です。
      しかし、当然、会社へのライセンス収入は、2年を経過した後にも発生しており、その分の「相当の対価」は支払われていないと言う判断のようです。

      2年間に限り、と規定してしまっていた点が、特許法からすると不当だったと言う事なのだと思います。
      親コメント
      • by hix (3507) on 2003年04月22日 19時01分 (#303210) 日記
        フォローありがとうございます。

        会社側が当初支払っていたのは会社が支払いの手続きを行った間の対価の見積もり額であって、時系列を将来まで伸ばした時に発生する実際の対価とは著しい違いがあるから規定が無効。ということですかね?

        こうなると、今回のオリンパスのように支払いの期間を限定していたり、一括で(会社側の見積もり若しくは金額を一律に)○○円と規定していたりする会社は、規定の見直しが必要になってくると思われますが、会社側の心情としては変えたくないでしょうな。とはいえ、そこら辺りをきちんと(線引き)しておかないと、訴訟で結局より高額に支払わなければならない可能性もありますね(裁判そのもので色々なリソースを消費することもありますし)。
        親コメント
        • なんで2年間に区切ってるのか、定かでは無いですけど、
          ライセンス料は、少なくとも、訴訟の起きた平成7年までは継続して会社に入ってきているみたいですので、ライセンスの始まった平成2年から2年間経過した後の分、平成4年から平成7年までの3年間くらいの分は少なくとも、対価を支払ってないという判断なんでしょうね。
          最大100万円までと区切っているのも、特許法的には、相当の対価とは言えないんだと思います。
          だから、その点でも、この場合の社内規定からの対価の支払いは、無効なんでしょう。

          >規定の見直しが必要になってくると思われますが

          まさしくその通りなんじゃないでしょうか。
          期間や金額面で上限を設けている社内規定は、今回の最高裁判決からは、見直さない限り、訴えられたら負けなんじゃ無いかと思います。
          親コメント
    • 「勤務規則に対価条項があっても、相当の対価に満たないときは、社員は不足額の支払いを求めることができる」
      そうです。
    • 今回の判例は 別のとこにあるとしても

      > 両者合意の元の、

      これは 怪しいんじゃないかな。
      会社と社員は 決して対等ではないんで、両者の間の合意ってのが
      往々にして 会社からの強制と同義だったりしますから。

      そういう意味合いからは 催眠商法や カルトでマルチな訪問販売での契約と変わりがないので、クーリングオフと同様に
      • >> 両者合意の元の、

        >これは 怪しいんじゃないかな。
        >会社と社員は 決して対等ではないんで、両者の間の合意ってのが
        >往々にして 会社からの強制と同義だったりしますから。

        確かにおっしゃる通りではありますが、少なくともタテマエ上はそうなっては居るので、あえてコレを書いてみました。
        # ぶっちゃけた話、例えば、規定に同意しなきゃ折角採用試験に受かっても入社できないわけで、
        # そういう重要なことと引き換えでは、細かいことは目を瞑りますし。

        しかし、「一方に対して強制的な契約であるので無効」という理由が常に通るか(またはその理由を行使する機会が発生するか)という点において、シビアに考える必要が出てきたような気もします。
        今ほど会社経営が厳しくなく労使の関係が良好だった頃に比べて、今は労働者への支払いも色々な理由から渋りがちになっているのではないでしょうか?(給与を削ってみたり、必要な手当てを削ってみたり、会社に著しい貢献をしても褒美を削って駄賃で我慢させてみたり)
        なので、さほど重要とも思えず見過ごした規定項目が、規定を提示される側にとって思いがけず不利な形で適用される事態が今後増えるんじゃないかな?と
        また、今回は会社規定が現行法に反するということから会社側に支払いを命ずる判決が出ましたが、場合によっては「(解釈の仕方によっては)会社規定が何ら問題ない」というような判決が出る事例も発生するかも知れません。「同意してんだから後からグダグダ言うなや!!」ということで、泣き寝入りするハメになってしまいます。

        何かコトを起こすにあたっては、自分が縛られている規定を適応した場合に自分が不利になるかどうかを判断し、もしそうであれば規定を変えさせたり、その規定の範囲外(退社するとか)でコトを起こすといった、「自分の行動に対して希望する結果と規定とのミスマッチ」を解消する行動が必要になってくるのかも知れません。
        とはいえ、特許の取得などなら割と結果が予測できますが、日々の業務全てにおいて、前述のミスマッチが生じるかどうかなんて判断しにくいですがね。

        >こんな 社員イヂメに懲罰的賠償金を課したり、同じような被害をこうむってる技術系社員を対象にしたクラスアクションみたいなコト
        >できないんですかねぇ。

        これ、結局「会社を辞める」ということが、昔に比べて選択肢としての割合が高いのかな?と思うのですよ。月並みな言い方をすれば終身雇用制度は崩壊していますし。前述した通り、経営が苦しい会社には、労働者にとって理不尽な形で賃金を搾取しかねない理由がありますから。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2003年04月22日 17時19分 (#303125)
    なぜ文系の方が生涯賃金が高いのだろう?
    責任や役回りを考慮しても
    大きく差がつくのが妙だ(約二千万の差だっけ?)。

    日本の資本が技術なのならば
    理系社会でも良い気がするが、
    想像つかないなー。
    • by Anonymous Coward on 2003年04月22日 18時04分 (#303173)
      人事や営業は業務での判断において自分の利害に関する意思をはさむ余地が(表に出ないにしろ)あるのに対して技術職においてはそれがない。

      「異動を認める、認めない」
      「仕事をまわす、まわさない」
      「製造する、しない。納期に合わせる、合わせない」

      製造はしなきゃならんし納期には合わせないといけない。
      そうしないのは「スト」なんだけどソフトウェア業界においては有効でないという認識が通ってる。

      「結局自社の被害になるじゃん」というのが一般的な反論。
      ただストとはそういうもので、自社というものを経営者のものとして一線を画さないとやってられない。
      そこで自社の被害を慮してしまうところは協調性があるというか飼いならされてるというか。
      ブルーカラーってんならもっと団結して交渉したって良いと思うし、ホワイトカラーってんなら立ち回り方を覚えないといけないかも。

      とりあえず「できません」と言うことを覚えないとソフト屋の根腐れは止まらないよ。
      「その納期では」「その環境では」「その給料では」「そのメンバーでは」できませんって言えないと。
      会社は会社で外向けに臆病になって低単価でも仕事とってきちゃうから人間デフレが止まらない。
      そうすっとますます環境は悪くなるし安く使えるバカチンが増えちまう。
      もおそろそろ「本来品質の高いソフトを作るには現在よりずっとコストがかかるもの」ってことを認識しないとソフト産業そのものがつぶれちゃうよ。

      #書いてて自分が書いたものが胡散臭く感じられてきたのでAC
      #つーかこれ電波の類だな
      親コメント
      • by G7 (3009) on 2003年04月23日 5時44分 (#303528)
        >そこで自社の被害を慮してしまうところは協調性があるというか飼いならされてるというか。
        >ブルーカラーってんならもっと団結して交渉したって良いと思うし、ホワイトカラーってんなら立ち回り方を覚えないといけないかも。

        技術の世界においては、隣人と争うより、協調し協力して動くほうが、
        当事者の感覚としても、また成果物を見ても、「仕事がうまく行く」ものらしいですね。
        てゆーか実感するっす。みんなもここらへんは実感してるんじゃないかな。

        で、問題は、経営者は隣人か否か?という点かも知れませんね。

        むしろ非隣人だと綺麗に切り分けられることのほうが、少ない、ということなんじゃなかろうか?
        #小さい企業だと特にそうなるんではなかろうか?

        >とりあえず「できません」と言うことを覚えないとソフト屋の根腐れは止まらないよ。
        >「その納期では」「その環境では」「その給料では」「そのメンバーでは」できませんって言えないと。

        協調の話と納期の話を聞いて、素朴に思い出してしまったのがXP。
        あれは、協調については「みんな仲良くする(ことが品質向上に繋がる)」、
        そして納期とかについては「無理をしない(ことが品質向上に繋がる)」
        という発想でしたっけね…

        # 頑張ったってソフトは出来ないからG7。必要最低限の技術なり装備なり時間なりが無くて徒手空拳では何も出来ない。その死(?)線は厳然と存在する。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        > #つーかこれ電波の類だな

        むしろ生々しい魂の叫びに聞こえます。
    • by Ryo.F (3896) on 2003年04月22日 17時31分 (#303141) 日記
      自戒をこめて言わせてもらいますが、それは理系の人間の怠慢のせいです。不当な賃金格差があるなら、そう主張して戦わねばなりません。それを怠ってきたということです。

      また、視点を変えると、組織内の権力の問題だとも言えます。組織の権力を突き詰めていくと、最終的には、(1)金、(2)人事の二つになります。文系は、この両方を握っているということですね。で、理系はこれを握っていない、あるいは、握ろうとしなかった。後者の場合は、やはり原因は理系人間の怠慢に帰着されます。

      ま、戦わない性向は、何も理系の特性ではなく、日本人全体の特性のようにも感じますが。
      親コメント
      • 金と人事を握ってるのは「文系の」人間ではありません。「コネのある」人間です。権力を持っていないということで言えば、経理でも法務でも、技術職と大差ありません(営業だけはちょっと違うような気もするけど、それも「コネのある営業」の人に限られるし)。

        ただ、「コ
        • 「コネのある営業」てのが、どういう人なのか知らんけど、営業って基本的に出来高払いでしょ?

          営業成績にコネがどう関与するかも分からんけど、単に人脈のこと言ってるんなら、それも実力の内です罠

          つーか、それはコネとは言わんと思うんだが
    • by Shidho (5649) on 2003年04月22日 18時18分 (#303183) 日記
      文系の方が生涯賃金が高いのは、
      文系が多くを占める銀行の生涯賃金が他の業種に比べて高く、
      それが平均を押し上げているからだ、
      という論をどこかで見たような気がしました。
      googleで「文系 理系 生涯賃金 銀行」で検索する [google.com]と
      いくつか見あたります。

      あと最近の説だと、生涯賃金の差は約5千万円なようです。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2003年04月22日 19時12分 (#303216)
      技術者だけの結社を作り、利権を囲い込むのもひとつの手。古くは石工、未来だと航宙士がある。デューン...
      親コメント
      • by Stahl (7211) on 2003年04月22日 19時47分 (#303235)
        中世の各種ギルドにおいてもっとも大きな権力と収入を得ていたのはその主たる構成員である職人達ではなく、ギルドを管理運営していた者達であったことをお忘れ無く。
        つまり現在における構図、スレッド主の嘆くところの状況とはなんら変わるところがない。
        結局のところ、権力や収入を増加させたいのであれば、それを目的とした活動が必須となる。
        そしてその活動に注力すればするほど「技術者」からは遠ざかって、結局「文系の支配者」になってしまうわけだ。

        ていうか、いつになったら「文系/理系」という単語の不適切な利用が減ってくるんだろう…。
        親コメント
      • 日教組はギルド? それともカルト?
    • by AliceYou (2190) on 2003年04月22日 20時03分 (#303246) 日記

      技術職、開発職だけではないけれど、
      「好きな仕事だから給料が安くてもやる」という現場の人間に
      経営側が甘えている結果ではないかと。
      (特にゲーム業界とか教育関係とか)

      たとえどれだけ好きで、労働基準法無視の環境には耐えられても
      食うに事欠くのだけは耐えられない。
      特に家族持ちの人とか…
      誇りを持って免許の必要な仕事をしていた友人が、子供に食べさせる
      ために給料のいいパチンコ屋に転職した、と聞いたときは、自分のこと
      以上にショックだったな…

      親コメント
      • by Anonymous Coward
        逆に"そういう人"が甘える経営者の存在を許してきた側面もあるのでは。
        「きっちり正当な対価を払わせるぞ」という立場の人にとっては「好きだか
        ら安くてもいい」な人ほど邪魔な存在もないでしょうし。
        • by Anonymous Coward
          雇う側は能力が同じなら賃金が低いほうを選ぶしね。
          そして、外国人労働者などにどんどん置き換わっていくのだな…

          ソフト業界も外国人労働者が増えたよ。ほんと。
          そして日本人の若いやつよりはよほど優秀だと思う。

    • by Anonymous Coward
      そりゃマネージメントを伴わない技術なんて自慰行為に他ならないからねー。
      ていうかそもそも文系理系の言葉の使い方を間違ってる気がするアルよ。
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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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