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8521 story

SRB-Aの燃焼試験で事故原因をほぼ特定 119

ストーリー by Oliver
確実に確認 部門より

naocha&parsley曰く、"宇宙航空研究開発機構JAXAプレスリリースによると、昨年11月29日に打上げに失敗したH-IIAロケット6号機と同一形態のコニカル型ノズルによるSRB-Aの燃焼試験を行ないました。4月の報道で、当初、宇宙委調査部会は、実機での実験は必要ないとされていましたが、井口雅一宇宙開発委員長の要請に応じたものです。燃焼試験の結果、燃焼開始後、約51秒頃からモータノズル部付近から燃焼ガスが漏洩、6号機で損傷したとみられる噴射口と、ほぼ同じ場所が損傷して穴が開き、外側に炎が噴き出したことが分かりました。今後、詳細に調査するとの事。あとは確実な対策ですね。"

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  • 失敗 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by yanagi (6075) on 2004年07月08日 1時11分 (#584954) ホームページ 日記
    失敗~原因特定
    のサイクルで早く“現実的な用法”が出てくるといいなぁ。
    失敗を実機でしか出せない予算が恨めしいけど……
    --
    やなぎ
    字面じゃなく論旨を読もう。モデレートはそれからだ
    • 10秒の差 (スコア:3, 参考になる)

      by SS1 (6823) on 2004年07月08日 1時47分 (#584974) ホームページ 日記
      JAXAプレスリリース [www.jaxa.jp]によると,点火後,約51秒頃に破孔したようですが,事故時は打ち上げ後62.2秒で温度異常を検出しているんで,この10秒の差は,前回より酷い結果といえそうです。(SRB-Aの点火は,リフトオフと同時)

      あと,事故原因をほぼ特定というよりも長崎新聞 [kyodo.co.jp]に書かれているんですが,改めて(検出できなかった)欠陥が疑われることになるかもしれません。

      ともあれ,やって良かった実験ですよね。あんだけ欲しかった実機の再現結果ができたわけですし。すでに,少ない情報から事故原因を断定したjaxaや宇宙委員会には酷ですが,気持ちをリセットして,あらためて原因追及をしてもらいたいものです。実機から訴えかけられるものは,やはり推定とは違う気がします。

      しかし・・・ この結果からいえるのは,SRBも型式認証試験だけでなくて,打ち上げ毎に同形予備エンジンを一機,用意して受け入れ試験をしなきゃってことになると思うんだけど・・・
      --
      斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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    • by poundcake (11852) on 2004年07月08日 1時45分 (#584972) 日記
      よく知らないで言いますけど、実機大での試験は不要だという調査部会の結論って、予算が少ないということで*のみ*正当化されるんでしょうか?
      思いつく実験はしたほうがいいんですから、いっそ最初から人が乗るようにすれば(怖
      人が乗るのに実車実験をしてなくて責められてる会社 [asahi.com]
      親コメント
      • ストーリーでリンクしてる共同伝 [yahoo.co.jp]は,実験前にかかれたものなんですね。 で,今回のは,その特別会合の結論を受けて行われた実験ということ。

        その同会合の井口委員長は特別会合 [mext.go.jp]の5回と6回で,議事録に残る形で「地上試験の充実」を要請しています。

        【井口委員長】 第4章は焦点がはっきりしない。焦点として2つ挙げたい。一つはシステム信頼性管理技術の重要性。信頼性は事後にしか分からないものだが、それを如何に最初にどうやって明らかにしていくかという手法、技法が重要。通常の品質管理と同じところもあるが一段上を行く必要もある。もう一つは、実証試験の重要性に対する認識が低い。一部に、何が分からないかも分からないまま打ち上げて、失敗して初めてわかるということがある。それがわかるとしたら地上での試験である。それを基本的な常識として欲しい。宇宙のことを地上で試験するというのは非常に困難。何とかできているのは熱と真空のみである。困難だからといってやらなくていいという方向に行ってはならず、何とか工夫して、試験設備を充実していくなどのことが必要と考えている。

        【桑原座長】 よく検討したい。時間も限られた中で書いており少し冗長なところもあった。ただ、今の話から思ったのは、通常の宇宙開発委員会の活動としてやっていることを敢えて挙げてくれということか。

        【井口委員長】 意識改革というか常識にして欲しい点のことである。

        【山之内理事長】 井口委員長の意見に異論はないが、現実としてお金と時間の制約がどうしてもある。現実に何ができたか、と考えてみると制約があって動けなかったところがある。趣旨は良く分かるが、現場の悲鳴としてお伝えしたい。
        -- 特別会合,第6回議事録より


        こうなると,JAXA山之内理事長の立場は,ジーコ監督がアジア杯で一次予選敗退したようなもんです。とても,きびしいことになりそうです。
        --
        斜点是不是先進的先端的鉄道部長的…有信心
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        • >こうなると,JAXA山之内理事長の立場は,ジーコ監督がアジア杯で一次予選敗退したようなもんです。とても,きびしいことになりそうです。

          6月9日出されている役員の処置について [www.jaxa.jp]では軽い気もしますね。逆に地上試験があるから、処置を先に済ませてしまってこれ以上いろいろ言われない立場へ逃げたとも。内規による厳重注意で、給与の自主返納が処分と言えるのでしょうか?
          --
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        • by Anonymous Coward on 2004年07月08日 8時50分 (#585081)
          議事録には井口委員長の「ノズル内の浸食をゼロにしなくてはならない」発言は記録されてないんですね。
          http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/312344
          僕は、バグをゼロにしなくてはならない、なんて言われたら逃げます。
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          • by ytateyama (9050) on 2004年07月08日 10時22分 (#585151)

            >議事録には井口委員長の「ノズル内の浸食をゼロにしなくてはならない」発言は記録されてないんですね。

            それくらいの気概で開発に臨む体制を作れという事ではないでしょうか。 今回わかったのは、簡単に再現できちゃうほどひどい間違いをみすみす見逃すことになったプロジェクトのマネジメントに問題ありということなのではないでしょうか。 予算が少ないのであれば、予算計上に「失敗」している事実をしかるべき人に認識してもらう必要があるでしょう。

            > 僕は、バグをゼロにしなくてはならない、なんて言われたら逃げます。

            バグをゼロにするために必要な人と金と時間を上司に理解してもらいましょうよ。あるいは、個々の問題に人、金、時間を投入するより、研究開発に金と時間を出したほうが、もしかしたら結果的に利益率が高いかもしれないし。べつに自分らがやる必要はなくて、金と時間さえあれば、よろこんで研究するような輩がそのあたりにうようよしていますよ (^_^)。その際に「も」リスクを考えていただねばなりませんが。

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      • by kz78 (20202) on 2004年07月08日 3時59分 (#585031)
        思いつく試験を全部やっていたら、予算がいくらあっても足りませんよ。失敗によって失われるのも税金ですが、試験で消費するのも税金ですから。試験をしなかったことによって起こりうる不利益と、試験をしたことで得られるデータを天秤にかけて、見極めないといけません。(今回の場合はその見極めが甘かったのではないかということ)
        事前に全ての不具合を出し切れるわけもないし、無人なのだから、ある程度は実際に運用しながら不具合を洗い出すのは当たり前なのです。
        親コメント
    • by jizou (5538) on 2004年07月08日 3時26分 (#585025) 日記
      今回の実機での確認はかなり有効なのではないでしょうか?

      急がば回れ.. といいますが、焦らずに確実に原因を究明して欲しいと思いました。
      人間の想像力には限界がありますから、必ず実機で確認しておかないとだめですよね。
      今回実験に使ったエンジンを使っていたら、どうせ失敗していたでしょうし..
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  • あとはこっちのもの? (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2004年07月08日 1時22分 (#584960)
    こういうのってソフトウェア開発と同じで再現するまでが
    大変なんでしょうね。
  • 気が早い話ですが。

    • SRB-A改?
    • SRB-A2?
    • SRB-B?

      #改良されて復活の願いを込めて
  • ロシアでの (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2004年07月08日 1時35分 (#584969)
    ロケット生産の品質管理は100個同じ部品を作って、その中から一番良い物を使用するそうです。 日本も導入すれば、ロケット打ち上げもうまく行くんじゃないかと思う今日この頃。
    • Re:ロシアでの (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2004年07月08日 9時58分 (#585131)
      >日本も導入すれば、ロケット打ち上げもうまく行くんじゃないかと思う今日この頃。

      国内のメーカに作らせたら高くつくから、ロシアが作った100個の部品のうち、
      2番目に良い物を買い取った方が良さそうな…。ちと情けないが。
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      • Re:ロシアでの (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2004年07月08日 11時28分 (#585211)
        >2番目に良い物を買い取った方が良さそうな…。ちと情けないが。
        で、同じ物を日本の町工場で図面渡して作らせたら、
        同じ値段で数段精度の高い物ができましたとさ…
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    • by Anonymous Coward on 2004年07月08日 15時18分 (#585392)
      ロシアのロケットの設計思想は日本と全く違うしぃ。 日本の場合、それぞれの部品の工程チェックがきびしい。 人的コストの高い日本では、最終製品の歩留まりを上げる 事でコスト削減。あちらはそこまでの管理を必要としない ほどの人件費。 さらに...実際、工業製品としての管理は日本のほうが上 だけど、汎用的な製品の上でのロケットという意味では おろしあの方が進んでいるんだと。 日本は特注品の上に、繊細で高価なものが多すぎ。 正直、今できるレベルでという妥協も必要だすなぁ・・・
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2004年07月08日 2時24分 (#584990)
    同じ条件でテストしてきっちり再現するって、
    打ち上げ前のテストってどういうことをチェックしてるんだろう。
    • by NOBAX (21937) on 2004年07月08日 7時36分 (#585057)
      想定される事故の可能性に関して全てテストをしていたら
      天文学的な費用がかかりますね。
      発注側がそんなことを認めるわけもないし、
      不要なテストを合理的な理由でやらずに済ますかが
      開発プロジェクトとりまとめ者の腕ですね。
      親コメント
      • by BIWYFI (11941) on 2004年07月08日 14時08分 (#585349) 日記
        >想定される事故の可能性に関して全てテストをしていたら
        >天文学的な費用がかかりますね。

         これって、量産品的な考えじゃないです?
         一発勝負のロケットだと、「事故が想定される」時点で、何らかの修正が必須になると思うのですが。

        >不要なテストを合理的な理由でやらずに済ますかが
        >開発プロジェクトとりまとめ者の腕ですね。

         これも、量産品や商用ソフト的な考えかと。
         ロケットの場合は、「事故の可能性が想定可能か」が重要ではないかと。
         今回の場合、あっさり再現してしまった訳で、「誰も事故の可能性を想定しなかった」(恐らくは、誰かは指摘しただろうけど黙殺された)のは、大問題。
         「一見、問題発生確率が低そうだが、実は非常に高い」問題点を如何に効率よく見つけ出す体制を作るかが、取り纏め者の腕かと。
         
        --
        -- Buy It When You Found It --
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      • by G7 (3009) on 2004年07月08日 8時38分 (#585078)
        >天文学的な費用がかかりますね。
        >発注側がそんなことを認めるわけもないし、
        >不要なテストを合理的な理由でやらずに済ますかが

        余談ですが、それと同じ発想は、少なくともソフトに適用したら不味いですよね。

        ソフトのテストなんて、ハード(ロケット含む)に比べれば
        色々な意味で遥かにローコストに行なえるんだから。
        しかも、非破壊テストと破壊テストの良い処取りが出来るわけだし。
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      • by Anonymous Coward on 2004年07月08日 9時07分 (#585092)
        ロケットエンジンが、せめて打ち上げの時間は持つか
        どうかというのは、最低限やるべきチェックではないかと
        思うのだけど、それは素人考えなもんですかね。

        なんか日本製の宇宙開発の機器のトラブルが多い理由が、
        わかるような気がする。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2004年07月08日 9時14分 (#585099)
          今回はこの1セットしかないのでテストできません。
          テストする為にはもう1個作ってもらう必要があります。
          もう1個作るにはこれだけ予算が掛かります。

          ……そんなわけで、この稟議を通してください。
          通らなければテスト無しで本番いきます。
          親コメント
          • Re:しないですね (スコア:1, おもしろおかしい)

            by Anonymous Coward on 2004年07月08日 10時20分 (#585150)
            本番はいいから、テストだけやっといて。
            親コメント
            • Re:しないですね (スコア:1, すばらしい洞察)

              by Anonymous Coward on 2004年07月08日 10時52分 (#585176)
              >本番はいいから、テストだけやっといて。

              一回分しか予算がないなら、これが正解だろう。
              データだけ取っておいて、また予算が取れたときに本番やればいい。
              予算が取れなくてもデータという成果は残る。

              ぶっつけ本番で運良く成功したところで、それが確実な成果かたまたまうまくいっただけなのか、判断できないじゃないか。
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          • by Anonymous Coward on 2004年07月08日 12時07分 (#585236)
            やりたいことを本当にやりたいなら、それに見合う
            予算獲得の手練手管も身に着けなきゃなぁ。
            たとえば予算が最初に取れない場合、取れるだけではじめて
            あとから「テストだけでなくなっちゃった、やっぱり足らない」
            「ここでやめると、今までの金が無駄になる」とかごねて、
            最終的には必要なだけそろえる、というのは割と多くある手だろう。
            よく表面化したときにたたかれる「当初の見積もりを大幅にオーバーし・・・」
            というやつだ。あまりほめられた方法ではないが、
            少しはそういうしたたかさを持つべきだな。
            親コメント
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にわかな奴ほど語りたがる -- あるハッカー

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