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日本の有人宇宙飛行計画が復活 70

ストーリー by Oliver
ライバルがいると技術は進歩する 部門より

simon曰く、"政府の総合科学技術会議は、一昨年(2002年)の六月に打ち出した 「今後10年は有人宇宙活動計画なし」とする方針を見直し、凍結していた日本独自の有人宇宙飛行についても、早期実現を視野に含めた再検討をする模様だ。(ソース:読売新聞)
中国の有人飛行の成功やアメリカの月面再探査計画の発表などの影響を受けてのことだそうだが、とにかく宇宙に通じる道が見えてきたのは素直に喜びたい。ところで、有人でやるとすると、HOPE-Xに手をいれて有人化するのか、あるいは手っ取り早く「ふじ」を建造しちゃうのか?・・・とにかくJAXAの中の人には頑張っていただきたいところです。"

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  • 復活? (スコア:3, 参考になる)

    by tada (5086) on 2004年02月01日 8時48分 (#485595)
    あちこちで「目指す」「復活」とか騒がれていますが、
    総合科学技術会議(第34回)議事次第 [cao.go.jp]を見るに、
    「現状を踏まえてこれから検討し直して、今年の夏頃までにまとめる」と決めただけで、
    特に日本で有人飛行を目指すという結論が出たとは読めません。
    読売の見出しは少し煽りが入っていると思います。
    時事通信の報道 [jiji.com]の方が妥当では。
    • by nq (16642) on 2004年02月01日 16時58分 (#485734) 日記
      yosuke氏が分析 [srad.jp]していますが、まあ有人も視野にいれている、と。

      だけど、資料 [cao.go.jp]を読む限り一番大きく取り上げられているのは、宇宙の産業化(宇宙産業を儲かるものにする)という方針ではないかと思います。

      総理と総合科学技術会議の基本方針("科学技術"="産業技術")に沿って、文部科学省の宇宙開発委員会から総合科学技術会議宇宙開発利用専門調査会が宇宙開発に関しても主導権を奪取したことが、公に明確になったことが重要だと思います。
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    • Re:復活? (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2004年02月01日 12時12分 (#485648)

      ちょっと脱線(オフトピ)気味です。すみません。

      読売の見出しは少し煽りが入っていると思います。

      記者個人かデスクの願望が入っているのかなあ、という気もしますが、ネタもとの官僚から「うちらとしてはこんなつもりだ」と聞いたのかもしれませんね。読売の記事では、

      新方針を今年夏にも策定することを決める運びだ

      となっていて、記事が書かれた時点ではまだ「新方針を夏に策定する」ことが決まっていないことがわかります。それでも比較的慎重な新聞がこう書いてしまえるということは、それなりに信頼に足る(と少なくとも記者は思った)人物がそう言ったんでしょう。でも、政府の審議会の類で行われる「議論」がいかに形骸化しているか、という見方もできるでしょうね。

      まあ、第17回宇宙開発利用専門調査会 [cao.go.jp]あたりで大方の議論が終わっていることなのでしょうから(これだってちゃんと議論できたかどうかわからない、という見方もできますが)、そこまで目くじら立てずともいいかもしれません。

      あと、官僚は賛否が大きく分かれそうな政策を打ち出すとき、あえて最初に新聞記事にさせて、各界の様子を見るということをやりますから、これもその類なのかもしれません。
      # 新聞の政治面なんかを読んでいると、たまに「おおっ!」という政策が策定
      # されるかも、という記事が出て、その後まったく具体化しない、というやつが
      # ありますよね。

      こういうことが行われているというのは別に私の妄想じゃなくて、実際に新聞記者もそういうことがあると書いています。この本 [kinokuniya.co.jp]なんかを参照してみてください。
      # ただしこの本、ある程度新聞やマスコミの報道のあり方に関心がある人には
      # 知ってることばかりだと思いますので、そういう人は読まんでもいいでしょう。

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      • by tada (5086) on 2004年02月01日 15時31分 (#485714)
        あ、読売のも記事本体は割とまともだと思いました。
        しかし、出てくる資料からは「有人宇宙飛行」という流れは全く読みとれなかったので、
        普段見出ししか見ない/.Jer(含む私)の議論のためにと注意してみました。

        やはり水面下でそういう流れもあるという事なのでしょうか。
        「有人宇宙飛行」は括弧付きで、誰かが口にしたような感じですし。
        本、参考にさせていただきます。
        親コメント
  •  この辺り [nal.go.jp]読むと面白いですよ。
     要約すると、HOPE-Xは翼を持っているがゆえに打ち上げ時の翼面フラッタの問題に直面した訳です。これが大体1997年頃。これを解決しようと打ち上げ中に能動翼面を制御するなんて案が飛び出すものの、それをやるとロケットが壊れることが判明。翼面を弄れど、軽くはなっても問題解決には結びつかず……という塩梅。
     少なくとも、有翼機はロケットの先端に付けちゃマズイみたいです。
     もしとことん有翼機がやりたいのであれば、H-IIAじゃない打ち上げ機と、HOPEじゃない有翼機が必要になりますね。

     ちなみに、HOPEは公式には有人化を一回も謳っていないことに注意しましょう。調べてみると、昔はお客身分のシャトルミッションですら役人から煙たがられていたり、ミニシャトル機”ヤマト”は絶対実現不可能なスーパースペックだったり、N-Iの技術導入の頃に、アメリカからシャトルの共同開発の打診があったものの、、N-Iの技術導入直後だったもんで断っている事などが判明。
     特に、80年代までの独自有人計画のモラトリアムは、ロケットの打ち上げ能力が足りないという物理的問題と、単純な社会党対策だったらしくてガッカリです。
  • by KENN (3839) on 2004年02月01日 8時32分 (#485593) 日記

    日本の有人宇宙計画は米のシャトルシステムに強く依存してたので、そのフェードアウトが具体化した今、計画の見直しが必要になってくるのは当然なんですが、昨年9月にも

    また、HTVの開発・運用を通じて、将来の軌道間輸送や有人宇宙活動のための基盤となる技術を蓄積する。
    なんて一文を含む宇宙開発に関する長期的な計画 [mext.go.jp]を出したばかりなんで、朝令暮改の感は否めません。

    まぁ、現実と乖離した計画を後生大事に延々と続けられても困るんですが…

  • by soryu (13825) on 2004年02月01日 8時57分 (#485596)
    「日本の技術ならやる気になれば一年で有人飛行はできる」
    って言っていた方もいる事ですし.

    一年という期間はともかく,やる気になった(のかな?)のは素敵な事です.
    まあ前途多難な事は想像に易いですけどね.

    金かけて危険冒して人が宇宙いって何するんだって言う意見は当然ありますけど,
    夢をおって科学技術を進歩させるのは重要だとおもうんです.
    • Re:中国の時に (スコア:2, すばらしい洞察)

      by uzume (19228) on 2004年02月01日 13時39分 (#485680)
      >「日本の技術ならやる気になれば一年で有人飛行はできる」
      >って言っていた方もいる事ですし.

      基礎技術のみならず品質・工程管理が一定の水準以上にある事を証明する手段として、
      安全保障の面から有人宇宙飛行ができるのは重要だと思うんですが。
      自転車→自動車→航空機・大型船舶→ロケットの順に必要となる部品数が
      増加し、部品一個一個の信頼性をいかに確保するかによって
      全体の信頼性が大きく左右されるという話を聞いたことがあります。

      さて、たった一年で、有人宇宙飛行に必要な機材の信頼性を確保する実力が
      現在の日本に残っているのでしょうか。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年02月01日 18時59分 (#485759)
        >部品一個一個の信頼性をいかに確保するかによって
        >全体の信頼性が大きく左右されるという話を聞いたことがあります。

        部品数だけではなく、ロケットの場合、多くの部品を実際にテストすることができないという問題が大きいです。しかも、そういう部品に限って職人さんの手作りの工程があるものが多いので、信頼性が職人の腕に依存するし。大型船舶も船体については同じ問題を持つけど、こっちは安全率を大きくとることで対応できるので大丈夫。でも、ロケットはそうすると飛ばなくなってしまう。
        #蛇足だが、職人の腕が重要なのは外国でも同じだよ。

        日本の職人さんの腕の低下は多くの企業で問題になっていて対策が取られているけど、どれだけ成功しているのかな? 職人さんの腕は技術力を支える柱の一つなので、弱くなくと日本の技術力も低下してしまうので心配です。
        親コメント
        • by uzume (19228) on 2004年02月01日 21時05分 (#485790)
          大型船舶の製造が一時韓国に集中した時期がありましたが、
          10年もしないうちにまた日本国内に戻ってきました。
          この原因は韓国で製造した船体が10年持たないのに対して、
          日本で作った船体が20年以上持つ事だったのですが、
          現在はどうだか分りません。

          職人の腕が鈍った原因として、
          教育や組織上で技術者が軽視される風潮が挙げられますが、
          私は加えて「標準化(マニュアル化)」も影響しているとと考えています。
          製造や整備の現場では、マニュアル化を進めることによって、
          原理や仕組みを理解せずとも一定の作業が可能であるような仕組みが多く見られます。
          そして、標準化できない(というより標準化することが難しい)技術、
          感性や感覚、はそこから抜け落ちています。

          論文や特許になるものだけが技術では無いと思いますが、
          数値化や文書化によって形あるものにできない技術を評価する事が難しいのも
          また現実ではないでしょうか。

          諸外国ではどうしてるんでしょうね。

          親コメント
      • Re:中国の時に (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2004年02月01日 15時43分 (#485718)
        残っているのでしょうか。
        残っている、という事は、以前にはあったということでしょうか :-)
        #いらんチャチャなのでAC
        親コメント
      • Re:中国の時に (スコア:0, 参考になる)

        by Anonymous Coward
        技術力以上に、組織を運営する能力が求められると思います。たとえば、安全性を保つのに個人の能力に頼らずに、二十三重に安全性を検証するシステムを組織に組み込む、とか。それには、合理的な議論のできる環境が必要だけど、日本人が一番苦手なことなんじゃないでしょうか。
    • 中国の成功を見た防衛族議員あたりが騒いだとか?(あくまで憶測)
      --
      And now for something completely different...
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      J民党上層部から
      「中国に出来てなぜわが国で出来ないのだ?」
      って圧力がかかったとか(笑
      米露欧には負けても良いけど
      中国に負けるのはマズいと思っている人は大勢居そうです

      安全保障上、有人宇宙飛行を実現しなくてはならない理由はあんまり無いですよね?
      中国を攻撃するミサイルなら
      • by Anonymous Coward
        中国へのODAを十二分に縮小してから
        張り合ってほしいなぁ。

        #個人的には気象衛星を上げてほしい
    • by Anonymous Coward
      >「日本の技術ならやる気になれば一年で有人飛行はできる」
      >って言っていた方もいる事ですし.

      とりあえず来年出来るロケットに彼を乗っけて打ち上げちゃえば
      すこしは静かになるだろう。
      • by Anonymous Coward on 2004年02月01日 20時50分 (#485788)
        >>「日本の技術ならやる気になれば一年で有人飛行はできる」
        >>って言っていた方もいる事ですし.
        >
        >とりあえず来年出来るロケットに彼を乗っけて打ち上げちゃえば
        >すこしは静かになるだろう。

        ごめん、少しだけうけた。
        これだけではなんなので、多少コメントを。

        別にお役所の文系諸君に限ったことではないけれど、日本の科学技術の
        どこが強くてどこが弱いのかがきちんと認識している人が少ない
        ような気もします。

        「科学」とか「技術」とかで日本を一番にしようという向上心は
        すごく大切ですが、今後の発展と無縁の方法では困ります。
        どこにお金をかけて、どこに時間をかけて、どこまでにどんな成果が
        出ると嬉しいか、百年経ってもトップを走るために、みんなで
        考えられると良いですね。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2004年02月01日 23時51分 (#485881)
          >どこにお金をかけて、どこに時間をかけて、どこまでにどんな成果が
          >出ると嬉しいか、百年経ってもトップを走るために、みんなで
          >考えられると良いですね

          実際、どこに金と手間をかけるべきなんでしょうね。
          ナノテクや遺伝子関係の予算は、企業で言えば設備投資にあたる予算で、すでにR&Dのための予算ではないよね。私は環境、航空宇宙、資源(エネルギーを含む)、海洋あたりのキーワードを思い浮かべます。だけど、それらの中の細目のどこにと考えると、それぞれが独立しているわけでもないので難しいですね。
          親コメント
      • by Anonymous Coward
        目障りにならない所までは飛んでいってくれないだろうな...
        # オネアミスだったかな?
  • >中国の有人飛行の成功やアメリカの月面再探査計画の発表などの影響を受けてのことだそうだが
    ロシアもがんがれ\(TWT)/
  • > あるいは手っ取り早く「ふじ」を建造しちゃうのか?
    「ふじ」ってこっち [jarl.or.jp]じゃないのか(笑)。

    JAXAのあれはプロジェクト名が「ふじ」なのかな?
  • by Anonymous Coward on 2004年02月01日 20時46分 (#485785)
    んなことよりもNASAの月基地とか火星有人に協力したほうがよくない?
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