H-IIA6号機、打ち上げに失敗 415
ストーリー by Oliver
軌道に存在しない衛星 部門より
軌道に存在しない衛星 部門より
rainforest曰く、"情報収集衛星(IGS)2基を搭載したH2A6号機がエンジントラブルのため打ち上げ10分後に爆破された模様。こちら、毎日の記事。3機関統合後の初の打ち上げでした。今回は、2回の延期を経てトラブルの原因は洗い出されたハズだったのですが.... ぜひ、失敗の原因を徹底究明し、社会的な貢献としてそれを修正する過程を公表していただきたいと思います。外部の者はそこから学ぶべきものがあるはずです。個人的には、誰が責任を取るかと言う問題よりもこちらの方が重要だと思います。"
kamuyによると、SACニュースと野尻ボードにより詳しい情報が載っている。それによるとブースタの1本が分離しなかったようだ。
まぁ最悪という訳でもなし。 (スコア:5, 興味深い)
当時ソ連は世界に先駆けて大陸間弾道弾を実用化したが、その実体は、技術者コロリョフの宇宙ロケット開発に利用されただけ、というものだった。コロリョフのR-7は今では最も成功した宇宙ロケットとしてロシアの財政に寄与するだけでなく、南米やオーストラリア沖の島からの打ち上げも予定されている国際的な傑作機とされているが、当時は打ち上げ失敗 [astronautix.com]はざらで、軍の金でたっぷりとバグ出しをした後に世界初の人工衛星を打ち上げて、軍には簡単に手出しできない名声を得てしまっていた。
R-7は特殊な射点設備を必要とし値段も高かったので、当時ソ連が配備していた大陸間弾道弾はわずか5発のみという状況で、これは明らかにアメリカに対して劣勢を意味していた。これは後のキューバ危機の原因のひとつともなったのである。
そんな状況の中、技術者ヤンゲルは戦略ミサイル軍に使いやすい大陸間弾道弾の開発の提案をした。ヤンゲルのR-16は2段式で、両方に毒性のある非対称ジメチルヒドラジンと四酸化ニ窒素の組み合わせを用いていた。有毒なことを除けば、この組み合わせは使い勝手も性能も最高のものだったのだ。
エンジンは当時有毒な推進剤を用いるかどうかでコロリョフと仲が悪かった技術者グルシコのエンジンが採用された。
政治的、軍事的な要請から、開発は限りなく急かされていた。開発開始後4年目にしてハードウェアが揃い始め、60年の8月にはいわゆるBTF燃焼試験が行なえるようになっていた。9月には本体が到着したが特に電気系統はまだバグだらけであった。10月20日まで電気系統は延々と弄りまわされて、そして打ち上げに問題無しとされた。
その時のサイト41での打ち上げ準備は、あらゆる安全規則を破っていた。燃料の充填がはじまっても技術者たちはロケットの周りをうろうろしていたし、打ち上げの指揮官であるネデーリン元帥はロケットの20メートル手前という距離で椅子を用意させて座っていた。彼はその日フルシチョフから直接、打ち上げを急ぐように指示されていた。
やがて2段目の電気系統に問題が見つかり、推進剤を抜いてきちんと調べようという提案がされたのだが、ネデーリンはそれを即座に却下した。
ヤンゲルがタバコでも吸うべと安全境界の外に出た時、ロケットの2段目は突然動作を開始し、点火した。真下には推進剤の詰まった1段目がある訳で、結果は大爆発だった。
現場にいた殆どの人間が即死だったと思われる。生き残った人間も有毒な推進剤を身体に浴びて火傷を負い、悲惨な状況だった。この事故の映像は残っていて見たことがあるが、凄惨の一言である。ちなみに、旧ソ連の打ち上げ事故というとこの映像が使いまわされ、マスコミに勝手な死傷者事故が捏造されることが多い。
生存者は病院へと運ばれたが、生存者を苦しめているのは一体何の毒物なのかと医療関係者が聞いても、軍は答えなかった。それは軍事機密だったのである。
この事故は以後教訓として生かされます。例えば1966年のソユーズ無人試験機、Cosmos140の打ち上げでは、打ち上げ途中でシーケンスが中断してしまい、27分後に突然緊急脱出システムが動いてしまって、射点でR-7(11A511)は大爆発を起こしてしまうのですが、死傷者はただ一人、打ち上げ指揮官のコレスニコフ少佐だけでした。
……一体なんでこの少佐はそんな間抜けをやらかしたかは、手元に資料が無いのでわかりません。
あの規模のハードウェアですから、この時期に失敗が出るのは何ら不思議では無いでしょう。そもそも一発で動いたのが不思議だったし。
軍事とか機密とかを優先すると今後はわかりませんが、ま、死者や怪我人がいなかっただけ、まだマシでしょう。
とりあえずH-2Aの名誉のために。 (スコア:4, すばらしい洞察)
試験機2機を含む、1~5号機までのH-2Aは全て打ち上げには成功していますよね?
H-2ロケットで2度の失敗を受けてH-2Aに乗り換えてからは初の失敗だと聞きます。
「日本は失敗続きだ」「もうだめぽ」と悲観論を展開する方は、もう少し数字というものを見るべきだと思います。
少なくともH-2Aに乗り換えてからは、日本のロケット打ち上げ技術自体は高く評価される働きをしていましたよ。
しかし、数字だけ見ればいいというわけでもないのも事実。
現に、今回の失敗は前回までのどの成功よりも大きく報じられていますし。
まず確実に、人々の記憶には「H-2Aは打ち上げに失敗した」という事実が刻み込まれるでしょう。
かたや中国では有人飛行に成功したことが大々的に報じられていますが、それ以前の失敗はほとんど報じられていません。
1996年2月14日、CZ-3Bが市街地に落下し多数の死傷者が出た事故などは、正確な死傷者の数すら判然としていません。
一般市民レベルでは、事故の存在すら知られていないでしょう。
私は、日本にもそうなってほしいとは思いません。
何人死のうがバレなければいい。成功したときだけ大騒ぎして士気高揚に利用。
そんな腐った宇宙開発などこちらから願い下げです。
(ここらへん私の主観全開ですが許してください)
どうか今回の失敗にもめげず、日本の宇宙開発が真っ直ぐ進んでいくよう願っています。
/* 成功も失敗も、次の成功のための礎である */
Re:とりあえずH-2Aの名誉のために。 (スコア:2, すばらしい洞察)
11月はじめに火星探査衛星がいずれも制御不能に
なっているわけで、風向きは悪いと言わざるをえません。
今回の失敗は大変残念であったが、次回の成功に向け
全力を尽くして欲しい、と思うわけですが、
「SRBがはずれなかった」という現象には正直
なんじゃそりゃ的な疑問を感じます。
ハードの構造的欠陥ではなく、配線のチェックを
怠ったとかそういうレベルの気配。
ちなみに。
NASDAが打ち上げ時に一般に配るパンフレットには
必ず「H2 8号機の打ち上げ失敗&エンジン引き上げ」という
ページが贖罪のように最後に入っています。
今後こういうページが増えないことを願う次第。
Re:とりあえずH-2Aの名誉のために。 (スコア:2, 興味深い)
> 怠ったとかそういうレベルの気配。
常々思うんですが、事故原因として「チェックを怠った」とか「NEC 技術者の転写ミス」とか言っている時点でダメボンバーだと思いませんか。人間なんて最低の信頼性しか持ってないのだから、そういう部品でもトラブルがおこらないような「システム (プロセスともいう)」が必要でしょう。上記言い訳を正しく言い換えるなら、「(システムに) 適切なチェック手順が抜けていました」とか「人の手による転写という不適切なプロセスが混入していました」とか言うべき。
そうやって「失敗しないプロセス」を作り上げていくことがそもそも JAXA のような組織の存在価値だろうに。
Re:とりあえずH-2Aの名誉のために。 (スコア:3, すばらしい洞察)
神舟ではないけど、地味な基礎技術の蓄積、自国よりも技術的に優れているならば外国の技術も自国の血肉として取りこんで行く決断力、そして失敗にへこたれない図太さ。
これら、技術開発に普遍的にあるべき重要さを中国のロケット開発が他国のロケット開発と較べて多く備えていたと言うだけだと思いますよ。
責任は取るのかな? (スコア:3, 興味深い)
組織と、それを構成している人間にあることを指摘しても良いのでは?
前の失敗のときに、責任問題をきちんとしておけばこんなことに
ならなかったのにね。
理事長は記者会見で、「御礼申し上げます」なんていってるし。。
失敗続き (スコア:2, すばらしい洞察)
ただ少し失敗が多いように思えるのですが。技術的な困難さや金銭的な問題などいろいろあるとは思うのですが、それらを差し引いても失敗が多いように感じます。 状況は違うとは思いますが、隣の国では有人飛行に成功しています。 一方で補助ロケット切り放し失敗とはいえこれはそれほどまでに難しい技術なのでしょうか?有人飛行に比べれば技術的なハードルは高いとは思えないのですが。
失敗しても「次は頑張ります」とか「とても難しいのです」といえば許されると思う甘えがないと断言できますか?論調をみていると甘えがないとは思えないのですが。 フロンティアでの研究開発が大変なこともわかりますが、これだけ失敗が続けいているとやはり「宇宙開発は必要ない」などというあまり好ましくない論調がでてきてもおかしくないと思います。 さらに現在の技術者のレベルが疑われ「これだけ金を払ってこの程度なら払わない方がまし」と言われ技術者の雇用や育成に経済的な補助がなくなる可能性すらあると思います。
このようなことにならないように、次は確実に成功させてもらいたいと思います。
この次失敗したら流石に擁護したくなくなります。
予算の少なさが元凶…かも (スコア:5, 興味深い)
どんなに根性を入れてミスのないようにしようとしたって、トラブルの元を事前に知ることは無理、不可能です。あれだけ経験豊富なNASAですら、チャレンジャーのような事故をおこしているわけですから。
数限りない試行を経て、徐々にトラブル率を下げていくしかないのではないかと思うのですが…。
# もちろん、回数をこなすためには無駄を極限まで削らなければ
# いけない、というのはいうまでもありません。
Re:予算の少なさが元凶…かも (スコア:2, 興味深い)
EU版GPSのGALLEOのように、質の高いサービスを目的として
商用のプロジェクトを立ち上げて、産業を盛り立ててくような
ビジョンを提案してかないとね。
ここ [eu.int] を見ると、4000億円くらいで費用対効果がいいぞとアピールしている。
盗撮衛星にしても商用のシステムを提案できたんじゃないの。
最近中国がGALLEOのプロジェクトに参加したけど、
中国の高速鉄道プロジェクトとGALLEOとは関係ありそうだし、
日本はビジネスチャンスを逃した気がする。
ま、商用としては答えは出たので、
あとは、科学趣味でほそぼそと続けるしかないのかな。
Re:失敗続き (スコア:2, 興味深い)
センチメンタルな「甘え」論争ですか。
人間や組織には「甘え」が不可避(というかむしろ不可欠)であり、
その「甘え」の存在を認めつつ、それでもなお失敗を重ねながら
「甘え」を管理下に置いて成功率を上げていくのが
国産ロケット成功への王道だと思います。
しかしながら、国民の大多数が
「甘えは認めない、でも打ち上げ失敗も認めない」
と考えるのであれば、それこそが国産ロケット成功という
目標にむけた「覚悟」のできていない「甘え」ではないですか?
その「甘え」が日本国民の本質であるならば、
その「甘え」をちゃんと自覚して、
国産ロケットはきっぱりと諦めるべきでしょう。
Re:失敗続き (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:失敗続き (スコア:1, 興味深い)
こ の 国 は 失 敗 に 寛 容 で は な い .
衛星に必要なモノ (スコア:3, 参考になる)
アメリカはNASAに1兆5000億円(そしてその上、国防予算の
宇宙関連にほぼ同額使ってる)
中国は1兆円(五カ年計画 [mainichi.co.jp]で)
日本のJAXAは2000億円 [nikkeibp.co.jp](うち情報収集衛星に550億円)
同額で失敗してるならともかく、はるかに少ない額しか出してもらっても無いのに責められる
JAXAの中の人も大変だと心から思います。
Re:衛星に必要なモノ (スコア:2, 参考になる)
あの~、日産自動車は再建のために航空宇宙部門を切り離した [nissan-global.com]んですが、もう一回やれと?
#旧ISASの固体ロケットシリーズは日産製です。
ネタにマジレス(w
Re:失敗続き (スコア:1)
どうせ日本は内需国なので国民の総力を上げてロケット打ち上げを実現するのです!
道路なんて作ってる金と資材があれば宇宙開発をやってくれ~。
Re:失敗続き (スコア:1)
例えロケット打ち上げに失敗しても、次につながるデータが取れればいいと思うが、それは世間に分り難いし、開発側もアピールし難い事だから。
それに、宇宙よりも道路の方が人に身近で認識し易い点もあるし。
Re:失敗続き (スコア:3, すばらしい洞察)
でも、道路は基本的にその沿線および終点に住んでいるか、そこに用事のある人にしか関係ないけど、宇宙は誰の頭上にもあって、その技術は気象・通信などみんなの生活の役に立ってるんですけどね。「流通面で果たす役割は大きい」とか言われても、一ヶ月間の通行台数が4桁しかない高速道路も多い中、今以上に道路を造ってもどれだけ役に立つんだか判りません。
宇宙開発の一番の問題は一般メディアでは失敗しか大きく取り上げないことでしょう。
Re:失敗続き (スコア:3, 興味深い)
o 1.事実に対して仮定を持ち出す
o 2.ごくまれな反例をとりあげる
o 3.自分に有利な将来像を予想する
o 4.主観で決め付ける
o 5.資料を示さず自論が支持されていると思わせる
o 6.一見関係ありそうで関係ない話を始める
o 7.陰謀であると力説する
o 8.知能障害を起こす
●9.自分の見解を述べずに人格批判をする
o 10.ありえない解決策を図る
o 11.レッテル貼りをする
o 12.決着した話を経緯を無視して蒸し返す
o 13.勝利宣言をする
o 14.細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
o 15.新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
Re:失敗続き (スコア:2)
>他におもしろい言い訳はないのか?
それが真理なんだから、他のはないでしょ?
Re:失敗続き (スコア:1, おもしろおかしい)
じつは次世代高級打ち上げ花火の開発でした。
大成功です。
Re:失敗続き (スコア:2, 参考になる)
予算がないので失敗しましたというのは、無能な研究者のいい訳にしかならないよ。
それか莫大な予算を与えて、それで世界中の優秀な研究者を金で集めて研究させるか。
いずれにせよ、それなりの予算でそれなりの成果を上げない研究者には税金を投資したくないね。
#というか、NASDAの財務諸表 [nasda.go.jp]をみると分かるんだけど、
NASDAの連中は予算なんて守っていないしね。毎年、600億円も余分にに使っている。
国民が承認した予算の枠を超えて平気で600億円も赤字を出してるし。
どこかの公団みたいなとこだな。しかも累積赤字は2兆6000億円!!!!
この赤字は誰か穴埋めするんだろうか。。。国民一人当たり2万円だよ。
Re:失敗続き (スコア:2, 参考になる)
これ、一般企業会計と意味が異なるそうです。ここのNo.46 [sacj.org]で取り上げられているように「打ち上げ費用は成功・失敗に関わらず損失として計上される」財務会計上のしくみだということで。
Re:失敗続き (スコア:2, すばらしい洞察)
> 奇跡的な数値で日本は実績を上げているわけですが。
別に一からやってるのでなくて、2番煎じ、3番煎じですからねえ。
打ち上げることが出来ると分かっているものを、打ち上げる訳で、
しかも、何度か成功しているものに失敗している訳で。
失敗に学んでいないだけでなく、成功にも学んでいないと。
それに品質管理がずさんなのでは?成功品と同じものすら作れないんだし。
新しい目的 (スコア:2, おもしろおかしい)
参考リンク (スコア:1)
SACニュース [sacj.org]
野尻ボード [virtualave.net]
で、こちらの情報から見ると、補助ロケット(SRB-A)がきちんと外れなくなってしまったことが原因のようで…
(エンジントラブルではない、と云うことらしい)
で、次はどうなるんだろう…
-+- 想像力を超え「創造力」をも凌駕する、それが『妄想力』!! -+-
Re:参考リンク (スコア:2, 参考になる)
爆破直前の状態として、SRB-A が残ったままの映像も流れていました。
解説によると、SRB-A がぶらぶらしながらついていることから、
下側は切り離されたが、上が切り離されなかったように見える.. とのこと。
河村大臣の「衝撃を受けた」という言葉に、
衛星打ち上げぐらい、日本の技術力を持ってすれば.. という過信が感じられたのは、気のせいでしょうか。
まずは原因究明だと思いますが、人や予算の見直しもきっちりやって欲しいですね。
Re:参考リンク (スコア:1)
JAXAのプレスリリース [www.jaxa.jp]
JAXAのWebサイト、たいへん重くなってます。
Re:参考リンク (スコア:1)
前回の打ち上げ延期時の記事 [srad.jp]
SACニュースの記者会見の内容によると、この時の延期の原因となったSRB-Aと、今回分離しなかったSRB-Aは同一のものだそうです。ただし、点検箇所は違うとのこと。
お金でない保険 (スコア:1, 興味深い)
思ったんですが、 有人ロケットにつける非常脱出用トラクターロケットみたいな 仕掛けとパラシュートを仕込んでおいて、 ペイロードだけでも救えませんかね?
Re:お金でない保険 (スコア:1)
とんでもない! (スコア:1, おもしろおかしい)
低性能ぶりがバレバレになるじゃないですか。
Re:お金でない保険 (スコア:1, 興味深い)
有人でそれが可能なのは、そもそも大気圏再突入に耐える設計
になっているからで、再突入したら破壊される運命の衛星には
使えない手ですね。
でも、今回の打ち上げは衛星が2機搭載されていました。
パワー不足になるとわかった時点で、1機を破棄して、
残り1機だけ軌道に乗せるという選択肢はあっても良いかな、
と思います。
まぁ、その機構のコストがペイするかどうかはちょっと疑問
ありますが…。
Re:お金でない保険 (スコア:2)
2つの軌道要素に投入するロケットはあるけれど、大気圏内を推進中にそれを可能とする技術はかなり難しいかと。
Re:お金でない保険 (スコア:2, すばらしい洞察)
ロケット本体が約100億なので、
その分、開発製造にまわしてくれ…と
関係者はきっと思いそうな予感。
Made in Japan の弱点? (スコア:1, 興味深い)
宿命的な弱点が内在しているように思えてなりません。
日本製品は、おしなべて高品質で定評ですが、他の国の製品と比べて
弱い面も目立ちます。コンパクトで緻密で高機能だが、繊細過ぎて寿命が
短かったりとか、感じませんか?
そういった"Made in Japan"特有の問題点からこの失敗劇を/.のみなさん
なりに分析してみませんか?
#といいながら、個人的には組織上のゴタゴタの影響という思いも拭い去れないものが。。。
Re:Made in Japan の弱点? (スコア:5, すばらしい洞察)
なんですが。
とあるロケットの部品は、機械制御ですら実現できないくらい大変
に精密な削り出し作業が必要で、それを町工場の、経験を積んだご
年配の方が、指先の感覚を頼りに成し遂げるというもので、番組の
視点は、町工場から産まれ出る最先端製品という面白さを狙ったも
のであり人間讃歌であるというものでした。
が、私のような門外漢はどちらかというとロケットの部品なんても
のは、叩いても壊れないタフさが必要なんじゃなかったのか、とか、
この人がちょっと風邪を引いたとかで手先が狂ってたらどうするん
だとか、この人が引退したら日本のロケットは店じまいなのか、と
か、つまりはロケットという「商売」の弱さを強く印象づけられた
のでした。
もっとも、まだまだ日本のロケットは「商売」のステージには乗っ
ていないのかもしれません。ロバスト性を今から期待するのは望み
が高過ぎるのでしょうか。
Re:Made in Japan の弱点? (スコア:1)
H2Aの技術的特徴と一般の工業製品をごっちゃにしてるんじゃないんですか?
世界中で日本の工業製品の評価が高いのは、高品質で繊細かつ「壊れない」からですよ。
Re:Made in Japan の弱点? (スコア:1, すばらしい洞察)
一種の公共事業に (スコア:1)
ロケット業界の内幕は知りませんけどね。
NASAはボルト1本に至るまで厳しい品質チェックをしている(た)と聞きます。
当然、作業工程中のチェックも厳しく行っているでしょう。
対して、日本の公共工事( あるいはそれに類する工事)と来たら…。
手抜きだらけの新幹線橋梁とか、沈み続ける関空とか。
もしロケット事業でも発注側と受注側に「公共工事」と同じような感覚があるとしたら、そりゃまともには飛びませんわな。。
普通これだけ失敗が多ければ、組織の見直しどころか解体が云々されても当然なのに、それでも続けてこられたんですからね。どこかに甘えがあるんじゃないでしょうかね。
Re:Made in Japan の弱点? (スコア:2, すばらしい洞察)
てな状況じゃ果てしなく士気が低下するだけでしょ。
厳罰主義でも士気は低下するけど適度な緊張感は常に必要かと。
ていうか
>後の糧とするため、あえて失敗させるのも大事だろうに。
これでは中学校の文化祭レベルの意識(汗
あえて起こす失敗、なんてのはシミュレーション段階で終わらせるもんです。
その段階で思いつくすべての失敗の可能性を試して潰して、それでも予想外な失敗が起こってしまった場合はもちろんそこから学ぶ必要がありますがね、もちろん。
で、シミュレーション段階で想定されてた失敗を本番でもやらかしてしまった場合は…
これはもう責任者の首でも飛ばすしかないでしょ。
仮想であれ失敗は失敗、そこから学んでないわけですから(笑
いずれにせよ「やたらと首を切るのは良くない」は一歩間違えると「何をやらかしてもクビにならない」に繋がってキケン。
「何をやらかしてもクビになる」もキケンなんですが(汗
なかなか繋がりませんなぁ (スコア:1)
JAXAのサイト [www.jaxa.jp]。
4号機のプレスキットにあるスペックシート(PDF) [h2a.jaxa.jp]によると、SRB-Aの質量は2本で150t、うち推進薬の質量は130tなので、それが全部燃焼したとしても空の容器の重さだけで1本あたり10tにもなります。
重心からずれた位置に余計な重量10tも抱えて良く飛んだなぁ…という言い方もありますが、失敗は失敗。しかもSRB-AはH2A標準型でも使用する、いわば基本部品ですから、きっちり原因究明しないことには再打ち上げは無理でしょう。
次の打ち上げ予定は衛星本体が完成するかどうか判らん [srad.jp]運輸多目的衛星ってのが、救いといえば救いですかね。原因を究明する時間はたっぷりありそう、ってことで。
ブースター (スコア:1)
多段式は仕方がないとして、切り離しが必要なブースター不要にできませんかね?10年掛かってもいいので、開発できないんですかね?それまではアリアンで打ち上げればいいじゃないですか。
Re:ブースター (スコア:1)
誰もJAXAのロケット使おうとは思わないでしょ。
世界に恥を (スコア:1, 参考になる)
ここ [bbc.co.uk]とか ここ [cnn.com]とか。
Re:世界に恥を (スコア:1, 興味深い)
クンクン (スコア:1)
Re:記者会見の模様 (スコア:1)
すいません。
Re:どっかの国の都知事が・・・・ (スコア:1)
アリアンなら良いのか? (スコア:2, 参考になる)
着目すべきはその後の対応です。前者は7/12の打ち上げから1ヶ月弱の8/7に原因調査および今後のアクションプラン [arianespace.com]を発表、その後はしばらく実績のあるアリアン4での打ち上げを先行させて、半年後の2/28にはアリアン5での打ち上げを再開、そして成功 [arianespace.com]してます。後者は打ち上げが12/11で調査結果の発表が翌年(つまり今年)の1/7 [arianespace.com]です。こっちも来年には再トライするみたい [arianespace.com]ですね。
見習うべきは、あくまでも積極的に前に進もうとするこの姿勢でしょう。トップの首を今すげかえたところで意味はありません。今後も日本独自の宇宙開発を続けるという意思があるのなら、今必要なのは徹底した原因究明と問題の解決でしょう。
ちなみにARTEMISの方は、その後1年半かかって自前で静止軌道に上がったみたい [www.jaxa.jp]ですね。
Re:またかよ (スコア:2, すばらしい洞察)
結局、工業にしても、それを支えている銀行にしても外資の草刈り場でしかなくなってきてるのだし。
ここ最近多いプラント事故なんか見てても思うのですが、今は高度経済成長のイケイケだった頃から日本の産業や産業に纏わる政治がため込んでいた膿を吐き出している時期…過渡期…なのかもしれないし、ここで踏ん張らなければ日本の産業基盤は確実に再起不能になると思うのですが。