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7030 story

IBMが分子の自己組織化を利用した回路製造に成功 29

ストーリー by Oliver
分子の海に生まれしもの 部門より

take0m曰く、"asahi.comによると、IBMが半導体回路の自己組織化に成功したとのことです。特定のパターンを自然に形作るように設定した分子群を使い、フラッシュメモリーのコンポーネントを作り出すことに成功したらしいです。でも、その回路が動作するかどうかは記述がありませんけど・・・"

自己組織化するポリマー分子をマスクに使い、その模様をシリコンにコピーした、という研究報告がワシントンで開催中のIEDM2003にて発表された。この技術を使えば、既存の光を用いたエッチングより細かい回路が作れるそうだ。3-5年の内に実際のチップの製造に応用することを目標にしている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by MIYU (17727) on 2003年12月10日 3時41分 (#451592)
    日経NET [nikkei.co.jp]に掲載されたプレスリリースによると、

    製造されたのは、ナノテクノロジーを利用したナノ結晶メモリー素子だそうです。
    ナノテクノロジーによって、リソグラフィーなどの従来の方法を使用した場合より、
    「小さく、高密度、高精度で、より均一に」、重要なデバイス構造のパターンを形成することができるようです。
    既存のチップ製造装置を利用することができ、高い費用をかけて装置を置き換える必要もなく、大がかりなプロセス変更に伴うリスクも回避できると考えられている、
    というのも、メーカーにとっては大事なポイントだと思われます。

    CNET [cnet.com]の記事によると、

    パターンを形成した分子は、ダイブロック・コポリマーという、 通常の状況では反発しあう2種類の分子をくくりつけたもので、 分子の平衡力を利用して、分子の位置を制御しているそうです。
    自己集合によって最終的に形成されるパターンは、六角形。
    それをシリコンウエハに回路を張りめぐらす際の刷り込み型として利用するようです。
    この成果を実証するためにIBMが構築したのは、シリコンナノクリスタル (トランジスタ内の薄い層で、メモリチップが電力を保持したり、データ破壊を防ぐための役割を果たしている)を含む、 フラッシュメモリに似たチップだという事です。
    • by MIYU (17727) on 2003年12月12日 0時58分 (#452896)
      について MYCOM [mycom.co.jp]に記事がありました。転載します。

      1:まず、シリコン酸化膜のハードマスク上に多孔質ポリスチレンを形成し、そのパターンをシリコン酸化膜にエッチングする。
      2:ポリスチレンを除去後、プログラム・オキサイド(シリコン酸化膜のパターン)上にシリコンを堆積する。
      3:RIEプロセスを用いて、シリコン膜をプログラム・オキサイドの高さに合わせるようにエッチングすると、オリジナルのポリスチレン・フィルムのパターンでシリコン・ナノクリスタルが形成される。

      シリコン・ナノクリスタルの直径は20nm(+/-10%)、中心間の間隔は40nm。ナノクリスタルの配列上に、ゲート絶縁膜(7-12nm)とポリシリコン・ゲートを形成して、デバイス化している。
      親コメント
  • 組織 (スコア:2, おもしろおかしい)

    by hirata (3986) on 2003年12月10日 5時25分 (#451613)
    そのうち労働組合みたいなのが基板上で組織されたりして

    ある日チップを見ると「もっと電力を」とか「無理なクロックアップはやめろ」とか分子文字で書かれてるの。
    • by Anonymous Coward
      >ある日チップを見ると「もっと電力を」とか「無理なクロックアップはやめろ」とか分子文字で書かれてるの。

      同じものでも小さく作ると伝達速度が上がるので小さい方の中にいる人大きい方の中にいる人では
      時間感覚が違ってくるので大きい方の中にいる人が小さい方の中にいる
  • by raf (9322) on 2003年12月10日 10時16分 (#451745) 日記
    どうしても自己修復とつなげたいところ。
    冗談抜きで極限環境で運用されるチップには
    あってほしい機能だと思うんですけど。
    これって結晶化した後に破損が生じた場合
    溶かして固め直すぐらいの手間で回路が再生したりしないのかな?(w
    --
    -- 星を目指さない理由は何もない -- 「MISSING GATE」by 米村孝一郎
    • Re:自己組織化とくれば (スコア:2, おもしろおかしい)

      by Stahl (7211) on 2003年12月10日 11時17分 (#451791)
      >溶かして固め直すぐらいの手間で回路が再生したりしないのかな?(w
      鉄板でダイを焼くわけですか?
      毎日毎日焼かれるうちに嫌気さしたダイがケンカして海に逃げ込んだりしませんかね。
      で、海の底で人類に対する反乱計画を練るわけです、油断してる惰弱な人類なぞあっという間に駆逐されてしまいそうで怖いですね。

      もっとも初めて泳いだ海の底はとっても気持ちが良く、心が弾んでついつい物見遊山に耽溺、フラフラするうちに釣り上げられてまた焼かれてしまう…
      なんて形で人類滅亡のシナリオは回避されるでしょうから安心ですかね。
      親コメント
  • by vfit (14370) on 2003年12月10日 2時18分 (#451573) 日記
    まだまだクロックの上がる可能性が残されているんですね。
    発熱その他 問題でホイホイ実用実装できる技術じゃないと思うけど、 早く動いているデモを見たいものです。

    #P4EEが100円ジャンクボックスに転がる時代は意外と近い?
    • by Anonymous Coward
      大量生産目的なら別にクロックを上げなくても実用化できるでしょう。

      >#P4EEが100円ジャンクボックスに転がる時代は意外と近い?
      インテルが利用しないと話にならない気がする。

      2分化するんじゃないかと、もう諦めて今のクロックで使い倒す人も入れば
      現実とバーチャルの区別も付かなくてのめり込む人も...
      結局狭い価格帯に沢山のモデルが
  • by onyonyo (15599) on 2003年12月10日 2時23分 (#451575)
    この方法を使った場合と、 spring8なんかで研究されていそうなハードなガンマ線を使った場合とでは
    どっちがより細かい回路が作れるのでしょうか?

    教えて偉い人!!

    #まぁ、焼付けに常にspring8を使わないといけないようだと、 商売的には勝負は見えているんですけどね。
    • by EUV (15336) on 2003年12月10日 11時12分 (#451786)
      硬γ線ではなく、硬X線(≒γ線)ではないですか?
      SPring-8の放射光で硬γ線というのは聞いたことがないですけど。
      親コメント
      • SPRING-8じゃなくてその横にあるNewSUBARUでしょう。 http://www.lasti.himeji-tech.ac.jp/NS/Index-J.html EUV露光は今の半導体技術をそのまま延長する技術と位置づけられていてIntelは16nm(0.016μm)ルールまで使えるといっているけど・・・。 IBMの技術
        • たしかニュースバルの蓄積リングでも軟エックス線レベルだったはず。
          • EUVと言うのは極端紫外線のことで13.5nm近傍の光です。この領域は柔エックス線と呼んでも紫外線(極端紫外線)と呼んでも良い領域。と言うか、分析技術や利用方法で呼び名がころころ変わります。ニュースバルのBL-3、BL-9、BL-10のエンドステーションがEUVの研究用に利用さているはず。
  • not 自己増殖 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2003年12月10日 2時44分 (#451578)
    自己組織化なんていうから、自ら回路を増殖していくのかと思ったよ。
    この技術から、マトリックスとか、スカイネットとか、ガンプとか、
    エデンとか、野生化コンピュータとか(以下略)が生まれるかも!!
    ……と、ちょっと期待(?)したのに、違いますか、そうですか。
    • by cudjo (2713) on 2003年12月10日 12時26分 (#451838)
      自己増殖するLSIは、すでに存在する [kaigisho.ne.jp]ようです。

      自己再生・自己修復・自己進化 [nifty.com]をググっていて発見。
      親コメント
      • Re:not 自己増殖 (スコア:2, すばらしい洞察)

        by hi-kin (11760) on 2003年12月10日 14時35分 (#451939)
        動的再構成を自己増殖と呼ぶのは間違っていると思います.
        べつにトランジスタが自動的に増えるわけじゃないので.
        動的再構成はFPGAの仲間ですよ.
        親コメント
        • Re:not 自己増殖 (スコア:2, 参考になる)

          by cudjo (2713) on 2003年12月10日 14時59分 (#451953)
          NTTのニュースリリース [ntt.co.jp]によると
           「やわらかいハードウェア」としては、すでにFPGA (Field Programmable Gate Array *1) をはじめ、予め用意された数種の機能を実行時に切り替えられるLSI等も開発されていますが、これまでのところ、回路構成情報をLSI内部で操作する、真に「自ら再構成可能な」LSIは存在しませんでした。
          (中略)
           現在、「PCA-1」を多数並べた実験環境によってアーキテクチャの評価実験を進めており、例えば回路自身が動作中に自らの構成情報を転送してクローンを生み出す(自己増殖する)といった特徴的な機能が問題なく動作することを確認しています。
          となっています。
          親コメント
          • Re:not 自己増殖 (スコア:2, 参考になる)

            by hi-kin (11760) on 2003年12月10日 15時41分 (#451976)
            えっと,PCAは,LUT(Look Up Table:SRAMやマルチプレクサを使った真理値表)を使用して回路を構成しています.このLUTの数は製造時に決まっています.
            PCAでやっている自己増殖は,
              「あるLUTの内容を他の(空いている)LUTにコピーして,元のLUTで実現していた回路増やす」
            ということであって,
              「新しくLUTを製造して,元のLUTで実現していた回路を増やす」
            わけではありませんよね.
            元ACの人の自己増殖というのは後者の事を表していると思ったので,「動的再構成を自己増殖と呼ぶのは間違っていると思います」と書いたんです.
            親コメント
  • by nobee (11587) on 2003年12月10日 3時52分 (#451595) ホームページ 日記
    自己組織化には良い思い出がないかもしれないです(笑)。

    できあがる回路の複雑さと比べて、使う分子の種類はどれくらいになるのかな? 種類が少ないとそんなに複雑なものは出来ないような気がしてならないのだけど。
    あと、所望の回路ができあがるかどうかは、あくまでも統計的にということになったりしないのだろうか?

    どうも否定的になってしまう。イカンイカン (-_-;
    --
      / 信号処理技術の解説ページ
    ☆ 「蜂波の窓」 [so-net.ne.jp] 作成中
    • by flutist (16098) on 2003年12月10日 9時03分 (#451671)
      > 所望の回路ができあがるかどうかは、あくまでも統計的

      「歩留まり」という言葉があるくらいなので、現在普通に作られてるものも、出来具合は統計的じゃないかと。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        自己組織化自体が統計的に表されるので、品質管理の統計とはちょっと意味が違うんじゃないかな。たぶんだけど。
  • by take0m (4948) on 2003年12月10日 10時18分 (#451747) 日記
    極度に高度機能化した材料やコンポーネントは、自己修復機能を有する有機物へと向かうのだろうか。
    • by Anonymous Coward
      > 自己修復機能を有する有機物へと向かうのだろうか。

      とりあえずミカンとは歩み寄りがあったようですが。
  • by Anonymous Coward on 2003年12月10日 3時17分 (#451586)
    Appleの選択(IBMのプロセッサを採用したこと)が吉と出ますかどうか。
    • by Anonymous Coward
      ま、吉でしょうけど
      実際は導入が遅れると思うので小吉ですね。
      Appleは大口ですけど、知らないだけでPPCは組み込み系で大量に使われてます。

      微細化は別に高クロック化する必要もない。
      1枚のウェハーに大量に作れればコストも下がりますから。

      #こういう分野って日本が作らないと未来がないと思うのだが
      • by Jadawin (2174) on 2003年12月10日 13時27分 (#451887) 日記
        >#こういう分野って日本が作らないと未来がないと思うのだが

        ごく最近、NECがゲート幅5ナノの回路を作ったとか新聞に載ってましたよ。
        実用までに20年とかで、相当先の話になりそうですが。

        #Intelの言う所の理論限界。電気が洩れて誤作動とか、大量発熱とかないんだろうか。
        親コメント
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