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6946 story

破局を回避するためソフトウェアに多様性を 98

ストーリー by Oliver
手元でランダム要素入りでコンパイル 部門より

maia 曰く、 "毎日新聞記事によれば、ウイルスの一斉蔓延などを防ぐため、ソフトウェア一本一本に「個性」を持たせる研究が、全米科学財団(NSF)の援助により、カーネギーメロン大学とニューメキシコ大学で行われている。
NSFのプレスリリースによれば(以下抄訳)「大自然と生物多様性にヒントを得て(中略)コンピュータ科学者達は、コンピュータシステムの "cyber-diversity" を研究している。これにより、ウイルス、ワーム、その他のサイバーアタックをかわすことができる」「ソフトウェアの一部分を自動的に変化させる事によって、コンピュータの脆弱性を減らす事を目指している」「従来の手法は(中略)異なる開発チームによって異なるバージョンを作り出すものであった(中略)。そのような人手をかけた手法は、コストと時間がかかる」「自動化された手法ならば、より経済的に、より多様な多様性を作り出せる可能性がある」
このアイデアで思い出すのは、以下の台詞である:「その破局を回避するために、多様性やゆらぎを持ちたい訳ね」(GHOST IN THE SHELL)"

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  • ゆらぎ (スコア:5, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2003年11月27日 8時29分 (#441370)
    遺伝子(コード)の多様性とはちょっと違うんだろうけど、
    OpenBSD 3.4 に(も?)入れられたこれは、
    同一個体の中で「ゆらぎ」を積極的に作り出す試み、
    というわけか。

    http://www.openbsd.org/ja/34.html
    > 攻撃に対するより大きな抵抗力を持たせるため、
    > ELF プラットフォーム上の ld.so(1) は、
    > ライブラリをランダムな順序でロードするよう
    > になりました。
  • ……ってことも、既に誰かやってそうです。
  • by NaruTo (1519) on 2003年11月27日 9時07分 (#441384) ホームページ 日記
    ○月×日:今日は晴れた。気分がいいのでクイックソート。
    ○月×日:大雨。車に泥をかけられた。いじけているのでバブルソート。
    ○月×日:北海道の大自然に触れる。バケツソートを使ってみる。
    ○月×日:新しい靴を買った。コームソートを使ってみる。

    ・・・って感じなの?
    --
    マクロの基本は検索置換(by y.mikome)
  • 揺らぎVirus (スコア:3, 参考になる)

    by higon (6160) on 2003年11月27日 8時32分 (#441371) 日記

    昔マイクロコードレベルで進化するプログラムの研究があった記憶が(terraなんとか)

    NSF [nsf.gov]より引用

    "We are looking at computers the way a physician would look at genetically related patients, each susceptible to the same disorder,"

    こんどは医者(エンジニア)が様々な症状(エラー・ログ)をみて、同じ病原菌(ウイルス)と判断することになるのかな。
    自然界で環境に対応するのが早く、耐性を身につけるのが早いのは微生物。Virusです。Virusの目的は増殖と破壊。増殖はホストに頼らなくてもいいですし、適当なコードでソフトウェアは破壊できます。コンピュータのソフトウェアが揺らぎを持つようになれば、コンピュータVirusは、さらにその揺らぎへの適応能力を考えて開発されるでしょう。そうなったとき、破局は免れても、どうやって検知する?どうやってパッチする?

    #案外、単にマシンごとにプログラムを暗号化(署名)=>複合化 するだけだったりして。:P

  • 素人なので、よくわからないのですが、ソフトの一部が自動的に変化したら、メンテが大変じゃないでしょうか?
    既に変化済みかどうか確かめてから、また何に対応した変化なのか見極める作業が必要になるかと思うのですが。

    #メンテナンスフリーなんてことはないんでしょ?
    • by Anonymous Coward on 2003年11月27日 9時31分 (#441394)

      メンテナンスムリー

      # ま、もともとという話もあ(ばきっ

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2003年11月27日 10時48分 (#441431)
      #メンテナンスフリーなんてことはないんでしょ?

      プログラムのロジックが変わるわけじゃなくて、メモリ上のアライメントのような、コンパイラサイドの情報に揺らぎを持たせればいいんじゃないですか? デバッグの時はオフにして、リリースビルド時にこの揺らぎオプションを付与してビルドすればいいんです。

      だけど、(1)バイナリ配布だと意味が無いですね。これはJVMやCLRのようなランタイムがあるソフトウェアであれば問題ないですが。(2)揺らぎのアルゴリズム部分がオープンソースだと(たとえばGCCで実装する場合)、揺らぎ方を推定できてしまうので、ウィルスでもある程度予測可能じゃないかなぁ。

      親コメント
    • メンテっつーか、デバッグが大変。
      コードが変わっても動作が変わらないことを確認しなければならない。
      とりあえず、"問題が起きたら再インストールしてください"で誤魔化すしか。
      そのうち正常動作するコードが当たるでしょ(ぉ

      # メンテナンス・フリー: 壊れたとき、直せないこと
      # http://hp.vector.co.jp/authors/VA000092/jokes/
      --


      # ACなのでAC
      親コメント
  • 新時代到来 (スコア:3, おもしろおかしい)

    by poporu (15657) on 2003年11月27日 13時57分 (#441566)
    この技術が実現すれば 「バグではなく仕様です」から「バグではなく個性です」になるわけですな
  • 多様性ウイルス出現? (スコア:2, すばらしい洞察)

    by fusianasan (77) on 2003年11月27日 8時24分 (#441367) 日記
    そのうち、コンピュータウイルス作者もこの技術を応用して、
    どんどん変化してウイルスソフトでの検出が追いつかない
    新種のコンピュータウイルスがでてくるかもね

    本物のウイルスが変異するように
    • by moonbear (4602) on 2003年11月27日 8時33分 (#441372)
      それに近いものはもうあるようです。

      Polymorphic Virus
      http://computers.yahoo.co.jp/dict/security/virus/worm/3042.html
      親コメント
    • by catp (10291) on 2003年11月27日 10時50分 (#441435)
      「自然界のウイルスは決して種を絶滅させる事は無い」という説がありますが、
      コンピュータウイルスはそういった事は関係無しに複製を作ろうとするため、
      破壊活動を行い既存の方法で対処できない自己変化型のコンピュータウイルスが作られたら、
      過去に無いほどの被害が発生するかもしれませんね。

      # 今回の技術を使ったマシンならパターンの偶然の一致により、共生するかもしれない。(いや、冗談です)
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2003年11月27日 11時09分 (#441449)
        >「自然界のウイルスは決して種を絶滅させる事は無い」という説がありますが、

        そういう説があるというのは認めますが、むしろ「自然宿主を絶滅させるウイルスは生き残ることができない」というのが正しいかと。
        一時的にそういうウイルスが出てこないことを保証するものではありませんし、また自然宿主(本来の宿主)以外の種に感染した場合にはその種を絶滅させてもウイルス自体の生き残りには問題ないのですから。
        親コメント
    • Re:多様性ウイルス出現? (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2003年11月27日 11時12分 (#441450)
      そのうちおきのどくさまウイルス [amazon.co.jp]が出たりして。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2003年11月27日 9時17分 (#441387)
    自己再生と免疫機能をと搭載してくれ。
    多様性で「サイバーアタックをかわすことができる」って社会全体を見た場合の話でしかなくて、
    個人的には「かわせる場合もある」程度でしかないし、網がゴミで溢れかえる状況はかわらんのではないのか?
    • by FragileMoon (16188) on 2003年11月27日 14時02分 (#441569) 日記
      植物の一種(ヨモギとかセイタカアワダチソウとか)は、
      アレロパシー物質を分泌して、他種の植物の、種子の発芽を抑制するそうです。

      それをヒントに。
      自分と機能がかぶるソフトウェアを勝手にアンインストールしたり。
      新たに別の競合しそうなソフトウェアがインストールされそうになったら妨害したり。
      わざと動作を重くして他のソフトウェアからユーザ様の寵愛を受けるチャンスを奪ってみたり。

      なにはともあれ、ウイルスごときには負けない、
      苛酷な生存環境にも耐え抜く強靭なソフトウェアに育ってほしいものです。
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    • 件のForrest 先生は免疫(Immune)システムを昔から研究しているよ。最近のは追っ掛けてないから知らないけど、ちょっと前は IDS の判断エンジンの研究とかしてた。最初にIDSを訓練して、その後訓練したデータを使って実際の挙動を判断するという感じ(anomaly detection)。詳しいアルゴリズムは色々あるから興味があったら適当に論文当たってみて。

      #といっても普通、免疫っていって想像するのとはちょっと違うんだけどね。
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  • by take0m (4948) on 2003年11月27日 10時49分 (#441434) 日記
    生物の多様性というのは、多様な生物がいるってことで、ある種類の生物について、多様性はそれほど高くないのではないんですかね?

    もちろん個体別に遺伝子のわずかな違いはあるのでしょうけど、基本的にある種類に属するために必要な遺伝子は大部分を占める訳ですよね。そんな共通部分を攻撃することは簡単だと思うんですけど。

    もちろんいまのソフトウェアは多様性ゼロな訳で、わずかな多様性を持つことで、生存率は0から0より大きくなって、飛躍的な進歩ともいえますけど・・・

    あるソフトを多様化するというのは、個体間の差を持つということで、その種のソフトのベンダーを増やすってのが、生物の種類を増やすってことですよね。
  • by Anonymous Coward on 2003年11月27日 11時08分 (#441447)
    >マイクロソフトの寡占を許したまま、ウイルス問題を解決できることになるため、同社にとって朗報となりそうだ。

    ・・これが最大の問題なんじゃないのか?

    たしかにWindowsの広範な普及は事実なのでこのようなアプローチも
    必要だとは思うが、
    Linux、*BSD、MacOSといった「OSレベルの多様性」を正しく認識して
    普及を認める方が前向きではなかろうか。もちろんLinux、*BSD、MacOSその他のOSが
    破局→絶滅するということもあるだろうが、それは自然淘汰ということでやむなし。
  • by naruenosekai (13637) on 2003年11月27日 12時36分 (#441511)
    ちよっと考えたのは固定的なデレクトリ構成を変化させること。
    これならすぐ出来そうですな。
    スタートアップを消すウイルスなんか効果的。

    セキュリティホールまで多様性持たせようとすると、アルゴリズムを変えた同じ機能のサービスデーモンプログラムが沢山必要になるので、現実的ではないような気がします。

    LINUXはデストリビューションの多さで多様性を持っていますね。
    • by one-one (17888) on 2003年11月27日 16時33分 (#441656) 日記
      LINUXはデストリビューションの多さで多様性を持っていますね。

      マイクロソフトはその多様性を 欠点としてとらえたい [sourceforge.net]ようで…

      たしかにGnome使ったりKDE使ったりTerminal使ったりとかでユーザ環境が固定されていない状態で商用のアプリとかを出すとマニュアルとかサポートとか大変だろうなぁってのはわかるんですけどね

      ……にしても… oliver?

      親コメント
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