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6443 story

州最高裁判所:DeCSSは言論の自由で守られず 103

ストーリー by Oliver
Code-is-Speach 部門より

Anonymous Coward曰く、"古い記事だが、誰もたれこまないようなのでWIRED NEWS 日本語版の2003年8月21日の記事より。DVDの暗号を解読するコードの公開を差し止める一審の判決(WIRED NEWS 日本語版の2000年1月24日の記事)を違憲であるとした二審の判決(WIRED NEWS 日本語版の2003年8月21日の記事)を、州最高裁判所が再び覆した。元記事によると、裁判官は、暗号解読コードをウェブから削除するよう求める命令は「合衆国およびカリフォルニア州憲法の言論の自由条項に触れるものではない」と述べた。"

本家にも記事が掲載されていて、それによると裁判所はこの場合、財産権と企業秘密保持の権利のほうが言論の自由よりも優先される、と判断したそうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • とりあえず (スコア:3, 参考になる)

    by Vorspiel (2391) on 2003年09月02日 10時51分 (#389612) ホームページ
    Lessig大先生のご意見 [cnetnetworks.jp]など.
  • 厭な時代だ (スコア:1, オフトピック)

    by Artane. (1042) on 2003年09月02日 11時47分 (#389675) ホームページ 日記
    企業の利益の方が圧倒的に言論や表現の自由に勝ると言う判決が平然と出てしまうとは。

    こういう風潮は「普通の」OSS開発者にとっても対岸の火事ではなくて、こんな判決が出るならば、どっかの企業が「このフリーソフトは我が社の商品にたいする営業妨害だから開発を差し止めろ」って言うのが認められかねないと思うのですが。

    ポケモンエロパロ逮捕事件のときも似たようなことを思ったけど、司法が越えてはならない一線が越えられたような虚しさを感じます。

    • by yasiyasi (5450) on 2003年09月02日 13時23分 (#389810)

      >こういう風潮は「普通の」OSS開発者にとっても対岸の火事ではなくて、こんな判決が出るならば、どっかの企業が「このフリーソフトは我が社の商品にたいする営業妨害だから開発を差し止めろ」って言うのが認められかねないと思うのですが。

      JW-CADが評判になり始めた頃、
      「こんな優秀なソフトを無料で配られたら、わが社の高額CADソフトが売れなくなる。営業妨害だ」
      と、既存のCADソフト開発メーカーからクレームが来たんでしたっけ。

       そのときは、単なるクレームで済みましたが、これからは裁判所からの正式な命令で、否応なく従わなければならない事態になりかねないんですね。
      親コメント
    • > どっかの企業が「このフリーソフトは我が社の商品にたいする
      > 営業妨害だから開発を差し止めろ」って言うのが認められかねない

      とりあえず#389612 [srad.jp]のLessig先生の意見 [cnetnetworks.jp]を読んでみたほうがいいと思いますよ。
      --
      [udon]
      親コメント
    • Re:厭な時代だ (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2003年09月02日 15時55分 (#389979)
      個人的には、DVDの暗号によって保護されることが、購入者にとっては不利益でしかないので
      この判決に関しては憤りを感じます。

      しかし、企業がその利益を守るための企業機密を持つことより、個人の言論・表現の
      自由が優先されるという思考そのもののほうが むしろ危険だと思います。
      そもそも合理的な理由がわかりません。

      よく企業が利益を追求することを悪、個人の自由を善と思い込んでいる人がいますが、
      必ずしもそうではありません。
      企業が利益を追求することは至極当然の行為でありますし、企業だって個人が集まった
      集団に過ぎません。
      それに、個人が自由になんでもやっていいとなると、これはもう法治ではありません。

      言論の自由は保護されるべきですが、他人に対して不当な損害を与えるような
      言論については、それによって損害を被る人の保護のほうが優先すべきです。
      もちろん、不当な損害ではなく、正当な損害※なら言論の自由が優先されてもいいですが。

      ※ある企業が不当な利益を貪っているという内部告発など
      親コメント
      • Re:厭な時代だ (スコア:2, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2003年09月02日 17時36分 (#390057)
        > 個人的には、DVDの暗号によって保護されることが、購入者にとっては不利益でしかないので

        保護のおかげでDVDには、CDの半額程度で売られてるものもある…
        ということは認識しておくべきだと思うが。
        親コメント
        • Re:厭な時代だ (スコア:1, 参考になる)

          by Anonymous Coward on 2003年09月02日 18時37分 (#390100)
          DVDが保護のおかげでCDよりも安い というのは誤解で、
          音楽と違い、映画は一度見るとその商品に対する価値が激減するから。
          もしLD並の高い価格で販売すると、買ってすぐ転売するため販売枚数が多くない。

          安い値段でDVDを売るというのは、買った人が所有しつづけるよう誘導する戦略。

          アニメのDVDは高くても買うし、買っても転売しないから高いまま。

          VHSが高いのは、プレスで大量生産しやすいDVDとは違って生産に
          コストがかかるから。

          結局DVDが安いのは、安く大量に売ったほうが儲かることに気付いた販売会社の
          考え方次第なのであって、保護機構のおかげではない。
          親コメント
      • by Artane. (1042) on 2003年09月02日 16時32分 (#390015) ホームページ 日記
        >他人に対して不当な損害を与えるような 言論については、
        >それによって損害を被る人の保護のほうが優先すべきです

        通常の言論…名誉毀損や脅迫や中傷・風説の流布など…の場合はこの論理は通用すると思うのですよ。

        でも、今回問題なのは、DeCSSを書くことによって、どの程度の損害がDVDベンダーに与えられるのか不明である上に、DeCSSの制限によって自由にDVD再生システムを作れないと言う自由権のみならず公益の損失をももたらす判決であることだと思ったのですが。

        ここで注意しなければならないのは、所謂コピープロテクション技術と言うものは、一般的には不当な複製・頒布の抑制として使われていますが、しかし、その解除方法を法的に封印してしまうという事で、不法ではない複製や頒布・方法の流布の権利と言う、今までは公益の一部として認められていた権利をも制限する事になると言う事です。

        CCCD問題の時にあらかた出尽くした議論ではあると思いますが、企業利益の追求権が公益・特に消費者や開発者の利益追求権を越えると言う状況は社会バランスを考えると非常にまずいのではないか。と思うのですが。

        親コメント
        • Re:厭な時代だ (スコア:1, すばらしい洞察)

          by Anonymous Coward on 2003年09月02日 16時56分 (#390033)
          >でも、今回問題なのは、DeCSSを書くことによって、どの程度の損害がDVDベンダーに与えられるのか不明である上に、DeCSSの制 限によって自由にDVD再生システムを作れないと言う自由権のみならず公益の損失をももたらす判決であることだと思ったのですが。

          元々DVDってもの自体が公益をどうこうってモノでは無いってのはご存知でしょうか?
          故に自由にDVD再生システムが作れないのは問題にならないのですが。

          それはPSの互換機を作れないってのと同等の問題ですから。
          また、正当な契約を結んでしまえば作れるってのも現状見れば解る通り。
          只で作れないからって不当な制限では無いってのを御忘れ無く。

          それ自体を不正な競争手段にもしていない以上、別に問題は無いと思いますが。

          開発者云々は心得違いも甚だしいのでは?
          MP3特許問題の時、開発者はどう動きました?
          公益権を損ねるなんてまともな人は言っていなかったと思いますよ。
          #他人の褌を使うときはヘンな病気に注意。嫌なら自分のを使えって事。

          親コメント
          • by ttm (8278) on 2003年09月03日 4時55分 (#390467)
            故に自由にDVD再生システムが作れないのは問題にならないのですが。
            それはPSの互換機を作れないってのと同等の問題ですから。

            特許に触れる部分や著作権により保護される部分はともかく、
            「互換機を作れない」ってのは十分に大きな問題だと思いますが。

            親コメント
    • Re:厭な時代だ (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2003年09月02日 17時32分 (#390055)
      > 企業の利益の方が圧倒的に言論や表現の自由に勝ると言う判決が平然と出てしまうとは。

      判決要旨読めよ。言論の自由以前の問題だっつーの。

      1.DVDのCSS技術は企業秘密である。
      2.DeCSSを作るために必要である情報はクラック/ライセンス違反のリバースエンジニアリングによって得られた不正なものである。
      3.DeCSSを作った人間はそのことを知っていた。
      4.DeCSSを作った人間はDeCSSを作った事によって引き起こされる損害を熟知していた。

      目的がどうであろうが、手段は正当化されない。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      >> 企業の利益の方が圧倒的に言論や表現の自由に勝る

      (本音がどうかということではなくて法律の解釈として)「企業の持つ権利」ではなくて、本当に「企業の利益」との対比の上での判断だったのでしょうか?

      私も個人的感情としては納得しかねる部分は多いですが、例えば(かなり極端に違う例ですが)「個人のプライバシーに関わる問題と言論の自由」という対比だと、個人のプライバシーの方が優先されるべきですよね?という感じで、
  • DeCSSを違法としたいのはわかるけど、
    「財産権と企業秘密保持の権利のほうが言論の自由よりも優先される」
    というのは、その他のソフトへの影響が強すぎないだろうか?

    言論の自由はあるけど誹謗中傷はダメという程度の、
    「公序良俗に反しない限りコードによる言論の自由は優先される」
    のような表現の方が納得もいくのに。
  • えっと、似たようなプログラムで vobcopy [rnbhq.org] というのがあるのですが、こっちも違法なんでしょうか?

    Gentoo でふつーに port できるんですが。。。

    # もしかしてとんでもなく見当違いなことを言っている気もするけど ID

    --
    むらちより/あい/をこめて。
  • これだけ [cmu.edu]あちこちに公開されているんだから、意味が無いような気がします。 Webから削除されても、ダウンロードしたものは手元に残るんだし。
  • 是非という所か。

    PCの上に於て完全なプロテクトを施すことは事実上不可能で、企業の秘密も何も堂々とレシピが書かれているのと何ら変わらないような気がする。(もちろん他の電子機器でも同じ事が言えなくも無いのだろうけど。
    それでも何を意図しているのかリバースエンジニアリング禁止条項なんてのが大抵のソフト(のEULA)には有る。

    最も簡単な方法は暗号の解除方法を特許でも取ってしまうことなんだろうけど、リバースエンジニアリングそのものを悪とみる風潮が出来たらイヤだなぁ
    コンピュータウイルスのワクチンだってリバースエンジニアリングして作るんだろうし、ヒトゲノム計画は人間のリバースエンジニアリング計画だ(泥

    # そもそもリバースエンジニアリングはコードを書く人間なら誰でも通る道かと。
  • 財産権と企業秘密保持の権利のほうが言論の自由よりも優先される
    というのは特許の正当性から考えても妥当だと思うし、
    つまり、著作者保護という労働を無にするなって事だと思う。

    一方、本気で「フリー」というなら、
    無償で配られる意図の著作物で
    且つ無償で使われる意思の元に管理される技術で
    「フリー」を配布せよ、と言うことかとも思える。

    で、
    本当に言論の自由を求めてそれを実現するなら、
    著作者の保護にいそしむ・・つまり
    言論の管理の必要は全くない、と思う。

    著作権保護という労働の裏にある
    「誰かが芸術や技術を管理なきゃ芸術家は野垂れ死に」と言う
    そういう考え方があって、
    それこそクリエーターやエンジニア、 そして高いものを買わされている消費者を
    著作権保持者の奴隷に貶めていたんじゃなかろうかと。

    何の管理なしで個人を特定しつつ無償の流布を実現する術を
    僕らは持っているし、
    この挑戦、受けてたとうと思えばできるんじゃ?

    --
    いなんず[いつでも前向きでイタい]
  • by Anonymous Coward on 2003年09月02日 10時48分 (#389610)
    言論?原論?
    訂正してね。(余計なものー1)
  • by Anonymous Coward on 2003年09月02日 11時07分 (#389628)
    言論の自由に頼った時点でまずかったのではないかと。
    エンドユーザーの所有権のセンは駄目だったんだろうか。

    この感覚は日本人だから?
    あの感覚はアメリカ人だから?
  • by Anonymous Coward on 2003年09月02日 12時11分 (#389697)
    まあ当然こうなると思ってましたよ。
    他人に損害与えるようなことしたら負けるでしょう。

    >財産権と企業秘密保持の権利のほうが言論の自由よりも
    >優先される

    そんな大げさな話じゃなくて,誰でも企業秘密を公衆の面前で
    ペラペラしゃべったら,いくら言論の自由とかいっても
    通用しないのは当然。
    言論の自由があるからと言って、それで他人に損害与えたり、
    名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害したりしたらダメな
    の同じで、司法が超えてはならない一線、とかいう大げさな
    ものではないでしょう。

    ポイントは、DVDの暗号解除が企業秘密かどうかってところで
    しょうけど、プロテクトの解除技術の公開はDMCAで禁止
    されてるから仕方がないんところでしょうね。
    • トンチンカンで申し訳ないです。
      この件とは、離れるのかも知れないけど、、、

      新規技術が確立して、その特性が過去の範疇外のものである時に。
      (旧:出版やレコード。新:CDやDVD)

      デジタルデータの特性やnetの特性に見合った、
      法律や経営形態の模索って起きないのでしょうか?

      複製に影響されない、料金回収方法とか、無いのだろうか?
      巧く表現出来ないけど、新しい事、考えないと。
      親コメント
      • デジタルの特性
        1. 完全な複製が容易
        2. ネットワークによる安価な流通が可能
        3. ネットワークを使っての複製の制限が容易
        4. 一般的に媒体が長期保存に向かない
        5. 一般的に一部のデータが破損すると全体が破損される危険が高い

        提供側が1.2.の利点を消費側に享受させたがっていないのが現状。
        複製の権利を実力行使で排除しているのがそもそも倫理的に問題ないのか
        疑問なのだが、そこを問題点とする人は、見たことない。
        というのは1.2.の長所がなかったら4.5.という短所だけが残るから。
        提供側と消費側の関係は、放っておけば消費側に変に不利なように
        されてしまいがちなのはCSSやリージョンコードやCCCDの例で明らかに
        なったので、どうあるべきかを考えるのは、消費側からも必要なことで
        あろうと。
        親コメント
    • >そんな大げさな話じゃなくて,誰でも企業秘密を公衆の面前で
      >ペラペラしゃべったら,いくら言論の自由とかいっても
      >通用しないのは当然。

      企業秘密を公衆の面前でしゃべっちゃだめなの?
      • by Anonymous Coward on 2003年09月02日 12時40分 (#389739)
        喋って良い物なら秘密とは言うまい
        親コメント
      • >企業秘密を公衆の面前でしゃべっちゃだめなの?

        自分の上司に聞いてみなよ。
        • 自分の会社のはしゃべらんよ。
          だけど、自分のしゃべる言葉が、あんたの会社の企業秘密かどうか
          どうやって確かめればいいんだ?
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物事のやり方は一つではない -- Perlな人

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