oddmake 曰く、 "BBCの記事によると、幼少期の事故により40年間失明状態にあったMike May氏の視力を幹細胞移植により回復させることに成功したという。
「今日と二年以上前との違いは、私が自分が見ているものをうまく推測できるようになったことだ」とMIke May氏は語る。
視力回復は完全ではなく、三次元物体や顔の認識はかなり劣っており、たとえば未知の人物の性別を顔から判断する精度は70%程度だという。
「(二年以上前と)同じなのは、今でも私は推測していることだ」ともMike May氏は語っている。"
幹細胞移植と聞いて (スコア:3, 参考になる)
再生したのは角膜と角膜外縁部なんですね。 それだったら角膜/強膜の移植が確立されてるから、大ニュースって気はしないな~
角膜より幹細胞の方が供給量が多いの?
Re:幹細胞移植と聞いて (スコア:3, 参考になる)
この珍しい事例を解析して、タイトルにあるように「長期の(視覚)喪失は視覚受容と皮質に影響する」との結果が得られたのでしょう.考えてみれば「使わないんなら影響するのは当たり前じゃない?」というのは尤もなことなのですが、それを証明するとなると難しいことだと思いますが、この研究グループ(Ione Fineら) [salk.edu]のプロジェクトから推測するとfMRIを使った実験をやったのではないかと思います.
#つってもBrief Communicationだから、そこまでカチっとしてるかは疑問か。
まぁともかく珍しくて解析する価値があった事例だからNature neuroscienceに載ったのだと思いますね.
Re:幹細胞移植と聞いて (スコア:2, 参考になる)
このMM氏、他の視覚回復者と同じように、簡単な形や色に対しては一般のヒトと同じぐらいの認識率を示すのですが、複雑な形、3Dの投影図や人の顔などに対しては認識率が落ちます。 しかし、「動き」に対してはしっかり認識ができるようで、例えば、立方体の投影図を見ても何の形かわからないが、それを画面上で回転させてやると深みを認識して形がわかる、とのこと。 (もひとつ理解できなかったのですが、fMRIの結果もそのようなことが示されています)
生後30ヶ月以上での単眼の欠損では深刻な弱視を引き起こしてしまい、視機能の回復はほとんど無いらしいのですが、さらに筆者らはこの例から、通常の視機能を得るためには3歳くらいまでの見る、という経験が必要なのではないか、と提案しています。
単純な視力回復の話では無いようでした。
Re:幹細胞移植と聞いて (スコア:2, 参考になる)
割とこういう認識の方多いようですね。
はっきり言いますけど全然違います。
組織なり器官なりを外科的に移植するのと細胞を移植して組織なり器官なりを再生、発生の過程を繰り返させることは意味が全然違います。
いわゆる角膜移植の場合でも移植された組織は新しくつくられる細胞に置き換えられていきますから再生の足場として利用されるだけですが、他人の組織という一種の"異物"を入れないぶん患者の負担も少ないと思います。
一方今回のケースでは一部の機能が回復していないようですが、発生の過程自体元々わからないことだらけなのでまだまだ課題は多そうです。
Re:幹細胞移植と聞いて (スコア:2, 興味深い)
「現行法と比較して、あまり大きな価値を持っているとは思えない」と言っていて、
#385743 [srad.jp]さんは、「再生医療研究の成果」について
「いやいやこれはなかなか興味深い」と言っていますね。
# すみません、単純に臨床と研究の意識ギャップを面白く思ってしまいました。
# (どっちが正しいというのではなく)
Re:幹細胞移植と聞いて (スコア:1)
私も、網膜などの再生が可能になったのかなと
ちょっと期待しました…
#再生でもシリコンチップ移植でもどっちでもいいから
#網膜色素変性症の治療方法を確立して欲しいのでID
視力の問題? (スコア:2, 興味深い)
コンピュータで言えば、CCDの性能は問題ないけど、そこから得られる情報を処理するプロセッサの問題なのかな、と。
この人が何歳なのか、わからないのだけど、もっと時間をかけて脳の学習が進めば、普通の人と変らなくなるのではないのでしょうか。
Re:視力の問題? (スコア:5, 参考になる)
(早川文庫NF251, ISBN4-15-050251-X)に、
「『見えて』いても『見えない』」という、
3~6歳で失明して50歳で視力が回復した人の
話が載ってます。
見えている2次元画像から3次元空間を再構成
するのが困難のようで、立体を斜めからみると
形が変わってみえることが理解できないとか、
猫の頭や顔、足やしっぽ独立ならわかるのに
全体として猫であることがわからないとか、
そうしたさまざまな苦労があることがわかります。
またそういう苦労があることを周囲の人間は
容易には理解できないし、そのギャップもまた
苦しさにつながるということのようです。
この話を含めて7篇の医学ノンフィクション
エッセイがこの本には収録されていて、
いずれも示唆に富んだ面白いものです。
オススメ。
Re:視力の問題? (スコア:1)
>形が変わってみえることが理解できないとか、
最初から普通に視力がある人なら問題無い、とも限らない。
頼むから製品が裏返ってる事くらい認識してくれ(;_; >部長
2D-3D間の認識、再構成能力は「見えない部分を見ようとする努力」が不可欠じゃないかと思います。
考え方が柔軟な人ならある程度歳行っててもリハビリ次第なように思います。
凛々しく、あほらしく。
Re:視力の問題? (スコア:1)
> 不可欠じゃないかと思います。
ほかにも「風景写真を見てもそれはさまざまな色で
塗り分けられたパターンとしかとらえることができず、
立体を2次元化したものだとは想像できない」ことも
挙げられていました。
ということは、「見えない部分」がどこにあるかを
想像するだけでも、すでに経験によって獲得された
分析能力が多大に必要なのではないかと思います。
「見ようとする努力」だけで単純にどうにかなるような
話ではないのかもしれません。
Re:視力の問題? (スコア:0)
練習ドリル (スコア:3, おもしろおかしい)
Re:練習ドリル (スコア:0)
Re:視力の問題? (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:視力の問題? (スコア:1)
--- (´-`)。oO(平和な日常は私を鈍くする) ---
Re:視力の問題? (スコア:2, 興味深い)
その経験を、顔認識システムとかに生かすことができるかも。
Re:視力の問題? (スコア:2, 興味深い)
失明したものの、手術によって回復した人がいる。しかし目から
の情報が脳でうまく処理できないため、例えば探し物をする時な
ど目をつぶって探した方がかえって早く見つけられた」
と聞いて感心した覚えがあります。あまり年齢が上がってしまう
と、回復訓練も大変なのかも知れませんね。
And now for something completely different...
Re:視力の問題? (スコア:2, 興味深い)
交通事故などで脳の一部に障害が残り、物体識別能力が欠落したとか、目から脳への伝達時間が非常にかかり(秒単位で)、横断歩道を渡ることが出来ない、とか。文字についても漢字などは長い期間をかけて習得するわけですが、覚える以前の問題として図形としての識別ができないそうです。背中に複数の電極埋めてテレビカメラの映像を脳に送るというのも取り上げてましたね。
移植により目からの信号が物理的に接続されても、脳の経験値が少ないがゆえに結果を精度としてしか表現できないのでしょうけど、脳の働きっていうのは大したものだなー、と感心します。
# スーパーマンの俳優が復帰するのも近いかもしれませんね。
Re:視力の問題? (スコア:1)
その後目隠しを外しても目が見えるようにはならなかったと言う実験の話を何かの番組でやってました。
健康な細胞があっても適切な時期に学習しないとダメだという結論でした。
今回は幼少期に事故にあうまでは学習する期間があったということが
視力回復に役立っているかも知れませんね。
Re:視力の問題? (スコア:1, すばらしい洞察)
脳の年齢や周囲の無理解を考慮に入れると、気の毒だが、そう簡単には行きますまい。
Re:視力の問題? (スコア:1)
過程のすべてを,大人の明確な言語で表現してくれるはずだから,これ以上の研究材料はないでしょう。
#ちょっと不謹慎だけどID
Re:視力の問題? (スコア:0)
昔テレビで見ました。
Re:視力の問題? (スコア:1)
友人に外人の姉ちゃんがいるんですが、その人がいうには今だに(もう3年ぐらい日本にいますが)日本人の顔はなかなか覚えられないそうです。
うぅ~~ん、人間の脳ってすごいんだなぁ~っと素直に感心しました。
Re:視力の問題? (スコア:0)
Re:視力の問題? (スコア:0)
Re:視力の問題? (スコア:1)
私は、Jポップと演歌の区別がつきません。
いちおうポップスを名乗ってるんだからコブシを回すなよと思うのでAP
Re:視力の問題? (スコア:0)
これから多くの人の顔を見てサンプルを増やしていけば精度は上がるでしょう。
異性の見た目を… (スコア:2, おもしろおかしい)
その精度だと、たとえば「イイ男かどうか」とか「色っぽい女かどうか」などを
判断する精度はかなり落ちるのでしょう。
ですから、恋愛の際は、見た目よりも精神的な部分を重視する可能性が高いです。
Mike May氏を密かに好きだったけど、自分の見た目に自信がなかった人は、チャンスです。
Re:異性の見た目を… (スコア:0)
"It was quite extraordinary to see my wife for the first time"
(初めて私の妻を見ることは全く異常でした。)
つまり、「うわーマジかよこんなブスだったのか!」ってことか。
# そういう意味ではない
Re:異性の見た目を… (スコア:1)
福笑いで目隠しを取った状態ってことですね。
今まで手で触れていただろうから。
Re:異性の見た目を… (スコア:0)
それが普通なのかおかしいのか、美人なのかブスなのか、
まだ本人は判別がつかない、ってとこだろうなぁ。
Re:異性の見た目を… (スコア:0)
または
古典落語の「心眼」か。(http://member.nifty.ne.jp/~tomikura/rakugo/s.html#SINGAN)
Re:異性の見た目を… (スコア:0)
(オフトピ)全盲のスティービーワンダーさんの場合・・ (スコア:2, 興味深い)
全盲のアーティスト スティービーワンダーさんも移植医療だか機械の埋め込みだかで
将来的に視力回復を目指したいとおしゃっておりました。
彼ほどのスーパーアーティスト視力回復の喜びを表した曲が出来たら
どんなに素敵な曲になる事でしょう、かなり楽しみな気がします。
(もしかしたら青島都知事に中止された「都市博」のテーマの方が有名?^^;
医学用語ムズイ (スコア:1, 参考になる)
強膜(sclera)で、この図 [une.edu]とかあわせれば、ちっとはイメージわいた。
正常角膜上皮供給のために角膜輪部幹細胞を移植、という
手術は、決して超特殊、というわけではないようなんですが、
彼はなぜ 40 年間盲目だったのでしょうか? 精神的な問題
なのでしょうか? まったく縁の無い者なので、ごく素朴な
疑問です。
# 手術の写真は、生々しくて、ちょとこわいです。ていうか、いたそう
Re:医学用語ムズイ (スコア:2, 参考になる)
気分は浦島太郎! (スコア:0)
頭固くなってきてるしもうダメポ。
角膜って水晶体に誘導された表皮細胞が由来ですよね?
ここ [kyoto-np.co.jp]を見ると口の粘膜からとった細胞でも角膜になるみたいですね。
大学出てからだいぶ経つけどあの頃は皮膚みたいな単純な組織は再生するけど、目みたいな複雑な器官の組織は再生しないってのが"定説"だったような。
やっぱり一部の機能は再生しないみたいだけど、その原因が解明されればたとえば立体視の仕組みとかが解明されるかも知れませんね。
ナニげにすごいかも!21世紀はこうでなくっちゃ!
Re:気分は浦島太郎 (スコア:1)