Alpha、最後の船出 99
時代に先行しすぎていた 部門より
von_yosukeyan曰く、"ZDnet日本語版の速報記事によると、Hewlett Packardは、同社の販売するAlphaシリーズの最上位機種を発売する(/.本家の記事)
この新機種は、現行Alphaラインの最上位機種でEV7 (AlphaChip21364)を最大32CPUまで搭載するGS1280を超える、64CPUまでの拡張性を持った大型機。この機種をもって、HPQはAlpha新機種の開発を原則として打ち切り、IA-64/HP-UXへの統合を目指す。
思えば、AlphaはDigital Equipment (DEC)からVAXの後継プロセッサとして92年に発表された64bit/RISCプロセッサで、OpenVMSやDigital UNIX(OS/F1、現Tru64)の他に、WindowsNT、Linux、*BSDも稼動した。また、祖先となったVAXシリーズ(もっとたどればPDPシリーズ)は、本格的な32bitミニコンとして登場し、仮想メモリー、クラスタリングなどの新概念をいち早く採用して創生期のUNIXやWindowsNTなどに重大な影響を与えた。しかしその高い性能の反面、PCや他のUNIXプラットフォームとの競争に破れ、起死回生の策だったAlphaプロセッサのライセンス供給や、互換機戦略なども失敗しジリ貧の状態だった。また、DEC自体はCompaqに買収され、そのCompaqもHPQに買収されるなど激変し、Alphaの命運もその度に左右された。
DECが運営していたAltavista (現在はLinux/IA-32)や、Microsoft Terraserver (現在はWindows/IA-32)などのハイエンドシステム、NORADの防空管制システム、新幹線の運行支援システムなどのミッションクリティカルなシステムにも使われ、タレコミ者も大学時代Alpha/OpenVMSなシステムに随分とお世話になった。一つのアーキテクチャーが消えるのは寂しいが、スラドの諸兄のAlphaシリーズに対する思い出/文句などがあったらぜひ聞かせて欲しい。なお、Alphaシリーズは来年登場する予定のEV79が最終アップグレードとなる"
Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:3, 興味深い)
この様な結末になったのは、マーケティングの方向性が第一と考えます。ワークステーションやハイエンドサーバの指向はPCという数売りの指向に敵わなかった、ということでしょう。
多大な研究開発投資を伴う事業は、どんなに高くても買って呉れるお客が付いているか、マスプロダクション/マスセールスを指向するかのどちらかしか成立しない、が僕の持論だったりします。僕個人としては非常に悲しい事ながら、DECやAlphaの消滅は、当初から織り込まれていた事なのでしょう。
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:2, すばらしい洞察)
ワークステーション/サーバ用のCPU(で、PC市場などはねらわない) は、高い単価をつけないと開発費がまかなえません。 常時、PC用のCPUに比べ5割り増しとか、10割り増しくらいの 性能を維持できていれば「アーキテクチャが独自でも 高性能なら買う」という顧客が、商売が維持できる程度は 確保できます。
アルファCPUは、途中まではがんばってたんですがねぇ。。 DECと違って独自CPUを持ち続けることにCOMPAQは執念を 持たなかったってことでしょう。
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:4, 参考になる)
>商売が維持できる程度は 確保できます。
でもないです。プロセッサビジネスもある意味自転車操業なんです。マスプロダクション/マスセールスで得られた利益をそのまま飲んでしまうならアウトですが、マーケティング主導の会社(インテルがその好例と考えてます)は開発投資に回す場合が多いのです。そして高性能化や当初は捨てて(半分捨てて)いたセクタを拾うとかをやって行くんですね。マスセールスが出来ない所は次の開発が出来なかったり、あるいは遅れたり、別セクタへの展開が出来なかったりと、段々アウトになって行くのですね。C/Pが悪くなってしまうのです。
例外は軍用プロセッサです。「どんなに高くても買って呉れるお客」とは軍の事です、端的に言えば。もっとも軍用プロセッサが高パフォーマンスとは言いませんけど。パフォーマンス故に高価格でもその地位を末長く保てる民生品のプロセッサは、まあ、無いと思いますよ。SMP、クラスタ、グリッド、単プロセッサの能力不足を解消なり緩和する手法はあるのですから。
こういう事を考えるのが、マーケティングです。PowerPointでお絵かきだけをやっているのがマーケティングでは無いです(そういうマーケティングって多いですけどね)。
compaqがDECを買収した時には、もう勝負は付いていたと思いますよ。saitohさんが仰る所の「アルファCPUは、途中まではがんばってたんですがねぇ。。」、これ自体がマーケティングの失敗を如実に物語っていると思います。
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:1)
私が機種選定したわけじゃありませんので真偽は定かではありませんが、少なくとも世間様にはそのように見られていた、ということでしょう。
(引用順を変えて申し訳ない) そういえば OpenVMS って米軍関係にユーザがいたような記憶があります。 出典が見つからない...Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:2, 興味深い)
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:1)
alphaが速かったのは、CPUクロックがどうのこうのというだけでなく、 バススピード(EVバスだったっけ?)が(当時のintelPCより) 速くてチップセットも がんばって作っていたというのが大きい。 今は、AMDが継承してますねぇ。
WSは「まだ」無くならない (スコア:1)
安定した64bitOSと、それにネイティブ対応して2G以上のメモリをアプリからがしがし使えるPCは、まだ無いみたいなので。
もうちょっと先になったら判りませんけど。
Re:WSは「まだ」無くならない (スコア:1)
Re:WSは「まだ」無くならない (スコア:2, 興味深い)
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:3, すばらしい洞察)
今の女子高生に特有の現象じゃないでしょう。
20年前の女子高生も意味不明な言語で通信してましたよ。
[udon]
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:1)
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:1)
それも新しい言語なんですよ。
日本語++か、日本語#って感じっす。
逆に女子高生からすれば、技術者の日常会話も意味不明
> #パソコンしか無くなると面白みがないですね。
インテルアーキテクチャに飽きたので、
メインフレームとか美味しそうかなーっと思う今日この頃です
PCにECC Registeredメモリの利用を推奨します。
Re:Pentium, PowerPC and Alpha (スコア:1)
PC雑誌がカーグラフィックのように思えたもんです。
レーシングカー (スコア:3, 興味深い)
Alphaといえばとにかく、動作クロックが速いCPUという
印象でしたね。PCが66MHzが主流の頃に、
WindowsNTが動いて500MHzでしたから相当驚きました。
その数年後、大学の研究室にAlphaマシンがやってきたので
相当期待期待したのですが、Alpha用にコードを書いてやらないと
汎用コードで動かす型落ちのSUNに負けてしまうという
欠点が発覚・・・。
したがって、誰でもプログラムを組めば速さを享受できるほど
甘くはなく、また、過去のプログラム資産が役に立たず、
そういう意味では非常に使い難いマシンでした。
ちゃんと書き直してやると、すごく速かったのですが・・・。
乗り手を選ぶ、レーシングカーの様なマシンでした。
CPUの能力をフルに使いきれるようなプログラムで
資産と呼べるようなものができた頃には、
コンパックとの合併でAlpha開発中止話が流れていましたとさ。
Re:レーシングカー (スコア:2, おもしろおかしい)
なるほど、それで OS がOS/F1 [srad.jp]なわけですね。
# 誤記ネタなのでID
Re:レーシングカー (スコア:1)
当時の他のCPUと比べてクロック比ほどには早くなかった ってのは事実。
Re:レーシングカー (スコア:1)
新しいCPUが、「再コンパイルだけでは動かない/性能が出ない」 という批判を浴びるのはありがちなこと。 SPARCが出たときも、ワードアライメントを気にしていない とかlittle endian決めうち(どちらもVAXだと問題なく動く)の ソフトが沢山有って「再コンパイルだけじゃ動かない」と まるでSPARCの欠点のように言われたものです。本当は RISC CPUに一般的な性質なのに。
Re:レーシングカー (スコア:1)
typo (スコア:2, すばらしい洞察)
s/OS\/F1/OSF\/1/
Open Software Foundationの略だから、途中に/は入らないでしょ?
昨日中古で売られてるAlphaStationを見て、一瞬食指が動いたのでID。
Re:typo (スコア:1, おもしろおかしい)
Alpha自体は好きだったんだけどねぇ。
VAXやTru64Unixなつかしいねぇ・・・DECの遺産をどぶに捨てやがって
このDQN会社め。
Re:typo(オフトピ) (スコア:1)
MACHベースだったので、興味は、あったのですが・・・
結局触れずじまいでした。
#懐かしさから、IDで投稿しました。
Alpha 1000XP (スコア:1)
えぇ、しかも5、6台。
Alphaの運命ってこんなもんでしょうか?
PCにECC Registeredメモリの利用を推奨します。
Re:Alpha 1000XP (スコア:1)
コレクターズ・アイテムとして生き延びることがいいとも悪いとも言えないし。
Re:Alpha 1000XP (スコア:1)
# ワークステーションだと辛いな...
Re:Alpha 1000XP (スコア:1)
性能の陳腐化が早く、Workstation を個人で持つのは
昔ならともかく今はあまりお勧めしないよ
-- みずき
Re:Alpha 1000XP (スコア:3, 興味深い)
>(2)計算機の使い方を知っているのか? 書き方を知っているのか
数値計算目的で、21164及び21264を使ってきました。
いや、いい石だと思うけど、昨今はIntel系の石のほうが
簡単に性能を出せて、なおかつ安いので、結局そっちに移行しました。
クロック比ではもちろんAlphaの方が早かったけど、
2GHz超えたあたりから絶対速度でIntel系に軍配があがったように思います。
あと、いま使ってる感じでは、Intelの場合、icc及びifcといった
ネイティブコンパイラがそこそこ賢いんだと思います。
いんちきベクトル化も結構効いてますね。
まぁ、一つの時代が終わったんだなぁ、という感慨はありますな。
Re:Alpha 1000XP (スコア:1)
Re:Alpha 1000XP (スコア:1)
残るは
21164 500MHz *2
21164 600MHz
の2台ですね.
こちらのコードではP4,Xeonの方がほとんどの場合で速いし
コストパフォーマンスも良いのでAlphaは全然使ってません.
64bitだからといってメモリをたらふく載せようとしても,導入
コストが半端じゃなくなるのでいまいち使えないのですね.
そんなこともありitanium2に移行しようかと画策しています.
なお,21264はCPUだけ記念に(何のだ)とっておいてあります.
Re:Alpha 1000XP (スコア:1, 興味深い)
#ONYX見た目は好きだけど邪魔だし
Re:Alpha 1000XP (スコア:1)
#たまにO2やオクテイン安売りしてる店ありますけど、MIPS載せたSGIってどうです?
Re:Alpha 1000XP (スコア:1)
8年前の話 (スコア:1)
「Alphaはすげぇなぁ、おいらの68040何個分だ? でもPowerPCが出れば!」
なんて妄想してたりしたのですが、それを思うとなんだか悲しい感じです。
AlphaののったWSなんて触った事ないけど。
それにしてもあの表まだあるのかな ちっとも思い出せない
古いのから開発中のまで様々なCPUのSPECIntやらが載っててなかなか面白かったんですが。
こんな会社にも (スコア:1, 興味深い)
そしたら、DECの21164を多数在庫していて日常的に送り出して
いるんですよね。
何をしていたんだろう。
というか、メルコが21164をあんなに大量に供給していたのが
意外でした。
#遠い昔のことだけど。
Re:こんな会社にも (スコア:1, 参考になる)
PowerPCのかわりに (スコア:1, 興味深い)
アップルからオファーがあったがKen Olsenが断わったらしい。
Alphaは (スコア:1)
計算をバリバリやる連中が欲しがっているという話を
聞きました。本当でしょうか?
-- gonta --
"May Macintosh be with you"
Re:Alphaは (スコア:1)
CPU速度というよりも
あたりが大きいと思います. 特に後者については過去のFORTRANの資産を使う場合などに効いてきます.
創生期のUNIX (スコア:1)
Re:創生期のUNIX (スコア:1)
ところで 32V って VAX で動くんじゃありませんでしたっけ?
Re:創生期のUNIX (スコア:1)
Re:創生期のUNIX (スコア:1)
今ある技術のゆりかご (スコア:1, 興味深い)
64 bit 長の命令とデータでしたのでデフォルトの型は double か long long int でした。さくっと数値計算 のアプリケーションが書けました。ただし、8/16/32 bit の扱いは相当にハンディがあり、 事務処理的なアプリケーションでは実力が発揮できないのが問題でした。それでも Windows NT で x86 コードな MS Word なんかをエミュレーションで当時の PC と比べて等速かまあまあ早く 動かしていました。
チップそのものは DEC から SAMSUNG(今の DDR メモリの製造技術に生かされているかもしれない)、三菱電機 と渡り、アーキテクチャは Intel, AMD に離散していき、今ある技術のゆりかごと思えます。
x86エミュレーション (スコア:2, 興味深い)
Fx!32 でしたっけ.職場の Alpha Stationで使っていました.
エミュレーションというよりは中間コードを生成するコンパイラのようなもので、使い込むにつれてコードが最適化されて速くなる、というなかなかに味わい深いツールでした.
職場のAlpha Station、もともとは事務系のワークステーション(この時点でハードの選択間違ってるような気がする)として購入され、Open VMS(更にOSの選択間違ってるような気がする)上でCのプログラム(言語の・・・以下略)を動かしていたのですが、数ヵ月後、20分の1値段のショップブランドPC(P6 200MHz & Windows NT4.0 + MS Access 95)にパフォーマンス(CPUだけではなく、DBやUIを含めた「仕事に必要なアウトプットを得られるまでの速さ」)で負けることが発覚してワークステーションは御役御免、リース切れまでの間Windows NT上でExcelやMS Wordを動かす高級パソコン(何が高級って、当時メモリ128MB、HDD5GBも積んでUXGA対応モニタを装備したパソコンは社内になかった)となった筈(リース切れる前に自分が職場を去った).
本当にAlpha Station のパフォーマンスが低かったのか、プログラマの腕が悪かっただけなのかはもはや知る術も無いけれど、鳴り物入りのテクノロジーがどんな用途にも適するわけではない、という教訓を得ました.
流れ (スコア:1)
今や、莫大なメモリを使うような科学技術計算でも、高価な超高速のCPUを使うより、安価なそこそこのCPUをぎんぎんに高速化したネットで繋ぐ方を選んじゃいますもんね。
Re:オフトピぎみですが、HPQ? (スコア:2, 参考になる)
Re:オフトピぎみですが、HPQ? (スコア:1)
航空オタが成田をNRTと書いたりするじゃない。
あれと同じ。
Re:オフトピぎみですが、HPQ? (スコア:1)
ひとひとふたまる、では?
Re:オフトピぎみですが、HPQ? (スコア:1)
「ふたふたまるさん、該船沈没!」
「沈没~!?」
を思い出しますね。
(↑実際の時刻は覚えていないので、不正確)
オフトピというよりtypo?(Re:HPQ) (スコア:1)
というよりは、CPQがHWP(だったと思う)に買収されてHPQになった、というべきでは…。
#DECが買収されたとき、
「新社名はComDECだ!」
「いやDigital Equipment Compaqだ!」
「やっぱりDEQだろう」
と議論した過去を思い出してID
Re:時代に先行しすぎていたとは (スコア:1)