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6876 story

奈落からのことば:銀河の中心からのメッセージ 58

ストーリー by Oliver
遺言 部門より

teltel 曰く、 "ホラー小説のタイトルのような"Message from Abyss" というニュースリリースを出したのは、ESOVLT(Very Large Telescope) 。また、同じ内容のAstronomy.com の記事、The last good-bye もタイトルがちょっと詩的。これらの記事では銀河中心のBH (と思われる)天体に何かが落ち込んで、中心天体の光度が上がったのを観測した、と報じられている。
そのとき、2003年5月9日の早朝にVLT は、赤外線で銀河中心の方向の観測を行っていた。観測チームの一人が、赤外線フレアを起こす天体をみつけた。その天体の位置を調べてみると、銀河中心にあると思われるブラックホールSgr A* の方向と数秒の誤差で一致していた。詳細な解析の結果、赤外線フレアは数分の規模で変動しながら、明るくなり、暗くなっていったと解った。フレア自体は事象の地平線の外側でおこり、領域の大きさは数光分ということになる。ガスのかたまりか、星が落ち込んだときの最後の煌きを見ていたようだ。結果は、Nature に発表される。また、上のVLTのニュースリリースには光度変化のムービーもあるので、必見。
ところで、国民投票"宇宙へいくならどこへいきたい"の"シュヴァルツシルト半径内" に投票した人は(自分だ)、これを参考にBH に落ち込むときにどういうメッセージを送るか考えよう!!"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 基本に忠実 (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2003年11月13日 18時00分 (#433480)
    >BH に落ち込むときにどういうメッセージを送るか考えよう

    「ごめんキミコ、もう会えない!」
  • Nature (スコア:2, 参考になる)

    by geln12 (18637) on 2003年11月13日 20時24分 (#433579) 日記
    見てきたら、10/30号に既に載っていました。

    暇が無いし、専門的な知識が無いので日本語要旨のところだけかいつまんで読んだのですが、赤外線放射のフレアは17分の準周期変動を示していて、このことはブラックホールが取りうる最大速度の半分の速さで自転していることを示唆している、ということが強調されていました。

    このへん [eso.org]にかいてあることが対応するのかな。ブラックホールの自転って、これまでに発見されたことあるのでしょうか。詳しいひと、解説おねがい。
    • X線での観測により明らかになるブラックホールの回転 [astroarts.co.jp]

      【2003年9月26日 Chandra Photo Album】

      チャンドラとXMM-Newtonという2機の衛星を用いたX線観測から、
      恒星ブラックホールから発せられるX線のスペクトルを調べれば
      そのブラックホールが回転しているかどうかがわかるということが
      明らかになった。
      発表によると、X線のスペクトル中に見られる鉄原子に由来する構造を
      調べることで、ブラックホールの
      • >観測結果からは、有名なはくちょう座X-1はまったく回転していない
        >らしいことや、別の2つのブラックホールが高速で回転していることが示された。

        回転していないだって!
        いったい何に対して静止しているというんだい?

        # どこかで見たようなセリフを書くストーリーということで。
        親コメント
      • by SteppingWind (2654) on 2003年11月14日 10時57分 (#433986)

        > はくちょう座X-1はまったく回転していない

        これはちょっと驚きましたね. 昔からブラックホールには毛が3本(質量・角運動量・電荷)しか無いと言われていましたが, 角運動量も無しですか. 中性子星みたいなもう少し普通の高密度天体では角運動量を保存しているために高速回転しているので, 一般に自然のブラックホールは高速回転して, カー解に近いのかと思っていたのですが.

        カー解では条件によって因果律破壊可能な領域が現れますから, そういったものに対する何らかの制限があるのかもしれませんね.

        親コメント
  • 重箱の隅ですが、、、 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by nakatomo (8819) on 2003年11月14日 6時36分 (#433892) 日記
    タレコみ文より、

    > ブラックホールSgr A* の方向と数秒の誤差で一致していた。

    は、~数秒角の誤差で一致~

    の間違いですね。(^-^;;
  • by on-abokya (16235) on 2003年11月13日 19時10分 (#433521)
    やはり

       「もっと光を」

           ということだったのしょうか。
    • げーて (スコア:3, すばらしい洞察)

      by SteppingWind (2654) on 2003年11月13日 19時23分 (#433533)

      シュバルツシルト解なら事象の地平線を超えるために無限大の時間がかかりますから
      「時よ止まれ, 君は美しい」
      でしょう.

      親コメント
      • Re:げーて (スコア:2, 興味深い)

        by on-abokya (16235) on 2003年11月13日 21時42分 (#433640)
        > シュバルツシルト解なら事象の地平線を超えるために無限大の時間がかかりますから

        ここいらが物理の専門家でないので、よくわからないのですが、
        たれこみ文には
        ”星が落ち込んだときの最後の煌きを見ていたようだ”とあります。
        これは、物質が無限大の時間を超えて(?)、事象の地平線の彼方にいってしまったということを意味するのですか?
        それとも、落ち込む物質は無限大の時間をかけて事象の地平線を超えようとしているのだが、
        地球からは落ち込む直前の断末魔がみえたということですか。

        もしそうだとすると、中の人からすれば(いればの話)、最後の声は、
        アレーーーーーーーーーと永遠に続くことになるのでしょうか。
        親コメント
        • by Anonymous Cowboy (6205) on 2003年11月14日 12時23分 (#434045)
          >最後の声は、アレーーーーーーーーーと永遠に続くことになるのでしょうか。

          光なり電波なり音声(無理)なりの場合、最後の声は波の形で出てくるわけですから無限に引き伸ばされた結果どんどん波長が長くなり、観測できなくなると思われます。

          #で、テレパシーで永遠に続く断末魔を聞かされる、というSFがあったはず。
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          > それとも、落ち込む物質は無限大の時間をかけて事象の地平線を超えようとしているのだが、
          > 地球からは落ち込む直前の断末魔がみえたということですか。

          こちらで正しいかと思います。
          ところで落ち込むのに無限大の時間がかかる「ように見える」というのは遠くから見て
          • by Anonymous Coward
            じゃあ、落ち込むときにはデスマーチだけは避けたいなぁ。
            当事者には無限デスマーチなのに、はた(偉い人や張本人?)から見ると一瞬なんて虚しすぎる。

            #最近ずーっとデスマーチ中につきAC
             「犯人はお前だ!」って張本人を指差してやりたい・・・
      • by Anonymous Coward
        見かけ上は美しい。
        実際は美しくない・・・

        じゃなくて、
        見かけ上は時は止まって見えるが、
        当の本人にとって、時は止まらない・・・
        だったとおもうが。
      • by Anonymous Coward
        無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーー!

        #え、違う?
    • by Anonymous Coward
      どっかで読んだような。小松左京だっけ?
  • by Anonymous Coward on 2003年11月13日 19時24分 (#433535)
    BHって略すのは、あたりまえのことですか?
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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs

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